2020年5月19日火曜日

新琴似の家 外構工事完了

本日、ガーデンジャパンさんによる「新琴似の家」の外構工事が完了いたしました。左側はお花&畑のスペース。これからたくさん野菜を植えるのが楽しみです。 
こんな風に家の前がビシッと決まるととても気持ちのよいものです。休日が待遠しいですね。車を前に出すとアプローチ空間の内部は絶好のBBQスペースになります。

みなさんは意外に思われるかもしれませんが、北海道は家の前でジンギスカンやBBQを気兼ねなく楽しめる貴重な地域です。日本の多くの地域では、屋外で肉を焼くと言えばまずはキャンプ。そもそも屋外で食事をするといった機会が少なく、あったにせよ・・お花見とお子さんの運動会、北関東までは地域コミュニティー主催の芋煮会があるくらいです。

以前、東京から道内に移住したご夫婦のお宅を設計した際に、いつもの気軽な感覚で「よい季節になりましたしせっかくテラスも作りましたから週末にジンギスカンでもしませんか?」と誘ったところ奥様の顔がさっと緊張し「ところで警察や消防には山本さんが許可を取っていただけるのですか?」と・・聞かれました。最初はジンギスカン??→ケイサツ??→ショウボウ??→きょか??と思いましたが・・事情を聴いて納得(笑)

北海道の私たちが屋外の焼き肉に関してたいへん寛容なのだと分かった次第(笑)
ちなみに本州の場合は、河原や大きな公園の中にはBBQスペースはあるものの予約はもちろん、持ち込むコンロの台数や炭の使用の有無なんかを事前に届け出るのだそうです。

もちろんBBQ専用の場所でさえこんな調子ですから・・まさか住宅街で炭をおこして肉を焼くなど・・かなりハードルの高いレクリエーションとのことでした。(笑)

お庭の話しから脱線しましたけど・・北海道の人が喜ぶ外構の素晴らしさはまさにこうした屋外のアクティビティー(行動)に密接に関係しています。

私が子供の頃はよく近所の友人から誘われてその家の焼き肉をご馳走になったものです。ただその場所というのが道に面した車庫のシャッターを半開きにして(通りから見え難いように)煙もうもうの中で目をこすりながら肉を食べるというものでした。

当時からお肉は最高に美味しくともなんかもっと自然にゆったり気持ちよく肉が焼けるスペースがないものか・・漠然と感じていました。

その当時は将来、建築家になるなんて考えもしませんでしたが今では、しっかり自らのミッションを理解できるようになりました。

長い冬を健全に楽しく過ごせることと同じくらい。外で焼き肉ジンギスカンが思う存分楽しめる家、畑で採れたてのシシトウやピーマン、ナスやジャガイモを焼いて家族全員で楽しんでほしいと思います。

ガーデンジャパンの宮村社長、小坂さんごくろうさま!また一軒、屋外を楽しむ家が増えました。(笑)

今日はBAND MAID・・もの凄くいい



2020年5月18日月曜日

宮の森の家Ⅱ 小屋廻り

本日はいよいよ小屋(屋根)の登り梁架け。家中で最も大きく重い梁を高所に架ける作業です。現場にはクレーンも入り、皆川棟梁の指示の元、緊張感が漂います。

どの順番で梁を上の足場で待つ棟梁と職長に手渡すのか、静かに安全に上を見上げながら限られた視界の中で正確に大工の手直にピタリと大梁を下ろすのか、足場上の大工二人の他に荷さばき役(中野所長)、そしてクレーンのオペレーターさん4人が息を合わせて作業を進めます。

そんなピリリとした現場の緊張感が動画から伝わって来ませんか(笑)
敷地内にクレーンを据えて見る見る屋根が出来上がって行きます。一気に家の形が見えてくるのでいつまで見ていても飽きません。

余談ですが北海道では大工職が足場の上で中心となって建て方を行いますが、本州の地域によってはとび職がクレーンを手配し大工から預かった柱と梁を組み立てて行くところもあるのだそうです。

そんな話を聞いて本州に就職した友人に「もし吊り上げたはいいけど・・加工が不十分でピッタリ入らなかったりしたらどうなるの?」と聞いたところ友人は「そりゃあ~足場の上で待つとびの親方に、組み立てられもしない材料を手渡した・・つーことだから大工の棟梁の面子に関わるよね~・・自分のみならず相手にも足場の上で恥かかせる訳だからさ~」とのこと・・なるほどそんな風に工種間の緊張感を上手に保つのだな~と感心しました。 
足場の上で指示を出す皆川棟梁。「ドリフトピン用意しておけよー。奥から手前に梁架けるからね~」、一同「はい!」、「中野さーん番手読み上げて~」、中野所長:「はい~次、2通りの、い~に間、上げまーす」・・・みたいな感じです。

クレーンの屋根がガラス張りなのが分かるでしょうか?ここから上を見上げて足場の上で待ち受ける大工さんの手元にピタリと梁を下ろす。オペレーターさんの腕の見せ所です。

写真はクレーンのクランプ(吊り上げる材料を固定する金具)を中野所長さんが受け取ったところ。 
そして次に上げる材料にクランプをセットして、大声で番手を伝えて荷揚げ開始です。

そのためには、どの梁が何番なのかしっかり吊り上げ前に種分けておく必要があります。上で待つ大工さんが2番、3番、4番と90cmづつ移動しながら効率よく仕事ができるようにです。

今日はシスタージェット・・うーん気持ちいい(笑)



2020年5月16日土曜日

宮の森の家Ⅱ 建て方開始 



予定より一足早く、建て方が始まった「宮の森の家Ⅱ」です。朝からヨシケンさんの大工さん4人掛かりで順調に二階の床まで到達しました。

現場を切り盛りするのは皆川棟梁さん、中野所長さんも一緒に立ち会って、協力して建て方を進めます。

設計者の私の大切な仕事は、建て方の初日に汗して働く皆の分のお茶を買って現場に伺うことです。そこでプレカットによる材料加工の様子や必要な材料が必要なだけ届いているか?金物やビスに不足等はないか?等・・組み立て中の様子を棟梁から聞くのです。

こんな風に毎回取材することで、各プレカット工場の加工精度、材料搬入の柔軟性、担当者との風通しの良さ・・はたまた普段自分では気づきにくい設計の癖やどこが作る上で難しいのか?等を現場で検証し、そのフィードバックを生かして図面を改良するのです。
例えば、「ビニールを押さえる根太受け部品も今日納入されていれば、二階の根太掛けが全部終わったよね?まあ床の合板敷きはいずれにせよ来週だからさ・・どうしても今日欲しいわけでもないけどね(笑)・・みたいな会話から、「根太受け:土台と共に現場搬入」と次回の図面に特記するようにしよう!・・となります。
写真は4隅に建つ通し柱です。以前また別の棟梁から「プレカット(NCルーターによる機械加工)で普通の10cm角の柱を加工すると、削り代が大き過ぎて柱が残んないよ!」と指摘されました。調べてみると確かに各工場とも、柱に梁を納めるための削り代は約2cmと決まっていて、二方向加工の場合、元々10cmあった柱でも左右から2cm+2cm取られるために6cmしか実際の柱の太さとしては残りません。

机の前で図面ばかり描いていると10cm角の十分な太さの柱で設計したつもりが・・・実は6cmの柱だったなんて不幸にも気付かないのです。

そんなこともあって写真のように隅柱は105×150の寸法のものを使うようになりました。まさに現場こそ実学の王様!机の上で簡単にできるはずのことが全然そうはいかない。

設計者に取って現場感覚溢れる図面を描けるようになることはたくさんの棟梁たちの貴重な経験を書き止め後に生かすことだと、いつの日からか思うようになりました。
中野所長の適切な養生のおかげで床下もきれい。高さは70cm以上あるので、床下の清掃も容易です。
ヨシケンさんは土台のシート付気密レールは内回し。土台の室内側に向けて施工します。ここら辺は工務店さんによって、土台の外側を回して柱の内側に持ってくる会社もいて各社少しづつ方法が違います。断熱気密の盛んな北海道ならではですね。(笑)
中野所長自ら化粧柱の養生を行っていただきました。強度も高く美しい赤味のカラマツを集成材として生産する技術は北海道の林産試験場のお手柄です。以前は強度こそ高いものの狂いが大きく建築用材としては敬遠されることが多かったカラマツ。

今はしっかり当事務所のトレードマークになりました。暖かな電球色の照明に映える赤味のカラマツは長い冬を過ごす北海道の住まいのインテリアとしてピッタリですよね。
持ってみると全然、他の松材と重さが違います。強度が高い分、硬くて欠けやすいので養生を丁寧にして傷まないようにお願いします。

ヨシケン一級建築士事務所HP https://www.daichinoie.co.jp/

今日は・・ロックンロール!(笑)



2020年5月13日水曜日

常盤の家 外装木貼り完了

今日の西区方面は午後からひどい雨になりましたが、常盤の家のある南区は曇ったものの雨は少しでパラパラくらい。

 外装の木板貼りはほぼ完了していました。今日は曇りなので外壁の凹凸感があまり見えませんが日が出ると非常に深い陰影を生じます。
室内はこれから内装の石膏ボードを貼って行くのでその前に気密の総点検です。写真は玄関ドアの枠の周囲にしっかりシールしたところ。

板を押さえる押し縁がまだ日光で変色していないので妙に白っぽく感じますがこれからどんどん色変わりして味わいを増して行きます。

先ほどの玄関ドアの屋外側の気密シール。必ず両側から確認します。

きょうは ”くるり”なんてどうでしょう?


宮の森の家Ⅱ 建て方直前

本日は、午後から雷と共に激しい雨、さすがに作業続行は厳しいので、ブルーシートをしっかり敷いて基礎に雨水が入らないように養生して撤収しました。

この後は建物の周りに足場を掛けて土曜日からいよいよ土台敷き、週明けより建て方開始予定です。 


今日はスガシカオなんていかがでしょう


新琴似の家 外構工事

2018年竣工の「新琴似の家」先日よりガーデンジャパンさんによる外構工事が始まりました。今日は雁木内部の平板敷です。

当事務所で設計させていただいた住宅の外構は、ほぼガーデンジャパンさん。デザイナーの小坂さんは毎回素敵な提案をしてくれます。

もちろん写真”映え”のする外構もよいのですが、小坂さんのデザインは身近にある様々な素材を巧みに組み合わせて、一昔前のす・ま・し・た「庭」ではなく、現代的で暮らしが楽しくなる北海道の庭を作ってくれます。

(有)ガーデンジャパンHP http://gardenjapan.co.jp/

今日は撮影途中に雷と共に大雨になり・・残念ながら写真はこれだけ・・(残念)

正面から見るとこんな感じ・・建物は二年でかなり味わいが増してきました。外構の完成が待ち遠しいです。

今日はMonkey Majik&岡崎体育なんていかが(笑)



2020年5月6日水曜日

三密を避けて 畑

コロナ感染でたいへん静かなゴールデンウイークでした。
今年から一人暮らしを始めた長男次男も帰って来れず・・ステイホーム
近所のホームセンターで買っておいた土と苗で、今日はまだ実家にいる3男と一緒に畑づくりです。

まずは伸びかけた庭の雑草を刈って・・・

小型のカルチベータ(耕運機)で土をよく耕します。トマトは同じ場所に植え続けると連作障害を起こすので、土替えをして植え付けます。

最初は効きも早いし配合済みで手軽なので化成肥料を使っていましたが・・ここ10年程は有機肥料に変えまして、苦土石灰に米ぬか、油粕、鶏糞、バークたい肥なんかで作っています。 
今日はトマト9本植え付けた時点で雨のため中断。明日以降少しづつ苗を増やして行こうと思います。

実はもう15年以上も前に趣味と実益を兼ねて始めた畑・・近所の畑名人に教わって数年後から凄くたくさん採れるようになったので・・お客さんにも勧めるようになりました。

お子さんと一緒に、庭がなくともプランターでOK。ハーブ類各種、トマトにキュウリ、ナスにピーマン、シシトウ、唐辛子、ズッキーニにカボチャ、ジャガイモ・・・

北海道ではこれから夏にかけてジンギスカンや焼き肉を楽しむシーズンになりますから庭の実りは大活躍。ぜひみなさんにお勧めです!
                     
写真は昨年のものですが、本当にたくさん採れて、毎年夏には建て主さんにお裾分けしています。

お庭は中々手入れもたいへん・・でも畑は作る楽しみ、日々育つのを見る楽しみ、お子さんと一緒に収穫して、家族一緒に「美味しいね!」って食べる楽しみがあります。
                    
写真は「宮の森の家」の住まい手さんの畑。毎年、お庭をお願いするガーデンジャパンの小坂さんの作る畑土は栄養満点!どんな野菜も凄く良く採れます。

トマトにズッキーニ、ピーマン、ナスに根菜類・・・

虫よけのお花も可愛いですね~(笑)

こちらは葉物野菜・・毎日美味しいサラダが食べられます。
私のところでは、葉物の他に、二十日大根とルッコラなんかも作ります。

今日は午後から雨・・Jamiroquaiでも聞きましょう。


                    

2020年5月4日月曜日

常盤の家 外壁木貼り工事

「常盤の家」が外壁の木貼り工事に到達しました。写真の方向は西側なので、特に貼った後からどんどん色が変わって行きます。

北側は既にほぼ貼り上がり西側と東側が進行中です。

こちらは、飛栄建設さんの土場で作っていただいた外装の板材。日本全国の材木屋さんで「貫材」の名称で売られている規格寸法105×18mmの板材を保護剤に漬けたものです。外壁に貼った後はその家ごとの敷地条件(日当たり)によってさまざまに変化します。

こちらは2階のテラスの下地。梁材の天端が傷まないように板金で笠木を付けてその上から床のデッキ材を敷き込みます。

南側に開いた幅2.6m×高さ2.3mの大きな窓。窓の奥にはお向かいの大きなこぶしの木が見えます。

今日はShania Twainなんていかがでしょ(笑)


宮の森の家Ⅱ 基礎工事

「宮の森の家Ⅱ」は布打設まで完了。あとは土間1回で基礎工事は完了。埋設部分の設備配管を終えたのちに埋め戻しとなります。

写真は玄関部分の床スラブ部分。手前にこれからコンクリートを打設するための土間の差し筋が見えています。

こちらは外周部以外の布基礎。型枠の下から全然トロも染み出していない。完璧な打ち上がり。基礎屋さんありがとうございます。

アンカーボルトにトロ飛びも少なく、非常にきれいな打設です。

ゴールデンウイーク明けに建て方開始です。


今日は洋楽がいいですね~(笑)


2020年4月28日火曜日

常盤の家 板金工事

「常盤の家」の窓下水切り。いつも先端を15mmでピシッと曲げて下板と合わせて薄くシャープに作ります。

飛栄建設さんの板金屋さんは(有)赤塚板金工業さん。飛栄さんの協力業者さんは若い社長さんが多いけど、赤塚さんもその一人。設計者の好みをよく聞いてくれていつも凄くカッコよく納めてくれます。
有限会社 赤塚板金工業HP https://www.akaban.jp/business.html

こちらが水切りの上板。先端に下板をひっかけるレの字の加工が見えますか。ここに短い下板を引っかけて水切りを下から見上げても裏地が見えずかつ二枚合わせにすることで丈夫に作ります。

こちらは下板を加工しているところ。職長さんは短い差し金とハサミ一丁で鉄板を自由自在に形作って行きます。本当に見ていて気持ちがいいくらい。

見る見る水切りの形になってきました。今は水切りの裏を見ています。先端は二枚合わせで丈夫に、見上げても板材の裏のグレー色が見えないように・・・

ペンチで掴んでくいッと曲げて、狂いが出ないように正確につかんで整形します。

端部を折り返して、木口方向(断面方向)に蓋をします。

ボンドを付けてシュッと下地に滑らせるようにかぶせて隠し釘打ち。見てよ0.35mmの薄い鉄板でこんなにきれいな水切りを作るなんて・・何度見ても凄い!

釘は外装の板で隠れる絶妙の位置・・くう~っ職長!さすが~っ(笑)

折り紙と同じ要領で薄い一枚の鉄板が山折り谷折りを駆使して、こんな風に直進性の高い立体に仕上げられるんです。

こちらは小屋根の軒廻り。こちらもピシッと・・今度は継ぎ目なく加工されているのが分かるでしょうか。

山本さん、私らが運搬しやすいように短く切って現場でつないだら嫌だろうと思って一枚加工にしておきましたよ(笑)そんな赤塚社長の声が聞こえてきそうですね。
                     
通常はこんな風につなぎ目が入ります。

こちらは、薪ストーブの煙突の屋根欠き込み。色が白っぽく見えるところまでが屋根のシート防水。その下に黒く続くのが板金。

つまりシート防水の屋根を完璧に作るためには板金屋さんの優れた技術が欠かせません。

屋根のシート防水の立下りとそれに取り合う板金の軒包み。こちらは樋と取り合うので軒の出が10cm短いタイプです。

今日はエンニオ モリコーネを聞きながら一日テレワーク・・
なんだか映画が見たくなりますよね~(笑)