2025年9月13日土曜日

南6条の家 2025.09.13着工

 

「南6条の家」が無事着工しました。

チーム南6条は飛栄建設さん。もうすぐ完成の性能向上リフォーム「北郷の家」をはじめ当事務所の仕事をたくさんお引き受け頂いてきました。松田社長さん、宇野棟梁さん共々また精一杯、家づくりに打ち込みたいと思います。

さて、平屋とはいえ今年の4月から始まった新法改正の影響を受け建築確認申請の審査に3週間を要しました。以前だと1週間程度で何とかなっていたものが3倍~4倍の審査期間・・

運がよいことに今回は審査項目が2階建てより少ない平屋なのでなんとか3週間で済んだものの・・一般的な2階建てだと2か月以上掛かる・・というのが道内の現状とのこと。益々家が建てにくくなってきています。

審査期間について北海道指導センターHP https://hokkaido-ksc.or.jp/assets/files/06_event/R_BELStoshinsakikan

ここまで読んでいただいた方の中には、こんなに時間と手間がかかって大変なのかとお思いの方も少なくないと思いますが、むしろ南6条の家の場合は合理的に話が進んで無事着工にこぎつけられた好例といえます。

現地に初めてお伺いしたのが4月、今は9月ですから約5か月間。内訳は・・
基本設計   :2か月
積算&価格調整:1か月
実施設計   :1か月(確認申請+性能表示等級+BELS)
審  査   :3週間(但し、確認申請のみ)

新法改正後の混乱期にもかかわらずこの短期間で着工までこぎつけられたのは、何といっても建て主さんのおかげ。メールに対するリアクションの速さ、要所の決断力、矛盾を含む難しい判断に対する発想の柔軟性や転換力等々・・おかげさまで何とか雪の降る前に基礎工事に取り掛かれます。ここまでのご協力とご理解にこの場をお借りして御礼申し上げます。

報道等でもご存知のように今の国内は8か月連続で3%超の生活物価高騰(インフレ)が続いています。もちろん世の中のすべてが等しく3%の値上げなのではなく顕著なのは何といっても食料品です。お米が高くて買えない・・は一時期注目されました。そんな中、建設物価も上がり続けています。地元新聞が一面で建設物価の高騰による深刻な住宅着工戸数の下落やマンションの修繕費が5割も上がり改修断念の様子を報じる中、少しでも安く家を建てるためには意思決定の迅速さが欠かせないのです。


デフレ期(今思うと懐かしいですが/笑)は建築工事の見積額は1年後もさして変わりませんでしたが、現在では2か月限定が一般的です。要は3000万円のお見積もりを出してその金額で工事をお引き受けできるのは見積提出から2か月までですよ・・ということです。

昔は業者の販促目当てのテクニックと一笑されましたが、今は全然違ってそれがむしろ当たり前。今や工事費って時価なんです。

設計を担当する私たちの仕事の進め方も間取りの途中であっても参考見積を取りながら進めるように変わりました。特に面積が増える方向の建て主要望を頂いた際には、口頭にて価格上昇の可能性を告げるとともに迅速に参考見積を示して判断を仰ぐようになりました。工事費に割ける金額は最初から決まっていますから、気に入った間取りこそできたものの、後から価格的に全く折り合わないとなると必ずトラブルとなり易いからです。

住宅着工戸数17%減(道新デジタル) https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1202381/

最近、お金の話しばかりなので・・今日は美しいギターなんていかがでしょう


2025年9月11日木曜日

北郷の家 2025.09.11

 

性能向上改修工事「北郷の家」アプローチが完成しました。北海道の家って除雪の関係で塀や門が作りにくいですよね。その一方でこんな風に低層のアプローチを前面に配置するとすごくバランスよく家の構えがまとまると思いませんか。

北海道に合った通りの風景も当事務所のテーマ。もうすぐ完成です。

こんな風に主屋の玄関まで雪や雨に当たることなく通り抜けられるように考えました。


アプローチの後ろに主屋が続く構成です。

こんな風に半屋外の大きなスペースが除雪の手間を大幅に軽減します。

今回もう一つ力を入れたのが階段の緩勾配化。従来は一段の高さが20cm以上もあった階段を18.6cmに低く抑え段数を増やして架け替えました。もちろん踊り場には危険な回り段はなし正方形の踊り場としました。

2階から見下ろした階段です。踊り場に回り段がないことが分かるでしょうか?日本の家がよくないのは部屋数にばかりこだわってその部屋同士をつなぐ空間をしっかり作らないところ。二階をしっかりと使いたいのならば部屋もさることながら登り降りを楽にする階段の設計が欠かせません。例えば35歳で家を建てたとしてローンを払い終わるのは70歳。それなのに階段は一段の高さが20cm強??なんていう設計も相変わらず多い。当事務所の新築は階段一段の高さ(蹴上げ寸法)が18cm。大規模改修でも特別な理由がない限り18cm台に低くします。ぜひ実際に歩いてみてほしい。楽さと怖さが全然違います。

今日は懐かしく・・新しく・・


2025年9月9日火曜日

南幌まちなかの家Ⅳ 2025.09.06オープンヴィレッジ

 

9月6日(土)は快晴の空の下、南幌町のみどり野きた住まいるヴィレッジでイベントがありました。当事務所もネオス建築さんと協力して見学者のみなさんをご案内させていただきました。

札幌圏からも多くのご来場を頂き、最新の北方型住宅ZEROを体感する機会となりました。貴重な休日にも関わらずお運びいただいたみなさまにこの場をお借りして御礼申し上げます。

ご来場いただいた方々にとってやはり最大の関心事は近年の住宅価格。新型コロナ感染症の収束後、一気に加速した土地と建設物価の高騰は、札幌をはじめとする都市圏の家づくりを一気に難しいものとし今に至ります。その一方で、まだ住宅ローン金利が比較的落ち着いていることと様々な支援策を上手に組み合わせるとけして可能性がない訳ではありません。

さほどの高級志向でなくとも・・平均100万円/坪~130万円/坪ともいわれはじめた住宅価格。そんな今だからこそ、移住者のみならず手厚い子育て世代支援に取り組んできた南幌町の宅地は好調なセールスを維持しているのだと思います。

今日はリップスライムなんていかがでしょう