2012年2月17日金曜日

春光の家 内装工事02

外部足場を解体し、窓のほとんどない外観が現れました。外部はほとんど杉板と破風の板金でかなり閉鎖的な印象を狙っています。素材を極力シンプルにすることで、軟石や煉瓦の倉庫のような静かな佇まいを街並みに与えたいと思いました。

室内に貼り込まれたタイル。割り肌と凹凸に光が陰影と表情を与えます。使用目的はもちろん意匠的な面白さがメインですが、室内に少しでも熱容量の大きな材料を使いたいと思ったのも動機の一つです。壁でも窓でも断熱性を高めてゆくと室内はどんどん穏やかで快適な温度環境に近づきますが、床や壁に大きな熱容量のものを使うと仕上げとしてさらに理想に近づきます。

今日はエルガーのチェロ協奏曲なんていかがでしょう。デュプレ好きのお父さんにも(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=0rNIohqHJwE&feature=related

2012年2月14日火曜日

春光の家 内装工事

 春光の家では内装工事に入っています。もうすぐ外部の足場も取れて特徴的な外観が姿を現しますが、今室内では、大工のM職長とN所長そして札幌のPCの前に陣取る私との間で壮絶なディティール決定戦が行われています。(笑)

 みなさんご存知のように私のつくる建築の細部は他とは異なっています。建築家の中でも極端とまでは言いませんが、ものと、ものとの取り合いにはこだわるほうです。(まあこだわらない建築家なんて..もともといませんけど/笑)

 たとえば赤くきれいなカラマツの柱にガラスがシュッと入る感じ。当然、野暮ったい枠なんて付けないで~とか、床のタイルからぬっとガラスが立ち上がる感じ。もちろんごつい巾木なんてNGよ~。とか...

 まあ~自分で聞いていても呆れるくらいあちこちにウルサイ、ウルサイ。
AB型の悪い癖で大らかかと思えば、途端に神経質になり、時にはやり直しをお願いしたりもします。現場員の名誉のために言っておきますが、基本的にやり直しが多い現場は建築家の責任も大きいのです。どのように作ればよいのかをしっかり伝えておかないから事は起こるわけで、一人前なら、中途を見ても完成までが、ピンとこないといけません。

柱にガラスをシュッと入れるディテール(細部)

巾木はタモ材で作られ壁と巾木、巾木と床との間にそれぞれ目地が入るもの。壁のクロスは巾木の上でピシッと揃うように端部には目透シフクビを入れる。壁の出隅は6Rの面木で丸くアールを取る。

浴室と室内の巾木の取り合い。極力ステン枠が床に埋まるように考える。ステン枠の見付けは本来25mmだが壁のコーナー面木をかぶせて15mmしか見せない。

壁は塗装。天井はクロスのため双方の取り合いをしっかり見ておく。

「春光の家」の特徴は引き込みの建具のバリエーションの多さ。上の写真は、右から左へ来るフスマの止め枠と手前から壁の中に隠れてしまう建具の取り合い部分。くう~っ難しそ~...

謎の溝切!これはいったいなにか??お楽しみに~(笑)

汚れが落とされ美しく顕された天井部分。

今日は、ドボルザークなんていかがでしょう?

大好きなスラブ舞曲でも http://www.youtube.com/watch?v=wpsMGuPd-cU&feature=fvst

2012年2月13日月曜日

内覧会を終えて

2/11.12の二日間に渡り開催した「北25条の家」の内覧会。雪祭りの最終日とブッキングし、激しく雪に見舞われる中、60名を超える方々にお越しいただきました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。札幌以外から来ていただいた方もいてほんとうに嬉しく思っています。

小さくて大きな「北25条の家」のLDKは大好評でした。

建物の横からスッと入る玄関もかわいらしくて好評でした。

通りから少しだけ室内が見える。逆に室内からは通りが全て見渡せる窓です。

2階のバルコニーは年間を通じて暮らしに必要な半屋外の空間を提供します。

「北25条の家」専用にデザインされた内照式照明は反射板が空中に浮遊する感じを狙いました。

 今後、さらに少子化が進み、マイホーム取得中心世帯の規模も縮小する中で、シンプルでリーズナブルな小さな家へのニーズは益々増えると思います。建築とはほんとうに不思議なもので、小さいものは小さいなりに、大きなものはまたそれなりに不思議な魅力を秘めています。しかし双方に共通していることは、どちらも徹底的に突き詰めねば絶対によい間取りは生まれないということでしょうか?
 また私たちチームのために快く現場をお貸しいただいた建て主さまに、心より御礼申し上げます。小さな家を単に狭い家で終わらせないための設計的な挑戦は建築家として何物にも変えがたい体験になりました。素晴らしい学びの場を忘れることなく精進したいと存じます。

今日はモンドグロッソ!ブラジリアの風景と共にいかがですか?




2012年2月10日金曜日

明日は「北25条の家」の内覧会


明日は「北25条の家」の内覧会です。

夜は9:00までやっていますから、ぜひ遊びに寄ってくださいね。
たくさんのお越しをお待ちしています。
付近は住宅街なので、車でお越しの際は廻りの迷惑にならぬようにお願いいたします。
近くには駐車場も多い地域ですのでぜひご協力をいただければ幸いです。

詳しくはhttp://ako-re.blogspot.com/2012/02/blog-post_09.html

今日は財津さんなんていかが?
http://www.youtube.com/watch?v=xT5cvxt5fDo

宮ノ丘の家 お引渡し

おかげさまを持ちまして平成23年度長期優良住宅「宮ノ丘の家」は無事完成いたしました。工務店さんは、最後のだめ直しを行い。もう一度念入りに最終美装を行います。私も工事中の微修整を図面に落とし込み竣工図をまとめます。想えばクライアントさんと初めてお会いしてから1年以上が過ぎ、今は感無量です。二月の気持ちよく晴れた日に建て主さんにお引渡ししました。

新築なのに落ち着いた感じを、断熱のテクニックを用いて実現しようと思いました。

白い壁と清楚な木肌が調和する北海道の室内をクライアントさんと共に考えました。

構造を隠すことなく顕して、リズミカルな景色を感じる内装を目指しました。

森に暮らす素敵さをいつも味わえるとよいと思います。
青白く暮れる冬の夕方は、照明の映える素敵な時間帯です。

天井が高いので、普段の使い勝手を考えて、照明は白い壁の反射を利用して、全て手の届く位置に取り付けました。

青白い寒さと、暖かな家の明かりは北国の住いの魅力だと思うのですが。

階段室からはお隣の家が。

玄関を入ると来訪者を迎える吹き抜けと階段です。

雑木林の中に佇む「宮ノ丘の家」春が待ち遠しいですね~。

玄関にはペレットストーブが赤々と燃えています。


中でも最高に人気だったのは森の風景を感じることのできるキッチンでした。シンプルなステンレスの美しさや大きな開放感は北海道という土地の魅力だと思うのですが。

「チーム宮ノ丘」の全員へ!ほんとうに今までごくろうさまです。
相変わらず道内の景気は厳しいけれど、またよい仕事を一緒にいたしましょう!
北海道の建築が全国の名物になるようにまた一緒にがんばろう!

今日は、こんな気分です。(笑)



2012年2月9日木曜日

北25条の家 内覧会のご案内


ブログを通して様子をお届けしてまいりました「北25条家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。「北国のコンパクト」をテーマに、小さな家のよさをお届けしたいと思います。僅か27坪とは思えない広い空間や、簡素ながら、徹底した各部の作り込み。毎度おなじみの0勾配シート防水屋根や間接照明、無垢のフロアー、キッチンはクリナップ直需事業部が担当しています。

いつもながら週末もサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可。 

「チーム北25条」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕


「北25条の家」とは?

ワンフロアー:13.5坪×2=27坪、家庭にとって最も部屋数を要する、思春期の子供たちと暮らす時期。4人家族がのびのび暮らせるように、徹底的に箱型にこだわりました。優れた費用対効果をもたらすと共に外壁の面積を最も効率よく圧縮できる白いBOX。シンプルで街並みに溶け込む外観や半屋外の提案等々、今回も盛りだくさんです。

■データー


①:Q値   1.2W/㎡/k(自然換気0.5回/h)

②:C値   0.2cm2/㎡(建物完成時)

③:必用暖房容量  3.0kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 

④:断熱       道内間伐材による木質断熱材
            壁:19cm、屋根:24cm相当(グラスウール24kg/m3換算)

⑤:換気      三種換気(給気予熱あり)

⑥:暖房      電気式パネルヒーター

⑦:給湯      灯油式給湯器

⑧:断熱サッシ  国産(アルゴンガス入りLOW-Eペア+樹脂スペーサー)


*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。



「チーム北25条」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱丸稲武田建設

■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント

■無垢フロアー                  ㈱シーゲル

■断熱材                      ㈱木の繊維

■断熱ドア                     ガデリウス株式会社

■オーダーキッチン               クリナップ㈱直需事業部

■外壁板金                    ㈱川島建築板金工業所


■屋根防水                    ㈱プロテック

■構造材                     不動木材㈱

今日もバンアパかっこいいです~
http://www.youtube.com/watch?v=A2sZ4NcownU&feature=related

2012年2月8日水曜日

’超’満員御礼!


 2/4、5(土日)の内覧会には二日間で延べ100名を超える方々にご来場いただきました。この場をお借りして「チーム宮ノ丘」一同心より御礼申し上げます。貴重な休日にもかかわらずまた両日とも雪に見舞われる中、札幌中からお越しいただいたみなさん。内覧会を十分に楽しんでいただけたでしょうか、「ブログで見るのと実物はやっぱり違いますね~来てよかった!」と言っていただく事は、全員何よりの励みになります。それは、見栄えのする写真ではなくリアルな空間を体験してほしいと思うからです。そしてできることならば素朴な「なぜ?」をたくさん感じていただけたなら、嬉しくてもうなにも言うことはありません。(笑)

 「いくらトリプルガラスでもこんなに大きな窓にしたら建物の断熱性能が落ちませんか?なのになぜ?」、「なぜ和室の隣が水廻りなの?」、「なぜお風呂の窓が大きくて透明なの?隣から覗かれるんじゃ?」、「なぜ南西角の一番よい位置に台所なの?」等々...

 こうした素朴な疑問は漠然と図面を見たりブログの写真だけでは分かりません。でも当日お越しいただいた皆さんはもうその答えを知っていますよね~。(笑)



 建物の間取りというものは、単なる見栄えや使い勝手で決めるものではありません。もしそんな国があるとしたら、住まう人のことを考えない野蛮なところです。見栄えや使いやすさはたいへん大切ですが、なによりそれらが敷地の特色を十分に引き出した上で実現されているか否か?自分が建て主の立場になった時に、その理由が分かり易いものであるか否か?そこにこそ間取りのほんとうの価値が隠れているのです。実際に現地に足を運び、現地で感じた疑問を現地で解決できる機会をチーム全員が大切にしているのはそうした理由からなのです。

 違いの分かる厳しくてうるさい建て主さんが増えれば増えるほど北海道の住いが味わい深く成長すると思います。でもどうぞお手柔らかに~(笑)

 この場をお借りして、現場をお貸しいただきました建て主さまに心より御礼申し上げます。素晴らしい仕事の場を与えていただいてチーム一同、忘れ難い経験となりました。

ありがとうございます。(笑)

今日はおなじみのバンアパ!どうぞご一緒に。

2012年2月3日金曜日

明日は「宮ノ丘の家」の内覧会


 明日は「宮ノ丘の家」の内覧会です。

夜は9:00までやっていますから、ぜひ遊びに来てくださいね。
たくさんのお越しをお待ちしています。

詳しくは http://ako-re.blogspot.com/2012/01/0.html

今日は大好きなバンプを今日の日まで頑張った現場のみんなに贈ります。
http://www.youtube.com/watch?v=x6pzZ_IGQAg

2012年1月30日月曜日

宮ノ丘の家 内覧会のご案内



ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「宮ノ丘の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。「雪と暮らす新たなライフスタイル」をテーマに、本州から移住を果たした若いご夫婦のために設計させていただきました。ぜひご覧下さい。

週末もサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可能です。 

「チーム宮ノ丘」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕


「宮の丘の家」とは?

ポイント-1 「インテリアをもっと面白く!」
 2009年の「銭函の家」から開始した300mm断熱プロジェクトの第五弾になります。昨年の「西野の家」、「稚内プロジェクト」で、省エネの他にも断熱することで得られるさまざまな可能性があることが分かってきました。たとえば断熱のノウハウは室内のデザインに大きな関わりを持っています。特に「宮ノ丘の家」では壁と屋根をグラスウール30cm、40cm級の完全な外貼断熱とし、高い性能のまま、美しいカラ松の構造材や屋根垂木をすべて室内に露出させています。要は和室の真壁よろしく、家を支える柱や梁をすべて室内から眺めることができるのです。近年は大壁といって柱をすべて隠す方法がほとんどですが「宮ノ丘の家」はこの真壁と大壁を自由に使い分けながら簡素で気取らないインテリアを提案しようと考えました。

ポイント-2 「間取りをもっと面白く!」
 約半年にも及ぶ雪との暮らし、道産子の私たちはつい、毎日の除雪や寒さといったネガティブな側面で冬を捉えてしまいますよね?しかし日本の伝統的な都市の中には、そうした地域の気候や特色を生かした独特の間取りや建て方のスタイルが数多く存在します。一見、うなぎの寝床のような京都の町屋や白川郷の合掌作りはその好例ですし、たとえばおなじみのLDKスタイルの間取りは北海道でいち早く市民権を得ました。そこで「宮ノ丘の家」ではこうした北海道の地域性に着目し、新たな間取りの提案をしています。建築と一体になり二台分楽に停められるカーポートや半屋外化した物置に駐輪場(冬は除雪機置き場)、道路から一段高い敷地にアプローチするスロープの扱い。室内に入るとペレットストーブが赤々と燃える土間空間。もちろん土足で使えるとともに、蓄熱体として家全体に穏やかな室温環境を作り出します。

ポイント-3 「白樺とカラ松をもっと面白く!」
 白樺とカラ松、道産子ならおなじみの樹種ですが、白樺の家具や内装って見たことありますか?同様にカラ松の柱や梁って少ないですよね~?実はこの二つ、道内には豊富にありながらも今までほとんど使われてきませんでした。白樺はその独特の斑点模様が嫌われ、美しい木肌を持ちながらも値段の付かない時代が長く続いたからです。使われるとしてもそのほとんどが製紙用のチップとして新聞紙やトイレットペーパーに使われるのみ。カラ松も無垢のままでは暴れ松とあだ名されるほど狂いが大きく強度はありながらも建築用材には不向きとされてきました。今では積層化や集成化技術の進歩でこうした欠点はほとんど克服されています。そこで「宮ノ丘の家」では、この二つを積極的に用いることにしました。白樺は無垢のものを床材に、美しく作られた積層合板を建具の枠や階段、手摺、家具、そしておなじみのキッチンに用いています。

■データー

①:Q値   1.1W/㎡/k(自然換気0.35回/h札幌基準による)

②:C値   0.2cm2/㎡(建物完成時)

③:必用暖房容量  3.2kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 

④:断熱       フェノールフォームによる外貼り断熱
            壁:30cm、屋根:40cm相当(グラスウール24kg/m3換算)

⑤:換気      パッシブ換気

⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:電気式パネルヒーター

⑦:給湯      電気温水器

⑧:断熱サッシ  スウェーデン製、国産
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー)

⑨:断熱材     フェノールフォーム(λ=0.019w/mk) 


*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。



「チーム宮ノ丘」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱剛建築工房

■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント

■白樺フロアー                  物 林㈱

■白樺積層合板                 瀧澤ベニヤ㈱

■断熱材                      積水化学北海道㈱

■断熱サッシ                   ガデリウス株式会社

■遮熱ブラインド+断熱サッシ         ㈱エンヴェロップ

■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ

■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部

■構造材                     イワクラプレカットシステム㈱

今日はこんな感じで~やっぱ北海道でしょう!千春~っ!
http://www.youtube.com/watch?v=JulhX4skLI8&feature=related

2012年1月27日金曜日

恩師たちの最終講義

ところでみなさんの出身校はまだ残っていますか?私の卒業した北海道東海大学は、あと二年で閉校します。地方の疲弊や少子化の波を受けて北海道の大学にも規模縮小の波が押し寄せています。先日、かけがえのない恩師である、北島先生、大矢先生、粉川先生の最終講義に旭川に行きました。

 長い間、旭川の景観アドバイザーを務めた北島先生の講義、旭川市のシンボル橋である旭橋の再生と保存に積極的に取り組み、現在の橋の色はオリジナルに近いものに再現された。街並みや街路にも造詣が深く、研究の範囲は建築を越えて土木にまで及ぶ。「悩んだときは、それは本来、誰のものか?と問いなさい。」と教えてくれたことは一生忘れないと思います。

ドームと薄肉シェル構造の世界的権威である、粉川教授の可動式ラメラドームの模型。その他、地域の間伐材利用による、木製トラスはシンプルなジョイントの画期的なものでした。1986年の旭川ライブジャムのステージの上屋にこのトラスが掛けられ、その下でレイチャールズが歌ったことは最高の想い出です。いつも身の周りのものからインスピレーションを受けて、「あっ!」と驚くことを考える。そんな想像力を受け継ぎたいと思います。


最後は、自らに問いを投げかけた講義でした。

私たちの大学が画期的だったのは、教える先生の手によってキャンパスが作られていったことでしょう。当事基本計画を行った芸術工学研究館のスケッチを見ながら、大矢先生の最後の講義です。大矢先生とは、旭川の勤め人時代に、公営住宅の調査や再生マスタープランの仕事をご一緒しました。スケッチが抜群に上手でいまだにかないません。(笑)専門は意匠設計、建築計画でしたが課題のプランを出すたびに「へたくそだな~」と叱られていましたっけ?

最後には、お得意の歌で締めくくった大矢先生でした。



粉川先生の最新作、アイスシェルドーム。直径はなんと25mオーバー。「良質な雪と氷は最良の建材。特に旭川では寒くなればなるほど強度が増すしね~」と笑いながら見上げる空間の巨大なこと。びっくりです!スキー場や市内の酒蔵で既に実用化されていて、冬場に安価にできる仮設建物として道北エリアではかなりメジャーな存在です。

どうでしょう?この巨大な空間が雪と氷と温度でできるなんて驚きだと思いませんか?

今日はバッハでG線上のアリア。冬に似合いませんか?









2012年1月23日月曜日

宮ノ丘の家 ディテールその01

  今日は、「宮ノ丘の家」のディテール(細部)の確認です。上の写真は左から、木製サッシ(欧州赤松)、押縁(カラマツ)、柱(カラマツ)、下枠が白樺(積層合板)となります。下枠の角は打ち合せ通り優しく面取りがされ、オイルで拭きあげることでとても美しく仕上がります。                               

材種の色の違いはありますが、木目などは似ていて違和感の少ない納まりになります。

今回は室内の開口部と出隅をR処理しています。角を出さないことで枠を痛めにくく、見た目の印象もとてもやわらかくなります。

こちらは足元の巾木。カラマツ製で、壁から+2.5mmの巾で納まります。成(高さ)を抑えてあるので目に入りにくくスッキリ納まります。

壁から出る梁にはおなじみ、余長を見込んで柱にかぶせ気味に壁紙を貼ります。柱が収縮しても壁紙との間に隙間が出にくい配慮です。

最近はずいぶんと手に入りづらくなった古梁。I所長が大雪の中、栗山まで探しに行って見つけてきたものです。表面は鐇(チョウナ)で削られ、囲炉裏で長年燻された梁肌は黒く変色しています。汚れを落とし磨き上げて、また家の中心に据えました。

規則的な屋根の垂木との対比が印象的。全体を引いて眺めるとピシット角張っていても、細部や視線の集まるところに円や有機的な曲線があると、フッと力が抜けて、なんだか安心しませんか?

流し台の面材はステンレス製のクールな印象。さて組み上がりはまた次回のお楽しみ。

今日はインド!はまるよ~ http://www.youtube.com/watch?v=vxzxbc6a4Go