「北海道って1973年の第一次石油危機を契機に断熱の取り組みが地域に広がって、まずは全室暖房が可能になって、断熱気密の質が向上してくると、計画換気の大切さが認識されて北欧(主にスウエーデン)や北米(主にカナダ)から様々な機械換気を輸入してここまで来たよね?だから古いものだと30年以上前の一種、三種換気なんかも残っていて実動してる。ところでそれが今どんなことになってるか知ってる?」
「えーと・・・BIS講習の換気を担当している三浦先生が過去のアフターも含めて現在国内の第一人者だと思いますけど、最大の問題は汚れだそうです。中でも深刻なのは、換気器本体やグリル類はなんとか取り外して洗浄&清掃できたとしても天井や壁内に隠蔽されている配管の中までは素材やサイズの問題があって清掃は難しいんだそうです。」
「うーんだよね~。ところで、素朴な疑問だけど本国はどーしてるんだろ?、計画換気といえばダクト型が主な国では建物用途を問わず配管やその保守点検、住い手(使い手)への注意喚起等々に対する意識がずっと高いはずだし、その施工を職業とする人のためにはマニュアル。設計仕様として伝えるためには仕様書。安全や生命財産保護の観点からはそれらを縛る法令が存在するはずだよ。もちろん換気器の生産者ならそれらを全て調べた上で機器の生産を行わなきゃいけないはずだよね?」
「一応日本も、2003年に建築基準法第28条の2、要はシックハウス法が出来て国内の計画換気は全て機械換気に統一、必須化されたんだけど、これは新建材からの揮発物質の排出が目的だったから、そもそも住いの断熱気密化に対応したものじゃなかった。だから換気量が優先されたよね。そんな風に考えると”断熱気密目線”の計画換気って意外にもスッポリ抜け落ちている分野だよね?」
「たまたま北海道が古かっただけで実はまだまだローカルなお話し、でも今後は過去の過ちを繰り返さぬように、正しい配管や保守点検も含めたマニュアル化を急がないと・・・維持保全計画がそもそも不可能な「長期優良??住宅」なんかが増えて行く!つーことだよね?」
「です・・ね~」
「ところでスウェーデンにコネクションある人いる?」
「いまーす!(笑)」
まあ~要約するとそんなやり取りを経て、会員である小川氏のアテンドで旅程が計画された。
視察企業は世界屈指の機械換気メーカーであるシステムエア社。そこに北海道建築技術協会の名前でコンタクトを取った。
下記は、会談と工場視察を含め本国から届いた招待状。
署名はスウェーデンのスキンスカッテベーリ工場、技術統括取締役のマッツ氏。
こちらは見学のスケジュールが記されたもの。対応いただく各部門ごとの担当者の名前が記され、私たちのリクエストに答えて、特別に法務担当取締役のミカ氏との質疑も盛り込まれた。一日の終わりにはゲストハウスへの宿泊や副社長のホーカンレンネッソン氏との会食までがセッティングされている。
かくして、巨大工場の視察はスタートしました。
出荷を待つストックヤード。ここから全世界に向けて製品が送られる。ウーンでかい!そして驚いたのは工場内がどこも暖かいこと・・・!先進国の労働環境がどんなものかを痛感する。
今回はここまで・・・
今日はMondo Grossoなんていかが