2010年2月1日月曜日

週末の打ち合わせその1

今年の案件の打合せをニセコの家で行ないました。久々に訪れるニセコは凄い雪、豪雪という表現がぴったりです。近年、札幌も雪が少なく、知らずに慣れてしまっていたことにあらためて気付かせてくれました。雪の量って本来こうですよね~。(笑)4年前に雪とどう向かい合うか?をテーマにあれこれスケッチをしたことが懐かしく思い出されます。


隣の町営住宅は、屋根がすごい事に...雪庇が落ちただけでも下屋に被害がでそう。(怖)

1階の窓を守るために、落雪の弾道計算等を行なったのですが、もはや屋根の落雪は地面から2.5m上の窓に届いています。

画面:左(風上)から右(風下)へ風が吹くと屋根の上に残った雪は風下側が大きく重くなります。豪雪地域では、この風向きが実は非常に大切です。それにしても一時期は屋根の上に1.5mはらくに積もってますよね~。


リビングから見る朝焼け。


リビングの借景、クリスマスツリーも朝焼けに染まります。

2010年1月27日水曜日

直して使う

先日、クライアントさんから椅子の修理をお願いされました。長年愛用している椅子の座が緩みベルトもヘタッテきたとのこと。早速拝見。スタイルはネオシェーカースタイル、全体は大柄な椅子ですが各部の部材が細く、とても洗練された印象です。材料はメイプル材かビーチ材、各接合部に緩みがあります。座の布ベルトの張力(テンション)でもっている感じです。しかし部品の損傷はどこにもないので、全体のクリーニングと接合部のカシメ(緩み止め)に座の張替えを行なうことにしました。座の色を選んでいただき、これから入院です。直すとまた10年は楽に使えるでしょう。また10年後はどんな色の座を張るのでしょうか?

すらりと背の高いスタイル。贅肉をそいだデザイン。
背のカーブに肘掛の優雅なカーブ。

接合部も肉抜きされています。


座の表と裏に布テープを張った袋張り。従って布テープは倍の面積を要します。

布巾は30mmで厚さは2mm程度。編みこみ方法と止めかたをこれから工場と打ち合わせます。
というわけで、家具を再生させるプロジェクト。乞うご期待です。

2010年1月21日木曜日

ニセコの家 冬の暮らし

ニセコの家のご主人から、素適な写真をいただきました。なんでも家の中で越冬中のトンボを見つけたとのこと。「え~っ!」、私北海道に住んで長いのですがトンボの越冬は聞いたことがありませんでした。不思議です。

たっ!確かにトンボです!



外はこの状態です。しかしご主人も奥さんも雪かきを楽しんだそうです。

外は間違いなく冬景色です。

南の窓の前にある、大きなトド松。ニセコの家のクリスマスツリーです。
冷えたニセコの空気感が伝わってきます。それにしてもこの雪の多さ。青白い雪の日は寒いです。
樹氷が美しい朝の居間。遠くには昆布岳が見えます。

2010年1月20日水曜日

ちょっと寒いところ、暖かいところ

2~3日前の寒気が緩み、今日はずいぶんと暖かくなりました。雪もずいぶん降りましたし冬本番ですね。ところでみなさんのお住いは暖かいですか?寒いところはありませんか?今日は「ちょっと」のお話です。
そう、ちょっと寒いとか、ちょっと暖かいってよく使いますよね~。住宅を設計する上でいつも大切にしていることに、この「ちょっと○○」があります。今の建材やノウハウを素直に使うと寒い家を作るほうが難しくなります。(笑)自慢でもなんでもなく、ほんとうなんです。その結果:家の中=どこでも暖、家の外=全て寒といった極端な家になりやすいんです。
冒頭で申しました「ちょっと○○」は非常に曖昧な表現ですよね~?でも今の建物にはこの曖昧さが作りづらいんです。「家中暖かくなっていいじゃないの?」確かにそうなんですが、たとえば野菜の自然保存とか、お魚を簡単に一夜干しするとか、白菜や大根を洗うとか、お漬物の仕込みに、お味噌を寝かせるとか、山ぶどうやこくわ酒作り、乾燥ハーブを作るとかそれ以外にも庭道具を仕舞う、洗った衣類を陰干しするとか、要はこの曖昧な空間だからこそできることがたくさんあるんですよ~。確かに今じゃこれらはほとんどスーパーで手に入るかもしれません。洗濯もクリーニングに出せばOKでしょう。でもこうしたことを全部だれかに「外注」してしまうことで暮らしがつまらなくなる気もしませんか。

スローライフは分かりますが実践しようとすると冒頭の暖かいだけの家じゃ難しいことがたくさん出てきます。そんな訳で料理も好きな私にはこの曖昧な部分がとても大切なんです。設計するなら暖かいだけの家のほうがずっと簡単で気が楽なんですが~、家のあちこちに様々な気候をちりばめながら暖かいところの他にちょっと暖かく寒く作ることに今日も一日悩んでいます。(苦笑)

住宅の設計を目指す若い設計者のみなさんやこれからマイホームをお考えの方々にもぜひこの「ちょっと暖かく寒い」空間の豊かさをわかってほしいなあ~と思います。



屋外の物置に給湯器を置くと機械からの排熱でちょっと暖かくなります。
隣の物置は機械がない分ちょっと寒くなります。
ガラスの屋根付きの二階のバルコニーに、カーポートの日陰の部分。外だけど日光には当たる。でも雨には当たらないとか、外だけど日光にも雨にも当たらないとか、いろいろな気候が建物の周囲に生まれるように考えます。

パッシブ換気の給気口は風下でかつニセコの大雪に埋もれないようにバルコニーの下にあります。


北東側にあるために直射日光が入らない分一日を通じて同じ明るさ、風は通るけどガラス屋根のために雪や雨は直撃しない2階の光庭。



前述のカーポートの中とそれに面する屋外の物置、扉の中は外気より2~3℃暖かく、風の影響を受けない。

2010年1月18日月曜日

きもちの良い場所。

みなさんにとってきもちの良い場所はどこですか?
今年もそんな設計をしたいと思います。(笑) 写真はわが家の愛猫:そら/オス。古くて寒い我が家の中できもちの良い場所を探しだす天才です。なんせご飯と遊びの時以外はほとんどごろごろしていますから、彼にとってゆっくり落ち着ける場所を探すことは人生(ニャン生か?/笑)そのものなのだと思います。床に置かれた箱の上の座布団は、足元の冷気から離れ、南の冬の日差しは低く、家の奥まで差し込みます。曇りガラスは外光を拡散し視線を遮るので外の様子を気にかけることなくのびのび昼寝が出来ます。40年前にこの家を設計した建築家はきっと猫が喜ぶなんて考えもしなかったでしょう。そんな意味では、冒頭から”古くて寒い”などと不服を書きましたが、しっかりきもちの良い設計がなされていることに気付かせてくれます。むしろ自分は同業ながらこの家の中の長所を見つけられなかったのではないか?実は猫の方がずっと優れた住い手で「こんなふうに使うときもちが良いよ!」と諭されているような気分になりました。(笑)、こんな私が言うのもなんですが、住みこなす力ってとても大切だと思いませんか?


私の視線に気付いて目を覚ます。


起きると、耳の後ろがかゆい。掻いているうちに落ち着く(目が覚める?)

しばし見つめ返す。「なにかごようですか~?」


そのうちまた、暖かな冬の光を楽しみ始める。
先日、クライアントさんから「山本さんの提案をお聞きしたいです。」とリクエストをいただきました。とても光栄なことです。クライアントさんには大別して、自らの希望を形にするお手伝いを主に望む方と自らの発想を超えた提案を望む方がいます。どちらが上でどちらが下ということはありませんが、建物が完成した後、双方に必要となるのが、住みこなす力のようなものだと思います。「けっして後から困らないように、快適設備はフル装備でお願いしておきましょう。」ということではなく、むしろ反対の発想です。必要にして十分、装ってはいても、けして着膨れしていない。美味しく食べても食べ過ぎないバランスのよさ。なにごともあまり執着しすぎることなく、おおらかに前向きに考えること。住い手の上級者になるためには、一番大切なことかもしれません。

2010年1月8日金曜日

新興住宅街

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて~

今日は、敷地を見に出かけました。近くには新興住宅街が広がっています。四角い陸屋根はしっかり北海道のスタンダードになりましたね~。



北海道風テラスハウスも四角い屋根です。
おっ!四角い中に三角屋根が...

フランス風をイメージしたのでしょうか?(笑)なんか南仏風も雪に映えますね~。


こちらは、デンマークの長屋です。



同じく新興住宅街です。さて~みなさんはどちらの街を歩いてみたいと思いますか?マイホームをお考えの方もそうでない方もぜひこの機会に両者を見比べてどこが違うのか見つけてください。大発見を隠しておきました。分かった方はぜひ私にお教えくださいね。(笑い)




2009年12月30日水曜日

年末のご挨拶

ブログを読んでいただいた皆様へ
今年から始めたブログも、おかげさまでたくさんのアクセスを頂だいいたしました。新築を超えるリフォームを目指した「西岡の家」、道内の技術と材料で0エネルギーハウスを目指した「銭函の家」、どちらも内覧会にはたくさんの方に来て頂いてほんとうに嬉しく思います。この場をお借りして御礼申し上げます。今回、会場に来ていただいたみなさんの声で印象的だったのは、「道内の工務店でもここまで出来るの?」とか「北海道で杉が取れるの?」とか「ほんとうに全部北海道の技術なの??」といった声が非常に多かったことです。設計者の力量はさておき(笑)、実は北海道の住宅建設の技術水準は非常に高く、附帯する研究や新技術の開発、建材の質においては全国一といっても過言ではありません。住宅建設に携わる全ての方々の名誉のために言うなら、北海道で家が持てるということは建て主にとって実に幸せなことに違いありません。先進国であっても食料の自給率を上げることが大切なように、様々な分野のものづくりの結晶である住宅ももっともっと自給率を上げてほしいと思っています。現在の統計では、建築家に家の設計を依頼する人は全体の3%にも満たない状況ですが、けして諦めることなく北海道の素適な名店、技術、素材をたくさん紹介したいと思っています。そうして北海道といえばまず「旨い食品」ばかりではなく、「住宅デザイン」と全国的に認められるように来年も精一杯努力してまいります。またたくさんの方からお引き合いを頂だいしたことにあらためてお礼申し上げます。今年も例年通り(笑)お休みはほとんど無いと覚悟しておりますが(爆笑)、みなさまのご期待に沿えます様に力一杯、努力する所存です。今年は年末ぎりぎりまで業務が伸び年賀状が元旦に間に合わない方もいてたいへん申し訳なく思っています。どうぞお許し下さい。今日から明日に掛けて道内は荒れるとの予報。皆さま帰省の際は気をつけて。ご家族のみなさまともどもお体ご自愛下さい。それでは良いお年を。一年の感謝を込めて本年最後のブログとさせていただきます。 山本亜耕




2009年12月26日土曜日

銭函の家 内覧会の様子

みなさま年末のお忙しい中、内覧会にお越しくださいまして誠にありがとうございます。この場をお借りいたしまして御礼申し上げます。時節柄、環境的な関心も高いようで本日もたくさんの「へぇえ~」を頂きました。27日(日)も朝10:00より開催しておりますので、ぜひお越し下さい。













2009年12月17日木曜日

銭函の家 完成内覧会のご案内

北海道の技術と材料でつくった0エネルギーハウス、「銭函の家」の内覧会を行ないます。年末のたいへんお忙しい時期とは存じますが、ぜひおさそい合わせの上ご覧いただければ幸いです。公開日は12月の25,26,27(金~日)の三日間。27日には公開による気密測定試験も予定しています。設計者はさておき、環境建築を考える上で、現在北海道で実現可能な技術とノウハウを結集しました。ハイテクECO建築も素適ですが、ぜひローテクの最先端に触れていただければメンバー一同望外の喜びです。建築は地元の「つくる力」のバロメーター。北海道の素適な素材、様々な工夫やアイディア、最新の環境コンセプト、匠の技をぜひご覧下さい。



「北海道のパッシブハウスを作る会2009」メンバー紹介
銭函の家は、通常行なわれているように設計者が仕様を決め、図面を完成させてから各業者に見積もりを取る方法ではなく、目標金額を事前にオープンにし、どうすれば目標性能と価格をクリアできるか?を徹底的に話し合うことにより設計を進めました。コストの専門家や熱性能の専門家、開口部の専門家に材料の専門家、施行の専門家とコラボレーションしながら設計図を進めることで、端から出来ない図面を描く手間を減らし、その分十分な検討を行うことが出来ました。

ゼネラルコンストラクター:㈱橋本川島コーポレーション、建物の生産全般を統括する道内の中堅ゼネコン。旭川市に本社を置き、札幌支店の実績も豊富。公共事業からいち早く住宅事業に進出し道内において様々な仕事を手掛けている。同社のHKハウスは、道内でも珍しい200mm複合断熱が標準仕様。省エネや環境建築に対する意識も非常に高く、北海道が認定する断熱のスペシャリストBIS(断熱士)等の資格者も多く在籍している。㈱丸三ホクシン建設、大工工事を担当する老舗の地元工務店。現在二代目の社長は棟梁であると同時に建築士の資格も持つ。驚いたことに同社の大工はほとんどが正社員として働き現場毎に勉強会を催すなど、こと木の扱いに関しては熟練の技が冴える。また断熱や気密、換気に対する非常に丁寧な仕事は建物の基本性能を支えている。飯田ウッドワークシステム㈱、銭函の家の断熱サッシを担当した道内を代表する木製サッシュメーカー。現在、市販で手に入る最高性能の窓でさえ0エネルギーを達成するには不十分であることが設計当初より悩みの種だった。さりとて外国製を輸入して済ますのはコンセプト上、最後まで避けたかった。そんな時、ほとんど献身的とさえいえる情熱で世界水準のサッシの設計と製造を引き受けてくれたのが同社。壁厚を用いたWスキン玄関ドアやトリプルガラスをフローティングマウントする木製カーテンウオールは同社の長い研究開発の成果といえる。詳しくはhttp://ako-re.blogspot.com/2009/10/blog-post_21.html
㈱物林、道内に多数の自社森林を有する木製建材商社、構造材の選定や仕上げ材、構造計算及び金物、プレカット等を担当。特に長期優良住宅の難関である、構造強度25%UPの要求に関しては、製造と設計一体のシステムがたいへん有効だった。同社の扱う耐震開口フレームも当然ながら第一級の道産製品。(有)タギ建築環境コンサルタント、環境建築を作る上で必要とされる断熱性能、耐結露性状、必要暖房負荷、パッシブ換気等、建築物理分野を担当、従来は断熱材150mmくらいで~などと、理由はさておき単なる経験的な仕様として決めていたものを、目標性能を実現するためにはどの程度が適切か、といった視点から計算と過去の豊富な測定実験結果よりアドバイス。「銭函の家」の壁や屋根の断熱構造の根拠となっている。当人は正真正銘の工学博士。㈱京セラFC札幌、第二期工事で予定されている太陽光パネルを担当。最終的には自ら使うエネルギー以上のエネルギーを太陽光により生み出すことを目指している。山本亜耕建築設計事務所、北海道の先進的な技術で0エネ住宅をつくろうと考えたまではよかったが、調べるうちに現在の北海道の技術標準では難しいことが判明。それは慣れ親しんだ自分の流儀である設計の流れさえ諦めざるを得ないことを意味していた。悩んだ末に設計チームを編成し、各分野の専門家のアドバイスをもとに設計を進める方法を思い付く。0エネルギー住宅を、現在の北海道の技術標準を超えたところで作りなおかつ現実的な価格で納めるためには建築家としての私のキャパシティーでは難しかったからです。設計監理、全体統括といえば聞こえは良いのですが、各分野の専門家の相反する意見を調整し可能な限り両立させて設計の内容を決めてゆく作業は、刺激的であると同時に、コラボレーションの生み出す無限の可能性を感じました。むしろ設計者としてたいへん勉強になると同時に最高のメンバーと仕事が出来てとても感謝しています。(笑)




2009年12月14日月曜日

銭函の家 外付けブラインド工事

本日は、外付けブラインドのお話。3階の窓がほぼ真南に面する銭函の家、日光が入って良い反面、入りすぎると困ることもたくさん出てきます。一つが建物のオーバーヒート。建物をしっかり断熱することで、熱が逃げない分不用意に窓から太陽光を入れると冬でも室内が暑くなりすぎてしまいます。ある一定までの断熱レベルならば、庇の長さで夏季と冬期の日光入射をコントロールできますが、それを超えてさらに断熱を厚くすると、もっと積極的に室外で日射のコントロールが必要になってきます。銭函の家は、北海道で初めて外付けブラインドを取り付けた住宅です。室内から簡単な操作でスラット(羽根)の角度を変えられます。便利なのは夜間カーテンの代用としても使えることです。


3階左半分がブラインドを下ろしたところ、右側が巻き上げた状態。


近くで見ると、まんま室内用のブラインドの拡大強化版です。

スラットは自由に角度調整が可能です。


ほぼ全閉状態。


上方向に角度固定することも可能です。


2009年12月12日土曜日

銭函の家 スケルトン+インフィル

スケルトン(骨格)、インフィル(設備や内装)、この言葉を聞いて、「ナールほど!」にやりとしたあなたは、かなりの設計上級者又は住宅好きとお見受けします。(笑)つい最近まで日本の家作りは時間軸をほとんど意識してきませんでした。長く使うことなど前提にして作っていないばかりか、設計の意味すら分からぬままに毎年たくさんの家が建てられます。その結果、建てる前によく考える(設計する)という習慣が根付かないばかりか非常に希薄にすら感じます。今日は、大切な「時間」に関するお話です。

みなさん、スケルトン(骨格)とインフィル(内装や設備)どっちが長持ちすると思います?住宅寿命が20年くらいだと気にならないこの問いも、50年、100年となると俄然重みを増してきませんか?そう日本の 住宅で今困っていることは、寿命の来た設備(インフィル)の交換なんです。たとえば、ボイラーや配管を交換したいと思っても、床を全部めくるとか機械室を壊さないと設備を入れ替え不能とか。燃焼を行なう設備は10年が一応の使用限度。最近では石油から電気やペレットへ熱源の種類そのものを変えてしまう場合も多いですから、消耗品にあたるこれらの部品を簡単に交換できる工夫が住宅を長く使う上で大切なのです。銭函の家では、屋外の離れに機械室を設けています。大切な配管やボイラー等はこの離れに集中的に配置して、室内を一切触ることなく交換や整備が出来ます。


地下のヘッダーから各所へ行く配管。

各室に配管や配線はしていても、大元のエンジンやバッテリーは外付けといったイメージです。


排水も一端、集中的に床下に集めます。


将来的な引き込み(現在想定しているのは太陽光発電)に対応する予備の空配管。

2009年12月10日木曜日

銭函の家 温熱測定

本日は、銭函の家に温度と湿度の記録装置を取り付けました。工事中から一冬のデーター採りのためです。担当はもちろん建築物理担当のDr.T氏、今や弊社の設計には欠かせない温熱分野の環境コンサルタントです。外部、地下、1階~3階の各所における温度と湿度の移り変わりを記録することは地場の技術を検証し発展させる上でとても大切です。ドイツやスウェーデンの工法で0エネルギー住宅ができる事は今や世界的に広く知られています。しかし銭箱の家のテーマは同様の住宅を地元の技術標準で作ることにあります。ご要望とあれば、世界最高水準を地元の設計者や技術者、部品サプライヤーが、北海道の材料でいつでも供給できること。そりゃ~いいやと思いませんか。

記録機本体:一見 簡単そうに見えますが、本体はかなり高価。コードの先にはセンサーが付いていますが、1年で寿命が来るために毎年交換が必要とのこと。
日光の影響を極力避けて設置します。


2階に設置したところ。


階段室を用いて空気の流れを十分拡散させるために、壁にはお馴染み縦格子を用います。


もちろん外部にも設置しています。