2021年10月21日木曜日

きた住まいるサポートシステム

 

みなさんは完成後、自宅建設に使用した図面や各種の届け出の控え等々どうやって保管していますか?重要書類なのは分かるけどガサバるしいつも使うものでもないので本棚に入れっぱなし・・あれれ忘れちゃいました・・なんて不安ですよね。今日ご紹介するのはそんな時に便利な北海道のクラウド預かりサービス「きた住まいるサポートシステム」です。

新築は完成後すぐに既存ストックに変わる。そもそも30年後、40年後に一体それがどういう家なのかが公式に示せないと、果たして良い家か否か?なんて証明しようもない。自分やもしかしたら住まい手さんだってもうこの世に居ないかもしれないんだから・・保存するって深いテーマですよね。でもこんな風に既存住宅の中味がまとめられていたら便利ですよね。

こちらが「北方型住宅基準」への適合状況を示した「住宅ラベリングシート」の2ページ目。「北方型住宅」とは単なる断熱性能基準&達成住宅ではなくて、30年以上に渡り地域の住まいが経験してきた必要性を満たす設計仕様の住まい。その詳しい中味が「技術解説書」です。
「北方型住宅技術解説書」https://www.kita-smile.jp/north2020

最近、築30年以上の木造建物の耐震&断熱改修をあえて取るようにしている。新築ならほぼ竣工までが見通せるようになったけど・・大規模改修は正直まだ分からないことが多い。その中で見えてきたことは「図面の乏しさ」・・当時の図面は確認申請の副本が残っていれば良い方で図面も実態を必ずしも反映しているとは限らず届け出専用のものも多い。そこで実測と合わせて薄くなった当時の青焼きを見ながらCADデーターに起し直すという地味な作業が発生する。要は既に・・印刷物で設計できる時代ではないのだ・・正直、青焼きやコピーをスキャンして各種のCADデーターに自動変換してくれるシステムがあったら100万金出しても欲しいくらい。特にRCのMS等モノが大きくなるとこのトレース作業だけでかなりの手間となる。そこで以前は電子的印刷物すなわちPDFしか保存できなかったシステムにCADデーターの保存も可能となるよう改良されている。その様子が写真・・仮に数十年後に改修を依頼された設計者は最初からCADデーターを手にすることができるという訳・・お~い!未来の設計屋さんよろしく頼むぜ!(笑)
ちなみに「きた住まいるサポートシステム」に「桂岡の家Ⅱ」のデーター保管が完了すると送られて来るのがこの保管書。私たちも建てて終わりではなくて、次の世代に仕事(図面や情報)を引き継ぐことや、今の住まい手が未来の住まい手(買い手)に良質なストックである旨、客観的に示せるお手伝いをしないとですね。

こちらがその預かり料金表。まずは30年間のお預かりで3万円以内というのは十分にリーズナブルと思うけどみなさんはいかがでしょう?(但し図面等UPロード代金は別途)









2021年10月5日火曜日

桂岡の家Ⅱバーチャル見学会

 いつもブログをお読みいただいているみなさまへ

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。ブログもふと気付けば書き始めから12年・・本日ご紹介する「桂岡の家Ⅱ」は37棟目の300mm断熱の家(新築)になります。

この他にも200mm断熱の新築、北海道R住宅として再生した「西岡の家」、250~300mm断熱として性能向上させた「山の手の家」、「帯広の家」、「桂岡の家」、「南沢の家」のリフォームも合わせると43棟。割り算をすると約4軒/年のペースでお仕事をさせて頂いた計算になります。

コロナ禍の前までは住まい手さんのご協力をいただきながら極力、地域の家づくりを広く発信する場として見学会も行ってきたところに・・このコロナ禍・・以前のように自由に家づくりを目指すみなさんとはお会いできなくなってしまいました。

そんな時に知った室内の三次元映像化技術・・VRゴーグル(眼鏡)なしで手軽に室内を歩き回れます。ぜひみなさんも「桂岡の家Ⅱ」の室内空間を体験していただければ幸いです。

下記のリンクより室内空間を体験できます。

https://my.matterport.com/show/?m=aetbh8chmWF&fbclid=IwAR10TSGKpngnGCgsFOM8kglqZeovTxsT5lWQ-pKYEHpH5XcGr_CmcTF01cE

この場をお借りして素晴らしい映像作品に仕上げていただいたMさんとスタッフのみなさんに心より御礼申し上げます。この技術があればどこにでも空間を持ち歩けます。本当にありがとうございます。

注:映像作品は知的所有物です。無断転載、使用、転用は法律により罰せられます。

ぜひ音楽と一緒に!今日はヨーロッパのJazzで




2021年9月30日木曜日

桂岡の家Ⅱお引渡し

2021年9月26日に「桂岡の家Ⅱ」を無事お引き渡ししました。約4カ月以上に渡り建設に携わっていただいた全てのみなさま、丸作吉田建産株式会社の吉田社長、N所長、M棟梁そして、今回の貴重な挑戦の機会を与えていただいた建て主さまにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。みなさん本当にごくろうさま!そしてありがとうございます。

眼下に広がる雄大な石狩湾を眺めるために敷地のどこに窓を設けるのがいいのか?そんな検討から始まった「桂岡の家Ⅱ」でした。

北東側に広がる美しい石狩湾の眺めを得る居間の窓は、順光で照らされた緑も室内に取り込みます。これからの季節は毎日進む紅葉の赤や黄色が楽しみとなるでしょう。

山と海を愛しサーフィンとウインタースポーツが大好きな家族の住まいです。

こちらがその眺め。晴れて天気がよいと対岸の浜益方面まで見渡せます。普段は沖を行く貨物船、夜間は漁船の漁火も見えて、坂の街小樽の素敵な住宅街が桂岡です。

小樽と言えば市街地の運河や歴史的保存街区が有名ですが、こんなに札幌に近くて環境の良い住宅街は中々ありません。

ご近所さんも古くから住んでいる人たちが多くコミュニティーがしっかりしている印象。住まい手さんと一緒に土地探しをしている間も目が合うと必ず挨拶してくれる姿が好印象でした。

南東側からの立面は前面道路からの視線の侵入を抑えながら、最近特に対策が必要な夏の暑さを抑えるために窓面積を意識的に絞っています。また海を見下ろすテラスは大胆に左手の斜面の上に跳ね出して設けました。

その分一般的な建物よりも断熱を強化し、北側の窓を最大化して景色を取り込みます。

南面には山が迫っているために、南西の光は山に隠れて届きません。そうした理由も定石としての南面採光にこだわらなかった一因です。

雑木林の続く傾斜地を切り開いて作った住宅地なので、建物周囲には様々な高さが存在して、建物の間取りと呼応させることで面白い空間体験ができます。

テラスは丘上からの視線に配慮しつつ雑木林の中にあえて貫入させて、テラスに出るとふわりと緑の中に浮かんだような気分になります。

夜間はまちの照明器具のように浮かび上がるお馴染みの縦格子です。

こちらは海を眺める居間の大窓とテラスの位置関係がよく分かるカットです。階段状に切り土された住宅地に建つ感じがよく分かると思います。

テラスからは雑木林越しに海が見えます。

こちらは夜景。雑木林に貫入したテラス。暖かな室内の光が漏れる夕暮れの風景です。

居間からはいつも海が見渡せます。

今日はBTSなんていかがでしょう。国連より













 

2021年9月15日水曜日

南沢の家お引渡し

 

本日は「南沢の家」のお引渡しでした。

先ほど取り扱い説明とお引渡しが完了したばかり。5月の連休明けから早4カ月の耐震&断熱改修が無事完了しました。
この場をお借りして現場に携わったみなさん、そして貴重な学びの機会を頂いた建て主さまに心より御礼申し上げます。みなさん今までごくろうさま。そしてありがとうございます。

想えば築30年の断熱建物を現在の視点で耐震&断熱改修するという経験は中々得難いもので・・新築では当たり前にできることがそもそも難しかったり、「作る」という作業の前に必ず「解体」と「修理」という工程が欠かせなかったり・・

いつもながらいかに新築慣れし過ぎているのかを痛感するよい機会でした。

中でもリフォームは熟練の大工さんの腕が何倍も必要なことがよく分かった現場でした。

2021年現時で、国内には約5400万戸の既存住宅のストックがあるそうで、これからの省エネや、温暖化ガス削減はまさに新築のみならず、こうした膨大な中古ストックをいかに改修するかに掛かっているそうです。

そんな意味では凄く現代的で最先端の仕事を体験できたと感じています。ここ10年で採用して来た0勾配シート防水屋根やパッシブ換気、新築にも既存改修にも有効な外張り断熱工法、木製外壁、木製カーテンウオール、白樺合板による美しい内装等々・・建て主さまにはまた新たな住まいとして毎日楽しく住みこなして頂けたらと思います。

いつものようにお祝いのお花を買って・・・

まずはクリナップさんによるキッチンの取説から・・

飛栄建設の松田社長による各部の取説、保証書等のファイリングの確認。そして鍵のお引渡しです。
取説が一通り終わるころには外は夕暮れに

住宅街にまた新しい風景が加わりました。

あれっ、新しい感じなのに前からあったような・・不思議な感じ。そんな風に街のみなさんに感じてもらえたら嬉しいと思います。リフォーム最高!(笑)

今日はVan Halenなんていかがでしょう







2021年9月14日火曜日

グッドマン換気口

 昨日、いつもお世話になっているパネルヒーターのPSさんのことを書いたら「ところでヒーター上のBOXはなんですか?」というメールを頂きました。毎度ながら・・というか最近特に「そこっ!」ってところに食い付いていただいて誠にありがとうございます。(笑)


実はこの「南沢の家」築30年の家で間取りがまだ「寒さを解決できていない時代」のもの・・要は寒い玄関やホール、階段といった共用部に対してすべての居室が間仕切り壁とドアで仕切られる一般的なスタイル。間取りは気に入っていて変更はしないでほしいという要望を前提に・・現在の断熱建物の水準に引き上げるのが私のミッション。もちろん断熱改修が目的なんでメインは開口部を含む「断熱」なんだけど単に窓やその他を断熱強化するのは間違い。っというか副作用の方が大きくて危険・・ご存知「計画暖(冷)房」と「計画換気」をどうやって改修後の断熱レベルに最適化させるのか?/但し閉鎖的な従来の間取りのままで・・っていうところが計画上のキモなんです。はなから開放的な間取りならいつも新築でやるような給気と排気をまとめたスタイルで解決できるけど・・部屋どうしが仕切られて独立しているような保守的な間取りの場合は・・各室独立して使えるパッシブ換気とその給気予熱を考えないといけない。

もちろん中間期は機械換気併用となるのでその時は給気口としても使えないといけない。そんな理由でパネルヒーターの上部近辺に給気口を配置するのが輻射式暖房の代表的な計画手法なんです。もちろん給気口は冬場、単独で給排可能なもの、中間期や夏季は専用給気口となるものをチョイスしています。

グッドマン換気口 http://www.kankiko.com/goodman.html

2021年9月13日月曜日

PSのパネルヒーター


今日は北海道でお馴染みの暖房器具パネルヒーターの話題です。

 PSさんのHRヒーター。縦型がHX、横型のVXシリーズ。そしてタオルボーイの通称で呼ばれるYUCCA・・古くは札幌オリンピックの選手村や旧荒谷邸に採用されたのも同じく北広島工場から出荷されたもの・・そう考えるともう半世紀のお付き合い。PSさんいつも最高の製品をありがとうございます。

PSさんの製品はとにかく各部がきれい

横型のVXは地域の定番

室温で自動的に温度調整を行うサーモバルブ周り

うーん・・今や私の設計でははずせない信頼のブランドです。

おかげで音もなく気流も感じず最高の暖房品質が実現できます。あまりに身近過ぎて・・慣れすぎちゃっていてごめんなさい。また工場見学に伺います!(笑)

PS株式会社 https://ps-group.co.jp/

2021年8月28日土曜日

桂岡の家Ⅱ 外装&内装追い込み


「桂岡の家Ⅱ」は現在この状態。銭函海岸を見下ろす配置とパッシブ換気の排気塔屋を持つ外観がどんどん道南杉に覆われて出来上がってきました。

悩んだ南西向きの立面はこんな感じ、一見自由に配置された窓を庇&袖壁がまとめるデザインです。

今回の外壁は久しぶりに無塗装の道南杉貫板張り。想えば2009年竣工の「銭函の家」で使い始め、最後が2012年竣工の「発寒の家」以来です。その当時は板張りは嫌いじゃないけど、ワイルド過ぎる色変わりがちょっとね・・・という意見も多く。それ以降は保護剤に漬けた材料を使うことで強制的にグレーに色目を揃える方法を取ることが多くなっていました。
「発寒の家」の現在の外装の様子

その一方で、やはりワイルドでも杉本来の肌がグレーに大きく色変わりする感じが大好きというクライアントさんがそろそろ来ないかなあ~と思っていたところ・・早速もう一度チャンスを頂いたという次第です。(笑)
「銭函の家」の現在の様子2009年竣工

暖かな赤味の木肌は本当にきれいで、以前は防火の問題が解決できなくて外装に木張りが難しい時代もありましたが、今では地元の北方建築総合研究所が通称、北総研防火外壁として防火構造の大臣認定を取得し道内で広く使えるようになりました。

私としても益々、地域資源活用や地域らしさ、果ては地球環境保全の観点から道産材を使って行きたいと思います。

室内もボードがほぼ貼り終わり、作り付け家具が完了すれば随時内装仕上げに入ります。


私の薪ストーブの場合、煙突は原則壁出しです。壁出しなら煙突掃除も外出時に行えますし、屋根と絡まないので漏水に対しても安全です。

煙突孔の下に見える小さな穴は燃焼用の給気口です。

海とサーフィンを心より愛する住まい手さんの要望で作られた土間空間。ボードの手入れや保管をしたり、ワンちゃんの足洗いの設備も階段下に設けました。

南東側はこんな感じ。擁壁の上に建ち、学校の緑を背景にしています。

非常に細かな、M棟梁の仕事。こんなところに人柄が出ますね(笑)

今日はアヴァロンジャズバンド・・週末の音ですよね~(笑)





 

南沢の家 気密測定



 

本日は「南沢の家」の気密測定。築29年の住まいの断熱改修です。結果はC値:0.4cm2/㎡。新築の水準を充分クリアすることができました。従来は事情通の人程「古い建物は気密が上げられない」と断じる人が多かった。もちろん難しいことは確かだけど、なぜ難しいのかをしっかり分析して適切な設計&施工とすれば十分に上げることができる。

そのノウハウこそ施工者にも設計者にも今後益々必要となると思う。新築限定の方法ではなくて新築にも改修にも使える柔軟性の高い技術。今後・・新築がどんどん減る中で性能のよくない既存住宅は現在5400万戸もあるそうだ・・徹底的に直して行こうと思う。

飛栄建設㈱のM社長、U棟梁、Dr.タギ先生、そして挑戦の機会を与えていただいた建て主さまにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。あともう少し頑張ります!