2024年4月15日月曜日

「発寒の家Ⅳ」見学会のご案内




みなさまのおかげをもちまして取り組んでまいりました「発寒の家Ⅳ」がいよいよ竣工となります。 この度、建て主さまのご厚意で見学会を行いますのでご希望の方は必要事項をご記入の上当事務所のお問い合わせフォームよりお申込みいただければ幸いです。

*:注 4/20.21のご同業者の見学等はご遠慮いただきますようお願いいたします。

お問い合わせフォーム https://ako-a.com/contact.html
 

◆「発寒の家Ⅳ」とは

 鉄工団地と木工団地を抱える発寒地区。札幌を代表するものづくりのまちとして多くの職人さんたちが暮らした下町でもあります。近年では大手スーパーの進出やJR発寒駅近郊のマンション開発によって、都心に近い住宅街として注目されています。その一方で少し周辺を歩けば、木工所や鉄工所が建ち並ぶものづくりのまちとしての姿も健在です。

 約200万人が暮らす札幌市は国内屈指の観光都市と共に全国一厳しい住宅の省エネ基準を有する都市です。その理由はシンプルで道内で最も都市化が進み、冬の暖房用エネルギーの消費量が高く、近年は急速な温暖化で夏の冷房需要も増えつつあるからです。この対策の一環として札幌市では令和5年度より従来の基準を見直し、高い断熱性はそのままに太陽光発電パネルと蓄電池の設置を盛り込んだ新基準をスタートさせました。「発寒の家Ⅳ」はその基準をクリアすることを念頭に設計いたしました。 札幌市の住宅基準は4段階に等級分けされていて、低いものから順に、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと呼ばれています。今回はその最上位であるプラチナグレードの認定住宅です。

 札幌市の住宅基準を満たすと同時に北海道が1988年から開発を続ける「北方型住宅」。その最新版である「北方型住宅ZERO」の基準を満たしていますので、ぜひご覧いただければ幸いです。



春の見学会なので・・アヴァロンジャズバンドなんていかがでしょう/笑


2024年4月9日火曜日

北7条の家 内装工事

 

紺野建設さんの手でどんどん出来上がる「北7条の家」です。本日は電気屋さんが入って器具付けをしていただいています。

美しく架けられたスケルトン階段

こんな感じでLDKのアクセントとなります。

和室コーナーのダウンライト

唐松の温かな木肌に布クロスがよく合います。

今日はミシェルブランチなんていかがでしょう



2024年4月4日木曜日

発寒の家Ⅳ 内装工事その3

 


 宇野棟梁にテーブルを仕上げていただきました。いつもながら最高の仕上がりです。
本当にありがとうございます。
 白樺積層合板はラミナの木目を90°毎に積層して作られています。ですのでコーナー部分から見ると積層面も木口方向は濃く、木目方向は薄く交互に色が付きます。木口処理が不要(合板なのに無垢材みたいに使える)が売りなので無垢板同様手間をかけてよく研ぎオイルで拭き上げます。シナベニアも過去にはよく使っていたのですが・・剝がれ易い木口テープや木目を感じ難い白過ぎる表面が自分はあまり好きになれませんでした。同様に建具枠や階段材も集成材はありふれていているし、全部無垢材だとお値段も・・・そんな時知ったのが白樺積層合板。北海道では植林された松林を食い荒らす厄介者の白樺でこんなにきれいな合板を作っていただきました。

滝澤ベニヤさんありがとうございます。
滝澤ベニヤHP https://www.takizawaveneer.co.jp/


美しい木目が冴えるテーブルとなりました。

エコシラ合板の仕上げ面は、ブックマッチ(本を開いたように左右が対象となる手法)で
美しく仕上げられています。こうしたところも生産者の心遣いが伝わってきます。


2024年4月1日月曜日

発寒の家Ⅳ 内装工事その2

 図面にそこまで描いてないのに・・みんなありがとうね。

 お客さんは・・不思議でさ、言わなけりゃ、こんな細かな事、今まで気にしたことなんてないはずなのに・・良い仕事の話しをすると、途端にそれを欲しがる人が増えるんだよ。だからみんなは自動的に次の現場でも頑張り続けなきゃいけなくなる・・なんだかごめんね/笑

ただ自分はみんなから教えてもらった話を、ブログやSNSに書いてるだけなんだけど・・それが知らないうちに伝わって・・次のお客さんは「自分の家も〇〇の家みたいにしてくれますか?」とか「棟梁は〇〇さん?それとも〇〇さんですか?」なんて名前まで憶えてくれるようになる。

だからみんなが現場で教えてくれた話は、お客さんを呼ぶ魔法。良い仕事って、みんなが思うより何倍もすごい価値なんだよ。

やっぱさ・・ただルーターでカマボコ面取って終わりじゃあなくてさ・・ペーパー当ててさ、中研ぎ⇒仕上研ぎでツルツルにまで持って行くのよ~、最後は必ず手で触って仕上げなきゃダメ・・棟梁・・本当にありがとうございます(嬉泣)

棟梁:エッジまで削りそうだから上に乗って動かないようにしっかり押さえてよ。
大工さん:はいよっ!

加工は全ての建具枠、家具に・・面倒くさくて手間が掛かって・・スイマセン・・アリガト

棟梁:どーせ逃げナシでピッタリ入れてって言うんでしょう?/笑 分かってますよ


この割付で目地幅4mm?6mmでもいいですかねえ?タイルの精度から行くと気持ち広めがきれいかなあ~・・
親方:天井との際は一発勝負だからマスキングは超丁寧にね~頼んだぞ!
弟子:はいっ!

電気屋さん:形はカッコいいんすけど器具の精度はそこまでよくないんで、ピシッと水平が出るように軽く修正して取り付けときました。

今日は春めいてきたんで・・大好きなアヴァロンジャズバンド。ヨーロッパの香りがします。












2024年3月30日土曜日

発寒の家Ⅳ 内装工事


「発寒の家Ⅳ」の内装工事が始まりました。写真はペレットストーブの置かれる壁のタイル貼。100×200のタイルでパターンを作ったのできれいに貼っていただきます。

内装が始まると見る見る建築になって行きます。毎日見るのが楽しくなります。

こちらは1階の脱衣所廻り□200角のタイルで縦方向に半丁ずらして貼ります。

こちらは塔屋の床です。塔屋の中にはエアコンが入ります。

こちらはトイレの引き戸。引手は削り出しのタモ材に表示錠と使用中を示すレンズを入れます。今回の建具は建て主さんの好みで全て白のポリ板貼。明るく均質な空間になりそうです。こちらも引手のデイテールは長年改良を加えたもの。指を引手の溝に入れて引くこともできますが、38mm厚の引手を人差し指と親指でつまんで引くこともできます。最近はソフトクローザーやストッパーの普及で閉めた時の音は静かになったものの、引き始めに少々力が要ります。
敷居がなくせるので上吊り戸がほとんどになりました。

タマゴ石灰の壁紙によく合うブラケットです。

こちらは扉付の本棚。製作はもちろん宇野棟梁さんです。

唐松の暖かな赤身とよく合う木毛版の天井です。

2階の光を階段に落すために設けた列柱

建具枠とカウンターの面取り加工。

 今日は久々にHSCCで行きましょう!


2024年3月16日土曜日

発寒の家Ⅳ 階段


昨年の10月に栃木県で大谷石の石切り場をご案内していただいた。大谷石の岩盤から目的の石を切り出すために、その搬出路や工事動線もまた大谷石に文字通り彫刻して作り上げる。細かな部材を組み立てるのではなく地球を彫刻することで空間を生み出して行く。垂直の岩盤に対し奥行き方向に階段を彫り込む・・石切り場の空間美に圧倒された・・神長さん貴重な体験をありがとうございます。

Last October, I was given a tour of the Oya stone quarry in Tochigi Prefecture. In order to cut out the desired stone from the Oya stone bedrock, the transport routes and construction flow lines are literally carved into the Oya stone. Rather than assembling small parts, he creates space by sculpting the earth. I was overwhelmed by the spatial beauty of the stone quarry, carving a staircase in the depth direction into the vertical bedrock. Thank you Mr. Kaminaga for this valuable experience.

大谷石の露天掘り現場。地球を彫刻して石を切り出す。

Oya stone open pit mining site. Carve the earth and cut out the stone.

今の日本は色々とよくないことが続いているけど・・彼らの活躍に元気をもらっています。






2024年3月6日水曜日

北7条の家 階段工事

 

紺野建設さま、I棟梁さま・・美しい階段をありがとうございます。段板にダボ孔もなし、力桁はへの字にピタリと継いでいただいて、おまけにこれらの加工は加工場ではなく全て現場にてとのこと・・本当にごくろうさまです。

Thank you to Konno Construction and I-Chief Builder for the beautiful staircase. There were no dowel holes in the tiers, and the force girders were joined perfectly in a curved shape, and to top it all off, all of the processing was done on site rather than in a processing facility...I'm really grateful.

WAXで拭き上げるとたいへん美しい木目が現れます。
When wiped with WAX, a very beautiful wood grain appears.

脚の甲が当たった時に柔らかいように太鼓面を取りました。
I made the drum surface so that it would be soft when it hits the top of the leg.

力桁を半分掛けたところです。
This is where the power digit is multiplied by half.

力桁をピッタリと頑丈に継いでいます。
The force girder is connected perfectly and firmly.

アカペラっていいですね~













2024年2月24日土曜日

発寒の家Ⅳ 本日の様子

 

二日続いた大雪で一気に真冬に戻った「発寒の家Ⅳ」の現場です。

This is the site of ``Hassamu no ie IV,'' where heavy snow continued for two days and suddenly returned to the depths of winter.

室内ではU棟梁の手により稲妻デザインの美しい階段が完成しました。

Inside the building, a beautiful staircase with a lightning bolt design was completed by the master carpenter.

写真は階段の踏み板と壁羽目板の納まりです。壁の羽目板の厚みはけして一枚一枚が均一ではありません。なのにどうして段板とピタリと隙間なく納まるのか?何気なく涼しい顔で棟梁は納めますが・・・

The photo shows the stair treads and wall paneling. The thickness of each wall paneling is not uniform. But why does it fit perfectly with the tiered board without any gaps? He casually puts on a cool face as the master carpenter, but...

生命感に溢れた赤身の唐松とクールな木毛セメント版の対比も上手く行きましたが、写真左側に見える天井吊りのレンジフードから給排気管を右側に見える壁の開口部に結びます。もちろん中央の梁下を潜るように、右に見える吊戸棚の上端に触らぬよう細かく高さを計算してあります。

The contrast between the lively red Japanese pine and the cool wood-wool cement version worked well, but I connected the air supply and exhaust pipes from the ceiling-suspended range hood on the left side of the photo to the opening in the wall on the right side. Of course, the height has been carefully calculated so that it goes under the central beam and does not touch the top of the hanging cabinet on the right.

また給排気管とも薄肉の鋼製管(スパイラルダクト)を用いますので管をしっかり断熱材で巻いておかないと、住んでから結露でひどいことになります。

Additionally, thin-walled steel pipes (spiral ducts) are used for both the supply and exhaust pipes, so if you don't wrap the pipes tightly with insulating material, you will end up with severe condensation after you move in.

もちろんレンジフードに供給する電線もどこから取ったのか分からぬよう電気屋さんとしっかり打ち合わせをしておきます。

Of course, we will discuss this with the electrician to ensure that they do not know where the wires that supply the range hood came from.

そんな訳で・・ぱっと見LDKの中央に置かれた対面型キッチンは素敵ですが、それを素敵たらしめるには仕込みが9割ということなのです。

That's why...the face-to-face kitchen in the center of the LDK looks nice at first glance, but 90% of what makes it so nice is preparation.


今日はIVEの新譜・・
Today is IVE's new album...


2024年2月21日水曜日

発寒の家Ⅳ 意志共有

 

「発寒の家Ⅳ」の現場は大工さんが4名に増え、急ピッチで内装を進めています。沢山の人手で工事の速度が上がるのは嬉しい反面、各人の頭の中をしっかりと同じ目標に揃えておかないと、後からやり直しばかりが増えるのが、増員時の悩みです。
特に内装直前に設計変更が重なると、この意志共有が上手く行きません。変更前の古い図面で頭の中が一度固まってしまうと、中々切り替わらないし、ついついいつもの調子で納めてしまい・・ええっ!今回は違ったの??となり易くなります。

最近は現場アプリも導入し変更時の対応はリアルタイムですが、各工種別のグループ分けだったり、ついスマホを見ずに作業に集中し、後から気付く等々・・アプリと現場は異なるのが実態です。

そんな時は、現場アプリに投稿済みと安心せずに、最新図面を部分的に拡大し内装下地が終わった壁に日付と共に貼って行きます。

精一杯、目の前の仕事に集中せざるを得ない大工さんに、「スマホを見ろ!」じゃあなくて最新の情報を身近に用意する。近年の現場アプリソフトはたいへん便利ですが、今回のような増員時には変更の中味を一番よく知る者が現場に居なくては、せっかくの設計変更も完成度が上がりません。

ベースもドラムも本当にアカペラ??




2024年2月16日金曜日

発寒の家Ⅳ 天井の木毛版

 


木毛版って意外に唐松との相性がいいですね。次回から使わせていただきます。
陰影の深い天井になりました。

2024年2月15日木曜日

発寒の家Ⅳ 中間時気密測定



 本日は「発寒の家Ⅳ」の中間時気密測定でした。1階に適当な開口部がなくて2階にて測定。日本住環境(NJK)さんありがとうございました。また、いつも最高の性能を出してくれる飛栄建設さん、U棟梁に心より感謝いたします。

セッティング中の日本住環境さん

超高気密用の小さな整流筒(ラッパ)で来ていただきました。


2024年2月12日月曜日

北7条の家 本日の様子

 
昨日の大雪が嘘のように晴れ上がった「北7条の家」です。塔屋まで含めると木造4階建ての高さとなります。

This is Kita 7-jo House, where yesterday's heavy snow has cleared up as if it were a lie. Including the tower, it is as tall as a four-story wooden building.

外装材はカラマツ材。現場を担当していただいている紺野建設さんの地元、十勝の材料です。最近の建物の外装は木以外のものがほとんどです。自分も板金や左官、サイディング等々・・色々な材料を使ってきましたが、いつの間にか木製外壁の採用が一番多くなりました。


The exterior material is larch wood. These materials are from Tokachi, the hometown of Konno Construction Co., Ltd., which is in charge of the site. Most buildings these days have exteriors made of materials other than wood. I myself have used various materials such as sheet metal, plastering, siding, etc., but before I knew it, wooden exterior walls became the most popular choice.

別に他の材料が嫌いなわけではなく、主に住まい手さんの意識の深化と地域の努力で木を使い易くしていただいたおかげなのですが、環境の時代に相応しい材料が市民権を得たことは作者としてとても嬉しく思います。

It's not that I don't like other materials; it's mainly thanks to the deepening awareness of homeowners and local efforts that have made it easier to use wood, but materials that are appropriate for the environmental era have gained civil rights. As an author, I am very happy about this.


残念ながら・・まだまだ木は燃える、腐るといったネガティブなイメージが強いのですが、実はそうとは限りません。現在では付加断熱をした方が防火性は高まるし、結果的に木外装で防火構造の大臣認定まで取得しています。研究は旭川の北総研(北方建築総合研究所)

Unfortunately... there is still a strong negative image that wood burns and rots, but that is not necessarily the case. Nowadays, additional insulation improves fire resistance, and as a result, the wood exterior has even been certified by the minister as a fire-retardant structure. The research is conducted by Hokusouken (Northern Building Research Institute) in Asahikawa.



そんな理由で、ぱっと見は木外装なのですが、実は防火構造。建て込んだ市街地でも安心して使える外装となっています。

For that reason, although it looks like a wooden exterior at first glance, it is actually fireproof. The exterior design allows for safe use even in built-in urban areas.

昨日の大雪で屋根の上には1m以上も雪が積もっています。
Due to yesterday's heavy snowfall, more than 1 meter of snow has piled up on the roof.

画面の奥から手前に向かって緩やかに冬の卓越風が吹くのが雪庇から分かります。この面(風下側)にパッシブ換気の排気口を設けると自然エネルギーで排気動力を簡単に得られます。

From the snowy eaves, you can see that the prevailing winter wind blows gently from the back of the screen to the front. By installing a passive ventilation exhaust port on this side (downwind side), you can easily obtain exhaust power from natural energy.

床ガラリの見本です。今回は床材がナラ材なので枠材は共材としてスッキリ納めようと思います。

This is a sample of the floor louver. This time, the flooring material is oak wood, so I'm going to use the frame material as a common material to fit it neatly.

こんな感じに自然に床と枠が同化します。
In this way, the floor and frame will naturally blend together.

室内はどんどんボードが張られて行きます。
Inside the room, more and more boards are being put up.

今日はカバーなんですけどクオリテイー高いです!
Today's cover is high quality!