2025年9月25日木曜日

北郷の家 2025.09.25

 

すっかり秋っぽくなりました。本日の「北郷の家」の様子です。

工程的には内装の直前。仕上げの大工仕事が見頃です。担当するのはもちろん宇野棟梁。階段廻りは特に見せ場となります。

以前の階段が急過ぎたので、段数を増やして緩勾配とし、階段の断面がギザギザに見えるようにデザインし直しました。

こんな風に断板は24mm、け込み板は15mmの白樺合板を君合わせて宇野棟梁に作っていただきました。

単に断面を見せるだけではなく床に貼ったフローリングを階段の腰壁部分に張り上げ、断板との間に5.5mmの目透かし貼りとしました。

きらりと光る宇野棟梁の技。床のフローリングの割り付けとピッタリ腰壁に貼るフローリングの割り付けを合わせることで、水平の床が垂直に折れて腰壁に連続するように納めてくれました。
家の真ん中にある階段は採光が取りにくく、ともすれば暗い印象になりがちですがこんな風に階段の片側手すりを壁にするのではなく、光を通しやすい鉄骨の手摺を後付けする方法にすればかなり明るさや圧迫感は減る設計になります。

その反面、もちろん手間は何倍も掛かるし、難しいし階段の施工に関してはいつも宇野さんにお世話になっています。特にリフォームの場合は元床の精度がやはり現代に比べるとよくはありませんから、どうやってその狂いを全体に散らして自然な昇降感を得るかは正直、棟梁のセンスが試されます。端的に言えば・・1階の床と2階の床が平行ではない建物にどうやって平行に作った階段を掛けるのか?

図面なら意識せずに完全な水平や垂直の線が自由に描けますが・・こと現場となるとそんな幸せな場面はめったにありません。新築(機械加工のプレカット)と既存(手加工)は前者の狂いが少なく、後者は大きいというだけの話し。当然後者を自然に見せるためには、大きな狂いをいかに自然に見える小さな狂いに分散させるかが腕の見せ所となります。

キッチンのカップボードが取り付きました。

作り付けのTV台もきれいに太鼓面が取られた白樺の積層合板で納めて行きます。いよいよ来週からは建具屋さんの採寸。その後はクロス屋さんが仕事を始めます。一気に工事中の現場が家になる瞬間が楽しみです。

今日はオールスターでKARAのステップなんていかが