2011年11月12日土曜日

宮ノ丘の家 仮設足場工事

「宮ノ丘の家」は埋め戻しが終わり、家の中心を貫通するスロープが現れました。前面道路と敷地の高さが約1.7mあり、敷地から見て低い道路といかに結びつけるか?をいろいろと考えました。私のプランの中では、すっかりおなじみになりましたが、1階部分をトンネル状にくりぬき、建物のカーポートが奥の敷地への通路を兼ねるように考えてあります。要は道路側に建物を建ててしまっても、トンネルをくぐっていつでも家ノ裏に抜けられるという考えです。トンネル内は普段は車が置かれ軒下となるために雨も雪も心配ありません。豪雪地域で知られる東北地方の雁木からヒントを得て車が止められて、物置があり、奥に通りぬけが可能な空間を、北海道むけにアレンジしています。

布基礎の精度を上げるために、剛建築工房さんも、表面を研磨していただいています。

パッシブ換気の給気管がしっかり養生されています。

最近では、基礎の厚み以上の断熱材が私の現場では当たり前になりました。

みなさん、タイヤはもう交換しましたか?月曜日から雪との事、私は明日交換です。

それじゃ山下達郎でも。


北25条の家 基礎工事

「北25条の家」は本日、布基礎のコンクリートを打設します。 いつもながら直前のチェックですが、現場ごとに微妙にやり方や考え方の違いがあって面白いと思います。地鎮祭から一週間後にもう基礎がほぼ完成ですから、ずいぶん早いですよね~?「北25条の家」は平均的な住宅の概ね半分の面積、敷地も平坦地ですから、基礎工事に必要な物量が他のプロジェクトとは圧倒的に違います。反面、効率よく現場を運営できるか否かが工務店さんの腕の見せ所です。

建物の角部分のホールダウン金物の確認です。

玄関横の柱型の基礎です。

土台を固定するアンカーボルトには埋め込む深さが揃うように首にテープを巻いています。

また、頭のねじ部分にコンクリートが付着してねじ山がばかにならないように、養生のアルミ箔をかぶせています。小規模な工事でも押さえるべきポイントは全く他と変わりません。

ホールダウンの突き入れ深さの確認です。

床下に導入する給気管の位置を確認します。

おかげさまで3現場とも無事に着工を迎えることができました。
今日はスクエアでもいきましょう!

2011年11月11日金曜日

宮ノ丘の家 壁構造リハ

 今日は、剛建築工房さんにおじゃまして、「宮ノ丘の家」の壁構造を関係者一同確認します。特徴的な「宮ノ丘の家」の壁構造は過去に作ってきたものとは異なり、完全な外貼り工法とします。当然ながら、グラスウール300mm相当になるように、外貼り断熱材はその厚さを増し、全て柱の外側に貼り付けられるのです。その結果、室内側に現れるのは柱と構造用の合板のみということになります。
 もう勘のよい方ならお気づきのように、私の今年のテーマは、300mm断熱を三種類の方法で確立することにあります。昨年の「南あいの里」と「菊水」のプロジェクトでは充填断熱+外貼りという工法で簡単300mm断熱を試みました。また先日完成した西野の家では北海道で最もポピュラーな断熱材であるグラスウール16kg/HGのみを用いて300mm断熱を行い、今回は板状断熱材を外貼りすることで300mm相当の断熱を行おうとしています。
 昨年の二軒のプロジェクトの室温実測から分かったことは、「現在の私たちの暮らしなら断熱を重視することで、暖房をほとんど行わない冬の暮らしも夢ではない。」という驚くべきものでした。私たちの暮らしは、人体発熱に加え、冷蔵庫や大画面テレビ等々家電製品の待機電源による発熱、照明や調理といった生活排熱に囲まれていますが、一定水準を超える断熱を行うとそうした熱で暖房に必要な熱量がほとんどまかなえてしまうのです。もちろん人によって快適だと感じる温度には差がありますから、微調整用にほんの小さなヒーターくらいはあったほうが便利ですが、それも家全体で2~3kw、ドライヤー2本とか3本分で十分です。なんならドライヤー1本以下にすることも難しいことではありません。断熱の目的は「穏やかで安定した室内環境の獲得にあります。またこれは環境的とか省エネなどという前に、温度差による事故を減らし、人間が本来の寿命を全うするために必要な最低限の備えでもあります。設計思想としてはいたってシンプルでしょう。(笑)

柱と桁を組んだ模型に構造用合板を貼り付け、

その上に気密ビニールを貼り、石膏ボードを貼る。

スターターとなる横胴縁を取り付け。

脳天と際にビス打ち。ビスはL:160mmのパネリード。

45mm+90mm=135mmで貼り付け、なおかつ、昨年考案した、□45mmのピースパッキンでヒートブリッジをなくす工法を加えます。高価なフェノール断熱材は極力切断加工を行わないのがポイントです。従来の45mmカット、縦貼り+横貼り工法ではなく、極力ゴミを出さず、ヒートブリッジも出さない方法を考案しました。外貼り工法を割高にしないために、工程の省力化と切断手間の軽減によって、外貼りのみで簡単に300mm断熱を完了できます。また室内に気密シートやそれらの先貼り工程が発生しないために、道外の気密施工に慣れていない大工でも簡単に気密化と高断熱化が計れ、室内は自由に内装が楽しめるのもこの工法の大きな魅力なのです。

断面構造はこのようにいたってシンプル。これだけでグラスウール300mm分と同じ断熱性能が得られます。

今日はプ.ロ.グ.レ.そうYESでもいかが?


2011年11月10日木曜日

春光の家 建て方直前

現在「春光の家」では前回終了した床版の上を清掃し、N所長自ら墨出しを行っています。また柱や梁を組み立てるための足場もぐるりと組み立てられ、大工衆の乗り込みを待つのみです。

床版の上にはたくさんの貫通口が空いていますが、雨水の浸入と足元のために全てに蓋を設けています。養生の行き届いた現場は気持ちのよいものですし、こうした所長の配慮が安全な職場を作ります。

奥がN所長、エントランスアプローチの列柱の通りを通しています。

床の上に基準線となる墨が打たれ、土台の位置が明解になります。

ガスメーターの立ち上げの位置の確認。

外部照明の打ち込みBOXの確認

現場には材料が搬入されています。

赤く見えるのがカラマツの集成材、顕しで使います。白く見えるのがトドマツの集成材です。今回は室内で顕しとなる柱には赤みが強く木目のきれいなカラマツをチョイスしました。北海道の木造現場では、ほとんど杉材を使いませんから、赤みの強い柱は珍しいものです。しかし私はどちらかといえば木材は赤みの強いもののほうが好みです。

今日はBachでもいかがですか。http://www.youtube.com/watch?v=KxWqMJ3BH7g

2011年11月8日火曜日

宮ノ丘の家 基礎スラブ工事


本日は、宮ノ丘の家の床版(スラブ)を打ちました。もうブログをお読みの方はおなじみと存じますが、コンクリートを型に流し込むことを、建設業界ではコンクリートを打つと表現します。コンクリートは、化学製品ですがもとはドロドロの液状ですから、固まるまでは雨や気温に敏感なのです。低温時には温度補正(コンクリートの設計強度に余裕を見込んで配合を調整すること)を行う必要があることを以前に書きましたが、今日は硬化する過程で表面を均す工程をご紹介します。

すっかり葉が落ちた隣の雑木林。今日は天候が不安定で晴れのち小雨の繰り返しです。本日も現場全体にブルーシートの屋根をかけて、打ちたてのコンクリートが雨にたたかれるのを避けたI所長。午後遅くからは、コンクリートが硬化しきる前に床を水平に均すために左官屋さんが現場に入りました。

床のスラブ均しといっても、コンクリートにまみれながらの重労働です。船とよばれるスタイロフォームの板の上に乗りながら、手早くコテを使い床の凹凸をきれいに均してゆきます。

玄関を入ると、真正面にストーブの赤々とした炎を見せる予定の、宮ノ丘の家ではその暖房熱をコンクリート製の床と腰壁にやんわりと蓄熱させようと思っています。そのためにはストーブの置かれる床が大きな熱容量をもつコンクリートであることが欠かせないのです。

概ね均しが完了した納屋の床。

今日は、テクノねっ!テクノミュージックは今や日本の特産品ですよね~。さまざまなスタイルに分化し、今やPCの普及で家庭でも手軽に曲が作れる時代。黎明期のYMOをはじめ優れたミュージシャンが多い日本はテクノ大国かもしれません。今日はパフュームでもいかが?


冬も近いのでもう一曲!



2011年11月5日土曜日

北25条の家 地鎮祭

本日、「北25条の家」が地鎮祭を行いました。この場をお借りして心よりお喜び申し上げます。


今日はスピッツでも、

2011年11月3日木曜日

春光の家 床スラブ工事

本日は、旭川へ。秋晴れの中、駅に到着です。

ホームの廻りの足場が取れてずいぶん見通しがよくなりました。

現場では、床スラブ(床版)が打ちあがっていました。この上にタイルを敷いて仕上げとなります。暖房配管はこの一層下に既に敷設が完了しているのです。これからどんどん寒くなりますが、N所長と考えているのは、この敷設済みの暖房配管に仮設のボイラーで沸かしたお湯を通し、暖房しながら現場を進めよう。と話しています。床下を暖めることで、コンクリートの水分も早くに乾燥しますし、なにより建物が暖まって入居が楽になります。さらに暖房して室温が安定した環境は1月に予定されている内装の仕上がりを助けてくれるでしょう。さて10日からは土台敷き建て方開始です。

床レベル0に埋め込む予定の浴槽部分です。

コンクリートは化学製品ながら、骨材は現地のものを使います。春光の家ではエントランスの表情と冬、凍結の滑り止めを兼ねて洗い出しという表現にしようと思います。コンクリートを脱設後、硬化遅延材を全体に散布し、水流で表面のトロを洗い流すと上の写真のような川砂利が顔を出します。

貫板の木目がプリントされたRC打放し壁

旭川駅の正面足場も取り払われてきれいな夜景が現れました。最近は公共建物でもずいぶんと光色が意識されるようになりました。従来は公共建物といえば色気のない白色蛍光管の色(色温度:4000K以上)というのが、お約束でしたが最近は電球色2700Kとずいぶん暖かで柔らかな印象になりました。特に冬の長い北国では、街の街灯の色やショーウインドウの色はとても大切です。帰りのJRのスーパーカムイの室内も以前のむき出しの照明から、洒落た内照式照明に変わり、色温度も2700Kとなって柔らかな印象です。


こちらはDB(ドイツ鉄道)の特急の室内。半透明の吊棚の上に置いた光源で窓際と人の顔、天井の3つをバランスよく照らしている。照明を部屋の中央に付けたくなる日本の感性と壁と天井といった異なる面の交差するところに光源を置くことのドラマチックな効果をよく理解しているEUの感性。あなたはどちらがお好きですか?

お洒落なヨーロッパのお父さんにも大人気!
今日はクリスレアでもご一緒に。

2011年11月2日水曜日

宮ノ丘の家 基礎断熱工事02

穏やかな秋晴れの中、宮ノ丘の現場はどんどん進みます。今日は午後より床下の防湿コンクリートを打設します。現場はその下準備で大忙しです。

いつもながら監理者目線(建て主目線)で見てみましょう。基礎を貫通するパイプの回りに水の浸入を止めるための細工が見て取れます。その下に見える黒とオレンジのパイプは土中の雨水を集めて排水するためのもの(暗渠パイプ)です。コンクリートのベースが見えますが必ずこのベースよりも下に敷設します。理由は地中になるコンクリート壁の一番下に水を集めることで、漏水の危険を避けるためです。ベースの上だとコンクリートの打ち継ぎ部分から漏水を心配せねばなりません。

配水管の貫通部分も同様に全てチェックします。

丸く見えるのは点検口で地表にまで伸ばします。

点検口を地表まで伸ばしたところ。要はこれだけ土に埋まってしまうのです。

暗渠パイプは最終的に排水につないでしまいます。

現在は土のない状態ですから地中に埋まる基礎の大きさが分かると思います。

工事中の全景です。左の小さな基礎と右の大きな基礎を地中でがっちりつなぐ地中梁が見えます。

今日はクラプトンなんていかがでしょう?