先日無事、地鎮祭を終え「釧路の家」が着工しました。道東では初めての工事なので私も楽しみにしています。遠隔地ににも関わらず、札幌まで何回もお越しいただきお打ち合わせを頂いた建て主さまと、土地勘もなく施工者の選定に苦慮していたところ八百坂建設さんをご紹介いただいたOさんに心より御礼申し上げます。今後は八百坂さんと協力してよりよい家づくりにしたいと思います。
さて八百坂建設さんは釧路市の隣町、白糠町の建設屋さん。ちなみに私の事務所から現場までは320km程、離れている。高速を乗り継いで約4時間。「これから現場で打ち合わせしよー」等とは気楽に言い難い距離がある。もちろん私はいつにも増してしっかり図面を描き、不要な質疑や現場での混乱が生じぬよう祈るしかない。きっと相手もどんな設計屋なのかと不安だろう。そんなことを思っていた矢先に、「基礎の施工図を描きました。」とメールをいただいた。
普段から現場で使えない意匠図面が嫌いな私はそのまま施工図として現場で職人さんたちが使うことを前提に意匠図を描いている。もちろん印刷物やPDFの他にデーターとしても渡す。従って担当者に一定の技量があればミスはずっと少なくなる。
しかしそのデーターを用いてスカート断熱の着色までして描き直した施工図が届いて感心してしまった。立場は違えど同じものづくりに携わるものとしての注意深さと丁寧さを感じる。二年前に「東光の家」でお世話になった美瑛町の清水建設さんもよかったが、今地方が大変な時代にあって公共工事から個人宅の門塀の修理、店の開店から、家づくりに除雪まで・・・要はコンクリート造から鉄骨、木造、土木・・何でもござれの地方ゼネコンはなかなか凄い。ご存知、北海道と言えども地域を問わず、公共工事の頭(主契約者)は本州大手ゼネコンの場合も多い。しかしその本州仕様の設計図を地元で不具合を生じぬように全て直し、予算も含めてまとめるのは地元の建設業の仕事でもあるのだ。今後は、お互いの経験を出し合い相手を尊重してよりよい結果を出せるように頑張りたい。
株式会社 八百坂建設HP http://yaosaka-kensetsu.com/
上が八百坂建設のK部長の描いてくれた基礎伏図。下がその元となった私の基礎伏図。床下暖房配管の位置やパッシブ換気の給気管、予熱ヒーターの位置、鋼製束の位置、土間&スラブ配筋、
各部の高さ等を5mm文字で記入する。A4に縮小しても読めるように。
各通り番手は設計屋の好きなX-1、Y-1は使わない。地元の木造の技術標準は、「いろは~」と「1,2,3~」だからプレカットだろうと手刻みだろうと手板の流儀通りに書く。大工さんの読めない図面に価値なんてないから。
今日はアッコちゃんなんていかが(笑)