自己紹介

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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2012年10月30日火曜日

前田の家 板金工事

前田の家は現在、屋根板金工事の最中です。ここ最近、連日の雨で工事が伸び伸びになっていたせいで板金屋さんの登場が待ち遠しかった「前田の家」ですがこれで安心。心置きなく内装と外装に取り掛かれます。

屋根は板金ですが北海道で開発された無落雪タイプのものを用います。屋根の長さは全長約14mですから屋根の一枚一枚も同じ長さの加工品を用います。


窓上の小屋根の役物や納め方を確認します。今回は最近の建築家がよくやるような薄く小さく軽くではなくて、ある程度のボリュウムをもったベーシックなスタイルの納まりで全体を考えています。クライアントの要望が「流行の」とか「最新の」ではなくみんなで長く住める家ということでしたので各部の見栄えもそこを大切にデザインしようと考えています。


外壁はもう仕上げの板が貼られるばかりになっています。快晴で風が穏やかな日の気密測定に向けて準備万端です。写真は通気層内部から室内側に漏気、漏水を防ぐためのテーピング。寿命の長いブチルテープを用いています。

こちらは小口径の100Φ。おなじようにテープ止めします。


今日はヴァンヘイレンなんていかがでしょう?

2012年10月27日土曜日

西野の家Ⅱ 基礎工事

ベース(底板)と布(立ち上がり部分)の配筋が終了し、保険法人の第三者検査に合格した「西野の家Ⅱ」。もうみなさんお馴染みですがさらにその後に私がチェックに入ります。別に嫌味なわけでもなんでもなく、監理業務というものは複数の目で見て何回も確認することが大切だからです。特にコンクリートは施工すると後から鉄筋を見ることが出来ません。そこで複数の場所を抜き出してチェックしてゆきます。

まずはトップ筋の本数と径、以前もご紹介したようにここ最近は、標準仕様の基礎でも長期優良住宅仕様の鉄筋量を増やした配筋で設計しています。写真はトップ筋が二本ある様子また径が13mmであることを確認したものです。

次は床下の人通口の斜め補強筋の確認です。写真の真ん中より上、斜めの鉄筋が見えますか?次は重ね継ぎ手の長さの確認です。写真中央に鉄筋の継ぎ手が来ています。トップ筋は13mmでしたから40倍以上の重なり部分が必要です。13×40≒52cm以上です。私の布基礎の縦筋と横筋の間隔は20cmのマス目ですので、もう一度写真を見て3マス目以上あるのでOK!といった具合です。

土の上に直接鉄筋を置くと、土の水分で鉄筋はすぐに錆びてしまいますよね?そこで6cm角のコンクリートのピースの上に鉄筋を組んで底にもコンクリートが回るようにします。この6cmをかぶり厚さといって基礎の各部で最低必用な寸法が決められています。そこで私たちは監理の際にそうした寸法を逐一測ってゆくのです。ところで鉄筋が錆びている!と気になった人はいませんか?この錆び、ピカピカになるまで磨いたほうが良いでしょうか?皆さんはどう思いますか?これは建築士の試験問題にもあるんです(笑)。正解は錆びは絶対落としてはいけないです。理由はコンクリートの付着強度が下がるから、もうひとつはコンクリートは強アルカリ性で錆びの進行を長期的に抑制できるからです。もちろんコンクリートも長期的には老化します。専門的には中性化といってアルカリ性の性質が少しづつ失われ、鉄筋の錆びの進行を抑制できなくなってゆきます。しかしそのスパンは平均的な使用期間を十分上回る長さなのであまり心配する必要はありません。

コーナー部分の斜め補強筋を確認します。

拡大した人通口周囲の斜め補強筋です。
出隈部分の重なりと、ピースの数、ねじれの無さを確認します。

現場から出土した強大な石。長さ1.5m、縦横0.7m重たくてとても場外に運び出せないのでコンクリート土間を支える下地として再利用します。これならば床が下がることはまずないでしょう。(笑)

さて3現場が揃ったところで今日はジャーニーでもいかが?

2012年10月26日金曜日

札幌デザインウイーク2012

みなさん札幌デザインウイークには行きました?毎年市内の会場を使って行われるデザインイベント。今日は若手建築家の集まりUN40(アンダーフォーティー)の展示を見てきました。


ブースに立ち寄ると紙で簡単な家の模型が作れます。全長20mの模型の街路に出来たお家をどんどん置いてゆき、イベントの開催中に街並みを完成させようという試み。見知らぬ市民同士が共有する「つくる喜び」そんな感じで私も3軒ばかり作ってきました。ぜひみなさんも街にお出かけの際は大通り地下歩行空間に寄り道してみてはいかがでしょう?きっと楽しめますよ~(笑)

札幌デザインウイークについて詳しくはHPまで http://www.sapporodesignweek.com/2012/

2012年10月24日水曜日

発寒の家 歓迎!建築指導課さま


本日は全道各地から集まった建築指導課の新卒、フレッシュマンの皆さんを「発寒の家」にお迎えすることができました。

今後、北海道の各地で建築確認申請をはじめ建築行政の最前線で活躍する方々です。

現場では、断熱はまず省エネやCO2削減のためではなく、室内の温度差をなくしヒートショックによる死亡事故をなくすことを目的に行うことや。北海道の40年以上に渡る蓄積は今後、日本中で必要とされる技術であること、3.11の貴重な教訓は災害時いかにエネルギーに頼らないで安全を確保するかの知恵を私たちに求めていること、正しく断熱を行えば暖房なしで生存可能な室温が容易に得られること等を説明させていただきました。みなさんから積極的な質問もいただきとても有意義な時間をすごすことが出来ました。この場を借りて御礼申し上げます。地元では市民のために日々奮闘され、実りある建築行政の一助となられますよう心よりお祈り申し上げます。

今日はジョーサンプルのピアノなんていかがでしょう?秋に合いますね~(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=3GsyfQiL4KI&feature=BFa&list=PL7D418E0ED10156DE&index=7

発寒の家 屋根防水工事

本日は待ちに待った屋根屋さんの登場です。「発寒の家」は周辺に家が建て込み落雪型の屋根を作ることが難しい状況です。もちろん敷地が広くある程度の落雪が可能であったとしても最近は屋根の雪は極力落とさない方向で考えることにしています。それは雪を落とすことにむしろデメリットのほうが多いと考えるようになったからです。陸屋根と呼ばれる四角い屋根は半年間雪を屋根に載せておく北国独特の屋根の形式です。しかし実態は排水溝を屋根の中心に作って、これまた建物の中に配水管を通して屋根の雪を少しづつ溶かしながら融雪水を流しています。当然ながら管の中は凍らないように電熱ヒーターを通し、水は垂れ流しにならないように、下水か雨水管に接続せねばなりません。要は従来のスノーレーンと言われる陸屋根は、排水設備と凍結防止設備の両方が必要なばかりか、雨水管や下水管といった都市のインフラが敷地の前面に用意されていてはじめて機能する屋根なのです。

でもみなさん!雪は落ちないけど溶けた水だけ敷地の中に落ちて知らないうちに地面に浸み込んで消えてくれたらいいと思いませんか?(笑)

そんなニーズに答えるのがシート防水を用いた0勾配のテーブル屋根です。この屋根は先輩建築家の小室さんが考案したものなので敬意を込めて「小室屋根」と最近は呼ぶことにしています。


構造は至ってシンプル。屋根の野地板に一定間隔で止めつけた円盤に特殊な接着剤でシートを貼り付けてゆく。

シートを接着している様子。とにかく早い。

今日は午後から冷えたのでシートの柔らかさを出すためにバーナーであぶりながら貼り進めます。

出来上がりはこんな感じ

今日は大好きなスティーブガットとリチャードティーのバンドSTUFF!
特にこの曲はグルーブがむちゃカッコイイです!最高なのは終盤のティーのピアノソロでしょう!


2012年10月23日火曜日

西野の家Ⅱ 着工

「西野の家Ⅱ」が着工しました。ところで今年は、札幌版次世代住宅基準の施行元年にあたります。普及のために札幌市は補助制度も作り、かなり力を入れています。「発寒の家」、「前田の家」も応募しましたが、設計者の日頃の行いの悪さのせいで抽選にはずれ、最後に残った「西野の家Ⅱ」だけが当たり、無事今日の日を迎えたというわけです。(ホッ...)そんな幸運も関係してか「西野の家Ⅱ」は記念すべき30cm断熱プロジェクトの10棟目となります。クライアントさんは昨年の「西野の家」を見て気に入っていただいたそうで、木貼りの家が建つ!と楽しみにしていたのも束の間...後の調査で敷地のほとんどが準防火地域内であることが判明し今回は泣く泣く木貼りを断念。防火構造プラス防火窓で新たなデザインにチャレンジします。

敷地の周囲は、かなり建て込んでいて今回もなかなかに手ごわい計画となりました。近隣商業地域のために周囲には3階建て以上の建物も多いことから、見下ろされる視線に対する工夫が強く求められました。反面、南に大きく開放され敷地の日当たりが良好なことから北側の子供室は3階建ての塔屋とし南側のLDKより高く作り、屋根越しの採光と眺めを取り入れようと考えました。乞うご期待です!

クライアントさまへ

長らくお待たせしてしまい誠に申し訳ありません。精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。一緒に素晴らしい家づくりにしましょう。

今日はシングライクトーキングなんていかが?


発寒の家 明日は?

実は明日、北海道庁さんのご一行を「発寒の家」にお迎えすることになりました。メンバーは建築行政関係者のみなさんとのこと。近年光栄にもたくさんの方々に視察に来ていただけるようになりました。地域の建築に注目が集まるのはとても嬉しい事ですよね。チーム一同テンションが上がります。(笑) 資料を整え、全道からお越しいただくみなさまに喜んでいただけるよう武田社長ともども頑張ります!

前田の家 気密測定直前

概ね室内のグラスウールが入れられ、設備の貫通部分が終了すると、皆さんおなじみの第一回目の気密試験の工程となります。「前田の家」は9軒目の30cm断熱の家となりますが、さまざまな部分でノウハウの熟成が進んだ内容となっています。外貼り断熱と充填断熱の使い分けによる室内の意匠表現や内装を行う前と完成時の二回に分けて行う気密試験。防火に配慮した木製の外壁貼や三角屋根ながら無落雪のステイルーフ等々。外観は控えめながら、北海道で暮らす際に「あっこれいいな~」と思えるように各部を煮詰めてみました。

30cmおきにリズムを刻む屋根の垂木はこのまま顕しますが、壁はグラスウールを隠すように白色で塗るつもりです。出来上がりは壁の中から30cm間隔で屋根の垂木が飛び出すように見せようと思います。でもそのためにはボード貼りも内装もかなり手間が掛かりますよね~?棟梁ごめんなさい。(笑)

室内の断熱工事が概ね終わった室内です。さて緊張しますがそろそろDr.タギ氏に連絡し気密測定の段取りです。

さて~毎日天気が悪いですけど皆さんいかがお過ごしですか~?今日はおなじみバンアパ!

2012年10月15日月曜日

発寒の家 外部建具工事

本日は、二階南側の大窓を組み立てます。担当はおなじみ㈱エンヴェロップさん。「前田の家」では、スウェーデン製の窓を使いましたが、「発寒の家」ではイタリア製のものを使います。寒い地域である札幌の窓にイタリア製?とお思いの方も多いと存じますが、実はフィンストラル社の製品はドイツ本国のパッシブハウスにも多数採用の実績があるそうです。ガラスの面積を拡大することで、ドイツより遥かに豊富な冬の日射を積極的に室内に取り込み暖房エネルギーを大胆に削減したいと考えました。

実は、北海道って北欧よりも寒い地域がある反面、冬場の日射は遥かに豊かです。フィンランドなんかに行くと、冬場の約2ヶ月は極夜と呼ばれる夜ばかりの日が続きます。1月の中旬にやっと2ヶ月ぶりの太陽が昇り、みんなでお祝い!なんてこちら(北海道)ではちょっと想像ができませんよね?(笑)、同じように厳しく長い冬を過す地域といえども緯度の違いはこんなふうにかなり異なった冬場の情景になるのです。

一説によれば、北海道の冬場の日射量は内陸の一部を除き、年間必用暖房熱量の約3割を賄うことができるといわれています。そんな訳で北海道の気候に合ったデザインをさらに追及するためには、なんとしても高性能な窓による断熱性の向上と窓面積の拡大が欠かせないのです。

しかしみなさんもご存知のように、日本においては燃料電池やヒートポンプ、電気自動車による蓄電やHEMS(home energy management systemの略、センサーやIT技術を活用し統合的に住宅のエネルギー管理を行うシステム)が省エネの切り札と思われがちです。もちろんこれらは大切な附帯技術ではありますが、本来は断熱性をはじめとする建物の基礎体力を十分引き上げた上で、コストや導入環境に応じて最適な組み合わせをチョイスすべきものです。熱の出入りを抑えることができない建物にこれらをフル装備しても効果が薄いばかりか、悪くするとむしろエネルギーを食うことは意外に知られていないのです。一見地味に見えても、建物の基礎体力に当たる外皮の性能をせめて先進諸国に負けない程度にしようとすると、残念ながらコストも含めて、現状の国産の窓ではかなり選択肢が限られてしまうのです。裏を返せばそれだけ建物単体ではまだ省エネ性能もマテリアルもお粗末すぎるのが悲しいかな現実です。

断熱枠の様子。内部は多数の部屋に分けられ封入された空気層により断熱性が高められる。

写真は使用されるトリプルガラスの断面。熱の逃げ道となりやすいエッジ(端)部分は特殊な練り物系の樹脂により断熱性能が高められている。Low-Eガラスを二枚、普通ガラスを一枚、二つある中空層にはそれぞれ希ガスが封入されている。性能は一昔前のグラスウール10cmに迫る。国内で同じ性能の窓を作ろうとするとガラス代だけで足が出てしまう。分かりやすいハイテクも大切だが窓のような基本マテリアルの研究開発は国を上げて取り組むべきだと思う。ちなみに北海道で使用される国産窓の高性能グレードがU値で1.4~1.6W/㎡k、北欧製の木製トリプルガラス窓が1.1~1.25W/㎡k、「発寒の家」のものは0.78W/㎡kとなっている。(*U値、Uバリューとも呼ばれる断熱性を示す指標。1㎡から内外温度差1℃、1時間あたりに逃げ出す熱量を示している。建物の断熱性能を示すQ値もこの仲間と言ってもよいが、大きな違いはQ値の場合は建物の外皮性能のほかに換気器の性能も考慮されることである。)

居間の中央に収まる最大のガラスは巾1.8m高さ2m、重量は130kgオーバーのヘビー級。運ぶ時は男6人がかりとなります。

最近、性能と意匠の関係をよく考えます。北海道の建築の未来を危うくするとしたら、その二つが水と油、はたまた理系と文系のごとく対立することだと思います。よく「性能第一!」と言う人がいますが、それは意匠はどうでもよいということではありません。反対に「人には性能よりも大切なものがある!」と言う人がいますがそれもまた然りでしょう。極論や原理的な事象の単純化では解決できない時代のものづくりとは?

私は地域に生きる建築家としてクライアントの皆さまや協力業者の皆さんと共に精一杯考えてゆきたいと思っています。ようやくわが国もエネルギー問題に関して重い腰を上げ、2020年には暮らしに使われるエネルギーの法制化が見えてきました。さてこれからの10年はどんなものになるのでしょう?(笑)。これから社会を担う子供たちのために少しでも負の遺産を残さないように慎重に道を探しながら、自分にできる事をしたいと思います。

今日はリヒテルのショパンでもいかがでしょう?





2012年10月9日火曜日

発寒の家 断熱下地工事

写真は外貼り断熱の下地。ここに140mmの断熱材が入ります。そして壁の中に105mm、さらに室内側に50mm入れますから全部で約300mmとなります。「発寒の家」ではすべて綿状断熱材であるグラスウールを用いますので、この断熱下地作りがたいへん重要になります。もともと形状の軟らかい綿状断熱材ですからこのマス目の中にピタリと入るように注意して組み立てます。

こちらは耐力面材のOSB合板を貼っているところ。最近の在来工法は主に2×4工法(枠組み壁工法)を手本に発達してきました。柱の外側から貼り付けるこれらの合板が筋交いの役割を果たし、構造を強化すると共に前述のような外貼り断熱材の下地としても機能します。

琴似の中心部に建つ高層マンションの現場が見えます。

秋になるとクラシックが聞きたくなりますね~(笑)今日はパガニーニなんていかがでしょう?

前田の家 木製サッシ工事

現在、外部の断熱を終え、サッシの取り付けに入った「前田の家」、もちろんクライアントさんからのリクエストはトリプルガラスの木製断熱サッシ。性能と価格、耐久性の観点から見ても今のところ費用対効果は抜群。しかし問題はその重さ。大工さん4人がかりで四苦八苦。

ロックナット付きの専用ビスで取り付けますが、なんせ重いので位置決めやセンター出しがたいへんです。「もうちょい左っ!もう少し、あと少し!」外と内に分かれて声をかけながら位置を決めます。

1階でも見ているだけで汗をかきますが、たいへんなのは2階への荷揚げ、下二人に上二人が息を合わせて運び上げます。

国内製のサッシの場合、ガラスは最後に入れるので現場ではあまり重さで苦労はしません。しかしこの北欧製の窓は全てガラス入り。今でこそ大工さんも慣れてくれましたが、当初は「話が違うよ~」と散々でした。なぜこんな重い思いをしなければいけないのか?と疑問に思った時もありましたが、その理由はガラスを工場で入れることで最も大切なサッシの気密性能をばらつきなく確保できるから。という事を知ってからはものの見方が変わりました。確かにDr.タギ氏にいつもお願いする気密測定ではガラスとそれをはめる枠の間から空気が漏れていることが少なくありません。流石!北欧のノウハウです。

現場を訪れたタギ氏。

今日は秋の穏やかな日差しの中でモーツァルトなんていかが?

2012年10月5日金曜日

前田の家 上棟式

上棟を迎えた「前田の家」。午後から現場をきれいに片付けて、宮司さんを招き、建て主さんの無病息災、現場の安全を祈念していただきました。家中に響く宮司さんの祝詞(のりと)。祭壇の中央に祭られた棟札には建て主、工務店、設計者の名前が記され、家の中の最も高い屋根の中に納められます。次に、日の目を見るのははたして何十年後なのでしょう?そのときはいったいどんな世の中になっているのでしょう?100年後の大工や設計士はこの家を見てどう思うのかな?(笑)そんなことを考えながらお祈りをしました。

中央に祭られるのが棟札。

上棟式の後は建て主さんのお招きで大工さんも交えて直会(ナオライ)となりました。ナオライとは式の後の酒宴を言います。今回は、敷地の中でお肉を焼いて、とっても北海道らしい心温まる直会となりました。

今日はユーミンなんていかが?http://www.youtube.com/watch?v=NPz8hragOKA

2012年10月2日火曜日

ニセコの家へ


今日は久しぶりに、「ニセコの家」に来ています。もう竣工から5年も経ったのにぜんぜん古さを感じません。建て主さんの愛情一杯の住まい方のおかげでずいぶんとかわいがっていただいている様子。設計者としては嬉しい限りです。家も人間もよい年の取り方をしたいものですが、ニセコの家の大らかな遷り変わりを見ていると、設計者が到底及ばない家の磨き上げ方にいつも新鮮な驚きを感じます。毎年少しづつ増える調度や家具がさりげない慎重さで選ばれていて、一見巾のある選択の中に家人の人柄を感じさせます。緩やかな美意識のコード(範囲)の中に収まるようなさじ加減で室内に持ち込むものを、デザイン的過ぎず、さりとて無関心にあれもこれもと欲張ることなく、簡単に言えば「親しみやすい丁度よさ」で満たしています。服飾の世界ではダメージングといって、経年感、使用感を味わいとして捉え、新品の商品をあえて傷つけたり、脱色したりすることが人気のようですが建築の場合は、なかなかそうも行きません。(笑)実は、日本の住宅が弱い部分がここで、住み込んでゆく中で、持ち込むものの量と質を適切にコントロールして室内をものの洪水から守る感性が今の時代の住い手には求められているのです。溢れかえる情報は一見消費者に多様な選択肢を与えるように思えますが、必用なものとそうでないものを選択できる大人の感性がないと膨大な情報に隠れて大切なものを失いかねません。心の健康を取り戻すために室内をいかに片付けるのか?といったマニュアル本が不景気にも拘らず売れ続ける不思議さっていかがなもんなんでしょう?(笑)


夕暮れ迫る居間。

地元の作家の手によるオブジェ。

今日は地元のバイオリニスト高崎希美さんなんていかがでしょう?