銭函の家が上棟(屋根を葺いた状態)しました。骨組みを下から見上げたのがこれ。外周部の柱は105×210で筋交いやブレースがガラスの向こうに見えないように、ロの字の筋交いフレーム(緑)をはめ込んでいます。仕口は全て金物工法でこちらの現場は、棟梁が自ら梁や柱を加工することはありません。材木業者が材料と共に接合部も加工するいわゆるプレカット工法です。コンピューター仕掛けのNCルーターで加工しますから、絶対精度は格段に高い反面、全て工場任せなので現場の融通はほとんど効きません。まあ一長一短、新築ならばそこそこいけますが西岡の家のようなリフォームの場合は棟梁自ら材の切込みを行い、きめ細かい現場合わせを行ないます。
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屋根は少し変わっていて、今回は勾配0のシート防水です。敷地が道路よりも低いのに雨水と下水を分けて放流しなければならない、いわゆる分流地区、屋根の雨水を樋で集めても、ポンプUPしなければ雨水側溝に流せない土地の条件、さりとて落雪型の屋根では落雪の軌道計算でほとんど隣地に雪が飛んで、計算上アウト。そんな時に尊敬する先輩から教えられたのがこれ。やっぱもつべきものは先輩ですよね。
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緑色に見えるのは、なんとアラミド繊維、ご存知防弾チョッキにも用いられる強靭な素材です。それを四隅に張ってロの字のフレームを組むとこれがいわゆる筋交いの代わりになります。北海道の構造屋さんが開発し現在売り出し中。テーマは地場産建築なので材料以外にもたくさんのノウハウコラボで作ります。
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3階から見える海の景色。吸い込まれそうですね~。
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ほとんどオープンな間取りのために独立柱が何箇所か出てきます。木柱だと150角にもなる断面が鉄パイプならば6cmの直径(60φ)の断面でOKです。今回は柱を華奢に見せるために見えてくる柱は基本的に60φで統一しました。