2018年10月26日金曜日

新琴似の家 お引渡し

ふと気付けば2015年の見学会で初めてお会いした住まい手さん。気付けばあれから早3年・・・今にして思えば長いようで短い時間でした。お仕事が内装業と言うことでちょっと緊張する反面、同じ業界の方から指名をいただくなんて嬉しいことです。
 
一番最初に精一杯努めようと思ったのが昨日のことのようです。

今年はもうすぐ雪の季節・・・と言うことで外構の写真はまた後日。どんどん庭の草木も色付いてきました。
 
駆け足で秋が通り過ぎて行きますね。

 
工事をしていただいた㈱アシスト企画さんは新住協の古参の会員にして年間50棟弱を建設する地域の有力工務店。「南幌まちなかの家」に続き担当していただきました。数日前には完成検査と社内研修をを兼ねて社内スタッフのみなさんに来ていただきました。
 
ちなみに「新琴似の家」のサッシはロシア製KARVI社のもの。基本はドレーキップとFIXで片引き戸はパラレルシーべ。枠と金物はドイツ製、ガラスは日本企業の現地法人が作っています。もちろんトリプルガラス&Wアルゴンガス。
 
隅々までほんとうにきれいに作っていただいてありがとうございます。
 
岡本会長、柳社長、柴田部長、渋谷棟梁、柴田棟梁、営業の平澤さん、現場に関わった全てのみなさん、そして300mm断熱の家を考え始めてちょうど10年の節目にこうした貴重な機会を与えていただいた住まい手さんにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。

夏靴、冬靴、靴の多い北国の暮らしに合った大きな下足箱。雪が落ちても床下暖房ですぐに乾いてしまいます。

外套やコート類が多いのも北国の特徴

 
寸法やデザインを標準化している階段。今回は階高2.7m用の15段仕様。
製作は店舗什器製作所の魚谷さん。

大きな玄関土間と収納

寝室

二階の開放的なLDK

階段は地元の白樺合板。写真は白樺の中でも肌がきれいな真カバ材を仕上げ面に用いたもの。

 
汚れやすい蹴込部分にちょっとだけ配慮。
 
 
下階の気配を伝えるためと階段の登り口に光を落とすことを目的にした床のスノコ。今回は久々に積層面を上にした白樺の合板で作りました。

 
床は地元の目白カバと真カバの混成フローリング。
生産者は芦別の瀧澤ベニヤさん。いつも最高の材料をありがとうございます。
 
そしてもちろん台所はクリナップ直需事業部の石川さんによるオーダーキッチンです。 

引き出しや扉類は全て、木目合わせした白樺合板。
 

血色のよいカバ材は北国の内装に合います。

こちらは居間側の扉。閉じたときに木目を邪魔しないようにあえてハンドル類は省きました。

木目合わせしていただくとやっぱきれいでいいですよね~(笑)

住まい手さんが丁寧に貼った引き戸。手掛けはタモ材、表に飽きたら張り替えも簡単。

三角の小屋組み。「新琴似の家」では定番の登り梁&落とし根太ではなくてツーバイ材による大垂木工法。
 
北海道は在来軸組みと枠組み壁工法のどちらも盛んなので材料と工法の選択肢は豊富。

家事室。家はお母さんにとっての職場。水廻りやWCが近くにあること。事務仕事に必要なインフラLANや電話等々が使えること、本棚があること。家事に疲れたら・・ちょっと外の風景が見えること。

家事室の本棚

キッチン横の洋室
 
今日の気分はエモーションズなんていかがでしょう?


2018年10月23日火曜日

新琴似の家 内装工事

「新琴似の家」、先日の内装工事の様子。担当するのはなんと住まい手さん。
 
そう「新琴似の家」のオーナーさんは内装屋さんなので、内装工事は基本支給工事となります。壁と天井そして建具を担当していただきます。
 
 
 
「なかなか緊張しますね~」なーんて言いながら、現場が始まるとさすがプロ。どんどん体が動きます。糊を敷いて寝かした長いクロスを二人で天井にピタっ・・・ローラーでこするともう継ぎ目なんてぜんぜんどこだか分らない・・・
 
毎度ながら表具屋さんは凄い・・・見る見る石膏ボードが建築の空間に変わって行く。
 
本当に何度見ても魔法みたいだと思います。

下地の処理が命の天井も見る見るきれいな室内に変わります。
 
親方、ほんとうにありがとうございます。(笑)
 
今日は見る見る美しく変貌する室内の感動を込めてJ.ベックを贈ります。
 

2018年10月12日金曜日

パッシブ換気 動き始めました

みなさん!北海道は秋の深まりとともにかなり涼しくなってきました。内外温度差が大きくなり徐々に冬の風向きに変わり始めるとパッシブ換気のシーズンが始まります。
 
ご存知、パッシブ換気は建物の「断熱&気密性が暮らしにとって欠かせない計画的な換気動力を生み出す」という北海道産の住まいテクノロジー。その換気の源泉となる動力は内外温度差という名の自然エネルギーだから、極端な話、無断熱な建物は室内と屋外の温度差が開かないし、断熱しても気密のよくない建物は隙間風でこれもアウト。
 
要は質の良い断熱建物にだけもれなく付いて来るボーナスみたいな現象を応用したものなんです。
 
意外に知られていないけど建物を断熱&気密化して行くと自ら換気動力を発揮するようになります。そのポテンシャルを最大限引き出すのが設計者の計画的手腕というわけ。
 
実は、そんな訳で内外の温度差が均衡する夏場は停止してしまうのもパッシブ換気の特徴。なので内外温度差が開き始める秋まで待って確認を行います。
 
北海道で断熱気密建物の特性として”自己換気能力”に着目した研究が始まったのが約40年前。現在では計画法がマニュアル化され、必要な時に自ら起動する換気、とかく換気扇のスイッチを止めがちな住まい手さんでも止められない自然計画換気として今ではたくさんの住まいに使われています。
 
機械による計画換気しか知らなかった頃は、たまの点検で訪問すると多くの住まい手さんが換気扇のスイッチを切ってしまっていたり、フィルターを交換せずに目詰まりしていたりとなかなか苦労しました。でも今ではパッシブ換気を機械換気と併用するようになって、必要な時には自ら動き出すので本当に楽になりました。
 
断熱気密建物にとって計画換気は欠かせませんが、そうした建物にとっくに慣れっこのはずの北海道の住まい手でも機械のみだとなかなか正しく使ってくれません。そんな実情に合った解決策としてとても重宝しているのがパッシブ換気なのです。
 
さて、本日は「南幌まちなかの家」にてパッシブ換気の作動を確認しに来ました。
 
上の動画はロフトの排気口がしっかり排気動力を生じているか?確認してみます。
 
実際に排気量を計測します。「南幌まちなかの家」にはこの排気口が二か所ありますから概ね80~120m3/h程度の換気量を生み出していることになります。
 
まじ~パッシブ換気できるようになりて~!という人は下記のHPを参考にいかが?
 
パッシブシステム研究会 http://pv-system.jp/
 
今日は大人っぽくbohemian voodooなんていかが