2014年10月10日金曜日

宮ノ丘の家Ⅱ

本日は配筋検査、明日からは型枠取り付けです。今週は1週間の内、台風が二回も来るという、なんとも天候には恵まれない状況でしたがなんとか第一段階の基礎の配筋も完了しました。

保険法人の第三者検査に先立ち検査を行うI所長。

宮の森の家 耐力面材貼付け工事

従来は筋交いと呼ばれる斜め材を用いて外壁を強くしていましたが、近年は合板に代表される薄い耐力面材で柱と梁をつなぎ外壁廻りの強度を出します。昆虫の甲羅のように建物の外殻を固めて耐震性を確保しようという考え方です。このやり方だと外壁周りに斜め材が少なくなるので断熱材を入れやすくなります。以前は構造の隙間にむりやり詰め込む事が少なくなかった断熱ですがこうした材料や考え方の進歩によって両立することが出来るようになります。

南側の二階が跳ね出す特徴的な外観です。

こちらは真北になる寝室ですが、目線レベルに塀を立て、ランマに当たる部分に高窓を付けて光を取り込む予定です。北側が意外に明るいのはなかなか理解されないのですが、こうすることで方位の不利がなくなります。

屋根なりに断熱を行う屋根断熱により二階のLDKは開放感のある吹き抜けに出来ます。北国の住宅は居間を二階に持って来ると随分と有利な面が多いのです。しかし最近は二世帯住宅の増加で随分とポピュラーになってきました。写真の右側に見える大開口は巾2.6m、高さ2mのテラス窓。外には奥行き約1間のテラスがあって、夏場の日射遮蔽、毎日の洗濯干しや家族のイベントに活躍します。

澄川の家 外壁木貼工事

 
「澄川の家」の外壁がほぼ貼り終わりました。今回は「目透かし貼」と言われる方法で15mm透かした間から黒い防水透湿シートが見えるデザイン。従来のタイベックより耐候性に優れるシートのおかげで外壁の貼り方の自由度が広がります。

通気層の下面を解放し入った水は窓上に溜まることなく水切りに落ちるデザインです。

小屋根もゆがみナシ板金屋さんさすが!

日が傾くと壁の影がリズミカルに見えます。

耐候性の高い黒い防水透湿シート。

正面を残してほぼ完了です。
 
今日はエンリケイグレシアスなんていかが

2014年10月6日月曜日

ソトダン21北海道研修会



本日は、本州の建築関係者のみなさんによる北海道研修会のお手伝いをさせていただきました。写真は上遠野邸。1968年に建築家、上遠野徹 氏の設計により竣工した平屋の住宅でコールテン鋼で現場溶接されたフレームに連窓の窓が印象的な表情を見せています。日本のモダニズム建築を厳選したDOCOMOMOジャパン100選にも選ばれた美しい建築でみなさん感慨深げにご覧になっていました。今回のメンバーは著名な建築ジャーナリストである南雄三さんの呼びかけで遠く、四国や名古屋から北海道の建築を見るために来られたとのこと。北海道に注目してもらえるなんて嬉しいですね~。(笑)

40年経っても変わらず美しい室内。

設計者もたくさん来られて話が弾んでおりました。

澄川の家 外壁工事

 
外壁工事に到達した「澄川の家」今回は30mm×45mmの材料を目透かしで貼る方法にチャレンジします。要は材料と材料の間から防水透湿シートが見えることになります。そこでいつも使う白いタイベックではなく、もっと丈夫な紫外線に強いものを選びコストダウンを計りながら新しい外壁の板貼りを考えました。

 
黒色の外壁が美しい木の縦貼りで覆われてゆきます。

宮ノ丘の家Ⅱ 基礎配筋工事

基礎の高さが3mを超えるために、地足場を組んで配筋して行きます。コンクリートはこの足場を渡りながら流し込む予定です。

足場上から見た基礎の底盤の配筋です。

相変わらず眺めの良い敷地ですが、近づくと足場のボリュームに圧倒されます。

仮設トイレもおく場所がないので斜面から一段下がった位置に設けます。この時期は安全第一。気を付けて工程を消化しましょう。

宮の森の家 建て方そのニ

最近はほんとうに雨が多いです。10/4も雨になりました。屋根がしっかり葺けるまでは心配ですが、そこは百戦練磨のU棟梁。10cmの外貼り断熱を完了するや否やすぐに防水透湿シートを敷き垂木を留め付けています。最近の空模様ではいかに早く屋根をまとめるかが全体の工程を大きく左右します。窓の発注も無事終了。悪天候にも負けず快調に工程を消化している「宮の森の家」です。

この状態なら雨でも安心。降った雨が断熱材をぬらす心配はありません。

構造金物も一応全数確認です。

2014年9月30日火曜日

澄川の家 本日のお客さま

 
 本日は「澄川の家」に三五工務店の工事部、設計室のみなさんが見学にお越しになりました。札幌で家づくりを考えたことがある人なら、かなりの頻度で耳にする有名工務店さんですよね~。
 
 50年以上の歴史を持ち、札幌新住協さんの古参メンバー。先日の伊達の須藤さん、岩見沢の武部さんと並んで、北海道屈指の工務店さんです。まあ~みなさん大先輩ですしプロばかりですので・・・誠にその~緊張することばかりな訳で・・・(笑)
M所長にも随分助けていただいて・・・なんとか。

 
なんでもこれから新しい企画に取り組むとかで・・・、現場で製作した壁の断面模型や0勾配のシート防水屋根。外張り断熱されカラマツで統一された小屋組、開放型通気層の木外壁、現場ノックダウンの超高断熱サッシ等々、じっくり見ていただいたのも束の間、プロ特有の厳しい質問もちらほら。(笑)私たち「チーム澄川」としてもたいへん刺激になりました。新しい企画が完成しましたらぜひ見学させてください。でも見方を変えれば有名な工務店さんにたくさん見に来ていただけるなんて現場としては光栄な事ですよね・・・気を引き締めて頑張りましょう!
本日はご訪問ありがとうございました。(笑)
 
 
 
 

宮ノ丘の家Ⅱ 根掘り工事完了

斜面の下、階段状に水平面が切り開かれた「宮ノ丘の家Ⅱ」の現場です。この水平面が土中の基礎の底盤(基礎底)となります。斜度が非常に急なので斜面を階段状に二段切りしています。砂利の敷かれた水平面に水糸を張り、基礎の形状を墨出しして行きます。

写真は晴れていますが、この後、久々のゲリラ豪雨。I所長くれぐれも安全確保ヨロシクデス。

レベルを覗きながらてきぱきと指示を出すI所長。
 
今日はホロヴィッツなんていかが。短い演奏なのに心に染みます。

2014年9月29日月曜日

宮の森の家 建て方工事

 
建て方の始まった「宮の森の家」。先日までの豪雨が嘘のように週末は雨の予報にも関わらず天候は崩れず、快調に建て方が進みます。都市計画の関係で、3階建て以上の高めの建物が建ち並ぶ地域に敷地があること。二世帯住宅のために、子世帯のある2階の必要面積が1階より大きいこと。要は2階が1階より大きな間取りのために2階の梁の本数が多く、梁掛けにはクレーンを用います。特に武田建設さんはクレーンによる建て方が得意。大工さん3名とクレーンのオペ(操縦者)さんとの息もばっちり。大きな梁が簡単に建て込まれてゆきます。

5mを超える梁を二人で建て込む大工さんたち。

足場の上で建て込みを仕切るのはおなじみU棟梁。現場に陽気な岩手弁が響きます。
 
今日はこの抜群の段取りとスピードにふさわしい曲を贈ります。
リヒテルのバッハなんていかが。https://www.youtube.com/watch?v=8K5-_f_KT5M

2014年9月25日木曜日

宮ノ丘の家Ⅱ 根掘り開始

 
いよいよ始まった根掘り。階段状に斜面を切り取りながら。ユンボを自在に操るオペレーターさん。涼しい顔でこなしますけど見ていると迫力あります。

足元を固めながら少しづつ慎重に水平な地面を広げ、掘り下げて行きます。

斜面が急なために基礎の高さも階段状になります。斜面の下で根切底を確認するI所長。
 

ちなみに、急斜面なのと最近、頻発するゲリラ豪雨のために掘削した土は敷地内に堆積すると危険です。搬出土量は約200m3、ダンプ約20台分の土を搬出します。

2014年9月24日水曜日

宮の森の家 建て方開始

いよいよ本日から建て方が始まった「宮の森の家」。土台の下の気密を取るために敷き込んだ気密レールの下に更にダメ押しで全てシールを打っているU棟梁です。土台の重みでシールがゴムパッキンと一緒に潰れ高い気密性能が出ます。さーていよいよ家らしくなりますね~。みなさん頑張って行きましょう!(笑)

こんな風に徹底的に打って行きます。

今日の現場は大工さん3名。明日は雨なので高所作業はお休み。週末にお馴染みクレーンを据え付けて一気に屋根まで建て方を終らせる予定です。

養生ビニールにラップされ現場に搬入された構造材の第一陣。

澄川の家 超断熱サッシ ノックダウン工事

 

 建築外皮(建築の床、壁、天井)とその延長である「開口部の超断熱化」はこれからの住まいのデザインを大きく変える可能性を秘めていますよね~。「開口部」を熱的な弱点と決め付ける発想は原理主義的ではあっても、ものづくりの現場感覚としては急速に陳腐化して行くのではないでしょうか。
 日当たりのよくない北側敷地に建つ「澄川の家」明るく開放的なLDKを実現するために二階を居間としています。更に年間暖房エネルギーの3割を日射熱で賄うために巨大なハイサイドライトと遮熱ブラインドを外付けする予定です。
...
 でも困った事に・・・敷地の奥が南面する北側敷地では、そもそも巨大な窓を付けようにも搬入ルートの確保に苦慮します。そこで、飯田WWSさんと相談して、超断熱サッシを部品に分解し現地で組み立てる方法(ノックダウン方式)を選択しました。窓の大きさは巾:3.5m×高さ:4.0m。面積14㎡、約8.5畳の大きさです。ランマ付きの田の字の形状で、障子の大きさは巾1.7m×高さ2.1m。高価なヘーベシーベの金物を使わず戸車とガスケットで高い気密を出します。(理由はヒ.ミ.ツ.だそうな。まあ~そりゃそうだ/笑)

 本日は開発者の飯田社長、M所長とM棟梁、そして記録係の私の4人でサッシの組み立てを行いました。意外だったんですけど、加工精度が高くて、事前に仮組済みだったこともあり、ほぼ一時間半くらいで完成。住宅の現場で木製サッシを組むなんてなかなかない経験なので記念撮影してしまいました。
 
窓の設計図を前に打ち合わせをする開発者の飯田社長とM棟梁。

さて、組み立て開始!

床に置いてあるのが部品に分解したサッシ枠。

接合部分から漏気しないようにバックアップのシール材を打ち込みます。

縦枠の立て込みは3人掛かり。ちなみにこれ柱じゃありません。サッシです!(笑)

接合部にシール材を増し打ちするM所長。

反対側ではM棟梁も息を合わせて同じ工程です。

構造材とお揃いのカラマツの集成材で出来たサッシの縦枠。ちなみに右側のボール紙で養生してあるのが構造材のカラマツ柱。完成するとどこからが柱でどこからが窓なのか分らないように一体化させてしまおうというのが狙いです。



 

2014年9月23日火曜日

澄川の家 板金工事

 
屋根のシート防水が完了した「澄川の家」。北海道の作り手にとって幸せな事は腕の良い建築板金屋さんが多いことだと思う。屋根自体はシート防水に出来ても、軒先の取り合い部分や各部の水切り、雨切等々。板金屋さん無しでは正直難しいところも多い。「澄川の家」の板金色は黒の半艶。
傷の目立ち易いちょっとデリケートな材料ながら、丁寧な仕事が続いている。
 

ストーブの煙突を逃がすための軒先の切欠き。軒先の厚みは24mm。板金を器用に折り曲げ立体整形してくれました。職長さんありがとうございます。

こちらはシート防水側。煙突を伝って屋根の雨水が落ちぬように堤防を付けていただきました。こちらも職長さんありがとうございます。
 
腰の水切りの「見付け」(正面に見えてくる垂直面)寸法は15mm。板金は木下地を入れないで0.4mmを二枚合わせにしています。こうすることでピシッと精度良く水平に繊細に。細かなところが大切ですよね~。             
                                
 
緑に見えるのが下板。右の黒いのが仕上がりの上板。板金の板材って裏側は緑が多いって知ってました?一枚だけだと弱いばかりか、下から見上げちゃうと裏の緑が見えちゃいますよね~。もちろん強度を上げることも大切ですけどこんな風に裏同士を合わせて使うと下から見上げても、黒一色。言われて見れば当然なんですけどこんな所に職人さんのきめ細やかな工夫が隠れています。