2017年8月19日土曜日

西野まちなかの家 外装下地工事その2







外装を貼り始める前には色々と下準備や段取りを終えねばなりません。上の写真は軒先の板金の納め。従来のように全く軒の出がない陸屋根ではなくて20cm軒を出して、そのかわり破風は付けないで納めてゆきます。奥に見えるのは通気部材のイーブスベンツ。屋根面は105mmの通気層、壁面は18mmの通気層それらを上手に交通整理して通気工法を完成させます。
 
こちらはパッシブ換気の塔屋の腰水切り。シート防水を巻き上げた上から施工ししっかりと防水テープで止水します。
 
こちらは南側の庇。出は1m以上あります。300mm断熱で南面に大きな開口部を取ろうとすると、日射遮蔽の工夫がどんどん必要になってきます。1階が居間で南向きの吹き抜けの上下に大窓のある「西野まちなかの家」にとって高所の庇は欠かせません。1階の掃きだし窓の上にはオーニングを設けて上下で日射遮蔽を行います。
 
こちらは窓水切りの下地。サッシは一般的によく行われているように4辺のツバを壁より出して納めるよりも断熱厚さの中心に近づけて設けるとより性能を引き出すことが出来ます。別の見方をすると、付加断熱が当たり前になると自然と壁の厚みが増すので窓の取り付け位置にも選択肢が増えます。
 
窓の周囲はウレタンを充填して断熱補強をしておきます。外装材を貼ると丁度、サッシの外枠だけが見えなくなり障子のみが残見える様に納めます。
 
タイベックの下に石膏ボードを貼っているので壁の貫通部分に通した管(ケーシング)にガスケットを使うとピシッ!と貼れます。よくふわふわのタイベックの上からガスケットを被せ周囲のテーピングがぜんぜんくっついていない現場がありますが、私的には繊維系の付加断熱の外側には一度平面を作ることをお勧めします。窓廻りのタイベックの折り返しやテーピング、上記のような貫通部分の処理等々・・・シート類の下にしっかりした平面があると助かることばかりです。外壁の通気層も断熱材が膨れないのでもの凄くよく効きます。
 
ケーシングのツバは出来れば3cm以上は出してほしい。こんな風にガスケットがしっかり圧着して簡単に気密が出ます。
 
 
こちらはエコジョーズの排気トップの室内側。燃料供給(LPG)をしてくれるガス屋さんの仕事(北海道では単に燃料のみを扱うという意味の純粋な燃料屋さんは少ない。燃料供給に加えてガス機器を自社で貸与するケースも多いので、設備屋さんでもあります。そんな訳でガス屋さんの無知で気密が取れない、断熱が欠損した・・なんて言われないように担当者が現場について施工してくれます。
 
こちらは外部側。アクリルテープを細かく切ってタイベックに貼り付けて気密を取っているところ。現場を預かるM所長と「性能的には充分だけど、見た目が見劣りするので建築側でガスケットを支給するのか検討中(笑)。


2017年8月13日日曜日

トマトソース作り

今年はトマトが豊作なので今日は朝からトマトソース作り。よく煮て裏ごししたら、冷やして家族の大好きな冷たいトマトのパスタを作ろうと思います。想えばすっかり夏の味ですね。
 
今日は上等なJAZZを!FOURPLAYなんていかが
 

2017年8月11日金曜日

トマト豊作!

今年のトマトは特に甘いですね~!水洗いするとぜーんぶ水に沈む。糖度の高い証拠。特に赤いミニトマトは果物みたい。毎年自分で育てているんで、ちょっと嬉しい。(笑)

今日はMR.BIGなんていかが
https://www.youtube.com/watch?v=elkYpuUeB3w

2017年8月9日水曜日

野幌の家 着工

2017の8/8(火)より着工した「野幌の家」。軟弱地盤のためにまずは地盤改良を行います。
 
オーガー(ドリル)で掘削した孔に地盤改質用のセメントと水を投入し攪拌することで、土中で硬化させます。要は地中にセメントで出来た柱状の杭体を約1.8m間隔に作って行きます。こうして軟弱だった地盤の中に強固な地盤を等間隔に作り、その上に基礎を載せます。

3人で1チーム。驚くべき段取りで見る見る杭を仕上げてゆきます。

一袋25kgの地盤改良用セメントを一つの穴に6袋用います。

オーガーで掘削した孔です。中には既に改良杭が出来上がっています。
 
やっぱり夏がもう一度来てほしいですよね。久石譲のピアノなんていかがでしょう。




西野まちなかの家外装下地工事 

南面を残して3面の付加断熱工事が完了した「西野まちなかの家」付加断熱の上に貼った耐火性の高い石膏ボードの上に防風+防水+透湿シート(タイベック)を張って行きます。外壁の仕上げは木貼りですが下地にこうした防火処置を行った上で通気工法とします。

こちらは大判の長さ3mのタイベックシートを二人の大工さんで貼っているところ。外部に貼るシート類は少しでもジョイントを減らしたいのでこうした大判シートによる施工が最近の流行です。

開口部の周りはきれいにタイベックをカットして4辺の内側にタイベックを折り返します。これで外装を貼る下準備完了です。
 
この段階で板金屋さんの打ち合わせと採寸を行います。
 
今日はボヘミアンラプソディー・・ペンタトニックで・・クイーンもいいけど彼らもいいよね!

2017年8月6日日曜日

西野まちなかの家サッシ取り付け その2

南側に水平に連続するカーテンウオールを樹脂サッシを連結して作ります。写真はOSB合板の外側に窓の取り付け下地を打ったところ。一般の窓は柱と柱の間に納まりますが、カーテンウオールなので柱の外に連窓するところが特徴です。

下地はこんな感じ。

サッシ取り付け用のツバ部分で漏気しないようにコーキングを先打ちしておきます。

少々多めにがポイントです。

サッシを室内から運び出して、下地に合わせて・・

4名で息を合わせてサッシを押し込みます。

ツバでコーキングを挟みながら

ビスで締め上げてサッシ廻りの気密を取ります。押し出されたコーキングが見えます。この後さらに内外からテーピングも併用しますから窓廻りの気密は非常に高くなります。

次々にサッシを連結しながらカーテンウオールを完成させてゆきます。

全ての窓が取り付きました。次は外壁の付加断熱(外張り断熱)下地に工程は移行します。宇野棟梁のチームも300mm断熱の施工にも慣れて建て方開始10日目でここまで来れるようになりました。いい意味でもう特別な工法ではないですね。早く北海道の全ての新築が300mm断熱化できるといいと思います。
 
今日はBruce Hornsbyなんていかが・・アメリカを感じます。

2017年8月5日土曜日

西野まちなかの家サッシ取り付け

柱の外に構造用合板を貼ったら、開口部の周りにタイベックを先張りします。
 
 

こんな感じです。

その頃、屋根ではシート防水の真最中。
 

端部に金物を付けてシートを溶接します。
 

出隅はこんな感じ。

軒先の雨切の完成です。

全ての窓にタイベックを先張りしたらいよいよサッシを取り付けます。
 
今日はTOTOなんていかが

2017年7月28日金曜日

西野まちなかの家 雨がくるかな?

西野まちなかの家から断熱の方法を合理化しました。現場を預かる宇野棟梁からの提案で在来木造本来の順序である屋根先行に変えたのです。従来は建て方完了の後は間柱入れ→壁の構造用合板→サッシ取り付け→付加断熱下地→付加断熱140mm→石膏ボード→タイベック、そして屋根の準でしたが、最近の雨の多さを心配した棟梁は今回は屋根先行で行く!と決断したのでした。 上の写真は最上階の桁の上に火打ちを省略するために敷いた24mm合板の上に一層目の断熱下地となる210材を組み立てたところで雨が降ってきて、ブルーシートで養生したところです。
雨が過ぎるとブルーシートを剥がし、二層目の断熱下地を組むという段取りです。
 
早速降った雨が45cm間隔で組み立てた断熱下地の間に溜まっています。
 
山の向うの小樽方面から雨雲が来ています。こんな風に雨を恐れるのは理由があります。300mm断熱は北海道の一般的な住いに比べて倍の断熱手間とさまざまな部分との取り合いを考えねばなりません。ぼやぼやしていると雨に断熱材がやられて残念な結果になる可能性もあるのです。特に屋根に対して室内側から断熱を詰めない外貼り断熱は断熱が終わり次第、屋根で蓋をしたくなりますよね。屋根さえ早く出来ればその下で行う、続きの断熱工事もずっと楽になると棟梁は考えたのです。私も過去の澄川の家の経験で全く同じ意見です。
 
過去ログ 澄川の家被害甚大 http://ako-re.blogspot.jp/2014/09/blog-post_12.html
 
壁の付加断熱140mm分だけが納入されました。
 
パラマウント硝子の江別工場で作られた20kg/m3超高性能品を使います。
 
これは2階の桁と気密シート、敷き土台の取り合いです。床の24mm合板は桁の芯まで来ます。残り50mmを同じ厚みの合板で貼りその上から、敷き土台を載せてビニールを挟み込んで気密を取ります。
 
真ん中にビニールを折り返された床の24mm合板、手前に柱巾半分、約50mmの同じ厚みの合板が来ます。構造用金物と取り合う所はこんな風に隙間を空けて行きます。
 
その上から敷き土台を打ちます。
 
構造用金物の関係で隙間が空いてしまうところはわざと少し大きめに透かして。
 
合板を貼る前に忘れずに隙間にウレタンを充填します。
 
 
これから壁の充填断熱が終ると、床に折り返され邪魔にならぬ様に養生された気密シートと桁から垂らされたシートが連続します。
 
 
梁と根太の材種と色身を揃え、建て方が終わると同時に完成する最上階の天井です。
 
敷き土台の上の間柱欠きと、床に仮止めされた気密シート。
 
今日はパリスマッチね!

2017年7月25日火曜日

西野まちなかの家 防湿シート工事

建て方と同時に防湿シートを止めて行きます。このやり方は二通りあって、梁を建て込むときに桁との間に挟み込みながら行う、いわゆる先張り方式(シートを外周廻りの構造材で挟み込みながら建て方も行うのが特徴)と、この現場のような後張り方式(建て方と同時並行はしても構造材で挟まないのが特徴)です。

効率よく安全に建て方を進めるために必用な、足場確保の観点から45cm間隔に根太を梁の天端と揃えて落とし込む方法で床を作っていることは前回の記事で書きましたが、こと外周部分に関して言えば、細かく根太材を入れると当然ながら細かく防湿シートも傷つけることになります。そこで中間桁の横腹に根太受けを打ち付けてシートを圧着しつつ根太もがっちり受けるように工夫しています。後張り工法の場合はこの部分の監理が特に大切になります。
 
根太受け材(45×105)が厚手のビニールシートを挟みつけながら根太を受けています。
 
 
根太受けがないとこんな風に45cm間隔に根太を受ける孔をシートに空けねばならなくなります。

10年以上前はこんな風に90cm角の桝目を作ってその上に24mmの厚物合板を貼っていましたが、足場も悪いばかりか、90cm間隔では合板の中央が下がるケースもありました。そこで今では根太材を落とし込んで極力、長辺方向:90cm、短辺方向45cmの桝目となるように改良した床組みとしています。

こちらは特注の高強度集成梁、E150-F435。ラミナ材はシベリア産のダフリカカラマツ。生産は下川町です。

端部は同じ梁成の桁で受けて羽子板は二丁引きとします。  

根太が釘で固定されると次は2階床の厚物合板敷きです。

こんな風に柱の立つところは合板を欠きむ加工をしてくれます。合板でビニールを挟み付けて釘で固定します。ビニールの下にホゾ穴が見えますよね?そこに管柱が立つことで柱でもビニールを挟みます。

こちらは角の通し柱。105×150のものを使っています。

こちらは製造元がフィンランド。構造材を集成材とすることが多い北海道ではさまざまな国の木材を使います。ちなみに土台は宮崎県、柱はルーマニアとフィンランド、梁はフィンランドと下川町でした。
 
夏のMonday Michiruもいいですよね~(笑)