2013年2月19日火曜日

小樽雪あかりの路

はじめて家族で小樽雪あかりの路に行ってきました。家族揃って、服装はオーバーパンツにヤッケの重装備。(笑) しかしすごく大きな発見がありました。その発見って笑っちゃうんだけど...意外や「寒くなければ冬の散歩は最高に楽しい!」ってこと、それと「雪あかり」は最高に美しくて、「夜」、「雪」、「照明」の三点セットは 北国の人間にとってともすれば憂鬱な冬を魅力的に一変させる!っていうこと。生まれてこの方北海道から出たことのない私ですら感動するイベントだな~と思いました。

札幌の雪祭りのような商業化されたイメージとは対照的に市民が積極的に参加する「手作り感」が最大の魅力ですよね。開催期間中、会場に人が溢れているのに地下街は定時に締まる札幌とは違い、路面店の前にもこうした演出が随所に見られて街に賑わいを与えています。街全体でイベントを楽しんでいるんだな~と伝わる雰囲気がなんとも心地よいです。

凍結した運河はやはり美しいです。


外は寒いのに、思わず暖かさを感じる雪の街。

いろいろな光の扱いに刺激を受けました。

三男は大きな雪だるまに大喜び!

透明度の高い氷で建物をつくったアイスバーは雰囲気二重丸!ホットワインでもいかが?(笑)

暗いってわるくないよね~と思わせる、非日常感がいいと思いませんか~(笑)

雪でつくったアーチは素敵でした。


小樽といえば純喫茶!そう最近流行の気取った「カ.フ.ェ」じゃなくて「喫茶!」逆にこんな光天井や赤いベルベット貼りのソファーが街の雰囲気にぴったり。「あまとう」や「館」に「光」といった純喫茶の珠玉の老舗たちが小樽にはまだ残っています。街歩きの一服にぜひ寄って見てはいかがでしょう?もう札幌では食べられなくなったナポリタンやブレンドコーヒーの味を楽しんでほしいと思います。(笑)

2013年2月17日日曜日

雪.雪 そして雪

室内のボード貼りがどんどん進む中で外は連日の雪、雪、雪。とくに西野地区は今年は特に多いです。室内はほんとうに平和なのだけれども一旦外に出ると...

激しく雪が降りしきる中、板金屋さんが建物のポイントになる軒と破風を仕上げてくれています。「発寒の家」から薄く跳ね出す軒先のデザインをあれこれと工夫しています。無落雪が多いために、ともすれば無愛想な...と評される北海道の陸屋根。役割を素直に果たすかたちは確かにある意味素直かもしれませんが、やはり四角い屋根がずらっと並ぶ住宅街に寂しさを感じてしまうのも事実。別に私が建築家だからデザインにうるさいとかじゃなくて、やはり目的を果たすだけのかたちじゃ...いまいち不十分なのでは?そんなふうに思ったのがきっかけで、軒のある四角い屋根?をいろいろと考えて見ようとなった次第なのです。(笑) 
見付け寸法(厚さ)は24mm+2mmの26mm。跳ね出しは20cm。四角い屋根ながら空の青さをピシッと切り取る屋根を目指しています。

降りしきる雪の中で作業する板金屋さん。ほんとうに頭が下がります。今日もごくろうさま。

伸び伸びと掛け上がった階段。もちろんU棟梁とY所長の力作!

2013年2月9日土曜日

西野の家Ⅱ板金工事 内装工事

本日はいよいよ正面まで板金工事が到達。特徴的なレンガ色の外観が見えてきました。写真は難しいエッジ部分をハサミで切断する板金屋の職長さんです。武田建設さんの現場は北海道神宮の屋根工事も担当する川島板金さん。最近少し木製の外装も注目されるようになりましたがまだまだ板金の人気は根強いですね~(笑)。特に厳しい気候の道内では伝統、実績ともにとても信頼性の高い仕上げ材です。

下からは居間の中が見えないように手摺壁を立ち上げ、反対に二階の居間にはふんだんに冬の陽光を取り込みながら、豪雪地域の西野地区用に玄関を奥に引っ込ませて雪から守ろうと思いました。

写真は鋭角に残った最後の西コーナー部分。職長の腕の見せ所ですね~(笑)

こちらは東側コーナー部分。外付けブラインド無しで日射遮蔽を行おうと思ったので、発寒の家の庇よりもさらに跳ね出してあります。その斜めの痕跡が外壁面にこのような鋭角の三角形を作ります。

こちらは天井裏に納める棟札。とは言っても、最近の設計では使い道のない小屋裏や天井裏は作りません。三角屋根なら室内から見て三角のかたちのまま隅々まで使えるように設計します。昔は外観が三角屋根でも二階の室内には水平に天井を作りましたが、実はこうして隠してしまう屋根裏こそ楽しく面白い空間なのです。外から見ても中から見ても三角屋根、もちろん四角い陸屋根なら陸屋根のまま最大限に家の容積を使えるように工夫する。無駄な空間はつくらない。これから家をお考えの方はぜひそうしたところに着目してほしいと思います。

天井をくるりと丸めて貼り上げようと思ったので下地のランバーを加工していただきました。

今回の階段は50×100のステンレスの角パイプに鋭角にコマ板を溶接したもの。段板はアルダー材です。土間を積極的に利用する計画なので、階段下で立ち上がっても危なくないように極力スリムで角の出ないものにしました。


こちらは玄関の3方枠。今回の見付巾寸法は18mm、面は手に優しい太鼓面。材料はアルダー材です。


こちらは窓の下枠。同じく見付け18mmで太鼓面。仕上げのオイルは何にしようか?と悩んでいましたが昨日、建て主さんと一緒に決めました。丁寧に拭き上げてアルダーの上品な赤みを楽しみたいと思います。(笑)
こちらは最近登場したシースルータイプのユニットバス。壁の一面が透明になるだけで従来の「狭い脱衣所」のイメージが一変します。とても明るく感じますし、よいアイディアだと思います。

今日はPE’Zなんていかが?実は彼らのJazz大好きなんです。

2013年2月5日火曜日

西野の家Ⅱ 内装工事

室内がどんどん出来上がってきた「西野の家Ⅱ」現場のピッチも上がります。

南側の日射を最大限室内に導入しつつ足元からの視線をカットすることを意図し、腰壁を上げた二階のバルコニー部分を室内から見たところ。「西野の家Ⅱ」ではよりシンプルに外付けブラインドを用いずに夏季の日射遮蔽や冬季の日射取得を行えるように南側全面のバルコニーや庇の出を散々検討しています。開放感や明るさをスポイルし過ぎず建て込んだ周囲の街並みともストレスのない関係性をいかにつくるか?いつも考えることなのですがなかなかに難しいテーマです。

建物全体の気密工事や断熱工事が終了すると、室温は大工さんの体温と工具の発する熱で15℃以上になります。

窓廻りの気密処理の仕上げをするS職長。ヤッケは暑いので脱いでベストと長袖だけです。

意外に大工さんや職人さんに人気なのが、室温が安定した環境では工具のトラブルが大幅に減ること。

写真は作業に欠かせないコンプレッサー。釘打やビス回しの動力源として欠かせませんが、通常グレードの断熱の現場では特に寒い冬場は動作が安定しません。釘打で大切なのは間隔、長さ、打ち込み深さの3点ですから空気圧の不安定な機械では現場の品質にも影響しかねないのです。断熱は住い手にとって大きな価値がありますが、意外なメリットも無視できないのです。(笑)

概ね間仕切りのかたちが分かるようになった二階の様子。

今日は1900のテーマなんていかがですか?音楽も良いけど映画もいいよね~(笑)



2013年1月31日木曜日

セミナーのご案内

2/6(火)北方型住宅のセミナーで北斗市におじゃまします。近隣の方はぜひお越し下さい。

セミナーのご案内

「北方型住宅をデザインする」(北方型住宅技術指導事業講習会)

優れた住宅の地域ブランドとして1988年から始まった「北方型住宅」の取り組み。中でもハイエンドバージョンの「北方型住宅ECO+」は北海道版長期優良住宅としてすっかり有名になりました。

セミナーでは「これからの性能とデザインの可能性」について300mm断熱等、今までの実践から見えて来たお話しをさせていただきたいと思います。

詳しくは(財)北海道建築指導センターHP
http://www.hokkaido-ksc.or.jp/










2013年1月30日水曜日

やっと椅子ができあがりました。

今日は「前田の家」と「発寒の家」のダイニングチェアが出来上がりました。両家の建て主さま、お待たせしてしまって誠に申し訳ありませんでした。(笑)

さっそく匠工芸の二代目と現場に納品に向かいます。まずは「前田の家」。椅子の脚の裏に傷防止のフェルトを貼って納めます。

6脚勢ぞろいした「前田の家」の椅子たち。材料は明るいタモ材でテーブルと合わせました。


こちらは「前田の家」の玄関ホールの黒板。楽しい落書き、家に遊びに来た人たちのメッセージや家族の伝言がほのぼのとして「いい感じ」でした。

前田の家の後は「発寒の家」へ。こちらは黒の布テープでちょっと北欧風の装い。材料も重厚感のあるナラ材です。

先にお使いいただいていたテーブルも少し油染みが目立っていたので簡単に紙やすりの400番で表面を削りワックスで拭き上げます。私の場合は現場で建て主さんが簡単に補修できない仕上げは特別な場合以外使いません。多少汚れても簡単に元に戻せることが毎日の暮らしには欠かせないからです。だから小さなお子さんのいる家庭のお母さん、汚してもあんまり怒らないであげてくださいね~(笑)

こちらも完成!無事納品完了です。(笑)

今日は久しぶりにモーツアルトなんていかがでしょう?
ところでなぜこの曲かって?
それはもの凄い吹雪で外はたいへんなのに家の中はこんな感じだったからです。(笑)

西野の家Ⅱ 板金工事

「西野の家Ⅱ」の外装が進行中です。ここ最近の印象とはがらりと異なり板金仕上げの外装で完成を目指します。色は北海道に馴染みの深い赤系の色ですがこの板金で外装のほとんどと小屋根をコーディネートしました。

縦ハゼ葺きという貼り方で外壁を仕上げてゆきますがこの貼り方なかなかに味わい深いものがあります。もともと板金は屋根に用いる等、耐候性の高い材料ですが、壁に使ってもとても丈夫で長持ちします。今回は赤系の色を用いましたが白系や茶系、グレー系とほとんどの色が揃います。同じ色でも葺き方や貼り方によって価格帯もさまざまですが、なんと言っても簡単に防火構造に出来るところが材料的には魅力です。敷地のほとんどが準防火地域の「西野の家Ⅱ」にとっては防火性の高い窓と外壁の選定が計画上の鍵となりましたが、こうした厳しい条件になればなるほど木造にとっての板金素材の優位性が際立つのです。

窓の周りは厚物の板金でしっかり抱きを作り、窓を壁より室内側に引っ込めます。ゆがみやぼこぼこ感が出ないように板金屋さんは慎重に作業を進めます。

北海道の風景によく登場する赤い屋根のサイロと牛舎は地域のランドマークにもなっていますよね。

こちらは以前、先輩建築家の石田悟との共同設計で建てたグループホームです。この赤系の色は曇りの日と晴れの日ではとても表情豊かに印象を変えます。

2013年1月29日火曜日

北海道新聞に掲載していただきました。

先日1/22(火)に行われたセミナーの様子が北海道新聞に掲載されました。北海道の建築文化に目を向けていただくことはとても嬉しい事ですよね。この場をお借りして心より御礼申し上げます。建築も北海道でポピュラーな農業や漁業と同じように地域の基幹産業としてまた守るべき地域のものづくりとして捉えていただくと、大きく暮らしの視点が広がります。今後ともぜひよろしくお願いいたします。(笑)


2013年1月28日月曜日

セミナー”超”満員御礼!(笑)


1月22日の「第一回北海道型パッシブハウス勉強会」では定員を大幅に上回る60名もの方々にご参加いただきまして誠にありがとうございます。またせっかく応募していただいたにもかかわらず会場に入れなかった20名以上のみなさま、ほんとうにゴメンナサイ!そしてありがとうございます。

次回も今回を上回る面白い企画を予定しておりますのでぜひお越し下さい。
当日は、建築技術協会会員をはじめ、研究者、生産者、サブコンストラクター、流通事業者、施工者、編集者、ジャーナリスト、大工のみなさんたちに加え一般の市民のみなさんにもお話しを聞いていただくことができてとても有意義な催しとなりました。

なかでもこれからの建築を担うUN40の若手建築家の皆さんが多数参加してくれたことはとても頼もしいな~と思いました。恵み豊かな北海道をヒントに素敵な建築をたくさんつくって見せてください。建築の意匠という小さな枠にとらわれずたくさんの市民を巻き込んで楽しもうとする姿勢に心より賛同しています。またそこには建築をカジュアルな文化として共有しようという新しくてわくわくする未来が見え隠れしていますよね!これからの皆さんの仕事を心より応援しています。(笑)

追伸

今後とも(一社)北海道建築技術協会ではこうした勉強会を通じ魅力的な建築文化を市民のみなさまに発信したいと考えています。北海道といえばまずは食材!「美味しいもの」が全国区ですが建築もそれに負けぬように頑張りたいと存じます。(笑)



西野の家Ⅱ 上棟式

本日は「西野の家Ⅱ」の上棟式、午後から棟梁たちは現場を片付け、紅白の幕を張ってハレの場を作ります。宮司さんに恥ずかしくないようにきれいにきれいに。でも「あれれ~今頃上棟??」なんて言われそうですが年末でなにかと忙しかったのと、大雪や寒さの影響で、年明けの断熱工事終了まで伸びてしまったのです。地元の神社から来ていただいた若き宮司さんはとても優しげな印象、一方で祭事は堂々としていてとてもよい式になりました。

数々の家の完成を祝ってきたであろう年季の入った紅白幕。現場がぱっと華やぎますよね~。

祭事を行う宮司さん。現場が安全で建て主さまとそのご家族全員の無病息災をお祈りします。



これが天井裏に納められる棟札。今度この札を見るのはいったい何十年後の誰でしょう?きっともう私はこの世にいないと思います。しかしこの札には工務店の名前や棟梁の名前と共に私の名前も記されています。50年後か100年後にこの家が解体されたときに「なーんだ」と笑われぬようにあと少し現場のみんなと精一杯頑張ります。
お忙しい時期にもかかわらず、現場のために心のこもった上棟の催しを開いていただきました建て主さまとご家族の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。もう少しだけお待ちくださいね~(笑)。