2015年7月11日土曜日

ニセコの家へ

今日は新規のお客さまをニセコの家にご案内しました。天気はばっちりニセコ晴れ!羊蹄山もくっきりです。 私の事務所ではよくOB、OGのみなさんのご協力をいただいてこれから家づくりに取り組む建て主さんに実際の暮らしを見学する機会を設けるようにしています。自分たちと同年齢の人たちはどんな間取りに住んでいるのか、年齢や敷地条件が変わるとどんな風に間取りや解決策が変わるのか。を実際に間取り図と実空間を見比べながら体感していただいています。間取り図だけでは見えてこない実際の様子が一目で分るのでとても好評です。
 
たとえば1階玄関土間にみんなが集まれるテーブルがあるといいね。とか本棚も置くともっといいね、一階の床をコンクリートで作って蓄冷させると凄く涼しくて気持ちがいいね、吹き抜けを設けると二階とつながって広々するし、自然に風が通り抜けて換気もいいね・・・等々。打ち合わせでは絶対に伝わらないことを体験は簡単に伝えてくれます。


トンネル状の雁木空間は夏は風を運ぶ風洞に冬は雪の積もらない屋外を実現してくれます。

額縁のように切り取られて北側から明るい南側の庭が見えるのもよいものです。

今日も穏やかなニセコ時間が流れていました。

山の手の家 気密測定

本日は、山の手の家の気密測定。毎度おなじみのDr.タギ先生の登場です。全力でやれることは全て行った結果、C値は0.7cm2/㎡。見事、新築の規準である1を切ることができました。みなさんごくろうさま!さすがです。

タギ先生愛用の測定器

テーピングと重ね合わせで気密を取っています。
 

 
室内側は武田建設さんの特徴であるオレンジ色の気密シートで完全に気密工事が完了した状態。

階下に下りる線や管も一部にまとめて処理しやすくしています。
 

こちらは天井の気密処理の様子。

環境設備セミナー 1日目 函館

函館に着きました。札幌から特急列車で4時間、なかなか遠いです。でも函館って大好きな街。

函館までありがとう!特急北斗です。

新函館駅。駅前からまちへのアクセスがよくて大好きな駅前です。

ホテルまでは駅から10分くらい歩いて・・・

函館国際ホテルに到着。おっ!どこかで見たことがあるような・・・

大好きな造形作家 伊賀信さんの作品。発寒の家でもおせわになりました。ということでこの日はホテルに一泊です。
 
 
翌朝は快晴、函館は歴史のあるまち・・・1854年に下田とともに開港されました。

かつて函館と青森を結んだ青函連絡船。

遠くに函館ドックのトーチの明かりが見えます。

散歩で金森倉庫へ
 

レンガの赤と空の青

蔦の絡まる建物のつくる街並み

セミナー会場は大入り満員。みなさん最後までありがとうございました。

2015年7月8日水曜日

山の手の家 気密測定直前 各部確認

本日は、気密測定の前の確認1回目です。いつもは新築が多いために気密測定の数値は概ね予想ができますが、今回の大規模リフォームはどのくらいの数値が出るのか楽しみです。できる限り新築の状態に近付けるべく「チーム山の手」一同、頑張りました。 写真は既存の壁に付いていた窓を撤去し、断熱して塞いだ上から気密ビニルを貼って、室内側の付加断熱用の間柱を立てた状態。気密ビニルは元の石膏ボードとこの間柱でがっちり挟み込まれて高い気密を実現します。

こちらは壁のビニルを天井側に折り返し天井野縁の上に貼っている状態。床断熱と同様に気密ラインの向こう側に配線配管を行うと貫通部で気密処理の必要が生じます。その部分は念入りに行わねばなりません。

古い給気口は気流止めのGWを詰め込んで塞ぎその上からビニルで気密を取ります。

こちらは新しい浴室(ユニットバス)の天井部分です。前のユニットバスの天井は気密シートが無く、浴室内の湿り空気が全てGWの中に逃げるという構造でした。その結果、湿り空気内のホコリだけがGW内に残るフィルター効果を生じ天井のGWを真っ黒に汚していました。今回は写真のように気密ビニルを先行して貼り、先に一度天井を作ってから室内にユニットバスを置く方法を取ります。これでもう浴室の湿気は絶対に天井のGWには逃げないようになりました。
 
以前のユニットバスの天井GWの様子 http://ako-re.blogspot.jp/2015/05/before-after.html

こちらは窓の下の板金水切り。この後テーピング処理され、外装の木を貼ります。

道路側の連窓部分は継ぎ手を設けて精度よくピシッと通します。鼻先の折り曲げ部分の見付けは15mmです。

こちらは窓上の通気部材。万が一通気層に吹き込んだ雨水はこの通気部材から水切りの上に落ちて下に流れるという設計にしています。
 
今日は大好きなバンプ。カバーなんですけど凄くいい声。これはいいです。

省エネ住宅、設備セミナー

 
 

みなさんおはようございます。明日から函館へ伺います。
環境建築の切り口で住宅設計と自然エネルギー利用、今後の設備設計について最新事例を交えてお話させていただきます。一般の方はもちろん。工務店さん、設計屋さんには「暖房器具のない空間の作り方や自然エネルギーを用いたパッシブ換気の具体例、総合的なコストデザイン」、設備屋さんには「新たな暖房と換気の考え方に無理のないコストダウン」、営業さんには、「環境建築としてのこれからの家づくり」、エネルギー事業者さんには「環境建築とエネルギーについて」、行政マンのみなさんには「住宅施策と絡めた健康や自然エネルギー利用、家づくりという地場産業の振興について」 たくさんのご来場を楽しみにしています。 

まだ席に余裕があります。お申し込みはこちらから
http://www.iesu.co.jp/article/2015/06/post-37.html

2015年7月6日月曜日

山の手の家 気密部位確認

今日は大部分が終了した室内と屋外の気密処理を見て回ります。
現在は主流となった厚みが0.2mmある厚手の色付きビニールで気密を取り直した「山の手の家」です。元の躯体(外壁や基礎)を極力、修理+再生しながら使い、最新の300mm断熱の新築と遜色ない性能を目指しています。
 
 
写真は新たに設けた給気口廻り。右に古い給気口の跡が見える。内部にはしっかり断熱材を充填し気流止めとしています。色付きの厚手ビニールを使うのは気密シートの重ね巾10cmを簡単に目視で確認するため。私の現場ではこの10cm以上の重ね巾に加えてつなぎ目は全てテープ止めとしています。新たに設けられた給気管は壁のオレンジ色のビニールとガスケット+気密テープを使って接合されます。ガスケットが無いと管の周囲から室内の湿り空気が簡単に壁内に進入します。以前の仕様ではこの部分が不完全でした。
 

給気管の外部側も同じように処理します。
 

床の気密を取ることは「山の手の家」の長年の課題。しかしビニールをどこでジョイントするのかは難しい課題でした。床下が無いので下から作業もできず、いろいろ考えた末に間仕切壁の芯で写真のようにテーピングすることとしました。

外壁と間仕切壁のT型交差部分です。壁のビニールを通し、壁芯でテーピング。配線断熱層と巾木の下地を兼ねる45×105でビニールを既存壁の間に挟みます。

悩ましいのは間仕切り壁内部の筋交いの足元。極力テーピングで対処しますが最後はダメ押しでウレタン充填としました。
 

こちらはサッシの角部分の気密の取り合い。しっかりテーピングしてコーキングで気密します。

こちらは上部の角部。テープもしくはビニールシートを増し貼りしてしっかりと気密を取ります。
 
在来木造はそのままでは断熱のし難さが目立つ工法と言ってよいと思います。断熱の品質を上げるためにはその断熱が難しいところを改良してやる必要があります。そんな目で見ると近年の工法の進化に断熱の果たした役割を知ることが出来るなと感じました。
 
 
 
 

発寒の家 お庭が気持ちよさそう

昨日は近くの山をトレッキング、西区なんで近くには良い山が一杯。その帰りに寄った「発寒の家」の現在の様子。完成して早くも3年目。お庭がとってもきれいにできていました。

通りに草花が映えていい感じ。建築本体も無塗装の杉板が味わいを増してきました。

二年前までは良質なオーストラリア製の枕木(ユーカリ)が手に入ったのでかなり大胆にアプローチに敷き詰めましたが、現在はもう入ってこなくなったそうです。味わい深い材料だったのでちょっと残念ですが、そこは毎度、工夫してガーデンジャパンの小坂さんにいろいろと教えてもらっています。

しっかり作りこまれた庭園だとやはり維持がたいへんです。もちろん庭師さんの仕事を残すという意味ではそうした伝統的な庭造りも大切なのですが、やはり技量を要する剪定や冬囲いは今の時代は敬遠されがちです。建築と同じようにガーデナーも伝統を時代に合わせて新しく翻訳するセンスが問われます。一見気取らず無造作に植えているように見せて、後から住まい手のほうで草花を追加してもバランスが崩れないフトコロの深さ。建築もそうですが住まい手の手が入る余白を残したデザイン。神経質に作り込み過ぎず、絵を掛けたり調度を選ぶ楽しみを見つけられるって、とても大切だと思います。 「俺のデザインに住め~!っていう建築家がまだまだ多いけど、私は苦手。ある程度から先は、むしろ住まい手さんの手が入ることで住まいはどんどん面白くなるから。自分でぜーんぶ決めちゃうと、どこまで行っても想定内の出来上がりにしかなりません。相乗効果の楽しみのないものづくりって退屈だな~って最近つくづく感じます。 歳でしょうか?(笑)
 
今日は最近製図中に聞いているモーツアルト。一緒にいかが?(笑)
 
 

2015年7月4日土曜日

山の手の家 階段架け替え工事

1.8m四方に15段の階段を入れ込もうとするとこうした6段回しといった回り段になり易い。計画では、現在の回り段部分をなくしその分段数を増やして階段の全長を延長した新たな階段に架け替える。
 
現在でもよく見られるのが階段設計の窮屈さです。とくに折り返し部分を回り段とし、4段~6段という段数の設計をよく見ますが、危険な上に運動能力の高い時期にしか使いこなせず、加齢とともに階段の使用が億劫になります。住宅の取得期は最も面積を必要とする子育て期と重複することが多いために部屋数と面積優先のつけが廊下や階段といった共用部を圧迫し易く、小さな面積で上下階の移動を満たす設計に陥りやすいのです。まさに山の手の家も同じ状態でした。回り段部分は6段あり、この部分だけで約1.1m以上の高さになります。(18.5cm/段×6段) 誰でも経験があると思いますが、この回り段の部分は直線部分と比べて段板の巾が極端に狭くなりやすいので、気を付けないと踏み外して、ちょっと恐い経験をします。そこで「山の手の家」では階段も回り段を取り止め、段数を増やして架け替えます。当然、回り段の部分を直線部分に振り換えますから階段の全長が伸びます。上の写真は、伸びる分の床を切断したところです。

こんな感じで階段の全長を約60cm伸ばしゆったりとさせます。

下から見上げるとこんな感じです。わずかな寸法の増加ですがこれだけで階段の上り下りは全く異なったものとなります。設計ってほんとうに大切だな!って思います。人の動作をよく研究し、適切で正しい寸法を割り振る。昔から同じことを何回も何回も言われてきましたが、つくづく奥の深い世界だと思います。
 
今日はプッチーニなんていかが

2015年7月3日金曜日

山の手の家 配線+配管工事

本日は壁の断熱が概ね終了し、断熱部を貫通する管や線の確認をしに来ました。写真は向かって左が既存の壁充填断熱、右側が新たに外壁を作った部分の充填断熱です。新築ならば右のような精度で断熱をきれいに押し込んで行きたいところですが、既存壁の断熱を全て入れ替えることが現実的に難しいリフォームの場合は、使えるところは使いながら、この外側に新設した14cm厚の付加断熱層を連続させてこうした断熱性能のばらつきを吸収しようと考えました。新築に慣れた目からすると少々残念ではありますが、リフォーム特有の悩ましい部分です。

こちらは薪ストーブのメガネ石廻り。下に見えるのは燃焼空気の導入口です。しっかりと貫通管とポリフィルムの間で気密化します。

本来は天井断熱層の中にお湯や水の配管は埋め込みたくありませんが、床下にまったくフトコロ(配管のための空間)がないので、今回に限り天井の断熱材の中に管を通します。性能向上リフォームをしてみて思うのですが、新築時からこうした配線、配管のためのスペースはしっかり計画しておく事だと思います。極力、配管や配線は断熱の内側を通すのが原則ですが、現在の新築の多くは断熱材の中に配管や配線をします。大規模なリフォームをするとそうした作りがある意味厄介な存在になることを実感しました。

隙間風に悩まされていた基礎と土台の間は内外からウレタンを充填しました。

桁と柱の取り合いはスモールコーナーでしっかりと両者を固定し引き抜けないようにします。

こちらは薪ストーブのメガネ石の外部側の納まり。タイベックを上部に巻き返してテーピングしました。タイベックの表面に雨水が走ってもメガネ石の隙間から壁内に水が浸入しないように、工夫します。

こちらは壁の給気口。ガスケットとテーピングを併用して管の周囲から同じく漏水、漏気しないようにします。

通気層内部に空気を通し同時に雨水を抜くために設けられた裏じゃくり付きの横胴縁。
 
今日はSuperflyなんていかが