2024年7月18日木曜日
畑は楽し・・2024
2024年7月12日金曜日
南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.12
2024年7月11日木曜日
福井の家 地鎮祭
昨年から設計に取り組んできました「福井の家」本日は地鎮祭を執り行いました。
本日の札幌は朝8時から26℃快晴。日差しからはじりじりと夏を感じます。
私の地元札幌近郊では最近めっきり減った地鎮祭。道外ではまだ行う機会が多いと聞きますが、個人的には中々いいものだなあと感じます。その一番の理由はアナログなところ。
最近の私たちの暮らしはネット社会。場所性は重要ではなく、時間をかけることを嫌がる空気がどんどん濃くなっています。そんな中で地鎮祭はその土地の神とつながって怒りを鎮めることを目的とします。要はアナログでないと成立できない行事。
ご神職の祝詞が朗々と響き山からの爽やかな風を感じてよい地鎮祭となりました。
さて立派な家を建てましょう!いつも身が引き締まりますね/笑
チームを組ませていただくのは飛栄建設さん。ご担当いただくのは宇野棟梁と松田社長さんです。想えば2014年に松田社長のご自宅の設計を仰せつかったことからお付き合いが始まり早10年。その間、数多くの300mm断熱の家を建てて頂きました。
「福井の家」は札幌版次世代基準プラチナと北方型住宅ZEROの基準を満たす住まい。日本一の性能と同時に宇野棟梁の細やかな仕事が今から楽しみです。
本日はおめでとうございました。
今日はブルースホーンズビーなんていかが
2024年7月7日日曜日
色々な「北方型住宅」がある 2024.07.07
最近、北方型住宅に関する質問が増えている。作り手としては凄く嬉しい。
ふと想えば・・スイスイハイムやヨサワホーム、参上工務店のように固有名詞と見た目が結びつき易い家は分かり易いけど、「北方型住宅」(商標登録済)と聞いて「ああ~あれね」と外観を思い浮かべる人は少ない。

そうなんです!「北方型住宅」つーのは特定のヴィジュアルや形は決まっていない。要は形や素材は建て主さんの自由でいいけど、それ以外の目に見え難い大切な事柄をまとめますから、家づくりの際はぜひ採用してね!というもの。要はスイスイハイムやヨサワホームを選ぶと”あの外観”もセットで付いて来るけど、「北方型住宅」だと高い性能や賢い間取り、暖かくて涼しい家づくりの専門家+設計や施工、完成後も設計図をデーターセンターに30年以上保存みたいな、見た目以外のメリットがセットで付いてくるという訳。
「ええ~っ・・早く言ってよ~もう工務店さん&設計者さん決めちゃったよ~」という人も心配ご無用。北方型住宅の仕様(約束事)が一冊にまとまった「技術解説書」が公開されているから誰でも無料でダウンロードして使うことができる。デザインはいいんだけど性能面は少々不安?とか自社仕様絶賛だけど~本当?みたいな作り手の場合は、ぜひこの技術解説書を守ることを契約条件にするといい。内容は現在道内で一般的なもの+α程度だから、どの作り手であっても難しすぎるということはない。
北方型住宅2020技術解説書ダウンロード https://www.kita-smile.jp/north2020
さて前回の記事で北方型住宅が北海道の長年にわたる寒冷地住宅研究の成果であることは説明した通り。今日はその北方型住宅の種類について。
そう「北方型住宅」といっても長年続いているから時代ごとに様々なバージョンが存在します。北方型住宅2005や2010(ECO)は見て分かる通りその年の省エネ基準の年号を取って命名されたもの。
ところで現在の最新版はといえば「北方型住宅2020」これが地域のスタンダード仕様つーことなんです。
ところで「北方型住宅ZERO」つーのも最近ちらほら聞きますよねと・・それって2020とはまた違うんすか?
よくぞ聞いてくれました/笑
この「ZERO」という仕様は「2020」の仕様をベースに任意に選択可能な「脱炭素に資する対策」を10ポイント以上選んで加えたものです。
北方型住宅ZERO={北方型住宅2020}+{脱炭素ポイント>10P}
北方型住宅ZEROとは? https://www.kita-smile.jp/kenchiku/post-675/
ちなみに・・この「北方型住宅ZERO」を南幌で8棟建てて展示販売しようという企画が進んでいてそれが「南幌町0カーボンヴィレッジ」という訳です。
南幌町ゼロカーボンヴィレッジ https://www.replan.ne.jp/articles/42243/
ご興味のある方は当ブログの過去ログをぜひご参照ください。
今日はHSCCでクラプトンのカバーなんていかが・・本家に迫ります。
2024年7月6日土曜日
北方型住宅とは? 2024.07.06
北方型住宅って?・・残念ながら道内/地元の人にその内容はあまり知られていない。
「スイスイハイム」や「結局は性能」、スゲーデンハウスに比べると存在は地味。
そこであらためて・・
北方型住宅:「北海道の気候風土に根差した質の高い住まい」
実は印象こそ地味だが凄いのは、最近ネットで流行りの「エコハウス」や「断熱気密住宅」、「全館空調」、「エアコン一台で家中~」等々の住まいの大半はほぼ北方型住宅の要素技術に関連しているか、その技術を使っているということだと思う。
北方型住宅は数こそ、多くないものの、その技術開発の過程で得られたノウハウを随時民間にフィードバックしてきたことで、今や道内における一般的な新築木造住宅のスタンダードな工法なのである。
上の写真は1981年の第24回寒地建築技術講習会のテキスト。当時で既に24回目の講習ということは、始まったのは1950~60年代と思われる。1988年にリリースされた「北方型住宅」はそれまでのこうした研究成果の集大成であり、その改良は現在まで続いている。要は道内で 理想の住まいを求める際、まずチェックすべきワードが「北方型住宅」だと憶えておいてほしい。もちろん家づくりの情報収集は各人の自由だし、特に最近の住宅系youtubeは気軽で入り易い。その反面、地域性や前提が曖昧なまま個人の感想を押し付けている場合も少なくない。気を付けないと北国の人がそれとは知らずに南国の家づくりを目指している?そんな笑えない現実も増えている。
そもそも特定の作り手個人が自身の地域ではこうしてます!ということと・・それが道内どこでも適切です!というのは全く別の話し。特に北海道は広い・・意外に感じる人も多いが、住まいとはどの地域を前提にするかで適切な設計や施工、設備の内容なども大きく異なる。
先日も道内のかなり寒い地域にお住まいの人からエアコン暖房が最高!というお問い合わせを頂いた。話しを聞くと、築5年でなんともう建て替えたいのだと言う。えっ?最高なのになぜ??と聞くと・・理由は寒いから。厳寒期の夜中にはエアコンが停止してしまう。とのことであった。そもそも暖房設備の選択肢が豊富な道内でなぜ最も寒さに不利なエアコンをチョイス?と不思議に思いやり取りを続けたところ・・今まで6~7地域の設計者発信の情報を信じてきたことが判明した。
エアコンは平均外気温が0℃以上の地域でならば最高の効率を得られる旨を説明した上で、-10℃を大きく下回るような地域では効率が引き出せないばかりか、ご自身で体験されたように条件次第では停止してしまうものだとお伝えした。
これから家づくりを目指す人はまず「前提」を大切にしてほしい。具体的には「地域性」とそれに適した設計や施工、設備の選択を誤ることなく理解できるよう自らを賢く鍛えてほしい。この情報発信がその一助となれば嬉しい。
北方型住宅 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/200828hoppougata2020.html
*北海道建設部住宅局HPより
メールにて:はじめまして〇〇と申します。道内で住宅取得を目指していますが、一般的な価格や仕様の中でお薦めな方法はありますか?ネットも見ているのですが選択肢が多過ぎて正直どれがよいのかぜんぜん選べません。
山本:平均的な価格と仕様を目指すのであればまず上の二枚を作り手に示して下さい。大まかな希望概要が伝わります。もし設計または設計&施工契約に進みたいとお考えなら、「北方型住宅2020の技術解説書」を守って設計&施工していただくようにお願いしましょう。北海道の実情に即した非常に実践的な内容ですので安心です。
こちらがリンクです:https://www.kita-smile.jp/north2020
仮に自社以外の仕様は難しいと言われた場合はその自社仕様が北方型住宅2020の内容を上回るものか否かを必ず確認してから、頼むかどうかを決めて下さい。意外と大手住宅会社の方が内容がよくなかったりしますのでご注意ください。
冒頭でも少し触れましたが・・平均的な価格と仕様の家(けして自分ら贅沢なんて目指してないす/笑)と思っていても、一般の建て主が家づくりに必要な事柄の全てをyoutuberの動画や他のSNSから得るのは難しい。概要をバランスよく知りたい場合にまとめサイトが便利なように、必要な項目がまとめられた技術解説書は最高のまとめサイトという訳なんです。ぜひお使いください。/笑
今日は「夏」のジブリなんていかがでしょう
2024年7月4日木曜日
南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.04
03:他を見る...異なる考え方に触れる
2024年7月2日火曜日
南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.02
02:全員で解決すべきこと・・・
2024年7月1日月曜日
マンション外断熱改修に・・想う
南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.01
01建て主決定のその後 ・・・
2024年6月1日土曜日
北7条の家お引渡し
2024年5月19日日曜日
暑さと断熱
最近、リフォーム案件で小屋裏に出入りする機会が増えた。 5月は爽やかな北海道。だけど、小屋裏は例外なく暑い/笑・・ ふと昨年訪れた夏の岐阜を想い出した。白川郷の合掌造りの小屋裏。厚み60cm超の分厚い茅葺の屋根がまさに防水を兼ねた”超”屋根断熱となり、薄暗い室内を通り抜ける風が心地よかった。
外気温は日陰で約32℃、日向だと34℃、絶対湿度だって18g/kg以上もあった。その熱い外気が小屋裏に入ってくるのだから、心地よいというのも、よくよく思えば変な話。でも、どちらか選べと言われたら、圧倒的に白川郷の小屋裏を自分は選ぶ。
理由は実に簡単で、茅葺の超断熱屋根は無断熱のトタン屋根のように焼け込まないから輻射熱を感じないし、34℃の外気だって風速があれば暑さに不慣れな北海道人の自分でもそこそこ過ごせるってことが分かったから。それに比べたら5月でさえトタンの焼け込みで屋根面の熱がジャンジャン入ってくる北海道の家の小屋裏は過酷でしかない・・長年の蓄積といえばそれまでだけど、断熱がいかに暑さをしのぐ上で有効な知恵だったのかを分厚い茅葺の合掌は今に伝えていると思う。
こっから先は余談ですが・・白川郷の小屋裏でもう一つ最高だったもの・・それは北側の窓からの景色でした。
ミライの住宅の林さん、森さん昨年の貴重な学びに感謝します。
2024年5月1日水曜日
発寒の家Ⅳ 見学会を終えて
車が二台駐車出来て、雪かきが最小となるレイアウト。冬はカーポート内をトンネルのように使って玄関にアプローチします。夏場は手軽なBBQスペース。物置と駐輪場(除雪機置き場)も設けました。
当日は「発寒の家Ⅳ」の見学会にたくさんのご来場をいただきまして誠にありがとうございます。長く続いた新型コロナ感染症が明けて、やっと本格的な見学会ができるようになりました。引き続き、地域に相応しい住まいのデザインに取り組んでまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
夜間は一転、柔らかな光で街並みを作ります。
また今回の見学会を企画するにあたり、住まい手さまより特段のご厚意とご理解を頂きましたことを、この場をお借りして一言御礼申し上げます。見方を変えれば住まいの多くは個人宅。その一方で北国にこそ必要な間取りの知恵は現地でもまだ十分知られていません。
パッシブ換気の塔屋の壁面に取り付けられた太陽光パネル。すべてを電気で補い電気代の収支をゼロにすることを目指すのではなく、寒冷地に合った熱源の組み合わせで省エネと快適性の実現が設計のコンセプト。太陽光パネルは蓄電池と接続されており、停電時は自立が可能。冬ならペレットストーブや暖房ボイラーに電力を供給することも可能。
そうした事情を汲んで、見学をお許しいただけることはたいへん有意義であると同時に、設計者である自分のみならず大工さんや家づくりに関わる数多くの職人さん達の技を広く社会に示し、地域材の生産者さん、未来の建築を道内で学ぶ学生さんたちにとっても貴重な機会となります。その一方、そうした寛容な大らかさが縮小する社会においてこうした見学の場を地域の文化として育てたいと思っています。
南東向きに大きな開口部を設けたLDK。300mm断熱の家であれば冬場一日、6~8時間の暖房稼働で家中の室温は18℃以上を終日確保できる。但し、ずっと同じ室温環境の中に居続けるとポカポカとした刺激がほしくなる。そこで炎が見えて輻射(ポカポカ感)を改善するペレットストーブを用いて微調整(徐寒)する。
主な暖房設備でざっくり18℃を作り、高い外皮性能と日射を含む内部取得熱でそれをキープし、徐寒の微調整にはペレットストーブ等を用いる。300mm断熱の家も今回で42棟目となりましたが、暖房設備だけで微調整まで行おうとせずに、小さな設備を併用することでかなり不満の少ない暖房環境を実現できます。
シンプルに隠すことを意識した対面型キッチン。開放的なLDKとその真ん中に置かれた対面型キッチンは人気がありつつも充分な収納能力がないと成立しません。住まい手が片付け上手であることはもちろん、居間に対して解放されたキッチンセットは家具の王様でもあります。
こうして見ると実にシンプルですが・・・
実はもの凄く大容量の収納となっています。
手元を居間側から隠し収納力を上げるレイアウトです。
料理本やこまごまとしたものの収納はこんな風に90°ひねった棚を用意しました。写真のように小さなスツールなんかを入れておくのもいいと思います。キッチンに北側の安定した光を導き入れるのにも一役買っています。
こんな感じで収納物が居間側から見え難いようにしています。
間取りの中央に位置しつつも暗くならぬように工夫した階段です。壁をなめるように光が入り階段を奥まで明るくします。曇りガラスを効果的に使うのも大切なポイントです。
冬には自転車を仕舞ったり、スキーやスノボを整備したり、肩の雪も払える暖かな土間玄関です。右側は二畳にも及ぶ大容量の靴箱とコート掛け。玄関廻りの収納不足は北国アルアル・・しっかり対策しています。
最近の北海道は夏がどんどん厳しくなっています。そこでパッシブ換気の塔屋の中にエアコンを装備しています。
3種換気とパッシブ換気の排気口。ナイトパージ(夜間外気冷房)用のドレキップ窓も設けました。窓からは屋上に出ることも可能です。
徐寒目的のペレットストーブ。大きなガラスは炎を美しく見せてくれます。その一方で森林資源由来のエネルギーである薪やペレットは極力少なく使えば済むように計画します。すべてを薪ストーブでという人がいますが、それだと貴重な森林資源はすぐに枯渇してしまいます。より少なく再生可能な範囲で使うからこそ、長く使えるのが木質バイオマスエネルギー。薪だからエコなのではなく計画的に使うからこそ環境的なのが森林資源です。