2012年9月26日水曜日

前田の家 断熱下地工事

綿状断熱材を入れるために美しく組まれた「前田の家」の断熱下地。今年の仕事は全て断熱材にグラスウールを用います。グラスウールの長所はなんといっても信頼性とコストパフォーマンスの高さですが、湿気を嫌う性質のために、ビニールを使った気密工事を同時に行わねばなりません。グラスウール断熱の使い手になるためには気密工事の達人であることも求められるのです。写真はビニールを先貼りしている様子。建て方の時に材料に挟み込みながら進めます。もちろん後から簡単に取ったり戻したりは困難です。先読みをしながらビニールを挟み仕上がりをイメージしながらカットしてゆきます。

「前田の家」の特徴は室内側の壁は充填断熱による大壁(柱が隠れる壁)、天井面は外貼り断熱による垂木の顕しが意匠上の特徴になります。天井のみ断熱方式を変える事で構造材をインテリアとして顕す方法は、「西野の家」や「北25条の家」でも試みましたが、三角屋根で試みるのは西野の家が初めてです。当然ながら、斜め同士の取り合いが多くなり気密や断熱工事に技術が要求されます。

屋根は30cm厚以上のグラスウールを外貼りとするのでこうした下地が必要になります。

もう少し、屋根の厚みが出るので室内から隣の窓は完全に見えなくなります。

今日も不安定な天候が続きます。

今日はもうひとつDavit Garrettで!カシミール!
”驚くのは、これってレッドツェッペリンの曲なのにクラシカルアレンジがはまること!
 やっぱり原曲のよさでしょうか?はたまたアレンジの手腕でしょうか?”

やっぱカシミールはオリジナル!というロックなおとーさんはこちらを!(笑)


発寒の家 土台敷き

昨日の豪雨のために一日遅れた「発寒の家」の土台敷き。明日からの建て方に向けて作業を進めます。

現場に乗り込み確認業務に余念のない武田社長。明日からみるみる家に建ち上げて行きましょう!(笑)

手前に見えるのが、長尺ものの梁。明日はクレーンを据えて建て方開始です。

今日は今注目のバイオリニストDavit Garrettなんていかが?
TOTO好きなお父さんへ!


2012年9月24日月曜日

発寒の家 建て方直前


建て方直前の「発寒の家」。足場が完成し材料の搬入を待つばかりです。(笑)
今日はその建て方に少しだけ触れてみます。
発寒の家の建て方は、他の家とは異なり。機械を併用して行います。最近は木造でも4.5mを超える大スパン(柱と柱の間隔。又は無柱で得られる空間の広さを指す場合もある。)が求められるようになりました。昔は小さな部屋の集まりだった間取りを一体の大空間に改良することで、家全体の規模は小さくしながら従来とは比べ物にならないほどの空間的広がりを得ることが可能になっています。私が木造を習い始めたころは、住宅のスパンは2間(約3.6m)程度と先輩に教わりましたが、現在はそれが5mを超えるまでになっています。特に北海道の建て主はLDKに代表される、大きな一体空間への憧れが強く、また比較的抵抗なく受け入れてきました。現在ではL(居間)、D(食堂)、K(台所)を分離するか?、集合するか?を話題にすると逆に怪訝そうな顔をする人さえいます。こうしたニーズを追い風に、設計者の空間改良ともいえる間取りへの挑戦も目覚しい進歩を遂げてきました。スキップフロアや吹抜け、私がスノコ床と呼ぶ上階と下階を透かした床、さまざまな間仕切壁のバリエーション、空間を印象付ける美しく華奢な階段、一見北国とは信じ難いほどの大開口部等々...中でもプレカット工場の梁の長さの加工限度が年々改善されてきたことは、それらを受け入れる空間自体も大きなものへと変えてきたのです。「発寒の家」では延べ面積が30坪少々と小粒ながら間口約5.5mの無柱空間をLDKとし20畳に迫る一体空間を生み出しています。当然ながら用いられる梁も5mを超える長物が多く人力のみによる建て込みには限度が生じますので、クレーンを現場に導入し、鉄骨現場の建て方よろしく、安全性と生産性を両立させながら進める予定です。
上の写真は2010年竣工の「南あいの里の家」の建て方風景。スパンは約6.4m(三角形の底辺の長さ)に掛けるA型トラスを吊り上げているところ。(写真撮影:㈱丸稲武田建設 武田司)

こちらは2008年竣工の「新川の家」。大きく重たい登り梁の多い現場で建て方時にクレーンが大活躍した。これ以降(正確には、大スパンが多い私の現場はほとんど/笑)建て方の時にはクレーンがセットでついてくるようになった。もちろん武田社長には感謝の言葉もない。まあ難点といえば、近くの他の現場の大工さんが「いったいなにが始まるんだ?」と見物に来て、全員注目の視線の中で作業をせねばならぬ事くらいでしょうか。同業他社の見守る中での作業はまあ~かなり恥ずかしいものがあります。(笑)


竣工した「新川の家2008」(施工:㈱丸稲武田建設)

今日はジャンクフジヤマなんていかがでしょう?


2012年9月18日火曜日

発寒の家 最終スラブ打設

さてこちらは埋め戻しもきれいに終わり、床のスラブを打ち終わった「発寒の家」です。もう数日でプレカット(柱と梁を加工すること)が終了するのでまたU棟梁の元気な顔が楽しみです。発寒の家は跳ね出し部分も多く、またその梁は、プレカット工場の製作限界一杯一杯の3.5間(約6.4m)なので少々時間が掛かっています。こちらも建て方が楽しみです。


建て方を待つ「発寒の家」、その前に土台下を水平に研ぎ出します。
いつまでも夏が続く感じです...暑いのは嫌いじゃないんですが~(笑)
まあ山下達郎でもいかが?



前田の家 建て方工事

連日の厳しい暑さの中、棟梁をはじめ大工さん4名でみるみる家になりつつある「前田の家」。1階の床をコンクリートで作ったために作業の効率が上がる反面、照りつける日射と照り返しで現場はまるでフライパンの上のようです。梁と柱に印刷された記号を合わせ、えいやっ!おう!とばかりに重たい梁を持ち上げ、かけや(建て方の時に用いる大きな木槌)で叩き込みながら家を建ち上げて行きます。

上の写真は5寸梁、まだこれくらいなら二人でも大丈夫。私は足場の上で、柱と梁の番付け(いろはと数字で柱と梁の組み合わせを座標化したもの。たとえば、「い通り」の「1番」の柱なら、「いの1」と呼称する。)を確認しながら見守ります。仕事に慣れた職人さんの動きは、一見ゆっくりに見えても、非常に無駄の少ないものです。現場の中で向きを変えたり、長い梁を振りまわしたりしなくても済むように、向きを確認し、完成時に顕しになる梁は事前に傷が付き難いように養生してから運び込みます。近くで二、三軒他の現場を見ましたが、現場のきれいさ、段取りのよさ、スピード、どれをとってもさすがはI棟梁とI所長のコンビは良いですね~(笑)

カラマツの長さ二間(3.6m)の8寸梁くらいになると、力自慢のI棟梁でも、少し加勢がほしくなります。しっかり養生した梁を担いで、これから吹き抜けに掛けるところです。
9月13日から始まった建て方ですが、I棟梁の抜群のスピードで現在は下のような状態。



外壁の構造用合板を貼りこみ、雨に備えて開口部にビニールを貼り、屋根にはブルーシートを掛けた今日の「前田の家」。「発寒の家」を現在のところは一歩リードです。

今日はドリカムなんていかが? お母さんいつもごくろうさま!
http://www.youtube.com/watch?v=_SJDg8EEFEs

2012年9月15日土曜日

東北の建築家のみなさまへ

今日は、「宮ノ丘の家」におじゃまして東北の建築家の皆さんをお迎えしました。
いつもお世話になっている、リプランさんと私の所属する日本建築家協会北海道支部のコーディネートで実現したイベントです。昨年の東日本大震災は私たちの社会を見直す契機となりましたが、その衝撃は設計の世界においても大きなうねりになりつつあります。北海道の技術や経験が少しでも復興のお役に立つのであればこんなに嬉しい事はありませんし、東北の地においてさらに改良され、よりよい工夫として根付くことを心より願っています。

2012年9月13日木曜日

前田の家 土台敷き

明日の建て方に向けて鳶さん達は足場を掛け、大工さんは土台を敷きます。

土台は下川産

写真は土台を敷いて水平を調整しているところ。

土台の巾の中央にピタリと揃えられたアンカーボルト。基礎屋さんの良い仕事です。

この写真を見て「おっ!」と目を細める人はかなりの通ですね~。(笑)今回は土台の下に不陸調整用のモルタルがありません。1階のコンクリート床をモルタルが不要になるほど精度良く仕上げたI所長のおかげです。コンクリートはそのままではけして水平にはなりません。近年は土台の下で気密を取るためにこのような工夫が欠かせなくなりました。ちなみに同時期の他の現場を見てみると.....

これが通常の精度の基礎。このままでは土台が敷けないのでモルタルで水平を出すか、もしくは水平になるまで削るのかどちらかを選択する必要があります。ちなみに昨年の「西野の家」では...レーザー水平器で丁寧に水平を出して削りました。

水平に研磨中の「西野の家」

水平研磨が完了した部分。


一息つくI棟梁。

今日は、少しづつ建物が出来上がるイメージの音楽。
ペンギンカフェオーケストラでもいかが?

2012年9月2日日曜日

海.水.浴

連日の猛烈な暑さ、今日も家の中は33℃です。さすがにどこかに行きたくなって、三男を連れて小樽築港の海岸へ。どうでしょう!この海と空の青!もう9月だというのにたくさんの人が海に来ていました。昔は祖母や母から「お盆過ぎたら海には入らないこと!」なんて言われて育った私ですが、今年の夏はほんとうに長く暑い日が続きます。海にも入りましたが温くて気持ちよし。海岸では、お肉を焼く炭の匂いや、若者たちの歓声、カモメの鳴き声に、電車の汽笛、海の家の軒先の風鈴の音や生姜の効いた味噌おでん。もうすぐ夏が終わります。

磯遊びで見つけた海草を得意げに...「これ食べられる~?」


「帰るよ~」と言ったら「やだ~まだ遊ぶ~」。なぜいつの時代も海は男の子を虜にするのでしょう?(笑)

海といえば、若大将~!
今日は加山雄三なんていかがでしょう?だいぶ夕方の風が気持ちよくなってきました。


2012年9月1日土曜日

前田の家 基礎工事その2

「前田の家」も昨日、布(立ち上がり)部分のコンクリートを打設しました。こちらは基礎部分に外断熱として18cmのEPS断熱材を用います。それでは上の写真を解説してゆきましょう。まず断熱材の頭にしっかりガムテープで養生しています。コンクリートは上から流し込むので飛び散ったりした余分なトロが厚み18cmの断熱材の上で固まってしまうのを防ぐためです。コンクリートが固まった後にテープを剥がすと断熱材の頭部分がきれいなまま現れます。もちろん養生をしなくても建物性能に変りはありませんが、仕事のきれいさにこだわるI所長らしい心配りです。次にアンカーボルトですがしっかり木製の治具をつくり基礎の中心に一直線に並ぶようにすることはもちろん、埋め込み深さを揃えるために小さく切ったスタイロフォームを二つ使いながら、ボルトのねじ山にコンクリートが付着しないようにしっかり工夫してあります。「前田の家」もこのあと床のコンクリート工程が残っていますので、ねじ山はしっかり守らなければなりません。


アンカーセット前、断熱材の上部にテープ養生が完了したところ。コンクリートの圧力が大きいので型枠(外側は断熱材が型枠代わりとなる)がはらまないように斜めの控えを入れている。

今日は相変わらず暑いし~ということで
C.クロスなんていかが? http://www.youtube.com/watch?v=ur8ftRFb2Ac

2012年8月30日木曜日

発寒の家 基礎工事その2

今日も暑いですね~(笑)、札幌版次世代住宅基準のハイレベルを狙う「発寒の家」。連日の快晴の中、順調に工程を消化しています。本日は打ち込みが終了したばかりの布基礎部分の確認と次の工程となる床スラブの確認に来ています。昨年の3.11を境に大きく変わりつつある私たちの暮らしとエネルギーの関係。私自身も自らの設計を見つめ直す大切な契機と考えています。50年後この仕事はどんな評価を受けるのだろう?より長期的な視点に立って物事を考えられる頭を鍛えたいと思います。「そうは言っても、目先の事の中にもたくさんの気付かない大切が隠れているんだろうな~?なかなか全部は見えないけれど。」そんなことを最近よく考えます。

「発寒の家」の基礎断熱は外貼りに18cm、内貼りに7cmの合計25cm。写真は外貼り用の18cmのもの。

左より断熱材7cm+基礎15cm+断熱材18cm=40cmの基礎厚さとなります。こうすることで1階の床は年間を通じて平均した温度を保つことができるようになります。冬場の快適さは当然として、夏場は特に絶大な冷涼効果を体感できます。コンクリートや石材のように熱容量の大きな材料は、必ず断熱と組み合わせて、温度変化を小さく抑えて使うことが大切です。

今日は昨日見た映画から、バックトゥーザフューチャーより。
100年後に行って街を見てきたいものです。(笑)

2012年8月28日火曜日

道新ニュースに登場

明日、8/29(水)17:15~の「TVH道新ニュース」にペーパーウッド(エコシラ合板)の話題で弊社設計の「菊水の家」と一緒に放送される予定です。かなり恥ずかしいのですが、クライアントさん私、生産者の瀧澤さん精一杯、収録を頑張りましたのでぜひご覧下さい。きっと一瞬だとは思いますが...(笑..汗...)。

2012年8月27日月曜日

前田の家 基礎工事

連日の暑さにもめげず、快調に工程を消化する「前田の家」。基礎のコンクリート打設直前。まずはいつもながらコンクリートに最初に隠れてしまうところを見て回ります。現在は、瑕疵担保責任賠償保険への加入が法律で求められるようになったことから、私の他にも、保険法人の検査員が配筋を確認するようになりました。1枚の設計図を建設会社、設計事務所、保険法人の三者でクロスチェックすることになります。他人に現場や設計図をチェックされることは緊張もしますが総合的な観点から見ると良いことです。特に構造的な部分は複数の目で確認し客観的に不足がないか確認する決まりごとを普段から癖付けること(システム化)はとても大切なことです。

配筋チェックのポイントは交差部分。定着長さや重ね継ぎ手の関係で鉄筋が混み合うところ。鉄筋が型枠に近すぎないか、コンクリートが入り込めないほど鉄筋が混雑しすぎていないか、間隔は指定寸法以内か等々、次々に確認して行きます。

重ね継ぎ手とされた隅角(コーナー)部

設備の管が出入りする部分には予め筒抜き(ケーシング)をしておきます。

現場に搬入された基礎断熱材。前田の家では外貼りに180mmの厚さのものを使います。このクラスの厚みになると現場での切断加工はとても難しくなります。現場での生産性を落とさないためには工夫が必要になります。現場所長の腕の見せ所ですね~(笑)。

今日は暑いからとうとう叫びたくなってしまいました。(笑)アアア~ア~!
というわけで今日はツェッペリンなんていかが?

2012年8月22日水曜日

TVHさんの取材

先週末は菊水の家でTVHさんに取材をしていただきました。今回のお題はペーパーウッド!白樺を再生してつくる美しい積層合板ですっかりおなじみの瀧澤ベニヤさんそして建て主さんと仲良く月末の番組に登場する予定です。少々お恥ずかしいですが、スケジュールが決まりましたらまたお知らせしたいと存じます。

ペーパーウッドを使ったキッチンを撮影している様子。今まで気にしていませんでしたが、ほんとうに長時間カメラって回すんですよね~。それが番組では2~4分に圧縮されるというのが現実で「実はすごく効率悪くてアナログなんです!」とのこと。なんだか誰かの仕事とも似た世界でした。

エコシシラ合板のデザイン性をさらに高め着色した再生紙を挟んだ「ペーパーウッド」写真の左下が、ノーマルのエコシラ合板。それ以外がペーパーウッド。一色~三色使いのバージョンが存在し色の組み合わせは無限大。渋い感じの多い木質素材の中では群を抜いたポップでカジュアルな印象となります。

断面はほんとうにきれいで、設計(デザイン)が楽しくなりますよね~(笑)菊水の家では一般部分にエコシラ合板、キッチンと食卓テーブルのセットを「ペーパーウッド」で作りました。ところでみなさんはなにを作りますか?(笑)

瀧澤ベニヤの二代目、貴弘氏曰く「今年あたりはそろそろブレイクしてほしんですが~」そんな願いを込めて今日はこんな感じで!


2012年8月21日火曜日

トマトステーキ

今日のお昼はトマトのステーキ!実は先日TVで紹介していたものをアレンジしてみました。すごく簡単でもの凄く美味しかったのでお勧めです!

一人分は中くらいのトマトを横二つ切りヘタはくり貫いて取っておく。にんにく一かけのスライスを大匙2杯のオリーブ油でじっくり弱火で炒め、香りが出てきたらトマトを投入。裏を焼いたら返して両面を焼く。

にんにくがきつね色になり、香ばしい匂いに変わってきたらピザ用チーズを投入。蓋をしてチーズが溶けたら出来上がり。(チーズは多少焦げるくらいが美味しいです!)フライパンの余白でソーセージや色取りの良い野菜を一緒に焼くとさらに手間が掛からず簡単。熱々をお皿に持ってさあ召し上がれ~(笑)

この暑さじゃ~やっぱラテンビートですよね~(笑)

発寒の家 基礎工事

いよいよ、第一回目のコンクリート打設が近づいた発寒の家。今日は配筋検査に来ました。鉄筋の径や間隔、継ぎ手の長さ、使用部位ごとの本数を確認して行きます。
敷地の奥から見たところ。手前の土の向こう側にベース部分(基礎の底盤)の型枠が見えます。


拡大写真がこれ。地面に水糸を張り、しっかり中心線を出して行う精度の高い仕事です。住宅の基礎は大切な部分。丁寧な仕事が欠かせません。


2009年以降、弊社では特に理由がない限り、二階建ての基礎は、鉄筋の本数を割り増しした長期優良住宅仕様のものとしています。上の写真はその部分。一番上の鉄筋が二本あるのが割り増し部分。第一回のコンクリートで隠れてしまうベース部分ともどもしっかり確認しておきます。

本日は夏の夜のラテンなんていかが?