2021年7月26日月曜日

桂岡の家Ⅱ外部廻り

2021年7月26日現在、「桂岡の家Ⅱ」では外装の木張りが開始できる直前まで漕ぎ着けました。

今回から採用した防火構造(北総研バージョン)では従来、必要とされていた石膏ボードが不要となります。

確かに石膏ボードを上の写真のタイベックシートの下に全て貼っても「準防火構造」にしかならなかったものが「防火構造」に格上げになるのですからそれ自体は非常に嬉しいことなのですが・・一点不安だったのはグラスウール(GW)を押さえる石膏ボードが省かれたことで、GWの反発が大きすぎてタイベックを膨らましてしまい、通気層が充分取れないのではないか?との懸念がありました。

結論から言えば、20kg/m3の硬めのGWは固く膨らむこともなく写真のように充填してもほとんどタイベックを膨らませることはありませんでした。

通気胴縁もタイベックが膨らんだ時のことを考えて30×45に通気孔を加工したものを特別に用意しましたが、20kg/m3のGWを使えるのなら次回からは通常通り18×45で充分かもしれません。

こちらはカーポートの天井部分防湿シートの下に電気配線が終わったところです。

こちらは腰水切り廻り。通気層に蜂などが侵入しないように通気層の出入り口には全てイーブスベンツを入れて空気は通すも虫は通し難いように対策をします。

水切り板金色はサッシに合わせたステンカラーです。






 

2021年7月22日木曜日

南沢の家 床下地工事

 


「なんだ養生べニアの切れ端くらい片付けなよ~散らかった現場だなあ~」・・・なんて思うなかれ。以前の投稿で2階床を15mmジャッキアップした件は報告しました。でもね・・それで水平になりましたって・・なる訳ないでしょ~!/笑 ってなことで、こんな風景になっています。



既存の茶色い床が高い部分、それより低い部分に薄く薄く削ったベニヤを積層して水平を出しています。・・まだ説明が難しいですね~要は写真のラワンべニアを水と考えて少しづつ水を注いで川岸と水面が水平になった状態/溢れる寸前・・・みたいな感じですかね~。この後、はじめてフロア材が貼れるということなんす・・ベニヤ板による「水盛り遣り方出し」だねU棟梁(笑)


2021年7月17日土曜日

南沢の家 風除室工事

 

南沢の家の風除室が出来てきました。外壁と同様の木張りで仕上げて大きなガラスで軽やかに明るく仕上げようと思います。

性能向上リフォームの場合は、既存撤去が工事上どうしても必要となる反面、機能的に復旧が欠かせないものがあります。

要はこの風除室のように一旦撤去してしまわないと壁の断熱工事はできない反面、撤去したままでは危険で玄関にアプローチできないというようなケースです。
寒さを充分克服できていなかった頃の北海道の住宅では玄関を外の寒さから守るために風除室が盛んに作られた時期があります。

南沢のように高所に玄関を設ける場合はその風除室も大きくなりがちで、階段を積雪から守るためにも欠かせない機能となってきます。

今回は建築面積を増やすことなく以前はアルミで作られていた風除室を木造で作り変えます。

こちらは室内から見た階段部分。色の濃い木材が防腐土台です。

こんな感じでガッチリと階段部分のコンクリートにアンカーして、風除室の屋根荷重を支えます。

玄関から出たところこんな感じでガラス張りにしようと思います。

柱の横揺れはこんな風に足元を固めることで解決します。

桂岡の家Ⅱ 付加断熱工事


先週までのぐずぐず天気(蝦夷梅雨?)から一転・・・今週は快晴の連続で一気に現場は快調に戻りました。写真は屋上から見た石狩湾の眺め。今日は遠く対岸の浜益方面まで見渡せました。

毎日、この景色と共に過ごせるなんてとても羨ましい感じがします。

でもそれにしても・・暑い(笑)
現場は連日のように30℃超え・・M棟梁、N所長共に汗だくで工事を進めていただいています。

工事は外部の付加断熱下地を主に進めています。完了したところから20kg/m3の高性能GWを屋外から14cm、屋内から14cm充填して行きます。

上の写真は薪ストーブのメガネ石。壁が厚いので100mm厚のものを3つ使います。

こちらが煙突の切り欠き。壁のグラスウールと屋根のグラスウールが連続する様子が分かるでしょうか。

こちらは、パッシブ換気塔屋の腰の防水立ち上げ部分。雪が積もったままの陸屋根でもこうすることで屋根を安全に漏らなくできます。

こちらが近年改良された部分。屋根の雨水が壁に伝わらぬように二重の防雨堤を設けます。

こちらがそのすぐ下高さ10cm以上の通気層が見えます。この通気層を充分取ることで夏冬安定した通気を確保して野地板の結露を防止します。

今日は久々にバンアパなんていかがでしょう





 

2021年7月1日木曜日

桂岡の家Ⅱサッシ工事

 

「桂岡の家Ⅱ」に窓が付きました。

コンセプトは住宅街の屋根を避けながら上手に海や山並みの緑を室内に取り込むことです。ですからどの方向にどんな窓を付けるのか?
どんな景色や光を切り取るのか?は当初からとても大切な設計のポイントです。

あえて二階の北東ぎりぎりに設けた大開口部は屋根の連なりの間にぽっかり抜けた海への視線を確保するためのものです。

北東から東南の角部に設けられたコーナーウインドウは眼下に連なる屋根を見えなくしながら山の緑を取り込むために設けました。

こんな感じでトリプルガラスがコーナーに入ります。

今日はJ.Passなんていかがでしょう



◆移住者さんの家を設計した時の想い出


山本:もしもし、山本でございます。今シーズンの冬はいかがでしたか?

建て主さん:いやいや暖かくて快適だったです。暖房ナシでもいつも15℃くらいはあるし、実家からいいユニクロ(ヒートテック極暖?)も持ってきたし靴下はいて快適でした。

山本:ところで15℃ですか~・・あの~せめて20℃以上で暖房していただきたいんすけど~(笑)

建て主さん:ええ~っ暖かいですよ充分・・外が-10℃なのに家の中が15℃。充分ですよね~暖かいんだし・・

山本:あのう~ところで暖房は使ってるんですか?

建て主さん:だから~使わんでも快適なんですよ!せっかく山本さんの設計、褒めてるのに~・・(なのに・・なんで住み方違うみたいに言われなあかんの?/心の声)

山本:いえいえすいませんでした~

◆2年後

山本:お久しぶりです~その後はいかがですか?随分北海道に慣れたでしょう?

建て主さん:山本さん、以前軽い言い合いみたいになったでしょ?ごめんね。実は先日、ふと家の温度計見たらね・・23℃でした。子供らも自分たちも裸足で気持ちよく冬を過ごすようにいつの間にかなってて・・2年経ってやっとおっしゃる意味が理解できました。(笑)

山本:〇〇さんもすっかり北海道人ですね(笑)

建て主さん:アハハ確かにそやね。でもこの感覚は地元の子らには絶対に伝わらんと思うわ(笑)

山本:ですかね~

建て主さん:そんな訳で・・恥ずかしながら移住一年目の光熱費・・メッチャ安くて、二年目、三年目と増えたんですけど・・こないだその話し、近所で話したら、「それでも自分の半分やで」言う人がおって「いやあ~一年目は住まい方分からんかったんです」って言ったら「違う、分かってからの半分じゃ!」って返されて二度爆笑でした。