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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2014年3月3日月曜日

若手のみなさんのオープンハウスを見て

3/1(土)は二人の若手建築家のオープンハウスを見に行きました。二人とも才能に恵まれた北海道のHOPE。これからも素晴らしいクライアントさんと共にたくさん良い建築を作ってくださいね~(笑)。

さて同世代のお二人ですが作り上げる空間の印象はかなり違っています。その一方で共通する北海道らしさもありますよね~、今日はちょっと(笑/かなり?)先輩、いえ年配の私が彼らの空間をご案内させていただきます。



設計者の富谷さん。札幌で有名な遠藤建築アトリエ出身の新進気鋭の建築家です。この建築のテーマはスッキップフロアだそうで、階段の踊り場に子供たちのワークスペースをデザインしていました。


正面のくぼみがTVのスペース。その上がワークスペースです。空間は白、グレー、濃茶といった色で明快に塗り分けられて果たすべき役割と色が連動している印象。たとえば床は濃茶ですが同じ機能の延長線上にある階段も同じ配色。同様に同じく木による造作である正面の本棚にも同じ色が現れるといったように機能や材種といった関連性を色使いの手がかりに使っています。もっとも作りたかった1階と2階の中間に位置するスキップフロア(中間階)は分かり易く画面の中央に置かれ、これまた最近では家族だんらんの中心となるTVスペースの上にきています。その結果、見せ場となるTV+階段+スキップフロアが一体となった面白さの詰まった空間が片側に集中し、吹き抜けからの光による陰影も手伝って、視線を引き付ける強い指向性を生み出しています。こうした空間はたとえばTVスペースの部分が暖炉であってもよいし、祭壇であっても悪くない?というようにさまざまに変形、応用されて私たちの暮らしの中で使われています。壁と天井は同じ白色ですが光の当たり方によって面ごとに異なるコントラストを見せています。この白という色は唯一、太陽光をもっともよく拡散させ、前述のようにたった一色で豊かな濃淡による空間の凹凸を表現してくれます。他の色がその色自体を目的とするのに対して、無色である白はそれゆえに建築空間を作る上で自身のみならず光までも自在に味方にできる特別な存在です。



吹き抜けを中心に各空間がぐるりと周りを取り囲む部屋構成。あっさりとした白であるからこそ日の光の動きを一層感じる空間になっています。


家じゅうに間仕切りが少なく、それぞれの用途空間を流れるようにつなげて全体の大きな空間にする手法は北海道らしさ満点ですよね~(笑)


右手のグレーの三角形がスキップフロア、左手のカウンターは吹き抜けの手すりを兼ねる。居間の奥に家庭事務のコーナーが見え、衝立でやんわりと居間の賑わいから隔てられている。


建て込んだ住宅街を敷地にするロケーションに配慮して注意深く位置や大きさを検討された開口部。柱や梁といった構造材が現れるシーンは極端に少なく、床、壁、天井の3種類で空間を構成してゆく手法が支配的。



さて今度は私の後輩でもある女性建築家の櫻井さん(向かって右)の倶知安の住宅。彼女は平尾建築事務所の出身。林業によるまちおこしで有名な下川町のエコハウスは彼女の設計。こちらも新進気鋭の女性建築家、これからの活躍が楽しみです。



一見して分かるように彼女の場合は色彩をあえて抑え木質の生成りの他には白のみで空間を作っている印象。手の込んだスタイルが好きな人から見れば工事中?とばかりに、あっけなく思うかもしれないけど、それほど慎重に主張を抑えた、自然な大らかさが倶知安という田舎にふさわしいリラックスした空気感を生み出しているように思います。家というよりは建築家の「作品」にありがちな、こう住め!、これを置け!といった押し付けがましさのない室内は建て主とその家族や友人たちにとって居心地の良いものでしょう。特に週末は楽しいものとなりそうですね~(笑)。生成りの木仕上げの室内は木材の反りや曲がり、日の光による色焼けまでを含めて家族の歴史を刻む豊かな表情を見せてくれそうです。色彩はシンプルな分、空間を特徴つける要素に床、壁、天井ばかりでなく構造が加わるところが彼女の大きな特徴。


頭上を縦横無尽に走る大梁が家の構造をシンプルに見せている。照明はほとんどが点光源によるスポット。



大空間の中央に置かれたアイランド型キッチンが北海道っぽい!


カラマツ積層合板を木目が透けるように白色で色付けしてあるキッチン。製作はもちろんクリナップ直需事業部。


階段とその横に吹き抜けの空間を配するのは作者の好みなのだろう。階段の左横に見えるのが玄関。


家全体の大きさからすると面積的にはかなりコンパクトながら大開口や視線の開放を上手に使い狭さを感じさせない土間玄関。

さてみなさんいかがだったでしょう?ぱっと見の印象は随分と違いますが、たとえば間仕切りを無くして空間同士を流れるようにつないでゆくところだったり、壁の白を用いた光の使い方だったりは似ているところがあります。彼らのような若手がさらに北海道の建築を面白くしてくれることを心より願っています。おじさんも負けないけど!(笑) 

両家の建て主さまへ

このたびは竣工おめでとうございます。また見学をお許し願いまして心より御礼申し上げます。おかげさまで学びを深める大切な機会をいただきました。今後のご家族のみなさまのご多幸を心よりお祈りしています。

今日はくるりの曲を二人に贈ります。これからも素敵な家をたくさんつくってください。(笑)

Dewのカバーで:ばらの花 https://www.youtube.com/watch?v=mBSKWGnkbGs

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