2025年9月28日日曜日

南幌まちなかの家Ⅳ 内覧会のご案内


 春先より、ネオス建築株式会社さんと取り組んできました「南幌まちなかの家Ⅳ」がいよいよ竣工を迎えます。 この度、きた住まいるヴィレッジのルールと建て主さまのご厚意で見学会を行うこととなりました。

ご希望の方は必要事項(見学希望時)をご記入の上当事務所のお問い合わせフォームよりお申込みいただければ幸いです。

*:注 10/11.12のご同業者の見学等はご遠慮いただきますようお願いいたします。

お問い合わせフォーム https://ako-a.com/contact.html


◆「南幌まちなかの家Ⅳ」とは

令和を生き抜く世代が持つべき家

例えば35歳で家を建てたとしてローンが完済するのは70歳・・その間に家族が増えたり、職場復帰したり、入学や受験、進学や就職・・子供が巣立って一安心と思ったら、今度は両親の介護や同居に相続等々・・

僅か35年の間にここまで住まい手を取り巻く環境は変わる。というか・・これがむしろ当たり前。当然ながら・・今のあなたの思いで作っただだけの家だとすぐに陳腐化せざるを得ない。少なくとも35年後により多くの人が魅力を感じる家でなければ、長年苦労して返す数千万の工事費は、けして自らの未来を生かすお金とはなり難い。

実家の母が言っていた「子育て中は何でも自分一人でしなきゃと思って、どこにでも手の届くキッチンが理想だったのよ・・でも無理言って一人用に作っちゃったから、今娘と二人で立つには狭いのよね/笑」、父も言っていた「当時は家なんて大きな方がいいと思ったけど、光熱費も高いし今は二人暮らしなのに無駄だよね、何で壊れない断熱じゃなくて、家の大きさや壊れやすい設備にお金かけたんだろう?若かったのかな/笑」・・・

自分も開業して今年で27年。同じようなお話を散々聞いてきました。そこでどんな風に作っておけば・・住み始めから家を去るまで困らないのか?そんなテーマで取り組みました。
「南幌まちなかの家Ⅳ」には、そんな各世代の知恵に溢れています。ぜひご覧いただければ幸いです。

◆北方型住宅ZEROについて

北海道が1988年から年次改良を続けている「北方型住宅」時代の流行りに流されることなく誰にとっても大切な、快適性、ユニバーサルデザイン、耐久性、省エネ性、地域性、設計図の保管とそれらの見える化を進めてきました。その最新版である「北方型住宅ZERO」の基準を満たしています。

ZERO基準はそのベースとなる北方型住宅2020基準に10ポイント以上の更なる省エネ要件をプラスしたものですが、南幌まちなかの家Ⅳは+10ポイントとなっています。特に外皮性能のUA値:0.18W/㎡Kは国の定める最高等級7(断熱等級/UA:0.20W/㎡K)を超えるものです。

◆BELSについて

今日は小室さんのカバーなんていかがでしょう。時代を感じますよね~/笑


2025年9月25日木曜日

北郷の家 2025.09.25

 

すっかり秋っぽくなりました。本日の「北郷の家」の様子です。

工程的には内装の直前。仕上げの大工仕事が見頃です。担当するのはもちろん宇野棟梁。階段廻りは特に見せ場となります。

以前の階段が急過ぎたので、段数を増やして緩勾配とし、階段の断面がギザギザに見えるようにデザインし直しました。

こんな風に断板は24mm、け込み板は15mmの白樺合板を君合わせて宇野棟梁に作っていただきました。

単に断面を見せるだけではなく床に貼ったフローリングを階段の腰壁部分に張り上げ、断板との間に5.5mmの目透かし貼りとしました。

きらりと光る宇野棟梁の技。床のフローリングの割り付けとピッタリ腰壁に貼るフローリングの割り付けを合わせることで、水平の床が垂直に折れて腰壁に連続するように納めてくれました。
家の真ん中にある階段は採光が取りにくく、ともすれば暗い印象になりがちですがこんな風に階段の片側手すりを壁にするのではなく、光を通しやすい鉄骨の手摺を後付けする方法にすればかなり明るさや圧迫感は減る設計になります。

その反面、もちろん手間は何倍も掛かるし、難しいし階段の施工に関してはいつも宇野さんにお世話になっています。特にリフォームの場合は元床の精度がやはり現代に比べるとよくはありませんから、どうやってその狂いを全体に散らして自然な昇降感を得るかは正直、棟梁のセンスが試されます。端的に言えば・・1階の床と2階の床が平行ではない建物にどうやって平行に作った階段を掛けるのか?

図面なら意識せずに完全な水平や垂直の線が自由に描けますが・・こと現場となるとそんな幸せな場面はめったにありません。新築(機械加工のプレカット)と既存(手加工)は前者の狂いが少なく、後者は大きいというだけの話し。当然後者を自然に見せるためには、大きな狂いをいかに自然に見える小さな狂いに分散させるかが腕の見せ所となります。

キッチンのカップボードが取り付きました。

作り付けのTV台もきれいに太鼓面が取られた白樺の積層合板で納めて行きます。いよいよ来週からは建具屋さんの採寸。その後はクロス屋さんが仕事を始めます。一気に工事中の現場が家になる瞬間が楽しみです。

今日はオールスターでKARAのステップなんていかが


2025年9月11日木曜日

北郷の家 2025.09.11

 

性能向上改修工事「北郷の家」アプローチが完成しました。北海道の家って除雪の関係で塀や門が作りにくいですよね。その一方でこんな風に低層のアプローチを前面に配置するとすごくバランスよく家の構えがまとまると思いませんか。

北海道に合った通りの風景も当事務所のテーマ。もうすぐ完成です。

こんな風に主屋の玄関まで雪や雨に当たることなく通り抜けられるように考えました。


アプローチの後ろに主屋が続く構成です。

こんな風に半屋外の大きなスペースが除雪の手間を大幅に軽減します。

今回もう一つ力を入れたのが階段の緩勾配化。従来は一段の高さが20cm以上もあった階段を18.6cmに低く抑え段数を増やして架け替えました。もちろん踊り場には危険な回り段はなし正方形の踊り場としました。

2階から見下ろした階段です。踊り場に回り段がないことが分かるでしょうか?日本の家がよくないのは部屋数にばかりこだわってその部屋同士をつなぐ空間をしっかり作らないところ。二階をしっかりと使いたいのならば部屋もさることながら登り降りを楽にする階段の設計が欠かせません。例えば35歳で家を建てたとしてローンを払い終わるのは70歳。それなのに階段は一段の高さが20cm強??なんていう設計も相変わらず多い。当事務所の新築は階段一段の高さ(蹴上げ寸法)が18cm。大規模改修でも特別な理由がない限り18cm台に低くします。ぜひ実際に歩いてみてほしい。楽さと怖さが全然違います。

今日は懐かしく・・新しく・・


2025年9月9日火曜日

南幌まちなかの家Ⅳ 2025.09.06オープンヴィレッジ

 

9月6日(土)は快晴の空の下、南幌町のみどり野きた住まいるヴィレッジでイベントがありました。当事務所もネオス建築さんと協力して見学者のみなさんをご案内させていただきました。

札幌圏からも多くのご来場を頂き、最新の北方型住宅ZEROを体感する機会となりました。貴重な休日にも関わらずお運びいただいたみなさまにこの場をお借りして御礼申し上げます。

ご来場いただいた方々にとってやはり最大の関心事は近年の住宅価格。新型コロナ感染症の収束後、一気に加速した土地と建設物価の高騰は、札幌をはじめとする都市圏の家づくりを一気に難しいものとし今に至ります。その一方で、まだ住宅ローン金利が比較的落ち着いていることと様々な支援策を上手に組み合わせるとけして可能性がない訳ではありません。

さほどの高級志向でなくとも・・平均100万円/坪~130万円/坪ともいわれはじめた住宅価格。そんな今だからこそ、移住者のみならず手厚い子育て世代支援に取り組んできた南幌町の宅地は好調なセールスを維持しているのだと思います。

今日はリップスライムなんていかがでしょう