2010年7月30日金曜日

食事を作る

私の事務所には週のうちに二日来てくれるアシスタントがいます。名前を松ちゃんといいます。22歳の彼女はとても真剣に建築に取り組んでくれます。建築の設計は見た目とは裏腹にとても地味な仕事です。何時間も間取りを考えたり、良い案が浮ばなければ現場をうろついたり、一日中模型と格闘したり、漢字だらけの法規の本とにらめっこしたりします。建築は図体が大きいですから社会との関係性を無視できません。気軽にスタジオで作って気に入ってくれた人にだけ売るということがそもそも出来ないのです。わざわざ事務所を訪ねてくれるクライアントのみなさんとお付き合いをするうえで大切なことは相手の立場でものを考えられること、生活実感のあるものの見方ができる事でしょうか。そんな意味と、地味な仕事の息抜きもかねて私の事務所ではアシスタントの来る日は極力事務所で食事を作ることにしています。尊敬する建築家の中村好文さんも伊礼智さんもお昼はスタッフの当番だそうです。おやおや忘れていました、昨年、銭函の家でサッシを作ってくれた飯田ウッドワークシステムさんも、お昼はスタッフの当番で新卒の女の子が見る見る上達して、気持ちの良いまな板の音を聞かせてくれるのだそうです。そもそも建築と料理は似ていて、なんでもない材料がほんの少しの手間で素晴らしいご馳走に変身します。特別なことはいりませんがなんというのか「こつ」のようなものが両者の間にあるようです。高級な材料は必要なくともその素材の生かし方に長けているか否か?十分美味しさを(但し、旨み調味料やコンソメの力を借りずに)引き出したか否か?美味しく食事をした後は、今年の仕事も精一杯楽しみたいと思います。

ネギとトマトは油で丁寧に火を通し少量の塩をふる。ネギもトマトも食べられない松ちゃん用レシピ。右はパプリカのピクルス。コーヒーカップ半分に水を入れ中に細切りにしたパプリカを立て入れレンジでチンする。市販のピクルスのビネガーに漬けるとすぐに美味しく食べられます。


えびとトマトのパスタ。えびは頭と身を分け、頭は少量の塩とオリーブ油をふり、オーブンで20分カリカリ目に焼く。その後つぶしながら、完熟トマトと混ぜ、パスタのゆで汁で伸ばしながら煮込む。最後にザルでカラとソースを濾して出来上がり。茹でたてのパスタを合わせて熱々で。

パプリカ以外は、自宅の畑で採れたもの。


ホタテの稚貝は、お味噌汁も美味しいですが、今日はカルパッチョに。生の魚介がまったく食べられない松ちゃんもこれは美味しく食べれたそうです。
オリーブ油3に対して、酢1と醤油少々、ニンニクのすりおろし適宜、バジルとパセリ、オレガノのみじん切りを混ぜておく。ホタテとえびは剥いて冷やしておく。ドレッシングをかける直前に少々の塩をふることがコツ。レモンを添えると、「魚たべられなーいという子達もぱくぱく食べられますよ~。」
ローストしたえびの頭を種抜きしたトマトと合わせて炒める。パスタの茹で汁で伸ばすことがコツ。