2017年7月28日金曜日

西野まちなかの家 雨がくるかな?

西野まちなかの家から断熱の方法を合理化しました。現場を預かる宇野棟梁からの提案で在来木造本来の順序である屋根先行に変えたのです。従来は建て方完了の後は間柱入れ→壁の構造用合板→サッシ取り付け→付加断熱下地→付加断熱140mm→石膏ボード→タイベック、そして屋根の準でしたが、最近の雨の多さを心配した棟梁は今回は屋根先行で行く!と決断したのでした。 上の写真は最上階の桁の上に火打ちを省略するために敷いた24mm合板の上に一層目の断熱下地となる210材を組み立てたところで雨が降ってきて、ブルーシートで養生したところです。
雨が過ぎるとブルーシートを剥がし、二層目の断熱下地を組むという段取りです。
 
早速降った雨が45cm間隔で組み立てた断熱下地の間に溜まっています。
 
山の向うの小樽方面から雨雲が来ています。こんな風に雨を恐れるのは理由があります。300mm断熱は北海道の一般的な住いに比べて倍の断熱手間とさまざまな部分との取り合いを考えねばなりません。ぼやぼやしていると雨に断熱材がやられて残念な結果になる可能性もあるのです。特に屋根に対して室内側から断熱を詰めない外貼り断熱は断熱が終わり次第、屋根で蓋をしたくなりますよね。屋根さえ早く出来ればその下で行う、続きの断熱工事もずっと楽になると棟梁は考えたのです。私も過去の澄川の家の経験で全く同じ意見です。
 
過去ログ 澄川の家被害甚大 http://ako-re.blogspot.jp/2014/09/blog-post_12.html
 
壁の付加断熱140mm分だけが納入されました。
 
パラマウント硝子の江別工場で作られた20kg/m3超高性能品を使います。
 
これは2階の桁と気密シート、敷き土台の取り合いです。床の24mm合板は桁の芯まで来ます。残り50mmを同じ厚みの合板で貼りその上から、敷き土台を載せてビニールを挟み込んで気密を取ります。
 
真ん中にビニールを折り返された床の24mm合板、手前に柱巾半分、約50mmの同じ厚みの合板が来ます。構造用金物と取り合う所はこんな風に隙間を空けて行きます。
 
その上から敷き土台を打ちます。
 
構造用金物の関係で隙間が空いてしまうところはわざと少し大きめに透かして。
 
合板を貼る前に忘れずに隙間にウレタンを充填します。
 
 
これから壁の充填断熱が終ると、床に折り返され邪魔にならぬ様に養生された気密シートと桁から垂らされたシートが連続します。
 
 
梁と根太の材種と色身を揃え、建て方が終わると同時に完成する最上階の天井です。
 
敷き土台の上の間柱欠きと、床に仮止めされた気密シート。
 
今日はパリスマッチね!

2017年7月25日火曜日

西野まちなかの家 防湿シート工事

建て方と同時に防湿シートを止めて行きます。このやり方は二通りあって、梁を建て込むときに桁との間に挟み込みながら行う、いわゆる先張り方式(シートを外周廻りの構造材で挟み込みながら建て方も行うのが特徴)と、この現場のような後張り方式(建て方と同時並行はしても構造材で挟まないのが特徴)です。

効率よく安全に建て方を進めるために必用な、足場確保の観点から45cm間隔に根太を梁の天端と揃えて落とし込む方法で床を作っていることは前回の記事で書きましたが、こと外周部分に関して言えば、細かく根太材を入れると当然ながら細かく防湿シートも傷つけることになります。そこで中間桁の横腹に根太受けを打ち付けてシートを圧着しつつ根太もがっちり受けるように工夫しています。後張り工法の場合はこの部分の監理が特に大切になります。
 
根太受け材(45×105)が厚手のビニールシートを挟みつけながら根太を受けています。
 
 
根太受けがないとこんな風に45cm間隔に根太を受ける孔をシートに空けねばならなくなります。

10年以上前はこんな風に90cm角の桝目を作ってその上に24mmの厚物合板を貼っていましたが、足場も悪いばかりか、90cm間隔では合板の中央が下がるケースもありました。そこで今では根太材を落とし込んで極力、長辺方向:90cm、短辺方向45cmの桝目となるように改良した床組みとしています。

こちらは特注の高強度集成梁、E150-F435。ラミナ材はシベリア産のダフリカカラマツ。生産は下川町です。

端部は同じ梁成の桁で受けて羽子板は二丁引きとします。  

根太が釘で固定されると次は2階床の厚物合板敷きです。

こんな風に柱の立つところは合板を欠きむ加工をしてくれます。合板でビニールを挟み付けて釘で固定します。ビニールの下にホゾ穴が見えますよね?そこに管柱が立つことで柱でもビニールを挟みます。

こちらは角の通し柱。105×150のものを使っています。

こちらは製造元がフィンランド。構造材を集成材とすることが多い北海道ではさまざまな国の木材を使います。ちなみに土台は宮崎県、柱はルーマニアとフィンランド、梁はフィンランドと下川町でした。
 
夏のMonday Michiruもいいですよね~(笑)

西野まちなかの家 建て方開始

いよいよ始まりました「西野まちなかの家」の建て方。土台を敷いて大引を掛けて、根太を落とし込んで行きます。骨組みの段階でも大工さんの足場が取り易いようにデザインします。もちろん完成した時には骨組みは見えなくなってしまいますが作る途中の安心感や安全性は仕事を楽に早めてくれます。写真は1階の床ですが同じ要領で2階の床(高所)を作り、さらに屋根では組み上げた美しい骨組みを見上げることが出来るように作ります。住まう人にも現場で働く人にも役に立つ設計でありたいと思いながら図面を描いています。

ボルト頭が土台とフラットになるナットを使って壁に充填する断熱材との間に隙間ができないようにします。

天気に恵まれて床下のコンクリートはしっかり乾いています。

床下の高さは約80cm。照明や換気、パッシブ換気の熱源等を設けて室内として使うことが出来ます。要は1階と同じ面積で天井高80cmの大きなトランクルームが床下に付いてくる。基礎断熱っていいですよね~(笑)

同じJIS規格の構造材でも、土台は宮崎県から

柱はなんとルーマニアから。ここらへんは複雑ですよね。少しづつ地元の山の木を使って建築が作られるような健全な資本主義に変わってゆくとよいですよね。やはり本来なら西野に建つ家は西野産の木材で作れるといいな~(笑)。

しっかり足場の掛かった「西野まちなかの家」の現場。
 
今日はボサノバなんていかが

2017年7月16日日曜日

西野まちなかの家 脱型工事


7/15(土)は外気温35℃の中、脱型工事(コンクリートの型枠を取り外すこと)でした。今年はもの凄く暑い・・しかもまだ7月の中旬だというのに。型枠屋さん、まめに給水を取って倒れませんように。来週からはいよいよ建て方です。

こちらは玄関前のポーチ。型枠を外した後埋め戻して土間コンクリートを打ち込みます。

こちらは暖房給湯器の配管が床下に落としやすいように床のスラブ(床版)を開口したところ。

コンクリートの側圧で型枠が開いてしまわぬように内側と外側の枠をがっちりつなげ、アンカーボルトもコンクリートに流されぬようにそのつなぎの中心に孔をあけてセット。なおかつボルトの頭にコンクリートのトロが飛んでナットが締まらなくならぬように、全てのアンカーに養生の緑のテープが撒いてあります。

毎度ながら、丁寧な仕事。

ほらね、コンクリートを流し込む時にこんな風にボルトの頭にかかっちゃいます。もちろんコンクリートはどんどん固まり始めるんでいちいち拭いていたんじゃ間に合いません。そこで予めこんな風にボルトの頭にトロが飛んでもよいように一本一本全てボルトの頭を養生テープで包んでおきます。
 
今日はパガニーニ・・いいですわ(笑)
 

2017年7月15日土曜日

澄川の家 夏の様子

夏場は機械換気をONにして床下に給気します。
夏場に機械換気を使わないと、ご覧の通り内外温度差が均衡してパッシブ換気の給気口からは外気が入ってきません。今頃の季節は機械換気をしっかり使ってください。

夏場、二階にある居間の大窓は大きな熱源になるので外付けブラインドで積極的に日射遮蔽を行います。大窓のある間取りは気持ちの良い反面、日射遮蔽のコストが割高になりがちです。


今日も屋外はもの凄く暑くて33℃以上ありますが、二階の窓際の日射の当たらないところで31℃です。
こちらは床下ですが概ね27℃くらいです。

床下は外気を入れている状態です。

床下には2階の機械換気に引っ張られて約1.1m/秒、毎時140m3(70m3/時間×2管)。アースチューブにより地熱で約26℃にまで冷却された外気が入ってきます。この条件の露点は約20℃ですが外気により床下もほぼ同じ温度にまで暖められますので結露の心配はありません。
 
今日は宇多田ヒカルなんていかが
 

2017年7月7日金曜日

畑の季節

ふと気付けば夏・・畑の季節です。写真は青々と茂ったバジル。サラダにしたりトマトと一緒にパスタに使ったり、オリーブ油に混ぜてバジルオイルを作ったり、ドレッシングはお子さんに大人気でした。今年もたくさん作ろうと思います。

こちらはローズマリー。ラム肉の臭みを消したり、ジャガイモと一緒に炒めたり、こちらも色々使えるハーブです。

こちらはサニーレタス。毎日伸びますから1ヶ月は毎日新鮮なサラダが食べられます。4人家族なら苗を3~4本植えておくと今の時期ならレタスを買う必要がありません。

こちらはパセリ。飾りだけではなくサラダに混ぜると独特の苦味が味を引き立てます。スープを取る際には一緒にたくさん茹でるとスープが澄んですっきりとした味に仕上がります。

こちらはきゅうり、大好きな夏すずみです。一日でどんどん大きくなります。

こちらはルッコラ。香ばしい味のイタリア原産の油菜です。こちらも伸びた葉を摘んでサラダにしていただきます。

これは・・おっと失礼・・・(笑)
 
今日は久石譲のピアノ・・扇風機に当たりながら。