2015年1月29日木曜日

宮ノ丘の家Ⅱ パッシブ換気

今日は「宮ノ丘の家Ⅱ」の取り扱い説明でした。
私の担当は各部のメンテナンスとパッシブ換気。冬場は内外温度差が大きくなるため、二本の給気管全開だと換気過多になり過ぎること、また換気量が増大すると家の室温が下がり暖房の燃費も悪くなり易いことを説明しました。

ところでパッシブ換気を単なる「自然換気」の一つと理解している人がほとんどですが実は暖房も同時に行えるスグレモノです。ダクトを必要とせず建物の断熱気密構造を使って行う全館暖房換気がその正体。もちろん暖めた空気を動かす動力は内外温度差という自然エネルギーですからけしてなくなることはありません。

その原理は、冬になると内外温度差が大きくなり隙間風(換気量)が増大する特性を応用しその隙間風を床下に集中させます。断熱気密化された建物は漏気が少ないですから床下に集中的に給気することができます。家全体にすうすう散らばっていた隙間風を基礎断熱した床下に集中させるとかなりの風量にびっくりします。この新鮮外気を床下のヒーターで少し暖めれば後はかんたん。空気は暖めると素直なやつで家中の寒いところを見つけて勝手に換気しながら暖房しに行ってくれます。仕事が終ると高所の排気口から外部に排気されます。なんだかあまりに簡単で拍子抜けしそうですが、別の観点で見ると、1:基礎(外)断熱が出来ること、2:躯体が下降冷気や漏気を生じないように十分断熱+気密出来ること、3:煙突効果を効率よく得るために屋根断熱で二階の天井を高く取れることの3点が欠かせません。実はパッシブ換気って建物の構造そのものなんです。

 
ひゅ~って感じで外気が入ってきます。手前の黒いヒーターで外気を予熱して各室へ
 
全体の原理はこんな感じです。