今日は、お勧めの本を紹介いたします。
「住まいの断熱読本」夏、冬の穏やかな生活づくり/彰国社です。
この本は、これからマイホームをお考えの方をはじめ、私と同じ設計者のみなさんにも是非呼んでいただきたい一冊です。現在の北海道を代表する研究者達の共著であるばかりか、内容は平易な表現で分かりやすく、そもそも断熱とはなんなのかを教えてくれます。皆さんにとって興味深い6つの章にテーマを分けて6人の研究者が北海道における私たちの暮らしと断熱の関わりをやさしい表現で伝えてくれます。
お問い合わせ
(社)建築技術協会 http://www.phoenix-c.or.jp/~hobea-j/index.html
■この本はこんな人に最適です。(専門家、素人を問いません。)
1:家づくりに関して目からウロコを落としてほしい人。
2:エコキュートかエコジョーズか?はたまた地中熱HPか?太陽光か?悩みが尽きない人。
3:ECO.には興味があるけれど何から先にしてよいか今一分からない人。
4:ECOだ環境建築だといえば結局設備や性能の話しになることに疑問をもつ人。
5:北海道の施工や設計は今後ほんとうにこれでよいのか疑問を持つ人。
6:機械や快適設備による快適な室内気候制御に興味のある人。
7:勉強と称し、ふと気付くと、パンフレットと雑誌しか手元に集めていない人。
8:デザインと機能の融合を目指す人。
9:とりあえず家に関する本を一冊は読みたい人。
10:目に見えるデザインを主にしてきた人。
11:次世代省エネ基準で十分と考えている人。
12:クライアントからあなたの設計は暖房費が高いねと言われる人。
13:循環型社会、ストック型社会と言われる中でどんな建築をつくるべきか悩んでいる人。
14:北海道の断熱はある程度の限界に来ていると思っている人。
15:世の中には素適な選択肢がありすぎて優先順位がつけられない人。
16:将来建築の設計者になりたいと思っている人。
17:場所性が消滅し時間と距離の概念は既に絶対的トラウマとはなり得ないと信じる人。
18:建築とはエコールドボザールだと信じる人。
19:自らの家の燃費を知りたい人。
20:風を作り出せる家の建て方に興味のある人。
22:北海道の技術は自らの地域には合わないと思っている方。
23:高断熱は大切だが気密性は体に毒だと信じている人。
24:カビや結露で苦労している人。
25:断熱しないほうが建物は長持ちすると信じている人。
26:健康に興味がある人。
27:冬場どうしても運動不足で太りがちな人。
28:行政の立場にいる人。
29:立法の立場にいる人。
30:世界的な競争力を有する建築技術に興味がある人。
31:建築の部品を売ったり、作ったりする人。
32:学校の先生。
33:寒さが何か知りたい人。
34:農業をしている人。
35:漁業をしている人。
36:ほんとうのECO建築をつくって見たい人、それがほしい人。
読んだ人はぜひ感想を聞かせてください。
2010年10月26日火曜日
菊水の家 外貼り断熱工事
白く見えるのは外壁に貼られた防水透湿シートです。フェノバボードの9cm厚はこの下に貼りこまれています。下の写真を見ても分かるようにジョイント部分にはヒートブリッジが現れません。
菊水の家では現在外貼り断熱工事の真っ最中。本日も寒い中ごくろうさまです。外壁の仕様は基本的に南あいの里と同じですが、サッシの種類が違うために窓周りの取り合いがずいぶん異なります。それにしても外貼り断熱材も最近は厚くなる一方です。先日のブログでDr.タギ氏が言っていたように、これからは建物の省エネ性や環境性を断熱に軸足を置いた方法論で満足させてゆく必用があります。暖房機のパワーに頼る暖かい家やECOな家が現在までの主流ですが、ずいぶん最近は見直され、むしろ市民の方の意識が高いですね~。
一階の車庫部分が作業場になるところは、銭函の家に似ています。
南あいの里の家 断熱気密工事
今、現場では気密工事が終了に差し掛かっています。室内部分に貼る気密フィルムは経年変化に強いJIS A6930-1937、厚手の0.2mmフィルムを重ね、更に長寿命のアクリルテープでテーピングしてゆきます。
トップライト周りです。今週末に予定されている、気密測定に向けて入念に気密化工事が進みます。
長期優良住宅の構造要件である、通常設計+25%UPを満足させるために、南あいの里の家の現場ではステンレス鋼のブレース(筋交いを)用います。サッシを構造の外側に持ち出し、筋交いに干渉しないように工夫することで、外部には水平に窓を連続させながら、構造強度も確保します。
難しいのは気密層を破る部分。しっかりふさぎます。
今日は、みぞれ混じりの寒い日ですが、屋根が完璧にできているので安心です。日本の在来工法は、屋根から先に作りその下で外壁を貼り、内装をします。反対に枠組み壁工法(2×4工法等)では最後に屋根を乗せるために今時期の季節だと現場はぐっと大変になります。何気ない順序や手順の中にも、日本独特の四季に対応した工夫を感じませんか?
屋根の雨水が、破風を伝わるのを防ぐためと、シュッとシャープに屋根のラインを出すために破風は内側に45度転ばして(傾けて)あります。さらにこのまま、妻側(三角の屋根型が見える方向)は、登りながらさらに屋根の中央部が大きく跳ねだす破れ破風ですから、二次元の図面を見ただけではコーナー部分の寸法を出すことは出来ません。日本の大工さんは1:1の寸法の他にルート2倍の寸法も自在に差し金で扱います。うらがねと呼ばれ差し金の裏に書かれた目盛りを用いてこうした寸法を決めるのです。
妻側の破風と桁行き側の破風が転びながら閉じるコーナー部分。
2010年10月25日月曜日
東札幌MS2 床+塗装工事
懸案の床下地の直しも終わり、快調にフローリングを貼ってゆきます。工期がマンションのために週に5日しか取れないこともあり、本日は大工工事と塗装工事のラップ(同時)です。塗装は仕上げ工程、大工工事は準仕上げ工程ですが、通常は大工さんが終わった後に塗装屋さんが入るのが普通です。しかし普段から現場を一緒にしている仲間同士、要領よく作業を進めます。
今回は最初の現場とは違い、床にはカバ材の中巾フローリングを貼ります。もちろん無垢の板で厚みは15mmあります。私とアシスタントの松ちゃんでオイルで拭きあげて仕上げようと思っています。
もと和室の化粧柱に色を入れたところ。今回はガン吹きといってコンプレッサーとスプレーガンで色を合わせながら仕上げてゆきます。もちろん塗装屋さんの腕がよいからできる事です。通常は刷毛。特に建築の塗装は刷毛塗りが標準です。
あっ!クロスにはみ出してる!ご心配なく、はみ出しているのはこれから剥がす古いクロスです。クロスをはがしてから塗ると、下地にまた養生が必要になりますから、このように塗ってからクロスを剥がすのです。もとの仕上げを使ったマスキングですね。
よい塗装仕事の基本は養生。マスキングです。
道具も必ず何かを敷いてから上に置きます。
こちらは、EP塗装の下地パテ処理をしています。ここでも養生は基本奥の便器や床等特に気を使います。
今度は洋室に模様替えするもと和室。台輪に白く色を入れてゆきます。
2010年10月22日金曜日
I LOVE アシュケナージ
みなさんはピアノが好きですか?
少しだけ天井を高くすると響きがよくなります。
特にPA(電気的な音響設備アンプ+スピーカー等)を使わなかったころの音楽。
室内楽やピアノソロなんかは長めの残響も音のうちなので吹き抜けの下で聞くとよいですね~。
さてショパンといえばポリーニ。そう世紀の巨匠マウリッオ ポリーニがメジャーですね。
でも私の好みはアシュケナージ。ロシアのピアニストです。
特に彼の場合は力強さ溢れる若いときの音がいいですね~。
前者ポリーニがひたすら華麗一直線なのに対してアシュケナージは力強さ。
まあ一緒にお付き合いください。
ひたすら華麗なるポリーニ
http://www.youtube.com/watch?v=EXS5c6TXhKo&feature=fvwrel
これでもかっ!アシュケナージ
http://www.youtube.com/watch?v=WpZr_cbYbXo&feature=fvw
二つが別のものに聞こえるのは私だけ??(笑)
少しだけ天井を高くすると響きがよくなります。
特にPA(電気的な音響設備アンプ+スピーカー等)を使わなかったころの音楽。
室内楽やピアノソロなんかは長めの残響も音のうちなので吹き抜けの下で聞くとよいですね~。
さてショパンといえばポリーニ。そう世紀の巨匠マウリッオ ポリーニがメジャーですね。
でも私の好みはアシュケナージ。ロシアのピアニストです。
特に彼の場合は力強さ溢れる若いときの音がいいですね~。
前者ポリーニがひたすら華麗一直線なのに対してアシュケナージは力強さ。
まあ一緒にお付き合いください。
ひたすら華麗なるポリーニ
http://www.youtube.com/watch?v=EXS5c6TXhKo&feature=fvwrel
これでもかっ!アシュケナージ
http://www.youtube.com/watch?v=WpZr_cbYbXo&feature=fvw
二つが別のものに聞こえるのは私だけ??(笑)
対 談
先日、いつもお世話になっている住宅通信社の坪田記者、弊社プロジェクトの建築物理を担当していただくことの多いDr.タギ氏と対談を行いました。北海道も2000年をピークに人口減少時代に入りましたが、電力の使用量をはじめCO2の排出量は依然増加の一途をたどっています。悩ましいのはその主な原因が私たちの暮らしの中にあること。すなわち暮らし分野である住まいからのCO2排出に有効な歯止めが掛からないことです。一見、高断熱高気密化され消費エネルギーを大きく削減したかに思える北海道の住宅ですが、生電気を多用するオール電化の普及や暖かさには十分でも低燃費の観点から見るとまだまだ不足している断熱水準が災いしトータル的なエネルギー使用量は年々増加しているのが現実です。対談では今後必要となる北海道スタンダードの住まいについて建築物理及び設計の立場から様々に意見交換を行いました。
たとえばグラスウールで壁30cm、屋根40cmといった断熱が主流になると年間を通じて暖房に頼らずとも18℃~30℃の室内温度を維持できる事が分かっています。断熱主体に建築を考えることで年間の室温変化は穏やかになり、結果として冷暖房設備で制御することもさらに容易になります。当然ながら必用とされる設備の大きさやコストも壁10cm断熱が主流の現在と比べて遥かに小さくできるのです。四季の変化に富み長く厳しい冬が特徴である北海道においては年間を通じて室内を穏やかで快適に保つ必要に迫られます。そんな地域性との相性を考えると、機械設備主体の方法論よりも断熱主体の方法論の方により多くの可能性を感じます。
これは提案ですが、暖房設備に頼る方法を現在まで続けてきたのだから、これからは断熱主体の方法を試してみる時期に来ているのではないだろうか?
みなさんは「厚い断熱と小さな暖房」の未来、どう思いますか?
2010年10月20日水曜日
Mr.ラインハルト
昨日、バレーマ社のラインハルトさんが事務所まで来られました。バレーマ??とお思いの方も多いと存じますので若干補足をすると、銭函の家の3階部分の日射遮蔽に使った外付けブラインドのメーカーさんです。当初は極力北海道の製品で作ろうと考えたのですが、外付けの日射遮光ブラインドだけはどこも作ってくれるところがなくて最後まで難儀いたしました。一時、オーニング(遮光テント)とも考えたのですが、風対策や紫外線劣化のことも考えると国内の製品では選択肢が無いことが分かり、バレーマ社の製品を採用させていただいたのがご縁です。結果は以前の日記にも書いたとおり絶大(http://ako-re.blogspot.com/2010/10/blog-post_5404.html)で、使い慣れるとカーテンよりも便利なくらいです。
銭函の家、南側の外付けブラインドの様子。左のように完全に巻き上げてしまうことも可能。強い風の中でもがたつかず動作も正確。
アジア極東地区の営業部長という立場のラインハルト氏、銭函の家は、外付けブラインドの北海道第一号、菊水の家は第二号になります。通訳謙日本輸入総代理店エーデルジャパンの白田さんと菊水及び南あいの里の家の開口部の設計と施工を担当する㈱エンヴェロップの鎌田社長とドイツの話しで盛り上がっています。今後製品の採用や両国の技術交換で北海道の建築も大きく発展するでしょう。確かにインターネットは世界をずいぶん狭くしたみたいです。
㈱エーデルジャパン http://www.edel-bm.co.jp/top.html
2010年10月19日火曜日
東札幌MS2 解体工事
マンションリフォームの第二段が始まりました。今度は一回り大きな間取りです。前回の第一弾の現場と異なり、竣功以来一度も大規模リフォーム履歴はなし。今回は36年ぶりに床、壁、天井を大規模に改修することになりました。床を現況のクッションフロアーからフローリングに張り替えるために床を解体したときに目に飛び込んできたのが上の写真です。なんと竣功当時のゴミがたくさん床下に.....。こうしたことを目にするたびに悲しく複雑な気分になります。名前を聞けば誰でも知っている有名なメーカーのマンションでもこの程度。この状態を見てきっとみなさんはなんと手抜きな大工だろうと思うでしょう。現場監督の目を盗んでごみをそのままにするなんて許せない!と思う方も多いと存じます。しかし別の見方もあります。当時36年後に床を解体すると思ったでしょうか?ストック型社会が来ると思っていたでしょうか?時は1974年。前年に起きたオイルショックで物価が高騰するなか、4年前には大阪万博が二年前には札幌オリンピックが開催されました。街中は地下街と地下鉄工事がいつ果てるともなく続き、郊外には膨大な住宅街が作られた時代でした。時代の風は右肩上がり、遥か彼方の中東の戦争で多少物価が上がろうとも日本はすでに経済+技術大国。心配ないさ。といった、どこか楽観的な空気が社会にはありました。
2010年現時の7倍を越える金利の中でサラリーマンは郊外に土地つき一戸建てのマイホームを持ち25年のローンは20年で30年のローンは25年で元金+金利を完済できた時代でした。支払い後は捨ててもいいや。今の家ってそもそも25年も持つものなの?私の同世代の方ならこんな時代の空気感分かっていただけますよね。(笑)
30年以上家がもったら日本の経済駄目になっちゃうよ~。大手ハウスメーカーやデベロッパーが倒産したら大変だよ~。街には失業者が溢れちゃうしさ~。そうよ消費しなきゃ社会にお金が回わらないんだからさ~。むしろ長持ちしてもいいことなんてないわけよ~。建物の価値は減価償却!わかるう~っ?新築のときは価値が最高で10年経ったら価値はないのよ~。くさらない土地と建物は違うんだからさ~っ、それが日本の法律なんだもん。
つくることよりも壊すことでなりたつ社会。古いものに価値なんてないんだからよいものなんて作る意味がない社会。つい先日まで私が住んでいた街のお話しである。恥ずかしいかなノンフィクションである。今よりずっと景気はよかったけどすごく悲しいと思わない?当時だって日本はものづくりの国だった。
みなさんの街はどうですか?
はたして大工一人、現場監督一人の手抜きがほんとうにこの建物を生み出したのだろうか?
ちなみに最近のクライアントさんは、山本さん長く住めるもの、ずっと使えるものを設計してくださいね~という人が多い。会社的には厳しくても私はそちらのほうがなんだか健康的で好きである。
床はことごとく斜めである。床の張替えのはずが、作り直しになってないか~??
まってなよ~お客さん。きっちり作ってあげるからね~っ。
2010年10月16日土曜日
南あいの里の家 屋根工事
南あいの里の家の屋根は二重構造になっています。前回ご紹介したトラスの外側に断熱をしてから、もう一度その上に屋根をつくります。昔は屋根を一回で作り、天井を水平に貼って天井裏に断熱材を吹き込んでいました。結果として天井裏は使えない空間になってしまいます。しかし構造材の外側に自由に断熱することが可能になると室内から見て斜めの屋根なりの天井が可能になります。
屋根の断熱材の上に透湿防水シートを貼り垂木で屋根を掛けている様子。垂木の間が通気層となり結露から小屋組みを守ります。
垂木の間の通気層の拡大写真遠くに見えるのが屋根の頂上になります。
棟梁が加工しているのは屋根の表情を決める破風。今回は勾配に対して45°内側に倒して納めます。
拡大写真です。最後にはステインで黒く塗装されて仕上げとなります。
妻側の軒の跳ね出しは1.5mです。
2010年10月15日金曜日
トラス万歳!
南あいの里の家の屋根はA型トラスをクレーンで吊って作りました。最近はめっきり少なくなりましたが実は私、この木造トラスを復活させることにかなり力を入れています。本日は番外編としてトラスをクレーンで吊っている様子です。トラスの長所は基本的に下に支えが要らないことです。南あいの里の家ではトラスの脚の間(スパン)は6.4m。要は巾6.4mの体育館のような構造です。将来的に間仕切りの変更が必要になっても、かなり自由に間仕切壁を動かすことが可能となります。
A型トラスの-部分が引っ張り強度を負担して脚が開くことはありません。
でも60年前の方がもっとすごいんです。なんと学校建築では当時伝統的和小屋(梁材に曲げ力が作用する伝統的な小屋組み)ではなくて木造によるトラス構造が花盛りでした。トラスのスパン(三角形の底辺の長さ)は10mを超えることも珍しくはありませんでした。
写真はアルテピアッツア美唄(旧 栄小学校:1950年開校)のトラス小屋組みです。
さらに今日は特別大公開。下の写真は増毛小学校の体育館です。どうです!壮観ではありませんか!1936年竣功今年で築74年になります。
オーマイガッ~ド!いったいどうやって組み立てたんだい!最近思うのですが歴史から学ぶことはほんとうに大きいと思います。ぜひもう一度大規模木造の復活を願いたいです。
外観もすごく大きいです。ほんとうに木造かい??と思いませんか?
2010年10月12日火曜日
菊水の家 建て方工事
菊水の家の建て方工事が進行中です。ご覧のように1階より2階が大きく跳ねだす構造になります。木造ではなかなか難しいのですがここでも構造設計のJ建築システムさんに頑張っていただきました。
街中の現場なので隣家と距離がありません。かなり緊張します。
今日の空は秋晴れです。正面の銀杏もそろそろ紅葉でしょうか。
2010年10月9日土曜日
南あいの里の家 外貼り断熱工事
昨日より始まった断熱見学会。天候不順の中たくさんのご見学、誠にありがとうございます。本日は、「残念見たかった。」という方のために概略工程を公開しますね~。この壁構造は9cm厚のフェノールフォーム断熱材を下地強度を保ちつつ1回で外壁に止め付けることを目的にしたものです。大工手間を抑えつつ、生産性の高い(速く工事が進む)ことを目的に最低限の工夫で現場が納まるように考えています。今後さらに改良を加えるかもしれませんが現時点では概ね狙ったとおりの結果が出ているようです。ずばり「普及型ノンヒートブリッジ工法」です。今までの外貼り断熱工法の数少ない欠点としてどうしても熱の逃げ道となるヒートブリッジができてしまうことがありました。
冒頭の図面の屋根部分のように厚い断熱材を1回で貼ろうとすると同じ厚さの木材で受けを作らねばならないからです。
そこでまず壁に断熱材の半分の厚さの下地木材を横打ちし、壁と同じ断熱材でパッキンのように埋めながら、3×6版を極力無加工で貼る方法を考えました。張りあがりは非常に精度が高く、外貼り断熱材の継ぎ目にウレタン充填補強がほとんど必用ありません。文章だと難しいので写真で説明しましょう。
9cm厚の断熱材を一回で切るためには4寸(12cm角)角の材木加工用の大丸鋸が必需品です。
北海道の柱材の標準寸法3寸5分角(10.5cm角)用の鋸では2回切りとなって加工切断に手間取ります。
施工の順序は基本的には3工程。まず1:□45受け材を取り付ける、2:ピースパッキンを取り付け、3:3×6版のフェノールフォームを取り付ける。合計3工程の繰り返しで下から上へ貼りあげてゆきます。
1:下地の取り付けの様子。(棟梁照れてます!笑)
2:ピースパッキンを1:の上に風で飛ばないようにテープで仮止めします。
3:切断加工した3×6版を1と2の上に載せます。
4:あて木をして浮かないようにはめ込みます。写真で分かるように断熱材のジョイント部分に木材がまったく露出しない貼りあがりになります。
*:注意 この工法は外壁仕上げ材の重量や外貼り断熱材の種類によりビスの種類や間隔に厳密なルールが必要になりますので、安易に応用する場合は注意が必要です。それらを無視して行うと外壁の剥落等の事故につながりますので十分ご注意下さい。
資料提供:Team南あいの里 写真:山本亜耕
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