2020年5月16日土曜日

宮の森の家Ⅱ 建て方開始 



予定より一足早く、建て方が始まった「宮の森の家Ⅱ」です。朝からヨシケンさんの大工さん4人掛かりで順調に二階の床まで到達しました。

現場を切り盛りするのは皆川棟梁さん、中野所長さんも一緒に立ち会って、協力して建て方を進めます。

設計者の私の大切な仕事は、建て方の初日に汗して働く皆の分のお茶を買って現場に伺うことです。そこでプレカットによる材料加工の様子や必要な材料が必要なだけ届いているか?金物やビスに不足等はないか?等・・組み立て中の様子を棟梁から聞くのです。

こんな風に毎回取材することで、各プレカット工場の加工精度、材料搬入の柔軟性、担当者との風通しの良さ・・はたまた普段自分では気づきにくい設計の癖やどこが作る上で難しいのか?等を現場で検証し、そのフィードバックを生かして図面を改良するのです。
例えば、「ビニールを押さえる根太受け部品も今日納入されていれば、二階の根太掛けが全部終わったよね?まあ床の合板敷きはいずれにせよ来週だからさ・・どうしても今日欲しいわけでもないけどね(笑)・・みたいな会話から、「根太受け:土台と共に現場搬入」と次回の図面に特記するようにしよう!・・となります。
写真は4隅に建つ通し柱です。以前また別の棟梁から「プレカット(NCルーターによる機械加工)で普通の10cm角の柱を加工すると、削り代が大き過ぎて柱が残んないよ!」と指摘されました。調べてみると確かに各工場とも、柱に梁を納めるための削り代は約2cmと決まっていて、二方向加工の場合、元々10cmあった柱でも左右から2cm+2cm取られるために6cmしか実際の柱の太さとしては残りません。

机の前で図面ばかり描いていると10cm角の十分な太さの柱で設計したつもりが・・・実は6cmの柱だったなんて不幸にも気付かないのです。

そんなこともあって写真のように隅柱は105×150の寸法のものを使うようになりました。まさに現場こそ実学の王様!机の上で簡単にできるはずのことが全然そうはいかない。

設計者に取って現場感覚溢れる図面を描けるようになることはたくさんの棟梁たちの貴重な経験を書き止め後に生かすことだと、いつの日からか思うようになりました。
中野所長の適切な養生のおかげで床下もきれい。高さは70cm以上あるので、床下の清掃も容易です。
ヨシケンさんは土台のシート付気密レールは内回し。土台の室内側に向けて施工します。ここら辺は工務店さんによって、土台の外側を回して柱の内側に持ってくる会社もいて各社少しづつ方法が違います。断熱気密の盛んな北海道ならではですね。(笑)
中野所長自ら化粧柱の養生を行っていただきました。強度も高く美しい赤味のカラマツを集成材として生産する技術は北海道の林産試験場のお手柄です。以前は強度こそ高いものの狂いが大きく建築用材としては敬遠されることが多かったカラマツ。

今はしっかり当事務所のトレードマークになりました。暖かな電球色の照明に映える赤味のカラマツは長い冬を過ごす北海道の住まいのインテリアとしてピッタリですよね。
持ってみると全然、他の松材と重さが違います。強度が高い分、硬くて欠けやすいので養生を丁寧にして傷まないようにお願いします。

ヨシケン一級建築士事務所HP https://www.daichinoie.co.jp/

今日は・・ロックンロール!(笑)



2020年5月13日水曜日

常盤の家 外装木貼り完了

今日の西区方面は午後からひどい雨になりましたが、常盤の家のある南区は曇ったものの雨は少しでパラパラくらい。

 外装の木板貼りはほぼ完了していました。今日は曇りなので外壁の凹凸感があまり見えませんが日が出ると非常に深い陰影を生じます。
室内はこれから内装の石膏ボードを貼って行くのでその前に気密の総点検です。写真は玄関ドアの枠の周囲にしっかりシールしたところ。

板を押さえる押し縁がまだ日光で変色していないので妙に白っぽく感じますがこれからどんどん色変わりして味わいを増して行きます。

先ほどの玄関ドアの屋外側の気密シール。必ず両側から確認します。

きょうは ”くるり”なんてどうでしょう?


宮の森の家Ⅱ 建て方直前

本日は、午後から雷と共に激しい雨、さすがに作業続行は厳しいので、ブルーシートをしっかり敷いて基礎に雨水が入らないように養生して撤収しました。

この後は建物の周りに足場を掛けて土曜日からいよいよ土台敷き、週明けより建て方開始予定です。 


今日はスガシカオなんていかがでしょう


新琴似の家 外構工事

2018年竣工の「新琴似の家」先日よりガーデンジャパンさんによる外構工事が始まりました。今日は雁木内部の平板敷です。

当事務所で設計させていただいた住宅の外構は、ほぼガーデンジャパンさん。デザイナーの小坂さんは毎回素敵な提案をしてくれます。

もちろん写真”映え”のする外構もよいのですが、小坂さんのデザインは身近にある様々な素材を巧みに組み合わせて、一昔前のす・ま・し・た「庭」ではなく、現代的で暮らしが楽しくなる北海道の庭を作ってくれます。

(有)ガーデンジャパンHP http://gardenjapan.co.jp/

今日は撮影途中に雷と共に大雨になり・・残念ながら写真はこれだけ・・(残念)

正面から見るとこんな感じ・・建物は二年でかなり味わいが増してきました。外構の完成が待ち遠しいです。

今日はMonkey Majik&岡崎体育なんていかが(笑)



2020年5月6日水曜日

三密を避けて 畑

コロナ感染でたいへん静かなゴールデンウイークでした。
今年から一人暮らしを始めた長男次男も帰って来れず・・ステイホーム
近所のホームセンターで買っておいた土と苗で、今日はまだ実家にいる3男と一緒に畑づくりです。

まずは伸びかけた庭の雑草を刈って・・・

小型のカルチベータ(耕運機)で土をよく耕します。トマトは同じ場所に植え続けると連作障害を起こすので、土替えをして植え付けます。

最初は効きも早いし配合済みで手軽なので化成肥料を使っていましたが・・ここ10年程は有機肥料に変えまして、苦土石灰に米ぬか、油粕、鶏糞、バークたい肥なんかで作っています。 
今日はトマト9本植え付けた時点で雨のため中断。明日以降少しづつ苗を増やして行こうと思います。

実はもう15年以上も前に趣味と実益を兼ねて始めた畑・・近所の畑名人に教わって数年後から凄くたくさん採れるようになったので・・お客さんにも勧めるようになりました。

お子さんと一緒に、庭がなくともプランターでOK。ハーブ類各種、トマトにキュウリ、ナスにピーマン、シシトウ、唐辛子、ズッキーニにカボチャ、ジャガイモ・・・

北海道ではこれから夏にかけてジンギスカンや焼き肉を楽しむシーズンになりますから庭の実りは大活躍。ぜひみなさんにお勧めです!
                     
写真は昨年のものですが、本当にたくさん採れて、毎年夏には建て主さんにお裾分けしています。

お庭は中々手入れもたいへん・・でも畑は作る楽しみ、日々育つのを見る楽しみ、お子さんと一緒に収穫して、家族一緒に「美味しいね!」って食べる楽しみがあります。
                    
写真は「宮の森の家」の住まい手さんの畑。毎年、お庭をお願いするガーデンジャパンの小坂さんの作る畑土は栄養満点!どんな野菜も凄く良く採れます。

トマトにズッキーニ、ピーマン、ナスに根菜類・・・

虫よけのお花も可愛いですね~(笑)

こちらは葉物野菜・・毎日美味しいサラダが食べられます。
私のところでは、葉物の他に、二十日大根とルッコラなんかも作ります。

今日は午後から雨・・Jamiroquaiでも聞きましょう。


                    

2020年5月4日月曜日

常盤の家 外壁木貼り工事

「常盤の家」が外壁の木貼り工事に到達しました。写真の方向は西側なので、特に貼った後からどんどん色が変わって行きます。

北側は既にほぼ貼り上がり西側と東側が進行中です。

こちらは、飛栄建設さんの土場で作っていただいた外装の板材。日本全国の材木屋さんで「貫材」の名称で売られている規格寸法105×18mmの板材を保護剤に漬けたものです。外壁に貼った後はその家ごとの敷地条件(日当たり)によってさまざまに変化します。

こちらは2階のテラスの下地。梁材の天端が傷まないように板金で笠木を付けてその上から床のデッキ材を敷き込みます。

南側に開いた幅2.6m×高さ2.3mの大きな窓。窓の奥にはお向かいの大きなこぶしの木が見えます。

今日はShania Twainなんていかがでしょ(笑)


宮の森の家Ⅱ 基礎工事

「宮の森の家Ⅱ」は布打設まで完了。あとは土間1回で基礎工事は完了。埋設部分の設備配管を終えたのちに埋め戻しとなります。

写真は玄関部分の床スラブ部分。手前にこれからコンクリートを打設するための土間の差し筋が見えています。

こちらは外周部以外の布基礎。型枠の下から全然トロも染み出していない。完璧な打ち上がり。基礎屋さんありがとうございます。

アンカーボルトにトロ飛びも少なく、非常にきれいな打設です。

ゴールデンウイーク明けに建て方開始です。


今日は洋楽がいいですね~(笑)


2020年4月28日火曜日

常盤の家 板金工事

「常盤の家」の窓下水切り。いつも先端を15mmでピシッと曲げて下板と合わせて薄くシャープに作ります。

飛栄建設さんの板金屋さんは(有)赤塚板金工業さん。飛栄さんの協力業者さんは若い社長さんが多いけど、赤塚さんもその一人。設計者の好みをよく聞いてくれていつも凄くカッコよく納めてくれます。
有限会社 赤塚板金工業HP https://www.akaban.jp/business.html

こちらが水切りの上板。先端に下板をひっかけるレの字の加工が見えますか。ここに短い下板を引っかけて水切りを下から見上げても裏地が見えずかつ二枚合わせにすることで丈夫に作ります。

こちらは下板を加工しているところ。職長さんは短い差し金とハサミ一丁で鉄板を自由自在に形作って行きます。本当に見ていて気持ちがいいくらい。

見る見る水切りの形になってきました。今は水切りの裏を見ています。先端は二枚合わせで丈夫に、見上げても板材の裏のグレー色が見えないように・・・

ペンチで掴んでくいッと曲げて、狂いが出ないように正確につかんで整形します。

端部を折り返して、木口方向(断面方向)に蓋をします。

ボンドを付けてシュッと下地に滑らせるようにかぶせて隠し釘打ち。見てよ0.35mmの薄い鉄板でこんなにきれいな水切りを作るなんて・・何度見ても凄い!

釘は外装の板で隠れる絶妙の位置・・くう~っ職長!さすが~っ(笑)

折り紙と同じ要領で薄い一枚の鉄板が山折り谷折りを駆使して、こんな風に直進性の高い立体に仕上げられるんです。

こちらは小屋根の軒廻り。こちらもピシッと・・今度は継ぎ目なく加工されているのが分かるでしょうか。

山本さん、私らが運搬しやすいように短く切って現場でつないだら嫌だろうと思って一枚加工にしておきましたよ(笑)そんな赤塚社長の声が聞こえてきそうですね。
                     
通常はこんな風につなぎ目が入ります。

こちらは、薪ストーブの煙突の屋根欠き込み。色が白っぽく見えるところまでが屋根のシート防水。その下に黒く続くのが板金。

つまりシート防水の屋根を完璧に作るためには板金屋さんの優れた技術が欠かせません。

屋根のシート防水の立下りとそれに取り合う板金の軒包み。こちらは樋と取り合うので軒の出が10cm短いタイプです。

今日はエンニオ モリコーネを聞きながら一日テレワーク・・
なんだか映画が見たくなりますよね~(笑)



2020年4月25日土曜日

常盤の家 防風透湿シートまで完了

屋根のシート防水が完了し、軒先とシート防水との取り合いや、腰水切、窓水切がほぼ完了した「常盤の家」です。

ここまで来ると後は、通気胴縁(外装下地兼)を打ち付けて外装の木貼りを始められるようになります。 
こちらは薄く跳ね出した軒先を下側から包み込んだ板金の仕事。

こちらは屋根面のシート防水。端部の立ち上がりは壁の通気層に屋根面の水を回さないための工夫。 
壁との取り合いの両端部をしっかり確認します。

二階のテラスの下地もこんな風に防風透湿シートとの取り合い部分をしっかりテーピングします。 
階段室の踊り場が空中に跳ね出した南西側立面です。外壁の防風透湿シート(タイベック)が全部赤文字(3m広幅)なのが分かりますか?赤文字のシートは幅が広いので継ぎ目を減らして建物全体を覆うことができます。

こちらは赤文字のシートと青文字のシートが混在しているのが分かりますか?青文字は幅が1mの防風透湿シート。常盤地区は山から降ろす風が意外に強いので防風と開口部の保護のために袖壁付の庇を取り付けています。

窓が木製でも樹脂でもほんの少し軒や袖壁で開口部を保護しておくと、後々の耐久性がぜんぜん違います。北海道の家の屋根は重たい雪を意識的に落とさないように作ることが多いですから、雪のない地域のように深く跳ね出した軒の出が難しい場合もありますが、開口部を守るための軒の出や袖壁は非常に有効です。

意外なことですが壁を厚く断熱する「300mm断熱の家」を主に作るようになってサッシのトラブルは減りました。壁の断熱が今の半分だった頃は、サッシが外壁より飛び出してしまい、そこで通気層内の水が堰き止められ・・サッシの上枠から漏水なんてこともありました。しかし壁が厚くなったことでサッシは外壁より室内側に引っ込みそうしたトラブルもなくなりました。

今日はなんかビートルズが聞きたいです。

話しは変わりますが・・新型コロナウイルスと日々戦う医療従事者のみなさん、子供たちを見守って下さる先生方、平常業務をこなしながら道民や市民の不安と向き合う公務員さんたち、不安を抱えつつも日々精一杯現場で働く職人のみなさん、工務店さん、現場監督さん、建材を供給いただく多くの生産者やサブコンストラクターのみなさんに心より感謝申し上げます。現場がある以上・・テレワークでロボットに作らせる訳にもいかない・・だからくれぐれも注意深く。GWはしっかり休んでまた頑張ろう!

宮の森の家Ⅱ基礎工事

「宮の森の家Ⅱ」は型枠の組み立て中です。コンクリートの打設は今回を含めて後二回。基礎をなんとか連休中に終わらせて、連休明けから建て方開始予定です。

半分枠が付いた状態。鉄筋の見える内にケーシング(管)等の確認を終えておきます。

白く見える断熱材は基礎の外周部分。排水管の個所数と高さを確認。また正面には、外周に直行する袖壁部分が見えます。床近くが暖房管用のケーシング、上に見えるのはお湯と水の配管用です。

こんな感じで、二回目のコンクリート打設まであともう少し!頑張れ基礎屋さん。

基礎断熱部分に直行する地中梁の鉄筋です。しっかり通っています。

今日はビートルズなんていかが