2011年10月20日木曜日

地方都市には厳しい時代

この写真を見て、不思議だ?と気付く人はかなり鋭い。写真は旭川駅の前から宮下通りを撮影したものですが、角のビルが取り壊され空地になった結果、隣の西武の大きな壁が露わになってしまいました。大きなビルの通りに面さない壁面が見えるのは、碁盤の目状の街区が多い北海道では珍しいことです。駅がリニューアルする影で駅前の賑わいは年とともに確実に寂れていますね~。地方都市が生き残るためには、駅前の賑わいを絶対に落とさないことが大切なのですが、こうした空き地ができると特に夜間は街区の一角が真っ暗になり誠によろしくありません。以前は確か道北バスの待合所があったり、地下には伝統を感じさせる飲食街がありました。

お昼を街中の新しいお店で食べたのですが、味も良いですし、盛り付けのセンスも感じます。しかしひとつ気になったのは、お昼のお客が30分間私一人だったことです。かつては賑わった買い物公園も、近年では空き店舗が目立ち、賃料が下がったので若い店主達が素敵なお店を出し始めました、しかし肝心の客足の寂しさは残念です。ものづくりに取り組む若い人は絶対に街から追い出してはいけません。街は生きていて彼らは未来のまちの一部だからです。

パスタにはとろろ芋がパプリカと共に入っていてしゃきしゃきとした歯ごたえが新鮮でした。

2条のたくしょく市場。ほんとうに街中の市場は少なくなりました。

5-4仲、焼き鳥ぎんねことラーメン蜂屋で有名な界隈はきれいに小路がリニューアルされて賑わいを感じました。商店街も飲み屋街も絶対に歯抜けの店舗はいけません。寄り添って全店、暖かな明かりが灯らねばだんだん人は離れてゆきます。でもいい雰囲気でしょう~?街が生きている感じがしませんか~。

この雰囲気にはこんな明るさが似合いませんか?
(笑)大切なのはもっと笑うことかもしれません。


春光の家 コンクリート打設2回目

本日は旭川に来ています。「春光の家」では二回目のコンクリートが打ち終わり脱型後の清掃が行われています。写真は床下のシンダーコンクリートから顔を出す暖房用のポリエチレン管です。しっかりとまとめられ口には絶対にコンクリートが詰まらないように養生がしてあります。さらにコンクリートを流す際に管が汚れぬように差し込んだ鉄筋にしっかり結んで浮かしてあるのがお分かりでしょうか?現場をまとめるN所長の細かな気遣いと設備屋さんの丁寧な仕事で管は全くコンクリートで汚れていません。何気ないカットにも現場員の熱意を感じることは誠に嬉しい事ですよね~。

スラブ(床版)の中に折り曲げられる鉄筋が立ち上がっています。床下をしっかりと清掃した後に床版を打つための型枠を組み立て始めます。

貫板を型枠に用いたエントランスの打放シ壁の様子。ほとんどもくろみどおり打上がったのですが、N所長は若干不満な様子、一箇所のみ型枠の締め付けが甘く予想外にトロが回り目地が繋がってしまったところに若干の補修をかけます。コンクリートの打放しは以前は90×180cmの合板を型枠に用いるものが多かったのですが、私はこれよりむしろ合板型枠が登場する以前の貫板によるものの方が人間味があって好きです。貫板を用いるとコンクリートの地肌に木目や節がプリントされます。板の継ぎ目は微妙な隙間にトロが回り特に太陽光を受けると美しい陰影をあらわします。実はこの貫板の巾は外壁のものと揃えてあって、出来上がると素材感の対比が楽しめるように考えています。

節や木目がプリントされたコンクリートの地肌。

アンカーボルトが90cm間隔に埋まっています。スラブコンクリート脱設時にはねじやボルト部分にコンクリートが付着せぬように厳重に養生をしてから行います。
ああ!このアナログ感、全てが手作りの工事現場のめんどくささが私は大好きなのです。

尊敬する加藤登紀子さんでも聞きませんか。



宮ノ丘の家 配筋工事

なかなかにヘビーな根堀が終わると基礎の下に敷き砂利をして、基礎の鉄筋の組み立てが始まります。「宮ノ丘の家」では基礎の半分が土の中に埋まるために土の圧力も受けます。周囲に暗渠パイプ(地下水を集める管)や打ち継ぎ部分から漏水せぬように止水板の追加等々、後々のトラブルにならぬようにできる事は全て盛り込みます。またコンクリートの打設時の気温に応じては温度補正(一般的には氷点下のコンクリートの脱設には凍結等の危険が伴う。したがって気温が低いときには、コンクリートの設計強度や粘度等を最適化するために生産プラントに指示を出す必要が生じる。コンクリートは全て同じに見えるが実は純然たる化学製品であって、取り扱う環境によって全てオーダーメードでつくられている。)をプラントに連絡し、現場の生産が絶えず安全側に傾くように配慮しながら現場は進みます。担当のI所長は手順よく指示を出しながら現場を切り盛りします。

ベース筋の配置


この状態で、行うことは概ね下記の項目となります。
1:縦筋、横筋のピッチの確認。
2:重ね継ぎ手の長さの確認。
3:結束の強度(鉄筋がぶらぶらしていないか?)
4:開口補強筋やフックの有無。
5:基礎底盤の被り厚さ(コンクリートピースの寸法確認)
6:ベース巾、厚の確認。
7:ケーシングの位置と離れ及び周辺補強の有無。
8:止水板の取付

今日は大好きな越智志帆でも...

2011年10月16日日曜日

みなさんこんにちは! れいくんです。

先日、次男の友人が持ち込んだ子猫。既に家には二匹の猫がいるがこの顔で見つめられて、ナァ、ナァと鳴かれると誠に困ってしまう。もと野良猫ながら性格もよく、すりすりやごろごろも誠に悩ましい限りである。

気持ちよくなると座ったまま、寝てしまう。その顔がまた実に困るのである。

まあよければトレバーホーンでも一緒に

西野の家 内装工事その二

さてブログをご覧の皆さまにはおなじみの、内装工事の仕上げの時期がやってきました。過去のブログを見てもお分かりのように、恐る恐る?(笑)現場でだめ出しを小声で出しつつ、各部分の詳細を見て回ります。よく図面が完璧ならば現場で調整する必要自体がない!と断言する人もいますが、どんなに図面が上達しても、現場で感じる違和感を完全に解消することはなかなか難しいものです。写真は内照式照明の板を天井に取り付けているところですが、長さは当初より15cm短く調整しました。

点灯する場所によって照明板の色を変えて配置します。今回は反射率の高い白色の天井ではないので、照明器具の数がある程度必要になってきます。(パワー勝負)昼間は楽しげな天井のパターンとして目を楽しませつつ夜間は間接照明として使うことを当初から考えました。

写真は土間のモルタルを左官屋さんが行っているところです。船と呼ばれる敷物の上にのりコテ一丁で見る見る床を塗り上げる様子はやはり名人芸です。

手摺の角の落とし具合はいつも私自らペーパーを持って回ります。

天井の梁にクロスが少しかぶせ気味に貼ってあるのがお分かりでしょうか?以前にも紹介したように壁紙も木材も乾燥により収縮します。その際、余裕がないとすぐに隙間が目立ってしまいます。そこでこのようにわざとクロスに余裕を見て貼ってもらうのです。当然ながらこんな細工なくズバッと切ったほうがはるかに仕事が早いのですが、実に丁寧なクロス屋さんは毎回必ずこのように貼ってくれるのです。

拡大写真です。

トイレの手摺はなかなかよいものがない難しいチョイスです。そこで天板を彫りぬき面を取りました。一番最初はニセコの家で行いましたが、なかなかにファンが増えてすっかりおなじみのディテール(細部)となりました。

もう少しペーパーをあてたいですね~。

二階を支える鉄柱の足元には割れ止めの目地を通します。モルタルという素材にとってある程度のひび割れは仕方がないものなのですが、可能な限り伸縮目地を設けてひびが目立たぬように工夫します。(不思議なことに目地を予め設けておくとひびはそこに集まりやすくなります。)

今日は、静かな夜にBOZでもいかがですか?

2011年10月14日金曜日

西野の家 内装工事

内装にクロスが貼られ、柱にはペンキが塗られどんどん家らしくなってきます。家の中に明るく白い色があるとなんだか落ち着きませんか?建築家の中には、モノマチエールといって極力どこまでも同じ素材でまとめたがる人がいますけど、私はどちらかといえばそこまでストイックになれないほうです。(笑)まだまだ修行が足りないのでしょうか?特に木の内装を顕しで行う場合にある割合の白をどのくらい自然に使うか?は毎回悩むところです。この白の割合で部屋の広さや明るさ、天井の高さの印象まで全く異なるところが実に奥深いところです。

天井には間接照明の板が取り付けられました。これから器具が見えすぎないように高さ調整を現地で悩みながら行います。

足場も解体し特徴的な外観が現れました。
月末には内覧会です。ぜひご興味をお持ちの方はおいでください。

今日はとことんTOTOです~。(笑)



宮ノ丘の家 根堀工事

チーム宮ノ丘の生産担当、I所長の号令の下、一気に根堀を完了させた現場の様子です。隣の林と比べると基礎の高さが分かると思いますが、傾斜地がなかなかにチャレンジングなのはこんなところを見てもお分かりではないでしょうか?旭川の現場と比べるとこちらはこちらでまたずいぶんと基礎のボリュームが違います。写真を見ても分かるように左側は浅い基礎、右側は深い基礎というように階段状に深さを分けてこれから基礎を作ります。


Before

After

中央に据えたレベルで道路との高さを測ります。

お宝を発掘!(笑)このまま吊り上げて積もうとしたのですが、重すぎたので明日切断して積み込みます。この敷地はもと雑木林でしたから(実は昔はここらへんは私のクワガタ採りの穴場の一つでもありました。)栗やニレ、ミズナラにタモやセンの木がたくさん生えていたのでした。もうその当時は採れた採れた/笑)

さすがに排出土量は豪快で、敷地の広さに感謝です。

さーて頑張りましょうチーム宮ノ丘!燃えてきましたね~。
なによりクライアントさんにとってよい家づくりになりますように!
ということでGood For You!


春光の家 基礎断熱工事

春光の家は基礎(断熱)工程まで来ています。昨日は旭川出張でした。基礎の外側に12cm、内側に5cm合計17cmの断熱材を基礎外周部の両側に使い、床下には10cmのものがモルタルの下に既に敷き詰められています。外周部分は断熱材がコンクリートの型枠代わりになるためにベニアが見えません。反面外周部以外の基礎にはベニアの型枠が必要となります。

屈曲部分を丁寧に見て回ります。ご覧のように断熱材の厚さが75mmを超えると直接型枠として断熱材を使えるためにベニア型枠が節約できます。さらに浅基礎とすることでコンクリートの液常時の側圧が減るので内側の5cmの断熱材も型枠を省略することが可能となります。このように直接現場からコストダウンのヒントを得ることが少なくありません。机の上でじっくり考えることも大切ですが、現場を注意深く見回して要不要の判断ができるように、特に積算を担当する人ほど現場から学ぶ機会が必要になります。50mの基礎をつくるには50mの型枠が必要とは限らないことをぜひ憶えておいてほしいものです。

やわらかい断熱材の直進性を確保するために、水糸を逃がして(材料に対して一定寸法平行に)通して基礎の精度を確保している。型枠と水糸の間が50mmと約束すれば、全ての部分でその位置になるまでセパレーターを締め上げて、コンクリートを流す溝の巾が揃うという仕組み。

今日はふと耳にした懐かしい曲TOTO好きにはいいかも!


2011年10月13日木曜日

西野の家 内覧会のご案内


ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「西野の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。「愛犬とのんびり暮らす」をテーマに簡素で気取らない外観とは裏腹に北海道特産のローテクでECOなノウハウが満載です。ぜひご覧下さい。  


チーム西野  プロジェクトマネージャー   山本亜耕


「西野の家」とは?

2009年から開始した住宅300mm断熱プロジェクトの第四弾となる。昨年の「南あいの里」、「菊水」のプロジェクトで得たノウハウをもとに、さらに費用対効果を高め坪50万円台前半で可能な普及型300mmプロジェクトとなっている。自然換気でありながらQ値は1.0W/㎡kを切り、必用暖房容量はついに2kw台に突入するなど、ほとんど機械暖房に頼らないパッシブ(受身/Mか?笑)な設計思想も健在ながら、屋外にドッグランをもち、道南杉の無塗装貼りの外観や土足で使える大きな屋内土間(今回は水洗いも可能)、手稲山を見渡せるロフトやごろ寝が可能な畳スペース等々盛りだくさんです。



■データー

①:Q値   1.0W/㎡/k(自然換気0.5回/hとする。)

②:C値   0.2cm2/㎡(断熱気密工事終了時)

③:必用暖房容量  2.7kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 

④:断熱  壁:30cm相当、屋根:40cm(グラスウール24kg/m3)

⑤:換気      パッシブ換気

⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:電気式パネルヒーター

⑦:給湯      電気温水器

⑧:断熱サッシ  ガデリウスニューエリートフェンスター
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー)

⑨:断熱材    GW24kg/m3


*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。

「チーム西野」 紹介


■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱丸稲武田建設

■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント

■構造材                     物 林㈱

■断熱サッシ                   ガデリウス株式会社

■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ

■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部

いよいよ現場も終盤、気分はちょっぴり淋しいですが~..まあハローグッドバイってことで。
http://www.youtube.com/watch?v=0jEpgb6_dzI

2011年10月11日火曜日

宮ノ丘の家 着工

さて、いよいよ今年の長期優良住宅、「宮ノ丘の家」が着工いたしました。早速、㈱剛建築工房のI所長より基礎の施工図が到着です。敷地が傾斜地であること、長期優良住宅の基本仕様の一つとして床下の配管や設備等の点検交換のための空間を求められること、さらに断熱スカート等々で平面形状は単純ながら、深さと高さの設定が少々複雑です。出来上がれば「なーんだ」となる建築の空間ですが、このようにまだ図面のうちに(実際につくってみるわけには行かないので/笑)しっかり検討することが特に大切です。平坦地ならば私の書く設計図面で十分ですが、傾斜地の基礎となるとこうした用心深さが現場監督には欠かせません。また長期優良住宅の特徴のひとつとして構造が構造計算による根拠を必要としている点も大切です。仕様規定の範疇で設計しているような12cm厚の布基礎やスラブは基本的にNGとなり原則15cm以上のものが必要となります。「宮ノ丘の家」の基礎も地中梁として規定されるものは巾18cm以上のものが要求され、主筋には一部16mmの異型鉄筋が要求されるなど、よりきめ細かく規定されます。まだまだ木造住宅に対する構造計算の導入は一般的ではありませんが、今後ストック型社会を目指すのであれば義務化すべきだと思います。設計のための仕事量は増えても住宅を2~30年で消費するような考えとはそろそろ決別すべきときではないでしょうか?
自分の家の構造に興味がない人なんていないと思うのですが。

そんな意味も込めて今日は、愛すべきジョンベルーシを悼みながら。


2011年10月4日火曜日

西野の家 外装工事

朝日に浮かび上がる道南杉の外壁。チーム西野を引っ張る丸稲武田建設さんの内野沢棟梁の作品です。通常の外装工事はサイディング屋さんとか、板金屋さんが近年は多いですよね~。大工さんが外装や内装まで仕上げるのは意外にめずらしいと思います。印象は精緻でモダンな印象。私は縦の押し縁の間隔が10cmくらいが好きですが、ここらへんは各設計者の好みが分かれるところでもありますね~。

上の写真の拡大です。杉の押し縁(棒)が10cm間隔で並ぶ様子です。

こちらはドッグランの内部。廻りから覗き込まれることなく自らの空を満喫できるように考えました。

10月末にはチーム西野全員で内覧会を行いますからみなさん是非お越しくださいね~(笑)。

秋ですし~一緒にピーターセテラでも。



小さい秋見つけた

急激に冷え込んだ昨日の冷気で、一気に色づき始めた山の木々、短くて小さな秋が始まりました。

まだ葉の中心は緑のまま。

ちらほらと美しい紅葉の季節が始まります。

今日は一緒に野宮 真貴でも聞きませんか?

2011年10月3日月曜日

春光の家 配筋検査+ベースコン打設

本日は春光の家の配筋検査とベースコンクリートの打設です。気温は今朝、急激に下がり旭川近郊では雪が降りました。二週間前は30℃だったのに一気に秋を通り越して冬に突入です。明日からは持ち直すそうですが、お天気ばかりはなかなか思うようになりませんよね。(笑)しかし担当のN所長 はベテラン。気温が下がるのを見越してコンクリートプラントに連絡して、低温用の温度補正をかけてくれました。現場ではいろいろなことが起こります。管理者の的確な判断と気転の速さで建物の品質が守られるのです。まさにチームプレイ。感謝です。
向かって左がバイブレーター(振動子)、右が打込役です。通常はベースの打設にはバイブレーターは用いないことのほうが多いのではないでしょうか、こんなところにも丁寧さが現れていますよね。(笑)
*:バイブレーターの役目は型枠内のコンクリート詰まりを防止し、型枠の隅々まで密にコンクリートを充填させることを目的に行う。したがって「コンクリートの入りにくい状況では使うよ~。」というのが多い。反面コンクリートの打設にはたとえそれが入りやすい場所でもバイブレーターは必ずセットで行うという方針が橋本川島さん。小事にこだわるよりもまず基本を大切にという精神なのです。

かなり広い範囲なので、圧送車を動かして南北の工区に分けて打ち込みます。現場員のみなさん寒い中ごくろうさまです。

なんだか竹内まりやが聞きたくなりました。


ASJ 札幌HKイベント

10/1~2は、札幌スタジオを開設した橋本川島コーポレーションさんの初イベントでした。たくさんのご来場をお待ちしていたのですが...雨のせいか客足は今一といったところ。ASJのことは以前にもお話している通り、私たち建築家と一般のクライアントの出会いをコーディネートしてくれる会社です。こうしてブログを書き始めてたくさんの方々に少しずつ、私の活動を知ってもらえるようになりましたが、いかんせんまだまだ1馬力に過ぎません。社会の中では私たち建築家はまだまだ一般的な存在とは言えないのが現実です。そんなときに建築家とクライアントの間に立って、両社の間を取り持つのがASJなのです。私も昨年の「菊水の家」ではじめてお仕事をさせていただきました。今後さまざまな形で建築家の認知度が上がってほしいと思いますし、お互いを結びつけるコーディネートは、ますます大切になると思います。まさにコミュニケーション産業ですね。

まあ明日があるさね~。

UIA東京大会

9/26~28までUIA東京大会に行ってきました。世界中の建築家が参加する国際的なイベントで国際フォーラムをはじめ各種の展示や催しがあります。もちろん世界的な建築設計のトレンド(傾向)や今後10年の大きな流れをダイレクトに感じる貴重な場でもあります。北海道からは約60名が参加し、私も有楽町の東京国際フォーラムで世界の風を感じてきました。

建物を二棟に分け間に通り抜けができる広場を配した東京国際フォーラム。UIA東京大会のメイン会場でもある巨大施設です。


クリストフ.インゲンフォーフェン、ドイツの建築家で世界を股にかけてビッグプロジェクトを行う。本人もかっこいいです。彼の仕事の特徴は最先端の建築物理を用いた透明なガラスの建築。また大胆にガラスを用いながらも建設地において最高の環境基準をクリアして見せるのも彼特有のこだわり。

写真はルフトハンザ社の社屋。

高層オフイスの設計も得意ながら

内部の吹き抜けで、各フロアを空調設備に頼らないで自然冷房するのだそう。

まったくそのスケールの大きさには脱帽でした。まさにパッシブ換気の王様みたいなビルディング。でも考え方は北海道の建築家として共感できるものです。自分たちの設計思想がけっして世界的な建築の潮流に遅れを取っていないということが大きな自信にもつながった旅でした。

丸の内は言わずと知れた三菱グループ発祥の街。かっこいい商社マンやOL達が首からIDカードを下げてお昼を楽しむ光景はやっぱ東京でしょう。(笑)

ということで私たちもビルの谷間のサンクンガーデンでお洒落に昼食です。立ち寄ったお店は本場のピザオーブンで焼くピザのお店。感想は美味しくてびっくり!東京って何でもありますね~(笑)

旅の相棒はアトリエO2の大杉さん。建築家仲間であると同時に、ご存知今や札幌でも有数の売れっ子です。大学の後輩でもある彼と一緒にあちこち歩きながら久しぶりに建築訪探を満喫いたしました。

お昼の後は、一度見てみたかった東京カテドラルへ。設計者の丹下健三は同時期に代々木の体育館も設計している。内部の印象は圧巻の一言。カトリック教会が大切にする神の力を表現した垂直の大空間はゴシック的な空気感に満ち満ちている。手法こそモダニズムだがその権威の表現は正統なゴシックを感じさせています。

懸垂屋根で有名な代々木体育館。こちらも強烈でした。これを47年前に作ったとはほんとうにびっくりです。

この建物ができたときはこんな歌が流行っていたんですよね~。