2011年12月28日水曜日

宮ノ丘の家 気密測定

本日は、「宮ノ丘の家」の気密測定。設計者に現場監督、大工さんにサッシ屋さん、設備屋さん、電気屋さん、全員勢ぞろいして、タギ先生の数値を読み上げる声に耳を澄ませます。第一回目はC:0.5cm2/㎡。全員少しがっかり(笑)...早速

室内を減圧しながら僅かに外気が入り込むところを探してテーピングしてゆきます。

数値を見ながら改善の度合いを確認するM主任。

 棟梁もサッシの枠回りの取り合いをコーキングしてゆきます。14:00から始まった気密測定も思いのほか数値が改善せずに二時間余が経過、各人の顔に焦りが見え始めた頃、Dr.タギ氏曰く、「隙間特性が集中している。どこかにまとまって隙間があるとおもうよ。」とアドバイスをくれました。今度は全員でその場所を探し、ついに発見。玄関ドアの近くに漏気部分が集中していたのです。仮テーピングをして再検査をした結果は0.3cm2/㎡。各人の顔にホッと安堵の色が広がります。この調子で隙間を丁寧に拾えば最終的にはもっと性能を上げられるでしょう。

 一番安心したのは何を隠そう設計者の私。(笑)自分の設計の妥当性が確認できて一安心です。みなさんにぜひご理解いただきたいのは現代の建築というものは決して設計者一人では成り立たないということです。Dr.タギの測定値という客観的で動かぬ事実を共有しながら各分野の担当者が既成概念を一旦素直に捨てて全員で協力せぬ限り解決は難しいからです。建築家の役割は現場のスタッフに気付きのきっかけを用意しその中で自らの設計もさらに改善するという文化を育てることかもしれません。大工は大工、設備は設備、お互いの領分に口を出さずに仕事をこなすといった縦割り型思考では、もはや進歩は望めないのです。

測定を開始した時の気温は+2℃でしたが終わる頃には零下に、しかし室内は各人が汗をかいた(いろんな意味で/笑)結果、人体発熱のみで16.4℃まで上昇しました。もちろん暖房はいっさいしていません。断熱の大切さとその効果に毎度ながら驚きます。来年から札幌版の住宅省エネ基準が始まりますが、こうした成果をもとにエネルギーに頼らない暮らしの実現を目指して精一杯デザインに打ち込みたいとおもいます。

今日はツェッペリンね!どうぞご一緒に!

2011年12月26日月曜日

北25条の家 外装工事

 「北25条の家」の外装がどんどん進んでいます。壁の仕上げは板金で「立てはぜ葺」。この葺き方は、耐久性に優れながら、リーズナブルに納まる、取って置きの方法のひとつ。板金を屋根ばかりか壁にも用いるのは北海道の正しい伝統です。でも美しくスッキリ見せるには色々とコツがあるのです。今日も監理に一緒にお付き合いください。

 まずは、板金壁の大敵、デコデコ感の解消!通常の板金の厚みは0.4mm以下。当然薄いものを外壁に貼れば凹凸が目立ちます。でも家の外壁がそんな風に見えると残念ですよね~(笑)そこで色々と知恵を絞ります。まずはその敷地に合った色を探すこと。板金の凹凸は横様に光を受けると目立ちます。敷地の日当たりをしっかり考慮して色選びをすること。詳しくは企業秘密ですかね~(笑)、次には貼り方を工夫すること。理想的なのはデコデコしないことなのですから、薄いものを精度よく貼れるようにしっかりと板金屋さんと下地に関する打ち合わせをしておきます。

窓の廻りの役物は板金を折り曲げて作られる。当然見付け(正面から見える寸法)が4cmくらいあった方が加工がしやすい。でも窓枠廻りはスッキリ見せたいもの。そこで見付けを2.5cmという極薄で作っている。

                             

上は通常サイズの役物、巾約4cm。

縦はぜがぴったり中に入り込む精度で役物を加工している。

腰廻りはスッキリ。葺き下ろされた板金の足元には水切りなどは設けない。


最も難しい、裏の南面まで到達した板金チーム。緊張感が漂います。

今日は大好きなト.ラ.イ.セ.ラ一緒にいかがでしょう?

ところで彼らは、ロック界の巨匠たちに敬意を払うことでも有名ですが。
ぜひ聞き比べてみてはいかがでしょう?

2011年12月23日金曜日

オープンハウス

友人でE.アソシエのメンバー、大坂崇徳さんのオープンハウスに行ってきました。実は自宅謙アトリエとのこと。エイジングを意識した木貼りの外観から覗く室内の様子が、実にそそりますね~(笑)室内は美しくペイントされた壁と天井が広がる大空間(天井高4.5m)な印象、空間の境界を曖昧に溶かしてより伸び伸びと見せる技はさすがです。よい刺激をいただきました。

 水廻り等の生活コアを兼ねるジャイアントファニチュアーの上部はロフト。寝転がって真っ白な天井を楽しむもよし...

 空間に用いられる材料は徹底的にそぎ落とされ、わずか数種類に限定されています。空間を簡素にスタイリッシュにまとめるコツは材料をなるべく限定すること。色も同様です。たくさん色も材料も使えることは一見豊かに感じますが、実は出来上がりは凡庸に見えます。各人の好みも当然ありましょうが、使う色と素材の数を極力絞って空間をコーディネートすると...思わぬ出来栄えに、に.ん.ま.り.しますよ~(笑)、また余計なこと教えちゃった...

空間の中央にそびえる大黒柱は5寸角。

壁は一部、黒板塗装とされていて、訪れたゲストの落書きも室内のインテリアとして取り込む仕掛け。スタイリッシュでありながら来訪者に緊張感を強いることのない設計者の優しさが素敵だと思いませんか?

「ミニマルさをもっと面白くしたいなら、静謐さの中に人間味を加えることかもね?」
そんな彼のユーモアを感じました。

もちろん熱環境としてもよくできていますよ~。
なんてったってE.アソシエの一人なんですからねっ!(笑)

竣工おめでとうございます。そしてご苦労様!
今夜は素敵なバラードを贈ります。




2011年12月22日木曜日

春光の家 屋根防水工事

K棟梁とM職長、N所長、懸命の頑張りで屋根の防水工事にこぎ付けた「春光の家」、仕上げのシート防水はご存知プロテックさんです。広大な「春光の家」の屋根をみるみる張上げてくれます。北海道の屋根は長らく課題を抱えてきました。落雪か?はたまた無落雪か?フラット屋根という緩勾配の屋根はどんなに断熱をしても、寒の入りと出の時期(北海道なら12月と3月)は氷柱(つらら)に悩まされ、その時期が過ぎて屋根に積雪するようになると今度は積雪した雪が少しづつ滑り、巻き垂れに悩まされます。スノーレーンでおなじみの陸屋根は屋根面に樋を付け排水口に集めた屋根の融雪水を室内を貫通する雨水管から排水するものですが、木の葉やごみが詰まりやすく、また室内の雨水管が凍結せぬように融雪ヒーターが必要となり、結果としてかなりの電気を必要とします。要は以前は落雪させていた雪を載せておくままにするためにかえって、落とす以上の悩ましい苦労を背負い込んでしまったのが、現在の北国の一般的な板金屋根なのです。

2009年の銭函の家から始めたシート防水は、先輩建築家である小室さんから教えていただいたものですが、安価でシンプル。耐久性も高く、前述のような悩ましい北国の屋根の問題をほとんど解決してくれます。

屋根の立ち上がりの出隅部分。増し張りのシートでしっかり防水されます。

今日の旭川の外気温はなんと-10℃。そんな寒さの中でもシートをバーナーで暖め溶着液でシートを溶接しながらみるみる張上げてゆきます。寒さに大きな影響を受けないのも北国の工法として好ましいものです。

現場も今日は酷寒の中、作業は進みます。
今日はみなさんに素敵なクリスマスソングを!

2011年12月21日水曜日

北25条の家 内装工事

快調に進む「北25条の家」。棟梁苦心の階段もできてきました。今回の階段は下を物入れにするので力桁は使いません。その代わり床材を段なりにぎざぎざと貼って仕上げてゆきます。

外壁の板金のピッチを割り付ける武田社長。コーナー部分の割付や半端なコマが入らないようにきっちりと割り付けてゆきます。

相変わらず外部が-5℃なのに室内は暖かく本日は10℃です。

今日は素敵な歌声を!やっぱバリーです。


宮ノ丘の家 内装工事

2階のキッチンの位置に自前のパソコンを持ち込み施工図を書きながら現場を見るI所長。「宮ノ丘の家」もサッシが入り、家らしくなってきました。

外壁廻りは、尊敬する先輩建築家の井上武久さんに影響されて唐松の柱と針葉樹合板をそのまま見せる意匠(デザイン)で考えています。

まだ廻りに資材がありますが、柱の色と合板の色がぴったり合っているのがお分かりでしょう。間柱もうるさいので省略し90cmおきに立てた柱と合板にスキッ!と窓が入る感じで簡素にシンプルに作ってゆきます。

壁の外側に壁を貼る場合はこのように(大壁)と表示しておきます。柱が壁で覆われるのだから中に配線してもOK!といったようにどこの柱は出たままで、どこの柱は隠れるのか。といったように各部分を明解にしておきませんとスイッチや配線の行き場がなくなります。こうした交通整理も地味ではありますが、設計者と現場の連携なのです。

カーポートにも中間足場がかけられ電気屋さんが配線をしてゆきます。

今日は再びポリスなんていかが?

2011年12月16日金曜日

春光の家 雪にも負けず

今日の旭川は午後から激しい雪になった。100坪を超える春光の家の屋根の上では懸命の工事が続いている。防水まであと一歩。外部を囲い一層でも断熱工事が終われば、状況は劇的に好転する。N所長、K棟梁あと一歩!頑張りましょう!

一服の休憩の間も雪は降り積もり丸鋸や釘打機を隠してしまう。

室内では、搬入された木製サッシが塗装後、乾燥養生され取り付けを待つ。




冬の夕暮れは早い。3時半には照明が必要になる。

現場に貼られた図面。これから天窓の取り付けを行う。

帰りの気温は約-6.1℃。急激に冷え込む。

今日は倉木麻衣でもいかが?

北25条の家 気密測定

本日は気密試験の日、朝から現場には緊張が走ります。というか大工さんや電気屋さん設備屋さんも腕を上げ、試験を始めた当初よりは余裕を感じるようになりました。全員で忘れていそうなところを確認し、気密テープとコーキングを手に数値を読み上げるDr.タギ氏の声を待ちます。結果はなんと現状でC:0.2cm2/㎡!
北25条の家では部屋の内法寸法重視のために室内側に専用配線層を持ちません。壁のコンセントや配線は従来どおり壁内設置です。にも関わらずほとんど変わらない成績が出るのは、全員のチームワークが優れているという事でしょう。現場の頑張りに拍手!

参考までに、全国一の高性能といわれる北海道の地域仕様「北方型住宅」の性能基準によれば隙間相当面積はC:2.0cm2/㎡以下と定められている。

武田社長とDr.タギ、そして現場の皆さんに贈ります。
ヴェルディーなぞいかがでしょう?






2011年12月14日水曜日

宮ノ丘の家 板金工事02

無事にステイルーフ(無落雪板金屋根)が完成した「宮ノ丘の家」、屋根もフェノバボード180mmの外貼り断熱で、その上に置き垂木をした手間の掛かる作りになっています。先日納めた天窓もぴったりで違和感がありません。

下から空を見上げるのもたいへん楽しい体験です。

 また今日は、電気屋さん設備屋さんともども内装に絡む貫通部分やスイッチの位置、壁の仕上がりやその種類についてしっかり打ち合わせを行いました。実は、宮ノ丘の家の特徴は極力、構造美を見せつつ内装を行わないことなのです。外壁廻りはほとんどすべて柱と梁を顕し、壁も柱の上からボードを貼る大壁(オオカベ)と柱と柱の間に壁を作る真壁(シンカベ/日本伝統の和室のような壁)が三種混在する室内を目指しています。一般に内装にはお金がかかると思われていますが、反面柱や梁の傷や汚れを覆うこともできます。反面今回のようなパターンは仕上げ一発でごまかしが利きません。図面のうちから見えてくる柱や梁はカラマツ材をはじめ強度と意匠性に優れるものをチョイスして養生をし、大壁には通常のものを使う等の見極めと最新の注意が必要なのです。出来上がりは大らかで気取らない感じになりますが、電気の線や設備の管類をいかに隠し取り回すか?といった各部門担当者の悩み深い努力なくして「宮ノ丘の家」の内装はけっして完成しないのです。そんな意味で現場の顔合わせや人間関係の構築はこれまた品質に直結する大切な心がけといえるのです。皆の技量と知恵を合わせて作業に当たります。


今日はEPOでもいかがですか?



2011年12月12日月曜日

みなさんひさぶり!レイ君です!


家に来た時はわずか450gだった体重も1kgに増え
少し凛々しさの漂う最近のレイ君です。

実は家一番のいたずら小僧で...
先日も面白いことをやらかしてしまいました。(くっくっくっ!)

前日の献立がキムチ鍋だった我が家...
当然ながら残ったスープは鍋と共にかなり辛い状態で流しに置かれていたのだが

ふと家人が目を離した隙に流しにジャンプしたレイ君。

世間知らずとは怖いもので...
あろうことかその激辛スープをペロリ、ペロリ...

ふと、今まで経験したことのない刺激に気付いた頃には既に遅し...

悲しいかな...

猫の習性でなんとか口の周りをなめて辛さを薄めようとはしてもそうは問屋が...



長男が悲劇に気付き、救出した直後の映像は目が点の状態で...
(家族は皆、既に爆笑状態)


「レイ君辛いよ~」と言っては見ても...
口の周りの毛にはしっかりと唐辛子エキスが染み込み、なめればなめるほど辛さは補給され続け。
家族の全員が絶えがたい笑いに包まれる中で...なんとか落ち着きを取り戻したレイ君でした。
子猫は好奇心が旺盛、皆さんも目を離した隙にはぜひご注意を(笑)

実はブリグリの川瀬智子のファンだったりします。えっ!意外?.. 私もそう思います。






北25条の家 気密工事

「北25条の家」が気密工程に入りました。そうもうすぐにタギ先生の気密試験の頃合ですよね?ブログで何度も紹介しているように気密においては絶対の自信を持つ丸稲武田建設の武田社長の厳しいチェックの中で今日も現場は進みます。もちろん他の工務店の水準が低いのではなく(笑)基本的に弊社の物件の全てがC値(相当隙間面積)が今のところ0.2cm2/㎡以下ということですからみなさん十分に凄いのです。まあ0.1と0.2の違いといえば、家中の隙間をすべて一箇所に集めたとしたら名刺1枚より小さいか若干大きいか位の差しかありませんが、数値化(みえる化)すれば思わず燃えてしまうのもまた人情(笑)。というわけで今日は気密の監理をしています。

コンセント廻りや...

弱点となりやすい角部分の増し張りテーピング...

先張りされた開口部廻りにしわやよれがないか否か...じっくりと見てゆきます。

外部は既に板金の下地まで到達し板金屋さんの乗り込みを待つばかりです。最近、外壁は木貼りの仕事が続きましたが、「北25条の家」は久しぶりに(2008年の新川の家以来)板金の外装となります。シンプルな壁面を生かしコンパクトなキューブ(四角形)が映えるようにクライアントさんとも色々と検討を重ねました。

この写真を見て「おっ!」とか「ほほう~」と唸る人はまあ...かなりマニアでしょう(笑)。手前が現場の屋根、奥が隣家の屋根ですが雪の量がまったく違いますよね~。そう、断熱がしっかり機能していると室内で暖房しても屋根の雪にはほとんど熱が伝わりません。当然ながら屋根の雪は降ったままの粉雪の状態を保ちやすく→風が吹けば飛ばされやすくなり→氷柱もできづらい。ということになるのです。このシート防水のテーブル屋根を教えてくれた先輩建築家の小室氏曰く「屋根の雪は落とさない、さわらない」がコツとのことで、今ではすっかり弊社おなじみのスタイルになりました。ほんとうに持つべきものはよき先輩です。

さてigrek-Uに匹敵する凄腕の素人パピヨン誠のパフィュームカバーはいかがでしょ?
すごいですよ~。ちなみにベースに絡む高速カッティングギターも彼、カッコイイです。

宮ノ丘の家 板金工事

本日は板金工事。アスファルトルーフィング(防水紙)を下地に貼り天窓廻りをきっちり納めてゆきます。「宮ノ丘の家」の屋根勾配は2寸5分(約18°)足元に気をつければ十分立って作業が可能です。この屋根に落雪防止の屋根材を貼り天窓を付けます。北海道の美しい雪を愛する建て主夫婦がいつでも、天空から舞い降りる雪を室内から楽しめるように天窓は80×140cmの大きめのものを用意しました。もちろん夏場の昼間は開放すると家中の熱気を吸い上げ、夜間に開放しておけば夏の夜のすがすがしい森の冷気が室内に流れ込んで1階の土間床を蓄冷するという仕掛けです。
森の中という敷地の特性を生かして冬も夏も楽しみながら日々暮らせるように建築物理を担当するDr.タギ氏や剛建築工房のI所長、I棟梁との協働作業が続きます。

宮ノ丘公園を望む絶景の中工事は進みます。

天窓の上部に雪避けを打ち付けます。

窓と野地板の際はしっかり防水テープで目張りします。

高所の安全に配慮しながらM主任のきめ細かな管理は続きます。

今日は凄いテクで注目のigrek-Uのバンアパ!本物も凄いけど彼も最高です。