2022年6月6日月曜日

フィンランドからの見学者

 先日6月3日はフィンランドからユンニ先生、ミッコ先生、北海道大学と日本福祉大学合わせて5名のみなさんに「追分の家」の現場を見学していただきました。

国として住まいの断熱法制化はまだ3年先ですが、寒冷地北海道は国に先んじること30年以上前、1988年から北方型住宅と呼ばれる断熱気密住宅を産学官協力のもと作ってきました。

そん理由もあって地元の大学と北欧圏の専門家交流も長い歴史があります。みなさんようこそ北海道へ! さて現場では・・

ユンニさん:なぜこの梁だけ材質が違うの?

山本   :寸法を揃えるためにそこだけより強い材にしました。

ミッコさん:フィンランドでも柱外に安易に耐力面材を貼ると

      結露が不安になるが北海道も同じか?

     (壁模型を見ながら)

山本   :同じだ。合板外の断熱抵抗比を倍以上取り防湿層

      を最も室内側に寄せて湿害をクリアしている。

ミッコさん:無言で頷く(分かってるようで安心したという顔)


ユンニさん:戦争のせいでロシアの陸路が使えないから日本向

      けの木材を出荷できない。主に日本と取引している

      企業も国内にはあるのに・・

山本   :残念です。特に最近の木材高騰はひどいです。

ユンニさん:初めて日本の住宅現場を見たがOSBが貼られていて

      フレーム&パネル(枠組み壁工法)みたいだ。

山本   :元々はOSBなんて貼らずに筋交いだったが、最近は

      面材を貼る現場がほとんど。みなさんの国との違い

      は現場で面材を貼ってパネル化すること。もちろん

      ユーロや北米規格のフレーム&パネルもあって、

      地域ごとに工法が違うところも特色です。

ミッコさん:この家床下があるのか?

山本   :北海道は地層的に新しくラドンは検出されません。

      なので基礎断熱をして床下汚染を気にせず室内と

      して使う場合が多い。


ミッコさん:この水平な断熱はなに?

山本   :スカート断熱といって凍結深度を軽減し基礎資材

      を節約するために使う。

ミッコさん:おーそうか!フィンランドにも似た方法がある。

山本   :似てますね(笑)

ミッコさん:似ている。同じだ(笑)

山本   :計画換気は3種で冬は特殊な自然換気を使います。

ミッコさん:なぜ1種熱交換を使わない?高いがフィンランド

      でも使うべきだとロビー活動している人もいる。

山本   :残念ながら北海道は石炭火力によるブラック電力

      が7割以上。電気料金も日本一高い。その状態で

      1種を使うと温暖な南部はともかく寒冷な地域で

      は増エネ&増コストになり易い。

ミッコさん:その感覚はよく分かる。再生可能エネを増やさな

      いといけない。

山本   :お恥ずかしい・・

ユンニさん:北海道では世界中の木で家を作るのか?

山本   :はい・・森林資源は豊富でも地域材活用は遅れて

      いるのも残念ながら実情です。この家も柱はオー

      ストリアから梁はフィンランド、合板はEUから入ってきています。


その他・・色々・・話題山盛りで楽しめました・・ 

アテンドいただいた坂口先生、森先生、サウナワーラ先生、

素敵な交流をありがとうございます。国は違えど・・北国同士、不思議に話が合いました。またぜひ北海道にお越しください。

今日は日本でもおなじみのフィンランド民謡なんていかが