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2011年11月19日土曜日

西野の家 リプランさんの取材

 今日は住宅雑誌リプランさんに「西野の家」を取材していただきました。3.11の震災後、にわかに注目を集めるようになった自然エネルギーの活用。薪ストーブの良さが見直され、間伐材を燃料にするペレットストーブにも炎の安らぎを求める人が増えています。
(写真は、クライアントさんご夫婦を撮影するカメラマンの様子。)

■環境時代のストーブ
 「西野の家」のストーブはすっかりおなじみのRavelli(イタリア、ラベリ社製)です。特徴はいろいろありますが、まず1)微少燃焼が可能なこと、2)室内の負圧に影響されないこと、3)洗練されたデザイン、4)簡単な操作性。といったところです。1)と2)は今後、札幌圏で中心となる、「札幌版次世代住宅基準」に適合する家(要はグラスウール換算で壁30cm、屋根40cm以上断熱し国の99年基準のおおよそ倍の性能の住宅)の暖房として最適なものといえます。断熱を厚くして行くと、既存の暖房設備は容量が過大すぎて実に使いづらいことに気付きます。「西野の家」の厳寒期の必要暖房容量は約2.7kw/h程度。ドライヤー二台程度の熱量でほぼ賄えてしまいます。この水準になると国産のストーブでは最小のものでも出力が大きすぎて うまく行きません。なんとか微小で焚き続けようとすると炎が不安定になり最悪の場合立ち消えが心配になります。また高い気密性と24h換気で常時負圧になりやすい室内は、着火時の空気まで奪いがち。燃焼器具にとって北海道の高断熱、高気密な室内は意外や厳しいものといえるのです。ラベリに搭載されるRDSはそんな負圧時にも給気量を調節して安定した点火を約束するシステムです。3)はご覧のように、日用品として十分な機能を備えながら消費者の目を満足させるデザインがなされていること。こころへんは同じ日用品でもデザイン性と機能性の融合に積極的とはいえなかった国産ストーブとは一線を画すところでしょう。4)は燃焼式の器具にとって大切な要点。薪ストーブも慣れてしまえば気にならないものの、やはり点火や火力の調整、置き火の処置等々、ユーザー側が慣れねばならないところは多々あります。しかしラベリの場合はほとんど従来型の石油ストーブと同じ使い方で炎を楽しむことができます。(タイマーや耐震自動消火装置付)

■ストーブをもっと楽しむためには
 今日はみなさんにストーブを楽しむコツをお教えします。ストーブはコンクリートやブロック、タイル等々、熱容量の大きなものとセットで使うとたいへん効果的です。たとえばストーブから出る熱を床のコンクリートが吸収し、穏やかで冷めにくく安定した家の熱源にできます。

 「西野の家」が1階のコンクリート土間の上にストーブを置いているのも同じ理由からで、概ね22℃程度に暖められた床は寒さの無い穏やかな温度環境を家中に作り出すのです。建物本体をしっかり断熱して外の寒さが室内に届くまでに半日以上の猶予をかせげる「西野の家」では、前日の夜間の寒さが室内に到達する頃にはすでに日が昇っている。といえば分かっていただけると思います。断熱の優れた効能のひとつは熱の伝播を遅らせること(けして断熱の字図ら通り、熱を断ち切ることは不可能。)です。要はすぐに外の寒さが室内に入ってこなければ、とりあえず今、あわてる必要がありませんよね?翌日やっと室内に寒さが達しても太陽が既に昇っているので窓からは光(熱)が入りますし実害は少ないわけです。厚い断熱の意味とはこの熱の移動速度を十分に遅くすることで、必要な熱量自体を減らし(≒省燃費)、熱伝播を遅らせ(≒ストーブを焚く時間を短縮し)、結果として健康的で穏やかな室内環境を実現するということなのです。ヒーターを同じ21℃設定にしても、左足のみ火傷しそうに熱くなる一昔前の軽自動車と、体全体が同じ温度で快適に感じながらも、熱さは感じない大型車の室内。なかなか文章では伝わりにくいのですが断熱の効能としてイメージしていただければ幸いです。


今日は、ビリーね!

週末の夜にもう一曲。

2011年11月1日火曜日

西野の家 お引渡し

今日は西野の家のお引渡しです。図面を直して、写真データーをDVDに保存し、必要書類をまとめたものをお渡しします。各部の取り扱いを説明し、一応本日で西野の現場はおひらき。秋晴れの素敵な日に、クライアントさんのお家になりました。4ヶ月間いろいろありましたが、おかげさまで無事竣工することができました。クライアントさん、チームのみなさん、この場をお借りして心より御礼申し上げます。ごくろうさまでした。

まだ新しい杉板の色が、どんどん味わい深く変わるのが今から楽しみです。

こだわり続けている室内土間は、北国を代表する間取りとしてもっともっと発展させてゆきたいです。

光溢れる、顕し(むき出し?/笑)天井も思いのほか「きれい!」と好評でした。丁寧に組み上げてくれたU棟梁に感謝です。

今回もかゆいところに手の届くキッチンを作ってくれた、クリナップ直需事業部さんありがとうございます。

天板のモザイクタイルも好評でした。

一見さらりと納めていますが、かなりな苦労がありました。

いつもながらうるさい建築家のこだわる階段を大工さん、加工屋さん、金物屋さんの連携で見事に仕上げていただきました。

階段の吹き抜けの上には、ロフトが乗り、床のスノコの隙間から下を見ると結構怖かったりします。(笑)でも見上げるとかなり豪快な感じです。


抑制された、南側の光は暑さを抑え、さわやかな明るさを室内にもたらします。

テレビの縦格子は日時計のようです。

ス~ッと光が入ってくる畳コーナーです。

ドッグランは家族や友人とのリクリエーションにも大活躍します。

向かいの山は最後の紅葉が花盛りです。

階段の上り下りの際には切り取られた空が見えます。

少し方向を変えると、船の艦橋のようにも見えます。

今日は大好きな草野マサムネでも聞きませんか?


2011年10月31日月曜日

満員御礼!



10/29.30の見学会は、たくさんのご来場をいただきまして誠にありがとうございます。二日間でお子様も含め100名を超える見学者数となりました。この場をお借りして、会場をお貸しいただいた建て主さま、そして貴重な休日にもかかわらずお越しいただいたみなさまにチーム西野一同、心より御礼申し上げます。中には札幌以外の都市からお越しいただいた方もいて、全員現場の苦労が吹き飛びました。(笑)
 みなさんといろいろとお話をさせていただく中で、設計者、施工者、建築物理学者、サブコンストラクターといったチーム全員の役割や、環境性、デザイン、ぶっちゃけた話の建築家のイメージ等々、今回も有意義なお話が聞けてたいへん勉強になりました。また取材していただいたマスコミ各誌のみなさま、今後とも積極的にECOに取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。

ご夫婦での来場も多く、元気なお子さんたちの声が響く、見学会になりました。
ぜひまた次の現場でお会いしましょう!

みなさんにサラの歌を贈ります。




2011年10月27日木曜日

西野の家 ブラインド取り付け工事

工事が終了するとカーテン、ブラインドを取り付けます。最近ではレースと厚地のカーテンは減り、私の現場でもかなりロールスクリーンが増えてきました。事前に現場をしっかりと採寸していただいて、作ったスクリーンを運び込みます。一軒でも結構な量になります。

今回は窓の枠の中にスッキリと納めてしまいます。

取り付けの金具をビス止めしています。


枠の中にスッキリと納まって巻き上げ時もきれいです。

お次は最も大きな居間の窓です。3分割で取り付けます。 

採寸が正確なのと枠に狂いが少ないのでいずれも短時間でスッキリ納まりました。

完成です。

今日は、いつまでたっても全く年が分からないカイリーミノーグでも。確かこの曲は1987年ヒットだから.....いったいいくつなのでしょう??まあいつまでもカイリーはカイリーってことで(笑)

2011年10月22日土曜日

西野の家 建具について

最近、室内の建具は引き戸が圧倒的に多いです。本来引き戸は空間と空間を曖昧につなぐ日本特有の建具形式で不透明なものを襖(フスマ)、半透明なものを障子(ショウジ)と称してきました。北海道の間取りが全国に比べて圧倒的に自由で豊かなところはLDKを抵抗なく受け入れたこと。本家や分家、格式や階級制度といったものに対するしがらみが希薄で、敷居の高低や上座、下座の別といったような旧来の間取りに対する暗黙の掟に大らかだったことが原因でしょう。しかしそんな大らかな北海道の間取りでも空間を都合によっては仕切る必要性が出てきます。そんなときに壁の外側に簡単に吊り下げるスタイルの引き戸(アウトセット引き戸)は大活躍します。最近の建築家は壁と同様に建具を白く塗装したり、または銘木の突板(つきいた:主に広葉樹の木目が美しいベニア板)を貼ったりといろいろと工夫をしますが、私の場合は襖よろしく紙貼り(和紙やビニルクロス、網代紙等)が多いのです。他の人と同じことは嫌!というへそ曲がりなところもありますが、フスマやショウジを現代感覚で蘇らせて使うことにこだわりがあるのと、どんどん消え行く表具(掛け軸や屏風に絵や書を貼りこむ伝統工芸。フスマも当然この延長線上にあります。)の技術を大切にしたいという想いからです。一見洋風な空間にもしっくり馴染み、主張しすぎず、開けていても閉めていても気にならないデザイン。しかし一旦気づくと凝視にも耐えられる細部の美しさをもつ建具を目標にしています。

全景はこんな感じ。吊り下げられているために足元にレールはありません。

開くと、引き残しなく壁にピタリと吸い込まれ気になりません。普段は開放して使い、必要なときのみ閉めるという、ドアにはけして真似のできない柔軟性を可能にします。ドアは基本的に閉まっているもので、開きぱなしだとだらしがなくみえますよね。不思議なことにドアの文化ではない日本人でもこの感覚は共感できるものです。

菊水の家の四枚引き建具。高さが2.15mあり空間を簡単に二分することが可能。

柄は竹久夢二の「桔梗」。夢二は美人画で有名ですがたくさんの優れたテキスタイルデザインも残しています。意外や日本的でありながらも古さをまったく感じさせません。

愛すべきスーザンボイルに!


西野の家 気密測定2回目

本日は雨の中、西野の家では最終の気密測定が行われました。ブログでも回を重ねて訴えているように、建物のデザインと同様、性能もたいへん重要です。日本においては建物の性能を担保するために、長らく「仕様規定」といって厚さや量をとにかく遵守することが求められてきました。たとえば断熱材の厚さはグラスウール24kg/m3相当の場合15cm以上とする。といった具合です。こうした決め方は一見、明解にも見えますがそもそもなぜ15cmなのか?といった疑問には答えていません。建物の断熱性能は単純に使われている断熱材の性能ではないのです。確かに15cm使ってもそれ以外の部分が不完全なら実際は10cm分すら性能が出ない場合もままあるのです。そこで家全体に使う材料や敷地の日当たり、窓等の性能を勘案して家全体の断熱性能や燃費を一軒一軒個別に弊社では求めています。そのためにこの世のあらゆる建材や物質の熱伝導率に詳しいDr.タギ氏の能力が必要になるのです。ご存知建築に使うことができる物質は膨大ですよね?それらをクライアントの好みに応じて使えば当然1軒ごとに異なります。たまに「山本さんの壁仕様は300mmと決まっているのだから、ひとつ計算すればどの家も同じですよね?」と聞かれますが残念ながらそうではありません。同じ性能の壁でも、窓を少なくすることが求められた「西野の家」と景色を室内に取り込むために最大限に大きな窓を求められた「宮ノ丘の家」では家全体の断熱性能は異なります。要は壁のみに注目すれば同じであっても、日当たりや、窓と壁の面積の割合や敷地の特性から求められる間取りや建て主の考え方によって一軒ずつ計算し、実際の計測によって確かめられるところは確かめる必要があるのです。一度設計したら、後は同じコピーを行うのみといった考え方は、建築のものづくりには残念ながらそぐわないのです。前置きが長くなりましたが、最終の気密試験の数値は0.1cm2/m2と最高の結果になりました。本日は生産を担当した、武田社長の機嫌がさぞよろしいことでしょう。(笑)それにしても昨年の「南あいの里の家」についで二軒目は立派。さすがです!(笑)

ちなみにH22年度北方型ECOプラスの仕様規定によれば、「隙間相当面積C:1.0cm2/m2以下を実測で確かめる事となっています。」

それでは今夜は武田社長とDr.タギ氏のために!送ります!


2011年10月21日金曜日

照明チェック


本日は、天井の間接照明の確認です。天井の梁に照明を当ててやわらかく全体を照らそうと考えました。最も悩んだのは、天井の反射率。クロスやペンキで白く塗られたものは反射率が高く、照明の出力も押さえられますが、生成りの素材の場合は同じ出力の照明でもずっと暗く感じるのです。一般的に建築家は暗めの照明が好きなようですが(笑)、私は比較的こだわりなく明るくします。むしろこだわるのは、光源が直視できるか否か?、もちろん手元照明やスポットは点光源ですが、反対に間接光も極力取り入れます。日本の家庭では長らく居間の中央の白色蛍光灯の大光源でぺた~っと上から照らしていましたが、むしろ私はそのスタイルが苦手です。手元は直接光、天井は間接光、光色は電球色で、一般部分は2700k(ケルビン)、ダイニングテーブルの上は同じか、3000kで建築家の日野桂子と同じようにハロゲンスポットを組んだりします。彼女曰く:「だってご飯が美味しく見えるのはゆずれないよ~(笑)」だそうです。建築もさることながら料理も凄腕の彼女らしいコメントだと思いませんか。

原田知世っていいですよ~

2011年10月16日日曜日

西野の家 内装工事その二

さてブログをご覧の皆さまにはおなじみの、内装工事の仕上げの時期がやってきました。過去のブログを見てもお分かりのように、恐る恐る?(笑)現場でだめ出しを小声で出しつつ、各部分の詳細を見て回ります。よく図面が完璧ならば現場で調整する必要自体がない!と断言する人もいますが、どんなに図面が上達しても、現場で感じる違和感を完全に解消することはなかなか難しいものです。写真は内照式照明の板を天井に取り付けているところですが、長さは当初より15cm短く調整しました。

点灯する場所によって照明板の色を変えて配置します。今回は反射率の高い白色の天井ではないので、照明器具の数がある程度必要になってきます。(パワー勝負)昼間は楽しげな天井のパターンとして目を楽しませつつ夜間は間接照明として使うことを当初から考えました。

写真は土間のモルタルを左官屋さんが行っているところです。船と呼ばれる敷物の上にのりコテ一丁で見る見る床を塗り上げる様子はやはり名人芸です。

手摺の角の落とし具合はいつも私自らペーパーを持って回ります。

天井の梁にクロスが少しかぶせ気味に貼ってあるのがお分かりでしょうか?以前にも紹介したように壁紙も木材も乾燥により収縮します。その際、余裕がないとすぐに隙間が目立ってしまいます。そこでこのようにわざとクロスに余裕を見て貼ってもらうのです。当然ながらこんな細工なくズバッと切ったほうがはるかに仕事が早いのですが、実に丁寧なクロス屋さんは毎回必ずこのように貼ってくれるのです。

拡大写真です。

トイレの手摺はなかなかよいものがない難しいチョイスです。そこで天板を彫りぬき面を取りました。一番最初はニセコの家で行いましたが、なかなかにファンが増えてすっかりおなじみのディテール(細部)となりました。

もう少しペーパーをあてたいですね~。

二階を支える鉄柱の足元には割れ止めの目地を通します。モルタルという素材にとってある程度のひび割れは仕方がないものなのですが、可能な限り伸縮目地を設けてひびが目立たぬように工夫します。(不思議なことに目地を予め設けておくとひびはそこに集まりやすくなります。)

今日は、静かな夜にBOZでもいかがですか?

2011年10月14日金曜日

西野の家 内装工事

内装にクロスが貼られ、柱にはペンキが塗られどんどん家らしくなってきます。家の中に明るく白い色があるとなんだか落ち着きませんか?建築家の中には、モノマチエールといって極力どこまでも同じ素材でまとめたがる人がいますけど、私はどちらかといえばそこまでストイックになれないほうです。(笑)まだまだ修行が足りないのでしょうか?特に木の内装を顕しで行う場合にある割合の白をどのくらい自然に使うか?は毎回悩むところです。この白の割合で部屋の広さや明るさ、天井の高さの印象まで全く異なるところが実に奥深いところです。

天井には間接照明の板が取り付けられました。これから器具が見えすぎないように高さ調整を現地で悩みながら行います。

足場も解体し特徴的な外観が現れました。
月末には内覧会です。ぜひご興味をお持ちの方はおいでください。

今日はとことんTOTOです~。(笑)



2011年10月4日火曜日

西野の家 外装工事

朝日に浮かび上がる道南杉の外壁。チーム西野を引っ張る丸稲武田建設さんの内野沢棟梁の作品です。通常の外装工事はサイディング屋さんとか、板金屋さんが近年は多いですよね~。大工さんが外装や内装まで仕上げるのは意外にめずらしいと思います。印象は精緻でモダンな印象。私は縦の押し縁の間隔が10cmくらいが好きですが、ここらへんは各設計者の好みが分かれるところでもありますね~。

上の写真の拡大です。杉の押し縁(棒)が10cm間隔で並ぶ様子です。

こちらはドッグランの内部。廻りから覗き込まれることなく自らの空を満喫できるように考えました。

10月末にはチーム西野全員で内覧会を行いますからみなさん是非お越しくださいね~(笑)。

秋ですし~一緒にピーターセテラでも。