2025年5月23日金曜日

北郷の家 2025.05.23

 

今日は道北から建て主ご夫妻が現場にお越しになりました。宇野棟梁自ら改修のポイントを説明していただきました。

以下:棟梁による現場の説明より(時々山本補足/笑)・・・

柱はね、昔の建物って本当に柱の本数が足りないの、だから図面に従ってずいぶん増やしました。この家が最初にできた頃は外壁にはバッテンの筋交っていうのを入れていたんだけど、あまり効かないから今は構造パネルを柱の外に貼る工法に進化しています。そのパネルをしっかり釘打ちするためには柱の本数のみならず間柱も昔の27mm幅じゃあなくて今の45mm幅に全て取り替えました。

梁はね、あんまり曲がったり割れたりしたものは除いて、短く加工し直して窓上の補強に再利用したり、梁の本数や強度も今の新築の水準に比べるとぜんぜん足りないから、補強で大丈夫なところは補強、交換や本数が必要なところは新たに集成材の強い梁に交換しました。

大梁と大梁を結ぶ小梁は10.5cmの角材を全部金物受けにした上からボンドと釘でがっちり厚物合板を留め付けて動かないようにしています。だから屋根に雪が1.5m積もっても大丈夫。

解体して現場を実測して発見したのは・・この家、柱の寸法は10cm角。一般的には10.5cm角なんですけど5mm足りないの。それなのに梁の幅は10.5cmと一般的なもんだから、柱と梁の幅が違う。そこを見落として10.5cmの柱を入れたら壁が波打っちゃう/笑

そこで新しい柱と古い柱が並ぶ通りは古い柱に合わせて10cm角に加工して、新しい柱だけの通りは少しでも強度が落ちないように10.5cm角のまま使いました。なので壁はピシットまっすぐ通ります。

古い柱には天井欠きや梁の加工痕が残ったままだと見た目も悪いし強度上も心配なんで埋木をして本来の断面寸法に戻しておきました・・・・

私はあともう少しで引退ですけど・・この家はまた何十年も住めますよ/笑

今日はHYなんていかが

通年型のパッシブ換気に進化させる

今までの自分の設計するパッシブ換気は主に暖房期(冬)の大きな内外温度差を作動動力に据えた冬目線のものでした。

その理由はシンプルで夏が涼しく短い北海道なんだから初夏から窓開け換気ができるし、盛夏といったって延べで2週間あるかどうかなんだから、計画換気のシーズンは主に窓開けのできない冬に重心を置けばいいよね・・といったもの。ところがここ数年はそんなこと言ってられないくらい夏が暑くなってきた。

そこで・・夏の冷房期も窓を閉めたまま必要換気量をどうやって確保すべきか?・・に軸足をシフトしつつある。北方型住宅ZERO「南幌まちなかの家Ⅳ」では従来の壁抜き排気口ではなく断熱煙突を用いた煙突型の排気口に進化。その理由がまさにこの”南幌の風資源”

年中吹く一定の風速で通年型のパッシブ換気を目指します。

夏も冬も自然エネルギーで家中新鮮な空気循環・・なんてすばらしいんでしょ/笑

今日はにじいろ・・こんなコラボがあったんですね


南幌まちなかの家 2025.05.23

 

↑2025.05.23
先ほどの現場の様子。屋根の断熱工事は非常に丁寧に進めて頂いています。

足場に上ると「山本さんいい写真撮りに来たんでしょう?まってたよ/笑」とばかりの棟梁の粋な計らい。そーなのこういうことなんです。作業中の現場なのに「断熱構造の全体像が分かる」見習いの若い子(大工)にだって目先の事ばかりじゃなくて完成形がイメージできるようになる。全体が見えるようになれば、仕事はどんどん面白くなる。

教育的な現場でたいへんありがたかったです。引き続きよろしくお願いいたします。

↓2025.05.22
快晴の中、屋根の340mm断熱が進んでいます。

青緑色のシートが防湿シートです。

1層目のグラスウール235mmがどんどん充填されてゆきます。

今日は宇多田ヒカルなんていかが