2016年10月4日火曜日

北広島の家 見学会のご案内


かねてより、「チーム北広島」一丸となって取り組んでまいりました「北広島の家」がおかげさまを持ちまして竣工を迎えることとなりました。この度、建て主さまのご厚意により見学会を行いますのでご希望の方はお知らせ下さい。またたいへん恐縮ですが見学会は事前にお申し込みをいただいた方に限らせていただきますので予めご了承下さい。

■見学をご希望の方は1:住所、2:氏名、3:ご連絡先(携帯可)を記入いただき下記のアドレスまでお送り下さい。確認の後、地図を返信させていただきます。
連絡先 teste-ako.ao@dream.com(誤送信防止のためteste-以降のアドレスをお使い下さい。)
(*:いただいた個人情報はご本人様確認以外には使用いたしません。)

■北広島の家とは?
30歳の若いご夫婦のために設計しました。
私たち日本人の多くは結婚や出産を機に最初の家を考え始めますよね。そんな30~40代で最初に建てる家をテーマにしました。デザインする上で一番大切にしたのは「毎日使えるよい道具」的感覚。けして背伸びしたよそ行き感ではなく、毎日の家事が最短で終るコンパクトな機能動線。リビング+ダイニングといったメインの居室をいつもスッキリ片付けておくためにキッチンや収納、家事コーナー、UT、物置といった充実したサーバントスペースを設けました。
 
■コンセプト
「30代で初めて建てたい家」

 仕様/性能
■平成27年度地域型住宅グリーン化事業(長期優良住宅)
■北方型住宅ECOプラス
■フラット35S金利A仕様住宅
北広島市住宅用省エネルギーシステム設置補助金対象(ペレットストーブ)
■Ua値:0.22W/㎡K
■燃費:3L/㎡年 (300L/年.灯油換算)
■C値:0.2cm2/㎡

●インナーカーポート+寒さを暮らしに生かす冷温庫付物置
●パッシブ換気 (換気と暖房に自然エネルギーを併用する北海道産技術)
●ペレットストーブによる炎の見える室内。
●給湯と暖房(熱源:プロパンガスによる潜熱回収型ボイラー)
●樹脂製断熱サッシ(トリプルガラス)
●圧倒的な断熱性がもたらす寒さのない穏やかな室内(300mm断熱)
●夜を楽しむ内照式照明、LED照明
●歪みのないガルバリュウム鋼板の外装
●屋根はシート防水による無落雪タイプ
 
施 工
●飛栄建設株式会社   現場所長:松田卓也 棟梁:宇野伸二
設備工事:暖房工事  日新配管工業㈱ 担当 長沼氏
      :水道工事  丸松鶴野設備 担当 鶴野氏
●電気工事:株式会社  真電舎 担当 本間氏
 
サブコンストラクター
●断熱樹脂サッシYKK430、330防火設備:YKK AP株式会社
●20kg超高性能グラスウール:パラマウント硝子工業㈱ 松田三紘
●オーダーキッチン:クリナップ㈱ 直需事業部 石川一人
●製作家具:㈱匠 工 芸     桑原 強
●断熱ブラインド:P.Vソーラーハウス協会 鈴木 勝
●白樺積層合板:瀧澤ベニヤ㈱  瀧澤貴弘
●デマンド型排気口:㈱マツナガ 松永潤一郎
 
環境コンサルタント
●(有)タギ建築環境コンサルタンツ Dr. S.M.タギ
 
プロジェクトマネージャー
●山本亜耕建築設計事務所 山本亜耕  
 
■お願い
おかげさまで、最近の内覧会はたくさんのご来場をいただくようになりました。これもひとえにチーム全員の活躍を楽しみにしていただいているみなさまのおかげと心より感謝いたします。しかしその一方で近隣とのトラブル(違法駐車、ゴミ、タバコの投げ捨て等)も見られるようになりました。残念!(もちろん少数の心ない人の仕業ですが/笑) 私たち地域の作り手に興味をもっていただき、貴重なお時間を割いてまでご来場いただくことは嬉しい限りです。ぜひたくさんの方々に地域の職人さんたちの仕事を見ていただきたいと思いますが、こうした現状も踏まえ、希望者限定の見学会とさせていただくことにご理解をいただければ幸いです。ハードルを上げることはけして本意ではありませんが、たとえ人数は減っても実りある見学会を目指してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。 
                         「チーム北広島」プロジェクトマネージャー  山本亜耕

2016年10月3日月曜日

円山西町の家 ディテールその一

「円山西町の家」の特徴は角部分の視界が開けた窓。コーナーウインドウです。小さな家を広々と見せるためには色々な工夫が必要です。視線を極力遮らないのもその一つ。部屋の角を閉めてしまうと人の眼はそこで空間の大きさを勝手に決めてしまいます。もちろんうんと大きな家ならそれでもかまいませんが、小さな家はなかなかそうは行きません。そこで建物の隅から外に視線が通る窓を考えました。南東と北東に付いていてそれぞれの視線を外に通します。南側の窓はキッチンと食堂そして夏場の日射遮蔽を考えて高さを抑えて横長に作り、北側の窓は眼下に広がる街の景色と素敵な夜景を楽しむ窓として高さを大きく取りました。

こちらが北東のコーナーウインドウ室内の天井部分がガラスの外に伸びる庇の軒天上と連続するように高さを合わせます。視線が目印を追いながら外へと広がります。

手前の空間と奥の空間をつないで広々と見せるためにはドアの上にある下がり壁をあえて取り去ります。要はドアを開けると天井が奥まで連続しているように見せることで空間の区切りを曖昧にしてしまうのです。

こちらは白樺積層合板を用いた階段。U棟梁の腕の見せ所です。

普段はこんな風に拡大して建築の部分を見ることは少ないでしょう。しかしこうした部分の緻密さもとても大切なところです。

階段からニ階の空間を見上げたところ。視線が抜けたり、受け止めたり近くから遠くまで飽きのこないパノラマ(室内の遠近感)を作ります。階段を単に壁で囲んでしまうと二階に上がるワクワク感が減少します。難しくもあり悩ましい部分です。

今日はカーリーなんていかが?相変わらずキュートです。(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=H7HmzwI67ec

2016年9月24日土曜日

北広島の家 デイテール その三

U棟梁が見事に作り上げてくれた段付きの天井。北欧テイストが大好きな住い手さんのために吸音性に優れた有孔ボードを割り付けて作りました。天井の下に張り出して棚のように見えるのは間接照明のためのコーブ。ここにLEDの光源を隠し天井に反射させた光でLDKを柔らかく照らそうと考えました。これから日がどんどん短くなって夜の長い季節に入ります。特に北海道の晩秋は夜の長さが14時間以上にも及びます。そんなちょっぴり憂鬱な季節を楽しく乗り切るためでしょうか、住宅の設計を始めてキッチンの次に多いのが内照式照明のリクエストです。同じく要望の多い二階居間型の間取りの場合は吹き抜けが簡単に取れますからそれぞれの家に合わせて特徴的な夜の装いをデザインしています。
(*注:コーブは収納のための棚ではないので物を載せる場合は予め強度と落下防止の工夫が必要です。)
 

写真は「北25条の家2011」屋根を外貼り断熱にして梁の間に光源を吊り下げました。


写真は「宮の森の家2014」対面型キッチンの足元にフッライトを入れました。
 
写真は「西の里山の家2013」カーテンBOXの中に照明を仕込み力強い天井の垂木(タルキ)を照らそうと考えました。

こちらはバックヤードの食器棚
 

こちらは家庭事務に使える家族コーナーです。

階段の途中には窓が

大型のペンダントを吊るす腕木。
 
今日は大好きなバンプ!藤原君~最高です。(笑)

2016年9月21日水曜日

円山西町の家 外壁工事

U棟梁をはじめ大工さんの頑張りで外壁工事が完了した「円山西町の家」。外壁とともに窓廻りのデイテール(詳細)を見て行きます。写真は水切り廻り。外壁が色付くまではコーキングのグレーが目立ちますけどすぐに気にならなくなります。

こちらは北東角にある市内を見下ろすコーナーウインドウの水切り廻り。きれいな止め折の板金と窓下枠の腐れ防止のアルミカバーが決まって、とても現場製作には見えません。武田社長さすが!(笑)

従来は陸屋根と勾配屋根の端部は違えていましたが今回は極力端部を似た印象の納まりでまとめたいと思いました。

薄く跳ね出した軒裏に水が回り込まぬように板金で包みシャープな印象にまとめます。

大屋根と窓上の庇が同じ陰影になるように軒の跳ね出しを揃えています。

建物のコーナー部分に窓を開けて深く軒を跳ね出して、屋根面の表情に乏しい陸屋根に陰影や凹凸を加えようと思いました。
 
今日もJazztronikいいですね~(笑)

2016年9月18日日曜日

床下の除湿

 
ヒーターって暖房用途以外に除湿にも使えます。



最近急に涼しくなってきましたがみなさまいかがお過ごしですか。特にここ最近は夏がもの凄く蒸し暑く感じるようになりましたね。今日はOB、OGのクライアントさんに向けてのご案内です。

やっと暑さが過ぎた今の時期に短時間、床下のヒーターを入れて夏の間に床下に溜まった湿気の除湿をしていただくと床下がカラリと乾いてより快適です。加温時間は30分程度。温度は2℃も上がれば充分なのでぜひみなさま行ってください。灯油、ガスボイラーのクライアントさんは暖房回路をONにすれば今からでも行えます。またオール電化のクライアントのみなさんは暖房用融雪電力の開始とともに行ってください。 暖房シーズン前に床下をしっかり除湿しておきますと冬場の暖房の立ち上がりがよくなって暖まりやすくなります。また暖房費も抑えられますからぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

今日はおせわになっているみなさまに大好きな曲をお贈りします。
Jazztronik https://www.youtube.com/watch?v=tTXhJ4-gsmI





2016年9月10日土曜日

北広島の家 デイテール そのニ 

 
ふと気が付けば秋の空・・・雨が多くなって、すぐに空気が涼しくなりますね。
今日の北広島は通り雨の後、少しだけ日が差しました。先日、無事に足場を解体して、工事は室内に移行。U棟梁の細やかさが光る室内各部の納まりです。
 
階段は蹴込板にパッシブ換気の戻り空気を吸収するスリットを設けました。階段の中は機械室になっているので中の照明がスリットから漏れて夕方はとてもきれいに見えます。

拡大するとこんな感じです。このスリットがダウンドラフトしてきた空気を吸い込みます。

壁の一部をフロア貼りとしました。

こちらは構造用の針葉樹合板を使った目透シ貼り。5.5mmのベニアを挟んで目地をきれいに通します。

こちらはお馴染み、白樺積層合板とその断面が美しく見えるように太鼓状に面取りした窓の下枠。

こちらはフローリングと構造用合板の取り合い部分。
 
今日は2CELLOSの二人・・こりゃロックだね(笑)


2016年9月9日金曜日

円山西町の家 気密測定1回目

本日、16:00より「円山西町の家」の気密測定を行いました。もちろん担当するのはお馴染みDr.タギ氏。超高気密住宅専用の小口径の整流筒を持ち込み、いざ測定開始!室内の空気を排出するファンが静かに回る。風切り音なんてぜんぜんしない。モーターの低く唸る音だけ。1回目でC値0.3cm2/㎡、多少のテープ増し貼りの後2回目でC値は早々と0.2cm2/㎡を記録。開始から僅か30分で充分な結果を得て全員笑顔で完了と相成りました。(笑) 
 
 
隙間は僅か24cm2。要は家中の隙間を全て集めてきても4cm×6cmということ。

面積で割ったのが相当隙間面積(C値)

今日は風もなくて、気密測定には絶好の日でした。数値もきれいに揃い隙間特性値も1.25と上々。1.6以下なので24cm2の大きな孔が集中してどこかに開いているのではなく、家全体に小さな隙間が平均的に散らばって存在していることを示す良好な状態です。

ちなみに「北広島の家」もC値0.2を記録。双方の現場の大工さんをはじめ関係者のみなさんに心より感謝したいと思います。こうした気密性の高さが断熱住宅の品質を上げ、建物の特性を大幅に改善します。パッシブ換気が成立するのも驚くほどシンプルな設備で暮らせるのも皆さんのおかげです。(笑) ありがとう!
 
今日はフラメンコギター やっぱパコでしょう!
 

円山西町の家 上棟式



9/4(日)は「円山西町の家」の上棟式でした。当日は仕事はお昼まで。縁起よく屋根の上に吹流しを上げて大工さんがきれいに現場の掃除をしてくれました。U棟梁、S職長、大工のSさん、Hさんそして現場をまとめてくれた武田社長。本当にありがとうございます。みなさんのおかげでとても心のこもった上棟式になりました。想えば今年は意外に雨が多く、厳しい工期との戦い。みなさんたちの頑張りに助けられてここまで来ることができました。

室内に宮司さんの祝詞(ノリト)が朗々と響き立派な棟札をいただきました。次に棟札を見るのは40年後か?50年後か?未来の設計者や棟梁たちに笑われぬよう完成までしっかりと現場を見たいと思います。
 
建て主さま、この度の上棟心よりお慶び申し上げます。また私も含め現場を労う機会をお作りいただきまして心より御礼申し上げます。引き続き、よい家となりますように精進したいと存じます。
 
今日はJAZZ・・・なんとかここまで来れて嬉しい!

2016年8月30日火曜日

円山西町の家 木製サッシ工事

「円山西町の家」は敷地からの眺めが抜群。要はたいへんロケーションに恵まれた敷地なんです。東側には迫る山並み、北側には札幌のまち並みが広がり、南側にはお向かいさんの背後に頂まで連なる木々の緑が続いています。そういう敷地には窓も特別なものを用意したくなります。それが今日のお題。武田建設さんの作るコーナーウインドウです。窓の開閉できる部分にはメーカー既製品を使いコーナー部分のFIX窓は断面形を指定して地域の木工場で加工し現場で組み立てます。写真は厳しい工期と明日からの台風の上陸に供えて自らサッシの組み立てを行う武田司社長ご本人。木製サッシのよいところは地域で大半のことが出来てしまうこと。でも自社でサッシを製造しちゃう工務店って凄く心強いです。(笑) 
こちらが札幌のまち並みを見下ろ北側のコーナーウインドウ。ちなみに左に見える1.5m角の既製品のサッシ単体で約100kg 。全体では250kgを超えます。でもな~この景色ならやっぱり建物の角を開放したくなります。四季を通じて美しく変わり行く窓の景色はこの家の宝物だからです。
 
こちらが外部から見たコーナー部分。明日の天候を見ながらトリプルガラスを入れる予定です。

こちらが日当たり抜群の南側。大きく跳ね出した庇をコーナーウインドウ上部に回して夏場日射遮蔽します。写真はAM11:00頃です。窓面が影の中に入って涼しそうです。
 
今日はJAZZ行こう!(笑) https://www.youtube.com/watch?v=Pdtb08ihndU

2016年8月29日月曜日

北広島の家 ディテール その一

本日は「北広島の家」の外装板金工事がほぼ終了しました。板金は北海道ではたいへんポピュラーな素材です。140年以上前から屋根の防水に使われはじめその後外壁にも使われるようになりました。まさに地域の伝統的建材ですから腕の良い建築の板金屋さんがたくさんいて。私たちの無理難題に真摯に答えてくれます。
 
「素材をピシッと薄く通して見せたい」、「ハゼつかみを見せたくない」、「見付け寸は15mmに揃えたい」、「破風の厚みを消し去りたい」、「サッシの枠回りを消して障子のみ見せたい」、「軒天にごつい雨切りは付けたくない」、「極力シーリングは正面に見せたくない」・・・その一方「壁内の通気は完全に取りたい」・・・(笑) 
サッシの下枠は木口に結露水の排水孔があるので厚みを見せるけどその他の三方は枠の厚みを隠すように工夫します。正面からシーリングの厚み10mmが見えるのは枠下のみ。

残り三方のシーリングは窓を正面から見て90°方向に充填して厚みが正面から見えないように納めます。

精度の良い貼り上がりとなるように板材には歪み防止のさざ波加工が入ります。
 

軒裏と壁との取り合い、壁と袖壁の取り合い、袖壁の底蓋の取り合い・・・・・打ち合わせしたところが職人さんの高い技量で何事もなかったように納まります。

小屋根とその上の外壁の隙間からはもし壁内に雨水が吹き込んだときに排水できるよう、10mmのスリットが設けられています。普段は通気層の空気を取り入れ躯体を乾燥させます。

こちらは窓上。同じように10mmの排水&通気スリットが見えます。

こちらは円盤タイプのセルフード。壁に結露水が垂れないように水切り付きのものを使います。

トメ折をピシっと決めて、軒天ボードと精度よく取り合わせます。
職長、ほんとうにいつもありがとうございます。
 
今日はね小田和正っていうより佐橋佳幸のギターで聞く小田和正 いいね~(笑)

2016年8月23日火曜日

円山西町の家 断熱工事

雨の合間を縫って断熱工事に入った「円山西町の家」です。
こちらは室内側グラスウール105mm。
この現場ではコンベンショナルなGW16kg/HGを使います。 

一方こちらは外部よりグラスウール190mm。石膏ボードの上からタイベックを貼ります。

左側が作業中、右側が完了部分です。
 
台風の豪雨が過ぎ去った現場。青空が屋根の水溜りに映ってきれいでした。
でもこれからまた蒸しますね~(笑)

残るは正面の断熱。みなさん暑いけどがんばりましょう!(笑)