2025年10月31日金曜日

北郷の家 2025.10.31 お引渡し


今日は性能向上リフォーム「北郷の家」のお引き渡しでした。

15:00からでしたのですぐに外は暗くなり・・暖かな室内の光が印象的でした。


北郷の家のお花は黄色。毎回、事務所のある商店街のお花屋さんでアレンジしていただいています。室内に映えるアレンジのセンスにいつも感謝しています。

季節柄、ペレットストーブの炎が恋しくなる今日この頃・・(株)ケイズの井上さんによる丁寧な取説です。住まい手さんはセントラルヒーティングの住まいは初めてとのこと。今までのお住まいは寒かったそうですから、セントラルヒーティングの穏やかさよりもストーブの高火力に体が慣れています。そんな経験が長いと、新居に越しても、慣れるまでの1~2年は家が寒いと感じてしまい易い。そんな時に炎の存在は暖かさを連想させるうえで大変分かり易い。じゃあ2年後にはストーブなんて使わなくなるかといえばそんなことはなく、むしろセントラルヒーティングを調整しながらペレットストーブとの気持ちの良い塩梅を各家庭ごとに見つけて行く・・各人焚き方は様々でも、不思議なことに全員に共通するのは冬が大好きになることです。

午後四時過ぎですっかり日が落ちる今日この頃、ストーブの炎に癒されます。奥さまの「ずっと見てられますね/笑」という言葉が印象的でした。

今日はもしもカシオペアがYMOを演奏したら・・面白いすよ/笑!



南幌まちなかの家Ⅳ 2025.10.18 お引渡し

 

10/18は南幌まちなかの家Ⅳのお引き渡しでした。いつものようにお花を買って、竣工図一式と、各届け出の製本を持って伺いました。

今年は4月から建築基準法の大改正が施行され、混乱の中の着工となりましたが初めてご担当いただいたネオス建築さんの奮闘で無事現場を納めることができました。

この場をお借りして現場をご担当いただきました中野所長さん、タイムラプスを撮影していただいた広報の泉さん、いつも大らかにお打ち合わせを進めて頂いた佐藤社長、そして南幌にて4棟目のご指名を頂いた建て主さまに心より御礼申し上げます。

いよいよ北海道でも本格的な夏対応(全室冷房)が求められるようになり、通年型のパッシブ換気や深い庇による日射遮蔽、縦格子による視線と西日の制御等々・・従来の冬目線に加えて夏も気持ちの良い住まいが益々求められるようになっています。そうした新たな挑戦の機会は、自身の設計にとって大きな転換点になりました。

もうすぐやって来る冬もきっと暑いであろう来年の夏もご家族全員で気持ちよく過ごしていただけるといいなと思います。

写真は新宮商行さんによる薪ストーブの取説。薪ストーブを楽しみながら、安心して調理ができる家は今でも意外と多くありません。パッシブ換気による柔軟な燃焼用空気量の増減でC値が0.3cm2/㎡といった超高気密な室内でも安心して炎を楽しむことができます。

ぜひ、今シーズンから薪ストーブライフを満喫してほしいです。

今日は、最近はまっている「もしもシリーズ」・・えっYMOなのになぜベンチャーズ?/笑


2025年10月19日日曜日

北郷の家 2025.10.19

 

性能向上リフォーム「北郷の家」がもうすぐ完成します。上の写真は縦格子の付いたテラスをアプローチ空間から眺めたところ。居間の前に用意された半屋外の空間は一年を通して大活躍します。

光と視線をある程度通す方法でテラスを覆うのがコツ。こうすることで屋外の解放感と通りからの覗かれ難さを両立できるからです。なぜ両者の両立にこだわるのかといえば・・質の高い空間(こんな空間あったらいいなあ~と思う空間)は覆い方の工夫で決まるからです。

要は単純に壁と屋根で覆えば単なる室内になっちゃう・・でも屋根は付けるけど壁は空気と視線、光が出入りできる程度にあえて粗く作っておく・・そんな風に覆い方に濃淡を付けると・・昔はなかった空間が出来上がります。

屋外から覗かれにくい空間があると・・風呂上がりに薄着でくつろぐもよし、BBQをするもよし、洗濯干し場や、食品の一時貯蔵、冬場に自転車を置いておく等々・・様々に使えます。季節ごとの設えが多い北国だからこそ、こうした半屋外の空間が大切!寒いから大きくて暖かい室内が何より重要・・なんて以前は信じていましたが、丁寧に暮らしを観察するようになってからは室内以上に半屋外の空間に目を向けるようになりました。

こちらは段数を増やして架け替えられた階段。日本の住宅の良くないところは・・急な階段。1階の暮らしを重視する人が多いせいで、とかく無視されがちなのが二階への動線の質。急な階段は安全上も室内の有効活用の観点からもお勧めできません。

布の壁紙に取り付けたスポット。織り糸の黒と呼応していい感じです。

床下に設置された暖房配管だけで家中で必要な暖房熱はあらかた供給が可能となります。でも、長い冬を楽しく過ごすためには炎の暖かさで室温の仕上げをしたいと思います。

キッチンより吹き抜けのあるダイニング方向を見たところ

こんな風に1階の縦格子からの明るさが減っても吹き抜けに設けたハイサイドライトから光が落ちてきます。

今日は汐れいら・・なんていかがでしょう


2025年10月4日土曜日

北郷の家 2025.10.04

性能向上改修工事「北郷の家」は現在内装工事中です。クロス屋さんが現場に入り、高いところから(天井から壁へ)順番に作業を進めて頂いています。

住宅街に少し異質な木外壁が現れました。この木外装・・以前もご説明した通り北総研(旧道立寒地建築研究所)による防火木外壁として防火構造認定を取得したものですので、一般的な住宅街(22条地域/屋根の不燃化地域)や準防火地域(外壁は防火構造以上+所定の開口部は防火戸とすべき地域)でも木張りの外装が楽しめます。

自らの室内から自分の家の外壁を眺めるという少し変わった体験ができるように、別棟のアプローチ棟はコの字に中庭ができるように考えました。

クロスの上に壁紙が貼られて行くと見る見る工事現場が人の住処に変わって行きます。

1階のLDKの天井もきれいに貼り上がりました。

壁紙が決まってくると大工さんの丁寧な仕事も相乗効果で際立ちます。

こちらは、階段下の出入り口とその上部にミニ仏壇を格納する造作ですが細部をよく見ると・・・・・

枠が太鼓上に美しく面取りされていることに気付きます。宇野棟梁ありがとうございます。「ただ切って組み立てるだけじゃないんだぜ~」という声が聞こえたように思います/笑。

とてもきれいに作っていただいたので見学会のご相談を建て主さんにしてみようと思います。

今日はILLITなんていかがでしょう


2025年10月2日木曜日

南幌まちなかの家Ⅳ 住設取り付けタイムラプス

ネオス建築さんと取り組んできた「南幌まちなかの家Ⅳ」の住宅設備取り付けの様子です。広報担当の泉さんにタイムラプスを作っていただきました。どんどん室内になって行く模様が楽しいです。ぜひご覧ください。

内部はクロスが貼られた後、設備機器が次々と設置されいよいよ完成間近となりました!今回はキッチンとタイルの施工風景をタイムラプス版で纏めました✨

https://www.instagram.com/reel/DPNUEolks7K/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==


今日はHSCCでマイケルのカバーなんていかがでしょう


2025年9月28日日曜日

南幌まちなかの家Ⅳ 内覧会のご案内


 春先より、ネオス建築株式会社さんと取り組んできました「南幌まちなかの家Ⅳ」がいよいよ竣工を迎えます。 この度、きた住まいるヴィレッジのルールと建て主さまのご厚意で見学会を行うこととなりました。

ご希望の方は必要事項(見学希望時)をご記入の上当事務所のお問い合わせフォームよりお申込みいただければ幸いです。

*:注 10/11.12のご同業者の見学等はご遠慮いただきますようお願いいたします。

お問い合わせフォーム https://ako-a.com/contact.html


◆「南幌まちなかの家Ⅳ」とは

令和を生き抜く世代が持つべき家

例えば35歳で家を建てたとしてローンが完済するのは70歳・・その間に家族が増えたり、職場復帰したり、入学や受験、進学や就職・・子供が巣立って一安心と思ったら、今度は両親の介護や同居に相続等々・・

僅か35年の間にここまで住まい手を取り巻く環境は変わる。というか・・これがむしろ当たり前。当然ながら・・今のあなたの思いで作っただだけの家だとすぐに陳腐化せざるを得ない。少なくとも35年後により多くの人が魅力を感じる家でなければ、長年苦労して返す数千万の工事費は、けして自らの未来を生かすお金とはなり難い。

実家の母が言っていた「子育て中は何でも自分一人でしなきゃと思って、どこにでも手の届くキッチンが理想だったのよ・・でも無理言って一人用に作っちゃったから、今娘と二人で立つには狭いのよね/笑」、父も言っていた「当時は家なんて大きな方がいいと思ったけど、光熱費も高いし今は二人暮らしなのに無駄だよね、何で壊れない断熱じゃなくて、家の大きさや壊れやすい設備にお金かけたんだろう?若かったのかな/笑」・・・

自分も開業して今年で27年。同じようなお話を散々聞いてきました。そこでどんな風に作っておけば・・住み始めから家を去るまで困らないのか?そんなテーマで取り組みました。
「南幌まちなかの家Ⅳ」には、そんな各世代の知恵に溢れています。ぜひご覧いただければ幸いです。

◆北方型住宅ZEROについて

北海道が1988年から年次改良を続けている「北方型住宅」時代の流行りに流されることなく誰にとっても大切な、快適性、ユニバーサルデザイン、耐久性、省エネ性、地域性、設計図の保管とそれらの見える化を進めてきました。その最新版である「北方型住宅ZERO」の基準を満たしています。

ZERO基準はそのベースとなる北方型住宅2020基準に10ポイント以上の更なる省エネ要件をプラスしたものですが、南幌まちなかの家Ⅳは+10ポイントとなっています。特に外皮性能のUA値:0.18W/㎡Kは国の定める最高等級7(断熱等級/UA:0.20W/㎡K)を超えるものです。

◆BELSについて

今日は小室さんのカバーなんていかがでしょう。時代を感じますよね~/笑


2025年9月25日木曜日

北郷の家 2025.09.25

 

すっかり秋っぽくなりました。本日の「北郷の家」の様子です。

工程的には内装の直前。仕上げの大工仕事が見頃です。担当するのはもちろん宇野棟梁。階段廻りは特に見せ場となります。

以前の階段が急過ぎたので、段数を増やして緩勾配とし、階段の断面がギザギザに見えるようにデザインし直しました。

こんな風に断板は24mm、け込み板は15mmの白樺合板を君合わせて宇野棟梁に作っていただきました。

単に断面を見せるだけではなく床に貼ったフローリングを階段の腰壁部分に張り上げ、断板との間に5.5mmの目透かし貼りとしました。

きらりと光る宇野棟梁の技。床のフローリングの割り付けとピッタリ腰壁に貼るフローリングの割り付けを合わせることで、水平の床が垂直に折れて腰壁に連続するように納めてくれました。
家の真ん中にある階段は採光が取りにくく、ともすれば暗い印象になりがちですがこんな風に階段の片側手すりを壁にするのではなく、光を通しやすい鉄骨の手摺を後付けする方法にすればかなり明るさや圧迫感は減る設計になります。

その反面、もちろん手間は何倍も掛かるし、難しいし階段の施工に関してはいつも宇野さんにお世話になっています。特にリフォームの場合は元床の精度がやはり現代に比べるとよくはありませんから、どうやってその狂いを全体に散らして自然な昇降感を得るかは正直、棟梁のセンスが試されます。端的に言えば・・1階の床と2階の床が平行ではない建物にどうやって平行に作った階段を掛けるのか?

図面なら意識せずに完全な水平や垂直の線が自由に描けますが・・こと現場となるとそんな幸せな場面はめったにありません。新築(機械加工のプレカット)と既存(手加工)は前者の狂いが少なく、後者は大きいというだけの話し。当然後者を自然に見せるためには、大きな狂いをいかに自然に見える小さな狂いに分散させるかが腕の見せ所となります。

キッチンのカップボードが取り付きました。

作り付けのTV台もきれいに太鼓面が取られた白樺の積層合板で納めて行きます。いよいよ来週からは建具屋さんの採寸。その後はクロス屋さんが仕事を始めます。一気に工事中の現場が家になる瞬間が楽しみです。

今日はオールスターでKARAのステップなんていかが


2025年9月11日木曜日

北郷の家 2025.09.11

 

性能向上改修工事「北郷の家」アプローチが完成しました。北海道の家って除雪の関係で塀や門が作りにくいですよね。その一方でこんな風に低層のアプローチを前面に配置するとすごくバランスよく家の構えがまとまると思いませんか。

北海道に合った通りの風景も当事務所のテーマ。もうすぐ完成です。

こんな風に主屋の玄関まで雪や雨に当たることなく通り抜けられるように考えました。


アプローチの後ろに主屋が続く構成です。

こんな風に半屋外の大きなスペースが除雪の手間を大幅に軽減します。

今回もう一つ力を入れたのが階段の緩勾配化。従来は一段の高さが20cm以上もあった階段を18.6cmに低く抑え段数を増やして架け替えました。もちろん踊り場には危険な回り段はなし正方形の踊り場としました。

2階から見下ろした階段です。踊り場に回り段がないことが分かるでしょうか?日本の家がよくないのは部屋数にばかりこだわってその部屋同士をつなぐ空間をしっかり作らないところ。二階をしっかりと使いたいのならば部屋もさることながら登り降りを楽にする階段の設計が欠かせません。例えば35歳で家を建てたとしてローンを払い終わるのは70歳。それなのに階段は一段の高さが20cm強??なんていう設計も相変わらず多い。当事務所の新築は階段一段の高さ(蹴上げ寸法)が18cm。大規模改修でも特別な理由がない限り18cm台に低くします。ぜひ実際に歩いてみてほしい。楽さと怖さが全然違います。

今日は懐かしく・・新しく・・