2021年1月16日土曜日

仕事始め

 


遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

みなさまと同様、急速に設計の仕事の多くがZOOMやメールを使ったものとなり。数年前がずいぶんと昔に感じられます。

定着しつつある「新たな生活様式」に前向きに取り組めるよう本年も様々な仕事に挑戦して行きたいと思います。

1:桂岡の家Ⅱ 海の見える住宅街に美しい眺望と暮らす楽しさを詰め込んだ住宅を新築します。構造はより進化させた軸組&パネルのハイブリッド工法。担当していただくのは丸作吉田建産株式会社さん。現場所長のNさん、社長の吉田さんよろしくお願いいたします。

2:南沢の家 築30年の住宅を250mm断熱化するプロジェクト。極力ごみを出さずに、弱い部分はしっかり耐震補強して、家一軒丸ごと高断熱高気密化するプロジェクトです。担当していただくのは飛栄建設株式会社さん。松田社長さん、松田棟梁さんと共に新築を遥かに超えるリフォームを目指します。

3:マンション外断熱改修工事 築深の寒い大規模マンションを外断熱改修にて再生します。工期は今年一杯。こちらも頑張ります!

まずはハープシコードでも





2020年12月29日火曜日

2020御礼

 


本年は新型コロナ感染症のおかげでとてもたいへんな年になりました。その一方で「常盤の家」、「宮の森の家Ⅱ」、「南円山の家」、3軒の「北方型住宅2020」基準の住宅を無事、竣工させることができました。

この場をお借りして心より御礼申し上げます。常盤の家と南円山の家をご担当いただいた飛栄建設さん、宮の森の家Ⅱをご担当いただいた丸作吉田建産さん、最後まで粘り強く施工していただいて本当に感謝しています。

また今年も貴重な機会を頂いた、各建て主さまにも心より感謝を申し上げます。想えば2009年に完成した「銭函の家」を皮切りに今年完成の「南円山の家」で36棟目の300mm断熱の家を設計させていただきました。自らの住まいを任せていただくことは設計者に取ってとても幸福なことです。引き続き精進して行こうと思います。

仕事を始めた頃・・「全室暖房って快適だけど・・セントラルヒーティングって凄く光熱費が高いですよね~」と苦笑された20年前。北海道の暮らしにとって必要な断熱量や暖房換気のコツが分かりかけてきたのは14~15年前だったでしょうか。時が経つのは本当に早くていつもふと気付いて驚いてしまいます。

来年は37棟目の300mm断熱となる「桂岡の家Ⅱ」を作ろうと思います。また戸建て住宅のみならず断熱を中心に様々な挑戦をしたいと思います。

今年一年の感謝と来年のご多幸をお祈りさせていただきながら年末のご挨拶とさせていただきます。みなさまもコロナに気を付けて良いお年を!

山本設計は2020年12月29日~2021年1月7日まで冬季休業とさせていただきます。

年末はモーツァルトなんていかがでしょ



2020年12月12日土曜日

南円山の家Web見学会 その3 室内編2階


二階は北海道ならではのA型トラス小屋組みによる大きな一室空間を目指して設計しました。建物間口が4.5mですので部屋の真ん中に柱を立てると部屋が狭く使いにくくなってしまいます。そこで構造的には両側の壁だけで屋根を支えられるようにトラスを使おうと考えました。下の写真は旧増毛小学校体育館のトラスです。日本で最初に洋風化された地域が北海道。こうした洋風小屋組み(トラス)も地域らしさそのものです。

また体育館の内部のように建物の端から端まで見渡せるように作って、小さな家でありながら狭い感じが全然しないようにしたいと思いました。

大きな一室空間の中に用途ごとにコーナーが設けられていてそのために最低限の間仕切りや透け感のある壁、建具等を用いて間取りを行いました。ですので二階のWC以外、壁らしい壁は設けていません。
こちらがキッチン内部より南側のテラス方向を見返したところ。本棚横の柱は構造的には屋根を支えているのではなく重たい本棚を床から浮かすための目的で建てています。

TVを吊り下げた壁の裏側に集合住宅の窓がずらりとこちらを向いており、あらゆる高さから好奇の視線が注がれてきます。そうした方向は思い切って壁で視線を遮断しています。

そうは言っても周囲は最低でも3階以上の背の高い建物ばかり、南側の光はとても貴重ですので、少しでも視線が少ない方向に窓を開けていますが・・それでも完全にお向かいの窓を避けることは不可能です。そこで外構編でも述べたように縦格子の遮蔽性を使い外からの視線を遮断しつつ、太陽の軌道も考えて冬でも暗い室内になり難い設計としました。

午後になると徐々に日が傾いてきます。

太陽の高度が下がり部屋の奥まで日が差し込みます。向かいの建物の高さが低い方向に窓を寄せているので日当たりのけしてよくない条件でも最大限明るさを取り込めます。

こんな風にお向かいの屋根越しに太陽光を取り込めます。

 
こちらは最近気に行ってよく使うことが多いペレットストーブです。シンプルな大人っぽいデザインで空間にも凄くよく合います。

床のナラ材、床とツラいちで納めた床タイル、壁の漆喰クロスやタイル、カラマツ構造材の赤味。床の高さや壁の厚みを室内外で揃えてあるので居間の空間が外部にまで広がってより広く見えるように考えました。

雪のない地域の建築家ならこのストーブの位置に椅子を置きたいと言うと思いますが北国ではストーブです。窓面に映る炎の揺らぎもさることながら、発生する下降冷気を和らげる必要があるからです。

拡大するとこんな感じ。凄くシンプルながら炎が大きく見えるようにガラス面積が大きいのもとても気に入っています。最近は寒冷地型エアコンによる温風暖房も増えてきましたが、暖房の品質は断然ストーブの輻射熱です。

こちらは二階のテラスに出たところ。約1.5mの幅があり少人数で食事やお茶をしたり、家庭菜園のポッド栽培も存分に楽しめます。

手直に野菜やハーブを育てながらの暮らしはとても豊かで楽しいものです。私ならトマト二種類、シシトウ、パプリカ(ピーマン)、きゅうり、ナス、はつか大根、パセリ、オレガノ、バジル、タイム、唐辛子なんかを小分けにして植えておきます。ハーブ類は余ったら刈り取って干してください。最高のドライハーブになりますよ(笑)

その他にも夏場はお布団も含めた屋外干しが出来たり、最高のお昼寝スペースにもなります。(笑)

写真は付属の収納庫を開けたところ。ここにミニコンロや折り畳み椅子、ペレット燃料、ホットプレート、フラワーポッド、肥料なーんかを仕舞っておけば、楽しくテラスライフが楽しめます。
ピノはさすがに居間の真ん中には置けないので場所を作ってそこに置きました。

置き場所を考えておくことで窓と楽譜台を照らすスポットも用意しておきました。スポットはLEDで省エネですから常夜灯としても活躍します。

鏡をタイルの壁にふわりと浮かせて取り付けてみました。洗面化粧台は規格品ですが、扉だけを棟梁さんに取り換えていただきました。

右上にちらりと見えるのがパッシブ換気の排気口と3種換気のパイプファン。

こちらがその全体像。上部がパッシブ換気の排気口ですが湿度を感知して開閉する優れものです。家が出来たばかりでまだ湿度が高いので写真を撮った時点では全開でした。今後は室内の暮らし(湿気の量)に応じて換気量を自動的に可変してくれます。作動には電気を使わないので故障の心配もなく長持ちします。

こちらはピアノ横のWC写真のように僅かですが西日を取り込めるので拡散して廊下部分まで明るくなるように大きな曇りガラスをあえて使っています。

開けるとこんな感じです。

こちらは食品庫&家事コーナーです。食品の買い置きや最近であればテレワークにも対応できるスペースとして考えました。位置的にはキッチンの裏側で透け感のある格子で仕切ってあります。


こちらはキッチンの背面収納。作っていただいたのはクリナップ株式会社 直需事業部さん。お馴染み石川さん制作のキッチンセットです。床までのフルストッカー、天板はステンのバイブレーション仕上、扉は美しい白樺の合板(エコシラ合板/瀧澤べニヤ)です。

お母さんをはじめ家族のみなさんには素敵な地域の材料とデザインの調理台で料理を楽しんでほしいと思います。

こちらは食堂側カウンター。ガスの三点レンジ(魚焼き機付)に複合コンベック(オーブン+電子レンジ)、食洗器は最近人気のBOSH製、シンクは静音タイプで足元には分別ごみのごみ箱が入れられます。水栓はタッチセンサー付きのスワン型。手元が食堂側から見えないように仕切りのカウンターは約20cm立ち上がりを設けています。レンジフードはもちろん同時給気排気型です。
「南円山の家」では床材にいつもの樺材ではなくナラ材を使っています。硬くて加工が大変ですが、そこはさすが飛栄建設の宇野棟梁。床ガラリの美しい納まりです。

こちらはA型トラスの金物。既成のホールダウン金物を黒く塗装していただいて使用しています。カラマツの赤身に映えるように塗装は引き締め過感のある黒を使いました。

こちらは手摺のFB(フラットバー)。北方型住宅の基準を守って手摺子間隔は11cm以下になるように、お子さんが足掛けしないように水平材は用いないで作ってあります。
美しい塗装は現場塗りではなくて工場で焼き付け塗装しています。
丁寧な金物屋さんは毎回美しい仕事を納めてくれます。

こちらは白樺の積層合板を連結して作る階段手摺です。握り易いよう、手の小さな人でもしっかり力が掛けられるように丁寧に面取りして仕上げています。

こちらは階段の手摺子。最も精度が求められる部分です。木部分の加工は(有)店舗什器製作所さん。毎度おなじみの美しい加工で階段を作ってくれます。

金物屋さんとの協働は高い精度が求められます。

こちらは製作建具。仕上げには布を貼って、引手はタモ材。製作はニッシンインテックさんです。最近流行りのオープンな間取りには実は引き戸が欠かせません。昔に比べてドアは本当に減りました。

今日はアヴァロンジャズバンド。
もし流れていたら・・この家にも合うと思う。良い週末を!(笑)






2020年12月11日金曜日

南円山の家Web見学会 その2 室内編1階

玄関ドアを開けると正面に天井までの大きな引き違い戸。戸に貼った布は住まい手さんと一緒に選びました。

「南円山の家」は土地の都合で間口が狭く、玄関の横にシュークロークが充分取れません。そこで、写真の奥行き方向に玄関収納を持ってくることにしました。間口が狭くても暮らす以上はある程度の面積が必要です。そんな理由で「南円山の家」は間口に対して奥行きのある空間が必然的に多くなりました。

扉の高さは2.3mもあります。その右扉を開くと下駄箱のスペースが現れます。夏靴とは別に冬靴が必要なことは北海道の人間にとっては当然のことですが、それは雪のない地域に比べて靴の量が倍加することも意味します。

そんな理由でよく玄関にちょこんと置かれた下駄箱では到底足りるはずはありません。(笑)そもそもが地域の事情に合っていないのですから・・

反対側の扉を引くとコート掛けが現れます。コート類も靴と同様、軽めのウインドブレーカーから、スプリングコート、オーバーコート、厳寒期にはダウンパーカーと当たり前のように装いは変わります。北海道の人は衣装持ちが当たり前・・特にコート類の少ない家庭は少ないのではないでしょうか?(笑)

こちらはホールから玄関方向を見返したところ。これからの季節を想像していただければ分かるように雪を付けた靴で帰ってきても玄関内で雪が払えるように、スキーやスノボのメンテナンスや子供たちの雪だらけのヤッケを干すとか、お母さんの自転車なんかも置けちゃう広くて暖かな土間玄関です。

玄関ホールから入ると広々としたユーティリティー(以降UT)。洗面+脱衣+WC+洗濯+洗濯干し+クロゼット+機械室を兼ねる大きな空間です。

住まい手さんのご要望によりガス熱源の乾燥器も完備しました。

暖房と換気が充実しているので寒さやジメジメ感とは無縁のUTは北国特有の部屋と言ってよいでしょう。北海道以外の地域では非常に小さな空間ですが、冬が長く、室内干しの必要性が高い北海道ではこうした部屋が大活躍します。

こちらは南端の予備室からUTを見たところ。奥行きの長い間取りであることがよく伝わると思います。
こちらがガス熱源の暖房&給湯ボイラー。その左に見えるのは高めに付けられたハンガーパイプ。この高さだと足元に高さ60cmの衣装ケースが入り上には背広類が掛けられます。

ハンガーパイプは向かいにも用意されていて効率よく大容量の衣類が収納可能です。

左側の天井近くに見えるのが電灯盤、右側が通信盤。内部にルーターやWIFIの発信機を組み込むとスッキリ。すぐに家中でネットが使えます。

もちろん各室のTVと家庭事務をこなす場所までは有線LANケーブルも用意されています。
天井には取り外し可能な洗濯干しが下がっています。

こちらは浴室からUTを見返したところ。突き当りが南端の予備室です。入浴後の濡れた足で出ても床が傷まないようにタイルが貼ってあったり、一角がトイレとなっていて子育て中や高齢化にも配慮しています。

浴室のすぐ隣が寝室ですので、子育て中も、高齢化後も安心。従来、一般的だった玄関横の狭くて寒いトイレ、それも家に1カ所のみという設計は最近はあまりしていません。

こんなトイレを見て衝撃を受ける人もいると思いますがちゃんと二階には閉鎖型の個室トイレが用意されています。どうぞご安心ください。(笑)
こちらがタオル掛けにもなる温水ヒーターです。例えば一番上の段がお父さん、二番目がお母さんみたいに決めておけば、使用後のバスタオルだって暖かく乾いてフカフカ。

もちろん床近くには雑巾なんかを干してもよいと思います。

ヒーターは名門のPS社製。1972年札幌オリンピックの選手村は当初、温風暖房の予定でしたが、過乾燥と音のうるささから前年のプレオリンピックの際、来日したヨーロッパの選手団からクレームが出されました。

折角の冬季五輪を国際問題にするわけにも行かず・・急遽、輻射暖房への変更が検討されました。その際に製品を提供したのがPSさん。まさに信頼のブランドです。

UTの床を空けるとそこにはパッシブ換気の給気管と予熱ヒーターがあります。冷たい外気を床下で暖めて各室に配る。計画暖房の心臓部です。

床下のヒーターで新鮮な外気を暖めてUTに供給しますから、洗濯物はすぐに乾きます。過乾燥が気になる人はお風呂の蓋を開けてもらえば簡単に加湿もできます。
こちらは床下に隠された温水による発熱管。基礎廻りも非常に断熱性が高いのでこの程度の温水管で充分家中を暖められます。

こちらが浴室の隣にある主寝室。将来的にシングルベッドを両側に置けるようなレイアウトでスイッチ類や読書灯を配置しました。

壁はレッドシーダー(米杉)暖かみのある色合いが照明によく映えます。

こちらはレッドシダーの壁を背に見返したところ中央の壁上部にTV用のコンセントとアンテナを用意してあります。

ベッドに寝ながら壁を見上げるとTVが見える。そんなレイアウトです。(笑)

今日はBTSのダイナマイトをピアノカバーで
JICHAN PARK?君は最高だよ!







 

2020年12月10日木曜日

南円山の家Web見学会 その1 外構編

2009年の「銭函の家」から取り組み始めた300mm断熱プロジェクトも今回の「南円山の家」で36棟目となりました。

今年の冬に始まった新型コロナ感染症の大流行により、本来なら2020年12月5日(土)、6日(日)に予定されていた「南円山の家」の見学会は残念ながら中止とさせていただきました。

今年は北海道が30年以上に渡り改良を重ね、地域に相応しい住宅として多くの道民に親しまれている北方型住宅が「北方型住宅2020」としてリニューアルされた年でもあります。もちろん「南円山の家」もその基準を満たす住まいとして設計しました。ここではブログでその設計やデザインに関してお伝えしたいと思います。
「南円山の家」の敷地は道路側の間口が約7.8m、奥行き約18mあります。方位的には南側道路敷地ですが、前面道路幅は4mしかないために冬場の除雪対象とはならなかったり、対向車とすれ違うのも気を使います。

上の写真は夕暮れ時のものですが、近年特に増えている宅配等の車両を横付けできる空間を取りながら、雪になるべく影響されずに玄関まで動線を確保する様に考えました。

また縦格子は高い透過性(眺めの良さ)を確保しながら一転、昼間は優れた視線の遮蔽効果をもたらします。道路正面にあるお向かいの窓が全てこちらを向いていますから室内を明るくしつつも外からの視線はカットするように近年は縦格子を用い、その間隔や寸法を工夫して住まい手の感性にフィットさせています。


このくらいの角度だともう家の中は見えません。手前のお庭は冬囲いの終わったお隣さんのもの。近所は古くからある住宅街で高齢者の方も多い土地柄。住まい手さんのご要望もあって黒い外壁に赤い屋根、そして白の窓廻りで、ちょっと洋風で懐かしい雰囲気のカラーリングとしました。
写真は1950年代の洋風住宅。赤い屋根と黒い壁に白い窓


こちらが昼間の格子の効果。中はほぼ見えません。

エントランスの庇は本来の位置に跳ね出しましたが、壁を約1.8m道路からセットバックさせて車を横付けできる空間を敷地側に確保しています。

夏場は車をこの位置に移動してエントランス内でぜひ家族や友人とジンギスカンを楽しんでほしいと思います。(笑)
もちろん、エントランスに付属する物置は照明付きでウオークイン。炭やヒバサミ、コンロに、焼き網、文化焚きつけに、キャンプ用椅子、テーブル等々・・もちろん内部にコンセントもありますから冷凍ストッカーを内部に常設することも出来ます。秋から冬にかけてお魚も美味しいですし、釣りにも行きたい。そんな風に北海道の暮らしを楽しんでほしいと思います。

お勧めなのはお野菜の保存!ジャガイモや玉ねぎ、キャベツなんかは毎週スーパーで・・ちまちま買っちゃあいけません(笑)。郊外にドライブに出かけた時に10kg単位で買ってきて、古い毛布なんかで包んで保存します。食べきれない人はお友達とシェアしても良し!暖かいところしかない昨今の断熱気密住宅ですがこんな風に半屋外の物置は冬場冷温庫として大活躍します。北海道の冬の味覚、ニシン漬けも凄く美味しくできますよ~(笑)

冬は素敵な寒さを冷蔵庫に使う・・お金も掛からないし、寒さは野菜を甘く美味しく変えてくれますね。

この角度からだとエントランス廻りの様子がよく分かると思います。

ちなみに他の家は電線を直接家の壁から引き込みますが、私は敷地内に専用電柱を立ててそこに、電気メーターをはじめ電線や通信線(光ケーブル等)、BS,地デジアンテナ等をまとめます。こうすることで敷地の中に電線がなくなり空がきれいに見えるようになります。もちろん後々ケーブルTVや新たな通信線を増設する際も壁を傷めることなく簡単に工事ができます。
前面道路はこんな感じ。やはり積雪地域としては狭く、行き来の不便を想定して自らの敷地側に余裕を見込む必要があります。道が狭いと特に電柱と電線が目立ちませんか。EUのように地中埋設してくれるとよいのですが。
こちらが玄関廻り。北国の人間ならピンとくると思いますが、私は学校で習う雪の降らない地域の間取りではなく、北海道に暮らす人が笑顔になる間取り・・すなわち「こういうとこ・・わかってるねえ~」を作りたいと思っています。(笑)暖房と給湯、調理にはガス熱源を使うので不愛想なプロパンボンベを通りから隠しつつ、夏場は自転車置き場、冬場は除雪スコップやママさんダンプ、小型除雪機を格納できるスペースを玄関横に用意しました。
敷地周辺は都市ガス整備エリアですが、あえてプロパンガスを使っています。確かにガス単価は都市ガスに軍配が上がりますが、機器貸与の柔軟性や定期点検、また建物性能を上げることでガス単価の差を割り引いてもプロパンガスが優位になるなど、早くから自由化され灯油共々競争で鍛えられたプロパンガスはひと頃の電力のような供給側優位のエネルギーとは違って交渉のし甲斐のあるエネルギーです。

300mm断熱の家の場合、冬場の光熱費は概ね北海道の一般的な新築の約半分程度ですからどうぞご安心を。(笑)

建物左の砂利敷きの空地は堆雪スペース。前面道路が狭いと除雪車が来てくれませんから、生活道路の確保は基本的に沿線住民の仕事になります。

昔のように灯油が安ければ融雪槽?なんて時代もありましたが・・最近は灯油も高いですし、なにより雪を融かすためだけに貴重な化石燃料を温暖化ガスに変える??なんて時代は既に過去のこと。そこでこうしたスペースを設けて地面に降った雪を移動堆雪して置ける場所を見込んでおきます。

一般的な南側敷地の定番配置は右隣りのチラリと見える建物のように道路側に庭を取りその奥に建物を建てるというものですが・・建物が道路から離れ過ぎるためにそこまでの雪かきが重労働となります。まさに雪のない地域の配置ですね~。そこで私の事務所では建物と道路の間に屋根を掛けて雪は屋根に載せたまま下を通り抜けられるように考えています。

こんな風に玄関を出ると屋根が道まで連続していて雨や雪に当たり難くしています。これだけでも劇的に南側敷地の除雪労働は軽減されます。

冬の除雪を考えても夏のジンギスカンを考えてもこうした北国ならではの半屋外空間はとても大切。家の中は多少小さくしても豊かな半屋外空間で北海道の暮らしを存分に楽しんでほしいと思います。

第一回目は外構編。いきなり間取りを描く前に・・敷地の中に建物をどんな風に置くのか?を主に解説させていただきました。最後までお読みいただきましてありがとうございます。

今日はショパンのエチュードOP10-NO.1演奏者は誰がいいか悩みましたけど・・あえてアシュケナージ・・最高だよ!