2012年12月17日月曜日

前田の家 内覧会のお礼

暮れの選挙に加え雨で足元がよくない中、「前田の家」の内覧会には70名を超えるご来場をいただくことが出来ました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
「さすがに選挙に雨じゃ日曜はまったく暇だよね~」と思っていたにもかかわらず、お昼を食べる暇もないくらい、かなりの盛況!今回は新聞広告をまったく入れていないにもかかわらず遠方からお越しいただいたご家族の方も多くてほんとうに嬉しく思いました。

大きなLDKと家の中心に置かれた大テーブルにストーブの炎。まだ小さな子供たちが、大らかな北海道らしさを感じながら育つことを意識しました。子育てに忙しいお母さんのために、キッチンから家中ほとんどの管理ができる工夫や、室内からも屋外からも使える北海道スタイルの物置、危険な寒さを除く一方で安全な寒さを残した心地よい揺らぎを感じる室内。北海道に住まう人なら「これ北海道の家ですよね~(笑)」と”にやり”とする工夫を詰め込みました。

ストーブ横の畳コーナーはお父さん達に大人気でした。夜は炎を眺めながらビールを一杯、昼間はお母さんと一緒に子供たちのお昼寝スペース。来客時には気軽な腰掛けとして大活躍しそうです。また印象的だったのは、ご来場いただいた方のひとりに「山本さんやみなさんは何気ない暮らしをデザインされているんですね!(笑)」と帰りしなに声を掛けていただいたことです。何気ないことの中にもっともっと素晴らしさを見つけられるようがんばろうと思いました。(笑)

2012年12月14日金曜日

明日は前田の家の内覧会!


さて明日は、「前田の家」の内覧会です。ぜひお越しくださいね。「チーム前田」一同、心よりみなさまのお越しをお待ちしています。(笑) 
三角屋根だから出来る子供室ロフトの提案や

間接照明に映える大垂木の斜め天井。

室内からも屋外からも使えるパントリー(食品庫)。その他、見所満載です。

2012年12月13日木曜日

明日は旭川へ

明日は、久しぶりに旭川へ行ってきます。実は今年、(財)北海道建築指導センターさんからのご依頼で私を含め4人の建築家で「北方型住宅をデザインする」という本を執筆させていただきました。その本をテキストにした北方型住宅の講習会が今年から来年にかけて全道8ヶ所で行われるのです。みなさんの街にもお伺いするかもしれませんからその節はどうぞよろしくお願いいたします。(笑)

そんな私の担当はまずは旭川地区さん。というわけで、明日の講習に道北各地から会場に集まる皆さんを退屈させることのないようにさっきまで準備中でした。(笑)

1988年に生まれた「北方型住宅」は北海道の優れた住宅仕様書として数度の改訂を経て今に至ります。寒冷地に相応しい家のつくり方を示す教科書として、たくさんの技術者に読まれ、今では結露や寒さで困る家はずいぶんと少なくなりました。反面、仕様規定(とりあえずはこうしなさい)の立場で書かれているために、建物の意匠性や街並みに関しては具体的に示すことが難しい点も指摘されていました。

北方型住宅とは? http://www.kita-sumai.com/

*:北海道の人は驚くかもしれないけど、たとえば全国には北海道と同じくらい寒い地域も多い。しかしたとえば軽井沢仕様とか長野地方版建設仕様みたいな、地域の実情に即した断熱の厚さや正しいつくり方を行政や公的研究機関が研究し、誰でも無料で使えるばかりか、大工さんや各工種の職人さんまでその知識が徹底している。なんていう、とんでもない地域は稀なのです。それじゃ~みんなどうやってるかって言うと、お見込みの通り、てんでばらばら。北海道に負けない積雪地域なのに、断熱すると建物が腐るからと頑ななまでに、伝統的な工法にこだわる作り手も未だに少なくない。特に専門家も熱に対する建築的な知見が乏しく、東京のホテルの窓が冬にびっしり結露し窓廻りが寒いことも当然と考える市民が圧倒的。

いくら性能がよくても無骨で無愛想な家に住みたいとは思いませんよね~?(笑)建築の難しいところは性能も見栄えも両立した上でバリエーション豊かな個性を住い手が選択できることではないでしょうか?たとえば街並みがよい!とか時がたつほど良い!なんて「とりあえずはこうしましょう」の世界ではうまく解決できません。でも確かに函館の坂の街並みや小樽の運河沿いの歴史的風景みたいに「これは良い!と全国から人が集まる場所が存在することも確かです。建築を問わず先進国のものづくりが必ず経験するように目で見て魅力的で使ってみて使いやすいといった魅力と訴求力あふれる建築をいかに作ってゆくのか?そんなお話しを明日はしたいと思います。
当日も会場に入れますからぜひお近くの方はお出かけ下さい。

北方型住宅技術講習会 詳しくは
(財)北海道建築指導センターHPまで http://www.hokkaido-ksc.or.jp/

今日はもうすぐクリスマスなので!http://www.youtube.com/watch?v=ys16HgDR3yI

2012年12月11日火曜日

前田の家 内覧会のご案内



ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「前田の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。
今回は、「子育て世代の方々」へのプレゼンテーション!お楽しみに!

週末はサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可能です。 

「チーム前田」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕



「前田の家」とは?
■コンセプトについて
最近、二世帯同居の良さが見直されています。子供たちにとっても身近に両親以外の大人がいる環境は楽しいものです。私の子供時代も母方の祖父と祖母に育てられました。腕白坊主でしたからずいぶんお灸もすえられましたけど(笑)..そんな懐かしい時代も今や昔、最近ではどんどん子育てが難しい時代になっていますよね~。核家族は気楽な反面、子育てを両親で分担せねばなりません。しかし育児に参加する環境が十分とはいえない中ではお母さんにより多くの負担が集中しがちなのが実情です。少子化が社会問題化する反面、父親も育児を理由に定時の退社や休みがまだまだとりにくい私たちの社会。そんな時、二世帯同居は双方の世帯や子供たちにとってもメリットの多い選択肢のひとつです。たとえば家の中に親世帯、子世帯のエリアがあることは循環的な住み替えが可能になりますし、子供が独立したあと、家の大きさをもてあます必要もありません。親から子へそして孫へと住みつなぐ家を目指してクライアントとその母上と一緒につくった家です。

■全体デザインについて
「前田の家」はカジュアルな印象が特徴です。三角屋根のシンプルでオーソドックスなシルエットは時を経ても古くならないように考えました。全体的にはほぼ単世帯の面積で二世帯同居が可能なように建物の容積を目一杯使うために屋根を外貼り断熱とし天井裏も全てロフトとしました。(天井裏ナシ)吹き抜けの梁は新しい家族が増えたときにも個室の増築を可能にする備えです。またインテリアは茶系の好きなクライアントの奥様の好みを生かして落ち着いたトーンを心がけています。母上が大切にしているペットとの同居を考えた各部の設えやLDKにホール階段までも一連の空間に取り込んだ間取り、炎の見える居間やごろ寝が気持ちよい畳コーナー、この家のために特注されたキッチンセット。玄関を入ると思いっきり落書きが楽しめる黒板コーナー、床以外の各部の造作は北海道では一般的なアッシュ(タモ)材ながら各部に職人の技が光ります。まあ~「普通であることが素敵に感じる家!」そんなジャンルを目指しました。もちろん外からも内からも使える北海道スタイルの物置や家族で焼肉の楽しめるデッキ等々も健在です。さて、南側の空き地で家庭菜園でも始めちゃいますか~(笑)

■データー

①:Q値   0.9W/㎡/k
②:C値   0.1cm2/㎡(中間検査時)
③:必用暖房容量3.0kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 
④:断熱        新型グラスウールによる外貼+充填壁:33cm、屋根:40cm相当
             (*グラスウール24kg/m3換算)
⑤:換気      パッシブ換気(デマンド型排気口/㈱マツナガ)
⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:温水パネルヒータ
⑦:給湯      ガス潜熱回収式暖房+給湯ボイラー(エコジョーズ/LPG熱源)
⑧:断熱サッシ  木製トリプルサッシ エリート社製/スウェーデン:㈱ガデリウス
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー) U:1.25w/㎡k
⑨:断熱材     極細繊維(λ=0.035w/mk)新型グラスウール
                         パラマウント硝子工業㈱ 

*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。

「チーム発寒」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱剛建築工房

■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント

■断熱材                     パラマウント硝子工業㈱

■断熱サッシ、断熱玄関ドア         ガデリウス㈱

■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ

■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部

■製作家具                   ㈱匠工芸

■構造材                     イワクラプレカットシステム㈱



前田の家 製作家具工事

さてさて今週末の内覧会を控え製作が進むのは、「前田の家」のダイニングテーブルです。「発寒の家」のものはナラ材を用いた重厚なイメージですが、こちらは若いクライアントに合わせて明るく美しい木目が特徴です。「前田の家」の製作キッチンはエコシラ合板とステンレスを用いたデザインですから時間と共にあめ色に変化する表情を楽しんでほしいと思います。

すっかりおなじみになったテーブルのVの字脚。お誕生日席に座っても脚が当たらぬように、また6人掛けの際にもテーブルの脚が四隅に来ないので窮屈感がありません。匠工芸さんの家具を見ていつも感心するのは、日本屈指の高級家具のメーカーながら素材の豪華さや単なる見栄えで勝負をしない「ものづくりの哲学」を感じるところです。どんなに高級なラインナップも実際に道具として毎日使うことを考えて美しく丈夫に作る。私のつくる建築もそうありたいと思います。

2012年12月10日月曜日

発寒の家 お引渡し

さて、今日は「発寒の家」のお引渡しです。今までいろいろありましたけど、無事出来上がってほんとよかった~(笑)。道南杉のよい匂いに包まれて今は充実感で一杯です。納品の準備を妻と共に終え現場に向かいました。

リビングからの眺め。明るい家になりました。

こちらはキッチンからの眺め。製作はクリナップ直需事業部。

家具は旭川家具の㈱匠工芸。

二階にもかかわらず吹き抜け付きの明るい浴室。内装は道南杉板貼りです。

主寝室と間接照明。最近は茶系が人気のようです。

すこし日本以外のアジアの香りを意識した客間の障子です。

葛布を貼り、引手はアルダー材で加工したフスマ。

北海道の家に広めたい玄関土間。天井の格子が二階の明るさを下に落とします。

職人の手による各部のディテールも内覧会の楽しみですよね~(笑)写真は鉄製の丸棒を美しく曲げた階段の手摺の一部です。

キッチン収納の扉の手掛け部分。

シャープに薄く折り曲げられたキッチンの天板です。

下階に光を落とし、気配を感じさせる床のスノコ。もちろんアルダー材です。

かわいい!と大人気だった㈱匠工芸による床の換気ガラリ。

㈱店舗什器製作所によって削り込まれたアルダー材の手摺。

縦格子のように見える壁の杉の押し縁と遮熱ブラインド。縦と横の美しい縞模様もすっかりおなじみになりました。

今日は一緒にS.ブライトマンでもいかがですか。

発寒の家 内覧会満員御礼!

悪天候にも関わらず二日間で約100名ものご来場をいただきまして誠にありがとうございます。初日は大雪のため道はザクザク...足元のわるい中、わざわざ内覧会にお越しいただいたみなさまに「チーム発寒」を代表いたしまして心より御礼申し上げます。特に二日目の日曜日は午前中からたいへん多くのご来場をいただきました。多くの市民の方々ばかりか、行政、研究者の方々、同業の皆さんまで広くお越しいただいたことはチーム一同ほんとうに嬉しく思っています。当日いただいた貴重なアドバイスや励ましの言葉を大切にして、今後のものづくりに精進したいと存じます。

忙しい時期にもかかわらず、内覧会を建築版の北海道物産展として広く市民への情報発信の場にしたいという趣旨に賛同し、快く会場をお貸しいただきました建て主さまにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。居住を前提としない現実味に乏しいモデルルームではなく、リアルなライフスタイルから生まれた「生きた間取り」を体験することは、ともすれば貧しさが指摘されがちな現代の私たちの家づくりにとって、貴重な機会となるでしょう。知恵を試される時代だからこそ、知恵を絞った建築がたくさん生まれるとよいと思います。そんなわくわくする家たちを毎週末、家族で見に行く楽しみが街の文化として根付くことを心より願っています。(笑)

                    チーム発寒 プロジェクトマネージャー 山本亜耕

2012年12月7日金曜日

明日は発寒の家の内覧会


明日は「発寒の家」の内覧会!ぜひ見にいらしてくださいね。そんな訳で今日は各部の総点検をしたり、資料をまとめたり、クライアントさんの検査に立ち会ったりと、とても充実した一日でした。ところでみなさん地震は感じました?かなり大きかったですよね~、宮城では震度5とのこと。懸命の作業が続く福島第一原発は大丈夫でしょうか?電気はとても便利なエネルギーですが、今後はよく考えて使うべきものだと思います。


少しお休みしていましたけど今日は宇多田ヒカルなんていかが?

2012年12月6日木曜日

西野の家Ⅱ 建て方開始

「西野の家Ⅱ」の建て方が始まりました。明日からまた荒れるとの天気予報。気を付けながらの作業が続きます。現場は周囲が建て込んでいるために、得意のクレーンがなかなか威力を発揮できません。難関の南側の大梁は完了しましたので後は二階。しかしこれも大きな梁が多く大工さんはなかなか気が抜けません。

大梁同士をつなぐ小梁。使う順番に並べることも段取りのひとつ。

今回も強烈に跳ね出した全面のバルコニー部分。平面的には広い玄関土間を持つ「発寒の家」に類似した間取りを持つ「西野の家Ⅱ」。最近ずいぶんと玄関土間の要望が増えてきました。嬉しい限りです。「西野の家Ⅱ」ではアウトドア好きのクライアントと子供たちの空間として、みんなでテントを畳んだり、シュラフを広げたりが可能な場所を求められました。こちらも出来上がりが楽しみです。

2012年12月3日月曜日

発寒の家 製作家具工事

内覧会に向けて現場が工程を消化する中、匠工芸では「発寒の家」の製作家具が仕上げを終え、検品に入っています。「発寒の家」ではナラ材、「前田の家」では机、椅子ともにタモ材で作る予定です。毎度ながらそれぞれの材の表情を生かした景色が今から楽しみです。

美しく磨き上げられたテーブルの天板。剥ぎ合わせ(小幅の板を継いで幅広の板を作ること)ですが、むしろそのために木目の合わせ方には独特のセンスが求められます。巾は90cmとゆったりサイズ。長さ1.8mの6人掛け。気兼ねなく新聞を広げてじっくり読めるように照明ペンダントも2灯の大型に設えました。以前、建築家の間で居間の中心に必用な家具はソファーか?大テーブルか?の論争が起きたことがありました。私は大きなテーブルの方が好きですがさて皆さんはどちらでしょう?(笑)近年はインターネットの発達でどこでも携帯端末で新聞や本が読めるのが当たり前になりつつありますが意外や新聞を広げて読める、大きくて明るいテーブルのニーズも根強いものがあります。アナログって大切なんですね~。(笑)

2012年12月2日日曜日

西野の家Ⅱ 空中架線に注意!

私定道路(本来、道ではないが建物の敷地は道路に一定の長さ以上接していないと敷地として認められないために、道路として行政に自ら届け出た敷地の一部)を前面道路としている「西野の家Ⅱ」。実は電線の一部が敷地内に越境していることが先日判明。

一番左の電線が敷地にかなり入っている。これから行う建て方(土台の上に柱を立て梁を掛けて行くこと)の支障とならないように慎重に測量し、建物に触れる部分は早めに移動してもらわねばなりません。いつも気持ちは段取り8分。さまざまな都合を調整することが現場の進行を支えています。

降雪前に完成した基礎。もうすぐ建て方開始!こちらも楽しみになってきました!(笑)

発寒の家 内装工事その3

こちらも細かな造作が取り付きはじめた「発寒の家」。写真は床のスノコ板。もちろんアルダー材を加工して使っています。歩くと足に適度に食い込んで安心感がある床。階段も同じように爪先に適度にグリップ感を感じるものが好みです。



写真はほぼ組み立てが終了したオリジナルキッチン。フル装備で特注なのに凄くリーズナブル!担当するのはもちろんクリナップ直需事業部。最近ではすっかりキッチンを各家ごとに専用デザインすることが当たり前になりました。キッチンスペシャリストのISさんは凄腕!ここ4年間でISさんのファンになった設計屋さんてどのくらいいるのでしょう?今や札幌を代表するキッチンスペシャリスト!奥様の信頼も絶大です!

片持ち風に壁から飛び出す階段もU棟梁の奮闘で無事取り付きました。

窓の外では、視線のカットや遮光を考えた縦ルーバーがみるみる組み立てられてゆきます。

写真は現場で談笑するY所長と滝澤ベニヤのT部長。今回エコシラ合板はありませんが、過去の修理やクレームから貴重な情報が生産者にフィードバックされてゆきます。私の現場はたとえ今回採用がなくても自由に生産者の方に現場に来ていただける雰囲気を大切にしています。コミュニケーションを大切にすることで、大工さんは材料の改良点を生産者に伝え、生産者は製品改良の貴重なヒントを実際の現場の声を通して得るという具合です。意味のないアンケートや製品調査に時間と資金を使うことなくダイレクトかつスピーディーに製品が改良され、新しいクライアントの元へ届けられる仕組み作り。でもその方がお客様にとっては良いですよね~(笑)。

お昼休み中のチーム発寒のメンバー。出来上がりが近づくにつれ各人テンションが上がります。

2012年12月1日土曜日

前田の家 内装工事その3

今日はASJのイベントで帯広のホテルからブログを書いています。
ほんと便利な世の中ですよね~(笑)さて~作り付けの家具や造作などがどんどん取り付けられてゆく「前田の家」。いよいよ内覧会も迫ってきましたね~。一応、「発寒の家」の翌週に予定していますので、みなさまぜひお楽しみに!(笑)

吹き抜けの様子も見えてきて、現在は下地のパテを内装屋さんが行っています。

こちらは二階の物干しコーナーから見た手摺とサッシ。屋根の垂木の1/4の寸法が手摺の間隔になるようにしています。

こちらは玄関収納の取り付く縦格子の間から見た居間の様子。

青空の中もうすぐ足場が外れます。特徴的なライトグレーの外壁が印象的な「前田の家」、気さくでどこか親しみのあるデザインは「発寒の家」とはまた一味違った表情です。建築家の中には一目でこの人だ!とわかる作者の個性にこだわる人も少なくありませんが、私はむしろクライアントさんの人柄にフィットしているかどうか?がとても気になる性質です。(笑) 最高に嬉しいのはクライアントさんのご友人がこの家○○さん(クライアントさんのお名前)らしいね~!と言っているのを聞くことです。
やっぱり建築家って素直じゃありませんよね~(笑)
 
さて明日もイベント...頑張りますか~。

2012年11月30日金曜日

発寒の家 内覧会のご案内


ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「発寒の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。


週末もサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可能です。 

「チーム発寒」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕

「発寒の家」とは?

当初は「西岡の家」と同じ北海道R住宅による性能向上リフォームからスタートし二年越しで完成を迎える「発寒の家」。その間に3.11を経験し、エネルギーに対する設計思想を大胆に改めた初めての30cm断熱の家です。具体的には北海道で一般的なLDKを二階に設け、南側を全てガラス貼りとし日射熱により暖房エネルギーの3割以上を賄うことを目指しました。機械換気とパッシブ換気を双方備え、必要に応じて切り替えが出来るよう、また行過ぎたオール電化への反省から複数の熱源に分散させています。夏季の日射遮蔽にも積極的に取り組み外付けブラインドやテラスと一体化した庇で部屋が暑くなりすぎぬようにしました。計画的には、好評の大きな玄関土間や室内から使える北海道スタイルの物置、二階の吹き抜けのある浴室やどこからも覗かれずに空を眺めてビールが飲めるインナーテラス等々、今回も盛りだくさんです。クライアントは子育てを終了した世代ですが、子供たちが家族と共に実家に泊まりに来た時に大活躍する上下階に分けた水廻りと寝室のレイアウト等は両世帯が適切な距離を保ちながら連泊も苦にならない工夫としました。普段はクライアント本人のライフスタイルを満足させ、子世帯、孫世帯も憧れる親の家。もちろんキッチンや製作家具に照明、インテリアも一生懸命つくりました。(笑)


■データー

①:Q値   0.7W/㎡/k
②:C値   0.1cm2/㎡(中間検査時)
③:必用暖房容量 1.3 kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合)
                  (1.3kwとは家全体の必用暖房熱量がドライヤー1本分程度) 
④:断熱        新型グラスウールによる外貼+充填壁:33cm、屋根:44cm相当
             (*グラスウール24kg/m3換算)

⑤:換気      回路1:第一種熱交換換気日本電興株式会社)
           回路2:パッシブ換気(デマンド型排気口/㈱マツナガ)
⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:温水パネルヒータ
⑦:給湯      ガス潜熱回収式暖房+給湯ボイラー(エコジョーズ/LPG熱源)
⑧:断熱サッシ  フィンストラル社製/北イタリア:施工 ㈱エンヴェロップ
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー) U:0.78w/㎡k
⑨:日射遮蔽   バレーマ社製/ドイツ:施工㈱エンヴェロップ
⑩:断熱材     極細繊維(λ=0.035w/mk)新型グラスウール
                         パラマウント硝子工業㈱ 


*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。

「チーム発寒」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所
■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱丸稲武田建設
■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント
■断熱材                      パラマウント硝子工業㈱
■遮熱ブラインド+断熱サッシ         ㈱エンヴェロップ
■0勾配無落雪屋根              ㈱プロテック
■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ
■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部
■製作家具                   ㈱匠工芸
■構造材                     イワクラプレカットシステム㈱

2012年11月27日火曜日

発寒の家 内装工事 その2

左官屋さんによる床のモルタル仕上げの様子です。船(フネ)と呼ばれる板に乗ってコテ一丁でみるみる床をピカピカに仕上げてゆきます。「発寒の家」のオーナーはご夫婦でジョギングが趣味。走る前のストレッチやアップにこの土間空間が活躍しそうです。もちろん自転車やスキー、スノボを置いたり、夏はコンクリートの熱容量の大きさを生かしてとても涼しい空間を家の中に作ることに役立ちます。

土足で使える大きな土間は、今ではすっかり珍しくなってしまいました。家族のリクリエーションやキャンプ道具の整理、日曜大工に、ペットとの同居...靴を脱がないで行う楽しみのために、最近ではクライアントさんに土間空間を提案することが多くなりました。ただ靴を脱ぐだけの玄関ではなくさりとてまったく屋外というわけでもない、「屋内の靴を履いて使う部屋。」北海道にこそ合うと思うのですが(笑)。歴史ある古い町にゆくと町屋づくりのようにその地域独特の間取りに出会いますよね~。北海道にもいつかそんな間取りが生まれるといいな~と思います。(笑)

土間に掛けられた透過性の高い階段。空間を圧迫しないように、また光や空気を十分に通し窓のない土間を明るくするためにこんな感じにデザインしてみました。蹴上はいつものように18cm。段板は赤い木目が美しいアルダー材です。
もちろん落ちないように手すりはつきますよ~。クライアントさまご安心を!(笑)