2021年5月19日水曜日

南沢の家 現場調査

 

本日は竣工時のサイディングを撤去し、より骨組みに近い部分の痛みを確認しました。
上の写真は窓の上に詰め込まれたバックアップ材

「南沢の家」竣工時のサイディングを撤去した状態。30年前の作り手の施工常識が分かる貴重な写真。通気層はあるものの防水透湿シートはまだ使われていない。窓の上部はバックアップまで詰めてシーリングでバッチリ密閉されている。その結果、逃げ場を失った通気層内の水が通気胴縁を腐食させている。窓上を透かして通気層を開放しておけば空気も出入りし胴縁も乾燥したかもしれないが、現在は写真のように窓で通気層をせき止める納まりではなく、付加断熱の発達によって窓位置と通気層を離す納まりが増えつつある。時が改良の方向を教えてくれています。



通気層が縦下地の場合、隅角部分に外装を貼ると・・事実上通気層ナシの状態となり易く写真のように下地材とサイディング(外装材)の間に水が走りやすい。ここについては今でも当時と同様の納まりで、まだ改良されていない。下地を圧縮強度があって水はけのよい材料(暗渠のような)にするとか、あえて部分的にスリットを入れて通しとしないとか・・今後の改良が必要な部分だと思います。



ボード状断熱材による付加断熱はありますが、防風透湿シートと柱外の耐力面材はまだ採用に意見が分かれていた時代の付加断熱建物です。30年前当時は実績がまだ不十分で・・原理的にしか判断が出来なかったのでしょう。つまり付加断熱に用いるボード状断熱材は防水性が高いので防水透湿シートは不要とか・・耐力面材は壁内に水蒸気を封じ込めてしまい通気層に逃がせなくなる(なりそうだから/笑)使わない(怖くて使えない/笑)といった、発展途上の断熱構造が作り手の戸惑いと共によく伝わってきます。

今日は暖かな良い日・・アヴァロンジャズバンドでも