2013年7月15日月曜日

屯田の家 金物チェック

本日は、「屯田の家」に構造金物の確認のために来ています。広い間口一杯に建物が建ちあがり、空き地の頃とは風景が一変しています。

パッシブ換気のための塔屋(トウヤ)、「屯田の家」の敷地は建て込んだ住宅街。屋根の雪を落とすことが出来ず、法的に建物高さの制限も厳しいので、こうした条件を満たしながら、2階の屋根の上にもう一層分の小部屋を計画します。奥に旧宅の換気塔屋が見えますが、基本の原理は一緒。安定した煙突効果による自然換気で窓を開けない冬場にも必用な換気が電力に頼ることなく可能になります。

写真は0勾配の小室屋根の様子。北海道の陸屋根で一般的なルーフドレーンは必用ありません。

耐力壁の足元には必ず筋交いの強さに応じた金物が必用となります。

ホールダウンと筋交いプレートが混み合う部分です。

北側の平屋部分から冒頭の塔屋を見ています。ちょうど日が当たっている面が西側。建物はほとんど南面させていますが、西側の壁が受ける日射もたいへん大きいことが分かります。特に西日は夕方にかけて低い位置から射すために庇が効かず、遮蔽に最も工夫が求められます。手っ取り早いのは外付けブラインドですが、極力建物形状の工夫で涼しくという建て主さんの要望で庇と袖壁を併用して対処します。

南の太陽を遮るために大きく跳ね出した庇。二階の南側には大きな窓が付くのでこちらも日射遮蔽が欠かせません。

今日はアメリカっぽく...ZZtopなんていかが?(笑)

2013年7月10日水曜日

屯田の家 骨組みのディテール(細部)

写真は完成時にあえて梁と根太を見せる部分。天井の仕上げを省き高さを確保すると共に、構造材を血色の良いカラマツ材に変えて、家人が天井を見上げたときに緻密な天井組みに思わず「ニヤリ!」とするように考えています。プレカットの発達で手刻み(大工が自ら手で加工する事)の時代に比べて加工手間がずいぶんと軽減されました。それを逆手に取って、不要な材料を圧縮しつつ美しく骨組みを顕わすデザインを最近はいろいろと考えます。全部真っ白に覆ってしまう方法もなくはありませんが建物の骨格とも言うべき軸組みをインテリアに生かすデザインのスタイルが最近は気に入っています。

中央の梁を挟んで右が梁、根太共に顕わす高天井部分。左側が天井を設ける部分。

こちらは「春光BASE」の根太天井。根太の間隔や寸法が微妙に異なる。

今日はMayJ。そう歌は上手いよね~最高!「GARDEN」なんていかが?

いや!自分はシュガーソウル+KJしか認めないっす!というこだわ派はこちら。

2013年7月8日月曜日

屯田の家 建て方 その2


本日は、「屯田の家」の建て方の山場!そう2階の床梁の建て込みです。現場にはクレーンを据え付け、長さ約5mの大きくて重たい梁を吊り上げて建て込みます。

こちらは、建て込む梁の順番を仕切る棟梁。梁の高さ(梁成/通称:ハリセイ)が棟梁のひざより高いのが分かると思います。巾15cm、ハリセイが39cmのカラマツ集成材の大梁。長さは約5mあります。 

奥に赤く、ひときわ大きな梁が見えますがこちらは巾12cmハリセイ45cmの巨大なものです。

写真を見ると梁の大きさがよく分かると思います。従来、住宅のような小規模の木造の梁は大工がかつげることを前提に長さを決めました。しかし最近では、より長く大きなものがプレカット工場で加工できるようになり、更には構造計算の普及で部材の断面はどんどん大きくなる傾向にあります。

なんだか鉄骨の現場のようですが、こんな風にクレーンで長い梁を吊り上げて、現場内に入れます。クレーンのオペレーターさんは涼しい顔でこなしますが、近くには電柱や電話線が混み合う住宅地で「よくできるなあ~」と毎回感心してしまいます。

上から見ると梁を選ぶ棟梁が見えます。

2013年7月5日金曜日

屯田の家 建て方開始

本日は「屯田の家」の建て方が始まりました。棟梁はおなじみ内野沢棟梁。今年の(も?/笑)再会を喜びご挨拶をして現場に入ります。特に「屯田の家」は長期優良住宅のために通常よりずいぶん大きな梁を使います。中には梁の断面が12cm×45cmとか15cm×39cmなんていうものもあります。もうこうなると人が抱えることは出来ません。もちろんそんな現場の苦労を考えない困った設計者のために(やれやれ...) 丸稲武田建設さんの現場ではクレーンによる建て方(発寒の家 http://ako-re.blogspot.jp/2012/09/blog-post_29.html)を導入してくれていますが、長く重たい梁の取り付けは見ものであると同時に大工としてはかなり緊張を伴うものとなるでしょう。そんな話をしながら現場を見て回ります。


丁寧に天端(テンバ/土台の載る表面)を研磨し水平を出してから、墨付けされた土台。レーザー水準器で水平を見ながら神経質に高さを合わせるのも、武田建設のお約束。
南あいの里の家2010 http://ako-re.blogspot.jp/2010/09/blog-post_16.html 

週末は天気が悪いそうなのでみなさん気をつけて!

さーて建ち上げましょう!

怒涛の積算チェック!

ところでみなさん、最近の家の見積書って何枚くらいあるかご存知です?(笑) 

写真は、3社による見積もり合わせを行った案件と格闘する妻。お母さん頑張れ~!

各社により若干の違いはあるもののだいたい一社40~50ページ。クライアントさんの要望はすなわち夢の裏返しですから当然、夢の方がお財布(現実?/笑)を上回る方がほとんどです。そこでクライアントさんの代わりに細かく数字を確認して誤りがないのか?平均的な価格で全体が作られているか?複数の目で手分けしながら確認してゆきます。実に地味な作業ですが数字というやつはその地道さに最も弱いのです。そうやって複数の見積もりを分解してゆくと見積もりを作った人の様々な気性や性格まで見えてきます。基本は最もお安いところ(会社)となりますが、忘れてはいけないのがこの性格。そう安くても安いだけで忘れ物だらけ、おまけに荒っぽかったり...以前はサッシをまるっきり忘れた工務店さんもいましたっけ(笑)、そりゃ~一番安いけど仕事は頼めないわね~(笑) 

もちろん価格も大切ながら、質の良し悪しだって無視できません。ここが建築物価の難しいところ、細かく図面を見てくれていて忘れ物が少ないばかりか価格も納得!そんな最高の作り手を退屈な数字の中から見つけ出すためには公正な競争も必用です。相手に勝つためには複数の仕入先から見積もりを取る。今まで当たり前と思っていた工程や作り方をもう一度見直す、工夫に工夫を重ねてなんとか結果を出そうとする。その創意工夫の源泉が「クライアントさんの夢」なんです。そうすることで、工務店はノウハウと競争力を、設計者は本物をかぎ分ける嗅覚を維持することが出来るのです。まあ~持ちつ持たれつ産業の代表みたいな感じでしょうか。

さてさて見積もりの傾向と中味が一通り分かったところで、最も有効な方法で価格調整に入ります。
もちろん、ここから先は きぎょうヒ.ミ.ツ!(笑)

今日はレインボー な気分ですね~ キルザキング!







西野里山の家 地盤調査

写真は「西野里山の家」の地盤調査の風景です。西野地区は地盤が比較的良い地域として知られていますが、現在は地域を問わず全ての新築について地盤調査が実質的に義務付けられています。「昔から地盤の良いところだし、近所もそんな調査してたっけ?」とお思いのみなさん、お気持ちは分かりますが、現在では骨組みに対して完成から10年間の保障を目的とする瑕疵担保責任賠償保険への加入条件として地盤のデーターが必用になっています。

思ったとおり、地盤はガチガチ。凄く良い地盤です。人が立って歩くぶんにはどこでも変わりませんが何十トンもある家を建てるとなると、たとえば西区の山側と北区では大きく違います。極端な話、地域によっては杭代だけで100万円オーバーなんてところもたくさんあります。そんな意味では最近世代交代が進む西野地区は古屋付きの物件も多く、中々買いな地域といえるかもしれません。なにより川と緑に恵まれてのどかな田舎の風景がありながら、都市施設も充実しているのは子育て世代にとっては嬉しい限り。 基礎にもお金がかかりませんし~(笑)

2013年6月30日日曜日

商店街の元気な街に住む

私が、発寒北商店街に事務所を移転してから早7年が過ぎました。来た当初は近くにできた大型スーパーの影響もあって商売をやめる店が相つぎ、昼間からシャッターの閉まった街は淋しい限りでした。しかし最近は少しづつ賑わいが戻りつつあります。今日は商店街の中にある、発寒神社のふれあい夏祭り。実は発寒、神社主催の例大祭の他に商店街主催のイベントがあり、同じ神社でお祭りのダブルヘッダーという伝統を守っているのです。(笑) まさに地域に愛される神社!境内で¥1,000円の回数券を買いおつまみとビールで出し物に興じるもよし、この日ばかりは空き店舗を開けて当日限定の居酒屋も出店するのでそちらに流れるもよし、商売を早めに切り上げてアロハとサンダルで登場する近所のおとーさん、子供達とおかーさん、制服姿の彼女を連れたおにーさんにオジーちゃんやオバーちゃんたちで狭い境内は大いに盛り上がるのです。(笑)

賑わう境内。しっかりステージが完備されているのは小樽と同じ。夜ともなれば歌自慢のお姐さんや民謡の先生が浴衣をビシッと決めて登場します。

年齢層は高めですが、むしろ若い世代には昼間っから地元で飲む!なんて新鮮なのではないでしょうか。(笑)

奥に見えるマンションは駅前のせいもあって売り出した途端に完売だったそうですが、地域に若い世代が戻りまた次の時代の魅力あるお祭りにしてほしいと思います。 さて私も出かけますか(笑)

このビデオ、ファンキーで凄っごく好きなんです。(笑)


2013年6月28日金曜日

キッチンハウス 札幌

「キッチンハウス」といえば...好きな人ならきっとニヤリとするはずですよね~。
そう トーヨーキッチンと双璧をなすラグジュアリーなキッチンのブランド。
今、いろいろとコラボを考えています。

北海道のLDKをもっと楽しく! 
地域の素材を使った札幌オリジナルの提案なんていいと思うんです。

写真はデリシアのワイドタイプのガスレンジ。巾は通常の60cmではなく75cm。大家族で大きお鍋を三つ並べると窮屈で~なんて方には最適。お求めの際にはレンジフードもワイドタイプ(出来れば巾90cmタイプ)を選びたいです。もちろん素材はオールステンレスで! うーん気分もラグジュアリーになってきました。(笑)

写真はガス火口が自由に増やせるタイプ。巾30cmのユニットを自由に連結可能。IHヒーターやBBQグリルなんていうのもあるので、左にガスハイカロリーバーナー、真ん中にBBQグリル、右がIHヒーターなんていう風に調理熱源を複数用意することが出来る。ちなみにBBQグリルで焼いたお魚は最高!って知ってました?(笑)まあこんなことをするとお鍋も薄いアルミじゃ~ね~。またまたラグジュアリー度が上がってしまいました。(笑)

かっこいいぞ!:キッチンハウスHP  http://www.kitchenhouse.jp/

やっぱり横綱!:トーヨーキッチンHP http://www.toyokitchen.co.jp/

今日は三味線の吉田兄弟なんていかが。こっちもかっこいい!

2013年6月27日木曜日

西野の家Ⅱ 外構工事

雪が融け足元の状態が気になりだした「西野の家Ⅱ」どんな提案にしようか現在思案中です。相棒はおなじみガーデンジャパンの小坂さん。さてどんな感じで行きましょう?(笑)

最近よく聞くのがバッハ。 グレングールドのピアノなんていかがでしょう。

屯田の家 布コン打設

「屯田の家」の布基礎のコンクリートが無事終了しました。写真は玄関のスラブ部分を鏝(コテ)で均しているところ。玄関は冬暖かく表面も乾かしたいので床暖とすることが多いのですが、以前は床コンクリートの中に配管を埋め込んでいました。屯田の家ではより簡単に後からのメンテナンスも簡単なように床コンクリートの真下の空間に暖房配管を置いて床コンクリートを裏から暖めようと思います。

しっかり治具で位置決めされ通りを合わされたアンカーボルト。昔は田植えのごとくコンクリート打設中に手で埋め込んでいた時代もありましたが、現在は事前に全て位置決めし、土台の連結部分や柱ほぞとぶつからぬようにしています。ねじ山を痛めないように全数養生するのもすっかりおなじみになりました。

木造の骨組みを最近はプレカットといって、コンピューター連動のNCルーター(ほとんど能力は工業ロボット並みの工作機械)で加工します。人間が一本一本手で加工していたのに比べて、精度が格段に上がりますがそれは同時に基礎の精度も要求します。正直な話、昔の建物では基礎がちょっぴりひし形のところもありました。(笑) しかし現在ではプレカットの普及でラフな基礎だと上に乗る建物がどうもしっくり行きません。基礎屋さんがレーザーで通りを通し神経質なほど精度にこだわるようになったのも上に乗る建物が定規になってしまうからなのでした。基礎屋さんはたいへんですが全体的に見ればむしろ良いことですよね~。でも基礎屋さんごくろうさまです。(笑)

最近は基礎巾と断熱材の厚さが同じなんて珍しくなくなりました。「屯田の家」はEPS15cmの基礎断熱。同じく床下には10cmのEPSで床下断熱とします。

今日はシタールの巨匠 ラヴィ シャンカールなんていかが?娘も同じシタール奏者、ラヴィはあのノラ.ジョーンズの父としても有名ですよね~。残念ながら昨年亡くなりましたが、演奏は凄いです。

2013年6月24日月曜日

屯田の家 基礎配筋工事

本日は「屯田の家」の配筋検査です。今や木造住宅の布基礎の仕様が建築学会の仕様書に加わり、従来はかなりアバウトな位置づけだった木造のコンクリート工事も大きくその扱いが格上げされています。写真はパッシブ換気の給気管を通すためのケーシング(鞘管)。当たり前といえば当たり前ですが、近年は管の貫通部分は事前に全てケーシングを入れて後から基礎に穴を開けるような事はほとんどなくなりました。

基本的に鉄筋量は増え、主筋や縦筋、横筋ともに間隔が狭くなってきています。

パッシブ換気を採用するために床下を一体的に使えるよう、ところどころ基礎に穴を空けて空気が流れるように工夫します。斜めの鉄筋は開口部の補強筋。要は角の部分にひび(クラック)が入らぬように入れるのです。こうした部分は基礎の角(コーナー)部分にも必用となりますが一つ一つ確認してゆきます。

基礎の高さが異なり鉄筋が混み合うところも同様に確認してゆきます。

手前のコーナー部分に斜めの補強が見えるでしょうか。

運び込まれた型枠を確認して、気になった点を工務店に連絡して本日の監理は終了します。ものづくりはとにかく現場第一!特に基礎部分はしっかり確認が大切です。

2013年6月19日水曜日

屯田の家 根掘り開始

根掘りの始まった「屯田の家」の現場。屯田地区は地下水位が高く水はけのよくない土地が多いのですが、基礎の底盤下の砂利層を利用して水を抜くことを考えています。

がっちりと固まった柱状改良杭、太さは約50cm。この上に砂利を敷き基礎を載せます。

砂利が中半まで入った基礎の内部。

柱状改良部分はがっちりと固まっています。

今日はポールギルバートなんていかが?http://www.youtube.com/watch?v=MCKtb2ysLoo

屯田の家 プレカット打ち合わせ

本日はプレカット(構造材加工)の打ち合わせを武田建設で行いました。「屯田の家」のプレカット担当は物林㈱の石川氏。老舗の材木屋さんの物林さん、かつては「銭函の家」、「南あいの里の家」の構造材も担当していただきました。従来は木造の骨組みはほとんど内装で隠れる設計をしていましたが、近年はあえて大胆に顕わすデザインが多くなりました。理由はプレカットの発達で1:構造材の表面加工が手で触れるほどきれいになったこと、2:道産材をPRするため、3:骨組み自体をデザインとして見せるための3点がほとんどです。しかしそのためには材種や金物の取り付け等しっかりとした打ち合わせが欠かせません。特に弊社では300mm断熱の要望が高く構造材の外側に取り付けられる外貼り断熱用の木下地の加工とか、気密性を極限まで高めるために気密シートの連続性を重視した独特の壁下地組み等々プレカット屋さんにお願いする項目も多岐に渡ります。

びっしり注文と指示が書き込まれた武田社長の図面。通常の設計事務所なら断面の詳細は1/30程度で書くのが普通ですが、弊社では1/5で全ての部材を書いています。そうすることでプレカットの打ち合わせのたびに更新された工夫を次の図面に盛り込み少しづつ図面を進化させます。一番良いのはデザイナーである私の書いた図面がほとんど現場で職人さんの使う施工図として使えるようになること。机上と現場が絶対に離れないように意識することと、工務店の無用な手間を減らし打ち合わせの項目を極力減らす方向に整理する事を大切にしています。

2013年6月18日火曜日

発寒の家 計測開始

実は5月のブログhttp://ako-re.blogspot.jp/2013/05/blog-post_18.htmlでもご紹介した東京大学の前先生にこの度「発寒の家」の温湿度計測をしていただくことになりました。今回は大学院生二人と測定器を取り付けに来て頂いて長期に渡る測定の開始となります。さてどんな結果となるやら、私も少し緊張しますが別の見方をすれば、こうした温度計測の機会を増やすことで感覚と現実の差を埋めるなんとも得難い機会になるのではないでしょうか。多くの設計者の中には自らの考えが覆されるのではないか?実は大きな勘違いが暴かれるのではないか?と不安に感じる人も少なくないと思います。中には「数値やデーターでなにが分かる!」と怒る人さえいるでしょう。しかし客観的で的確な指摘や評論の存在は、いつだって物事を良くするためには欠かせないものです。自分の考えが正しかったことよりも、そうではなかった事実や原因を知るほうが何倍も次の建築が楽しみになります。 

写真上は南側の大開口から一定距離毎で水平面照度がどのように変化するかを見ているところ。窓際では4000ルクス以上とたいへん明るく、明るい室内を好む北海道スタイルの室内。
次に意外だったのは、外付けブラインドを調整することでスラット(ブラインドの羽)に光を反射させ、天井面で拡散させることで窓の近くから部屋の奥まで、ほぼ同じ照度が簡単に得られること。実際の生活で言うと、遮光、遮熱しながら暮らしに必用な明るさは部屋全体でほぼ一様に確保することが出来る。冬場の低い太陽光の日射遮蔽が主な目的だと思っていた自分には意外な発見。従来、部屋の中を一様な光で満たすためには曇りガラスや障子のように入射する光を拡散する建具を使うのが一般的でしたが、今後はもう一つ方法が加わりました。

一番の興味はやはり冬場。「発寒の家」は機械換気と自然換気、二種類の方法で換気が選べるように考えてありますが一年を通じてどちらが北海道に最適か?客観的に比べてみるよい機会だと思います。

今日はグリーグなんていかが? http://www.youtube.com/watch?v=KNc5z2nu4MQ


2013年6月14日金曜日

屯田の家 柱状地盤改良工事

本日は、「屯田の家」の杭工事。一般的なRC杭、砕石杭、そして柱状改良と様々に方法論を比較した結果。柱状地盤改良を選択しました。屯田地区は表層地盤が軟弱であるばかりか、建物の重量を支えられる固い地盤が地表から10m下にしか存在しないために基礎の設計はいろいろと悩むところです。3年前の「南あいの里の家」の時はさらに条件が厳しく硬い支持層は地表から15m下でしたがその途中にかなり固い地層もあるので砕いた石を圧入して地盤を増し固める砕石杭を選択することができました。しかし今回は10m下の支持層までの間に中間層がほとんどなくRC杭か柱状改良かで悩みました。

オーガー(ドリル)で掘った穴にセメント固化材を注入し水を加えて攪拌し地面の中に硬いコンクリートの柱を多数作ります。

手前の風船のように膨らんでいるものはなんと掃除機。セメント固化材を投入する際にセメント粉が飛んで敷地周囲を汚さないよう配慮です。

写真は土中でコンクリートを練り上げているところ。

写真は軟弱な粘度。穴の中からこうした軟弱土を排出し前述のような硬い柱状のコンクリート地盤に
置き換えてゆくので柱状改良と呼ばれます。