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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2011年12月30日金曜日

2011年おせわになったみなさまへ

 今年は、生涯忘れ得ない年になりました。2011年3月11日に東北を襲った地震と津波は私たちの社会そのものに疑問を投げかけ、厳しく問い直す結果になりました。それは一方で、さまざまな形で語られてきた暮らしや社会の在り様が、大震災というフィルターを通して赤裸々になった年のように思います。

 耳で聞くのと体験する事は全く違う次元のことだということ。簡単に忘れてしまうことの罪の大きさ。技術を過信し歴史から学ばない愚かな体質。原発が止まっても当初言われたように経済が大混乱なんてしなかったり、先日の原発事故の中間報告では運転員がそもそも冷却装置の正しい扱いを知らなかったり、放射能が拡散する方向を予測しておきながら同じ方向に避難する人たちを止めることすらしなかったり...各人が「自分の持ち場の小さな正義」を振りかざし、悲惨な現実に謙虚に向き合おうとしない醜さと悲しさ、なにより人の小ささを感じました。

 「想定外」という単語は当分、大震災を連想させるキーワードとして定着することでしょう。しかしそもそも災害とは想定外の事柄を指すのではないでしょうか?自分勝手に範囲を決めてその内側だけ、一見完璧に想定することで安心してしまう従来の思考法が実はもっとも危険であることが明らかになったように思います。目の前に死に行く人がいるにもかかわらず、「その法律を作ったのは平時であって非常時ではないので、助けられないのはやむを得ない。」とばかりに問題の解決よりも事情の説明に力点をおく感性などは、多くの国民が見て違和感を感じたのではないでしょうか?

 「人や社会が生きるということはエネルギーを使うことである。」というあまりに当然の事柄を単なる耳学問から、私の職能の全てをかけて向き合う問題であると気付かされたことも大きな収穫でした。それまでは省エネや環境の側面から建物の熱環境を考えていましたが、立派な避難所で僅かな電力や灯油がこないばかりに、せっかく津波の恐怖から逃れた人々が凍えるのを見たとき自らの愚かさに気付いたからです。人は進化の過程で毛皮や牙を捨て、代わりに「衣食住」を手に入れたというのは、誰でも知る話ですが、中でも「住」の目的は外敵から身を守るために建物が必要であるとしています。従来の耳学問によると、外敵とは猛獣や敵対する他の民族と説明されていますが、実は寒さや暑さ湿気や風雨といった自然気候(ここに災害も入る)と書き直したほうが、今後は正しいのではないかと私は思います。皮肉を言うのは好きではありませんが、この外敵に、あとひとつ付け加えるとしたら、「自分たち」という戒めも忘れてはなりません。

 建築家として私にできることはあまりにも少ないのですが、今回の教訓から謙虚に学び、身を守ることのできる建物を作りたいとおもいます。

 震災でお亡くなりの方々、避難所で不自由な暮らしをおくっている方々にお悔やみと心からのエールをおくります。 がんばろう!東北!

 すっかり、先輩のミーちゃんと仲良くなった、もと野良猫のレイ君。おちゃめ君でいたずら小僧・・・でもどうして彼がこの世にいるのか、息子たちと一緒に考えるきっかけを作ってくれました。人間の都合に翻弄される彼ら元ペットはけっして不平を言いません。言いたくても言えないからです。彼らの幸せはまさに飼い主の人間性にかかっていて、それが揺らぐことでたくさんの悲劇が生まれます。反面、彼らの表情はなんとも(にゃんとも)愛らしく、のどかで平和な気分にさせてくれます。最近は動物アレルギーの子供が増えているとのことですが、可能ならばぜひ一緒に遊ばせてあげたいと思います。「あのね~レイ君ばっかり可愛がるからミーちゃん怒ってるの」なんてずいぶん複雑な心理を思いやるようになります。空気が読める子供を育てることも大切なことかもしれませんが昭和生まれの私は三男のこの素朴な思いやりが少し嬉しかったのでした。

今年も、たくさんのチャンスを与えてくれたクライアントのみなさまにはあらためまして心より御礼申し上げます。稚内と西野ではたくさんの技術的、計画的な挑戦を通して貴重な体験を得ることができました。冒頭の大震災の教訓と合わせてこれからの北海道の理想の住いにまた一歩近づけた仕事になりました。クライアントさん一人一人からいただくさまざまな要望に答えようとすることで設計者は技量を維持することができるのです。でも来年のクライアントさま、ひとつお手柔らかに(笑)。そして一緒にチームを組んで仕事に当たった全員にもこの場を借りてお礼を言います。今年一年ごくろうさまです。来年も素晴らしい仕事を一緒にいたしましょう。そしてもっと北海道のものづくりの力を発信できるようにどうか引き続き力をお貸しください。


 今年もブログを通して内覧会やイベントにお越しいただく中でたくさんのお引き合いや注文をいただくことができました。心より御礼申し上げます。また気持ちを新たに来期の家づくりに取り組んでまいります。
「一緒に素晴らしい家づくりにしましょう。」               山本亜耕

今年最後の曲をみなさんにお贈りいたします。それではよいお年を!
第九はきっとあちこちで聞くと思うので、2011年はヘンデルで!