2021年4月10日土曜日

桂岡の家Ⅱ遣り方工事

 

すっかり雪が融けた「桂岡の家Ⅱ」の敷地です。今日は丸作吉田建産㈱(以降:ヨシケンさん)のN所長に出していただいた遣り方の確認です。遣り方(ヤリカタ)とは敷地に対してどの位置に建物を建てるのか?またその際、床の高さを地盤に対してどのくらいの高さにするのか?を確認します。

既に建物位置は雪の降る前に何回も確認済み。かなりの多雪地域となる桂岡地区の冬の暮らしと敷地の中で発見した海への眺望を生かした2階居間型の間取りです。海への愛着の強い建て主さんの要望通り”海の見える家”を作りたいと思います。

敷地に対して北側となる石狩湾の眺望を最大限取り入れるためには、視界が開ける(通る)ラインを最初に見つけねばなりません。もちろん設計はその視界を居間に取り込むためにまず居間の位置が決まりそれに付属する様々な部屋やそれを結ぶ動線を整理しながら進めました。

間取りを考える際、特に大切にしていることは、あっけない程シンプルな形で敷地の魅力を生かせるか否か?要は複雑な形状でゴツゴツと凹凸のある間取りにして、やっとこさ眺望や機能が満たせるのではなく・・シンプルな直方体を敷地にスッと置いただけで後は必要なところに窓を開けるだけで美しい景色が得られる。また電信柱や通行人の好奇の視線といった方向には閉じた表情でそれらを受け流す・・・そんなことを考えます。

住まい手さんと見つけた海への眺望ライン。それを生かすためには居間をぎりぎりまで左の斜面に近づけて、なおかつテラスは斜面の上まで跳ね出して作ります。

ベージュの家を見ても分かるように眺望の反対側が南になります。また私の撮影位置が通行人の視点の高さとなりますので居間の様子が丸見えになるような窓や生活の中味が俯瞰的に見下ろされるような配置は必然的に好ましくありません。その結果、本来なら南に開いて太陽光をさんさんと・・・とはならずに南の窓は絞り気味に相成りました。

敷地を調査していると思いがけずにスッと視線が抜けるポイントを見つけることがあって思わずニヤリとしてしまいます。

いまいち・・私の言う事がピンと来ない人はぜひこの写真をどうぞ・・単に敷地といえどすべてが分譲地のようにきれいな整地状態で売っているとは限りません。(笑)

最初に行ったときは鬱蒼として背丈くらいの笹が生い茂り、敷地の中に高木が何本も立っていて、全体像は不明・・そこから敷地に何回か通って視線の抜ける道を見つけるのです。なので今は伐採&整地も完了して凄く分かり易くなった状態です。(笑)

来週はいよいよ地鎮祭。またチーム全員で精一杯家づくりを楽しみたいと思います。

今日はU2なんていかがでしょう