本日はイベントのお知らせです!
みなさんぜひ6月末は家具の聖地旭川に集合!大雪連峰の麓に広がる美しい景観の中で最高の家具たちに触れて頂ければ幸いです。当事務所の床ガラリや椅子を製作いただいている匠工芸さんももちろん参加します。
公式HP https://meetup.furniture/
本日はイベントのお知らせです!
みなさんぜひ6月末は家具の聖地旭川に集合!大雪連峰の麓に広がる美しい景観の中で最高の家具たちに触れて頂ければ幸いです。当事務所の床ガラリや椅子を製作いただいている匠工芸さんももちろん参加します。
公式HP https://meetup.furniture/
基本的に地域資源の有効活用の観点から未乾燥材の活用、表面はのこ引きのまま仕上げない・・・木肌の白い松材(エゾマツ、トドマツ)を保護材に漬けると最初は薄緑ががったグレーのなんとも冴えない感じ/笑・・始めた当初はお客さんも「本当にこれで仕上がりですか??」なんて不安がられましたけど、松は木肌が白い分、翌年には大変身して周囲にしっかり馴染みます。今では北総研さんが防火構造の認定ルートまで開拓してくれたので準防火地域内でも大活躍です。
ここ最近「 恵庭の家Ⅱ」の計画に集中しています。敷地から見える豊かな緑をいかに取り込むのか?日々の暮らしを四季の移ろいと共に様々に想像してみる・・・
クライアントさんからいただいたゾーニング&動線の希望をざっくりとまずは絵にしてそこに一般的なプロポーションを貼り付けてみる。果たしてそこから何が見えてくるのだろう?真に言わんとしていることは何なのか?・・・クライアントさんの世界観に耳を澄ましてみます。
クライアントさんの中には何となく図面を描いて要望を伝えようとする人もいます。その一方でその要望をストレートに実現することは中々難しい場合がほとんどです。
理由はいくつかありますが主なものは二つです。一つ目は図面を描く前に理解し順守すべき視点。二つ目は妥当な実現可能性の視点。
この二つを今風に言えば最初がコンプライアンス(法令遵守)、二つ目がフィジビリティ(Feasibility/実現可能性)です。一般の人がよく気にする部屋の日当たりや丈夫さや暖かさは主に前者、予算や施工法・・等は主に後者に分類されますので、思い当たる人も多いと思います。
端的に言えば”法令”と”コスト”をいったん置いて、描かれた絵をたたき台に・・その真意を読み、必要な事柄を足したり引いたりしながら様々な検討を重ねて行きます。
毎年この季節は、設計に打ち込みながら・・野菜を育てています。畑も当事務所では立派な仕事。住まいという暮らしの産業に携わる者として、土との関わりを設計に生かしています。
現場がどんどん進む今日この頃ですが、植えた野菜たちも着実に育ち、けして歩みを止めません。毎日少しづつ変わってゆきますね。
私にとっても・・いつしか設計の質を保つための大切な時間というのか、解決に煮詰まったときに、意外な方向からアイディアが降ってくるきっかけというのか・・
今では会社の業務に”家庭菜園”と入れておいて本当に良かったと思っています/笑。
ところで・・家づくりの際、玄関近くに物置があった方がいいとか、最近では下駄箱だけじゃなくてシュークロークを設けてコート類もまとめて仕舞えた方がいい・・なんてかなり漠然とネット検索する人は増えたと思います。
その一方で・・なぜ玄関と物置の連携が必要なの?とかシュークロークまで?なんてことは意外と疎か/笑・・
例えば・・家庭菜園という経験値があれば、必要となる農機具や堆肥、支柱やネットがないと、そもそも成立しないということが簡単にイメージできるようになります。作業で汚れたズボンや上着は家に上がる前に玄関の一部(シュークローク)で着替えたいし、場合によっては、洗濯場所と動線をつなげてあげるとすごく都合がよかったりする/笑。
家の設えを考える際は、自身の思い込みだけじゃあなくて必ず、他の人の実践(引き出し)を下敷きにしたリアルから発想する。一見、もっともらしく聞こえてもやったことがない人の描く間取りは浅い・・すぐに使えないことが明らかになります。
そんなよくある例が物置やカーポート。ご存じ北海道は雪のシーズンが長い地域、それに都市部でも基本は相当な車社会。そんなことは昔から周知なのに・・なぜか物置やカーポートは翌年以降の家が多い。
住宅本体はデザインや外装も含めて、あれだけこだわったのに・・翌年家の前に作る、カーポートや物置はホームセンターの安売り既製品?・・・
なんかそのパターン・・バランス悪くない?/笑
もちろん住宅と一緒に設計できれば越したことはないけど・・特に最近は予算のことも大きい。そんな時はショボく見えないとっておきの既製品を存分に使いこなして対応します。
性能向上リフォーム「北郷の家」本日は板金廻りのチェックを行いました。赤塚板金さんいつもありがとうございます。
外壁は基本的に木外装ですが雨掛かり部分など耐久性を重視すべきところは板金で作ります。0.35mmの薄板の板金を器用に折り曲げて毎回板金屋さんが美しい見切りを作ってくれます。正面から見える厚みは基本的に15mmと24mm。当事務所の外観の特色は、壁よりも窓が引っ込むので窓の下には水切りが必要になります。
防水という大切な目的を果たしながら最小限の断面でシャープにピシッと美しいラインを通していただきました。
二階のリビングの温湿度。条件は窓は南北二面開放で通風時のもの。午後の雨の前だったので湿度は高いけど、そこは山間の福井地区。通風があるとけっこう気持ちいい。
今日は「福井の家」の夏前点検。床下の温湿度を計測して、夏の冷房時のアドバイス・・っといっても別に難しいことはなく、窓を閉めて冷房する際にはしっかり機械換気を使いながら行ってください。というお話しと、そろそろ夏場用タイマーに切り替えて一日30分程度床下を温めて除湿してくださいの主に二点。断熱気密住宅は難しく作っちゃダメ/笑
床下はコンクリートが蓄冷して涼しい。昨年2月のお引き渡しだったので、すぐに暖房開始。そのおかげもあってカラリと乾燥した床下でした。
床下の表面温度は20~19℃で安定
家中の窓をいったんすべて閉じて床下の給気管に給気圧が掛かるかどうかの確認。ばっちりかかってました。
今日の話題は情報提供。家づくりを目指す人向けになんと国交省が官民連携で作ったサイト。その名も 住まリテ。中々の出来の良さなのでご紹介させていただきます。
住まリテHP https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/
実は日本人の多くは自分の国を先進国だと思っているけど・・中でも凄く遅れている分野が暮らしと住まい。そう家づくりなんです。世間的にはリテラシーの低い分野・・
リテラシー:本来は読解力の意。近年は特定の知識を使いこなす力を差す。
みんな昔、社会の時間に習ったことがある昭和のキャッチフレーズ「夢は庭付き一戸建て」。庭すなわち宅地を買ってその上に一戸建てを建てることが昭和的な夢。男性ならこれができて一人前、女性ならそんな住まいに住めることが幸せ・・そんな風に昭和の夢は実に単純/失礼・・シンプルでした/笑。
その一方でそうやって大手住宅会社とそれを皆でお手本に一戸建てを量産し続けた結果・・僅か半世紀で約600万戸の空き家を抱えるのが令和の時代。もちろんこれでも築30年も経たずに壊される家が膨大にあった結果の数字なので、日本の家づくりの質がいかに低かったのかが分かる証拠となっています。
そう・・物のない貧しい時代を生き、自身の主張も認められなかった多くの昭和人にとっては「あなたの希望通りの家が建つ」というキャッチフレーズはものすごく心に刺さるものだった。幸運にも一戸建ての建て主になれた人はみんな、にわか勉強をして自分好みの間取りや壁紙、調度品で家を作り飾ったのでした。
そんな風に横並び意識の高い日本人が作った間取りや家々は本来なら普遍的で新たな住まい手にとっても暮らし易く、仮に直すにしても直し甲斐のある家のはずだった。ところは結果は前述のとおり、あまりに個人的な好みや自分的にはこれが最適!を積み重ねたところで住まいの質は上がらなかったばかりか、昭和の中古住宅の多くは肝心なところが使い難く住み難く・・おまけに夏は暑くて冬は寒い・・直したいけど高額過ぎて、それならいっそ新築の方がよくね/笑・・の悪循環。 平成までは何とかそれで乗り切れたけど令和の時代はそう甘くない。溢れかえる情報を取捨選択し使いこなせる知力が求められています。
この機会にぜひご一読を!
今日はPOLICEのカバーをHSCCで・・相変わらず質高し!です
北海道新聞6/4朝刊 読み解くに特集していただきました。
従来は主に暖房費削減の観点で語られることの多かった北海道の断熱。その一方で現在は国をあげて2050年を 目標に脱炭素化を目指すための有効な手段として全国的に見直されるようになりました。当事務所が2009年より取り組んでいる全棟300mm断熱化はもちろん、先日完成した南幌0カーボンヴィレッジの1棟目、「南幌の家ゼロ」も特集していただきました。
北海道新聞デジタルHP https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1161807/
想えば1998年に独立して設計事務所を始めたのですが当初の10年くらいは正直、取り組むべきテーマが今一つ判然としませんでした。
卒業後の就職が札幌以外だったこともあり、13年振りにUターンして故郷に戻ってはみたものの、目先の暮らしだけで精一杯・・そんな時に出会った建て主さんのお仕事が「銭函の家2009」。そこから全棟300mm断熱化の取り組みを本格的に始めました。
意外だったのは・・寒い家に不満を持っている人の多さ。そしてデザインに対する関心の高さでした。自分の悩みとは裏腹に、とっくに世間は年中住みやすく美しいデザインの家を求めていたのに、自分だけが性能を追求すべきか?はたまたデザインか?の二者択一で悩んでいたことに恥ずかしさを憶えました。
端的に言えば、見つけるべき設計の主題は昔から目の前にあり、健全で経済的に清々しく暮らしたい・・という欲求は人にとって普遍的なものです。たまたま寒い地域だから暖かさやそれを得るための経済性が注目されやすいだけであって、端から暖かい家ならよい?とかデザインを取ると暖かさは捨てざるを得ない?のような的外れな二元対比に意味はなかったのでした。