今年もそんな設計をしたいと思います。(笑) 写真はわが家の愛猫:そら/オス。古くて寒い我が家の中できもちの良い場所を探しだす天才です。なんせご飯と遊びの時以外はほとんどごろごろしていますから、彼にとってゆっくり落ち着ける場所を探すことは人生(ニャン生か?/笑)そのものなのだと思います。床に置かれた箱の上の座布団は、足元の冷気から離れ、南の冬の日差しは低く、家の奥まで差し込みます。曇りガラスは外光を拡散し視線を遮るので外の様子を気にかけることなくのびのび昼寝が出来ます。40年前にこの家を設計した建築家はきっと猫が喜ぶなんて考えもしなかったでしょう。そんな意味では、冒頭から”古くて寒い”などと不服を書きましたが、しっかりきもちの良い設計がなされていることに気付かせてくれます。むしろ自分は同業ながらこの家の中の長所を見つけられなかったのではないか?実は猫の方がずっと優れた住い手で「こんなふうに使うときもちが良いよ!」と諭されているような気分になりました。(笑)、こんな私が言うのもなんですが、住みこなす力ってとても大切だと思いませんか?
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先日、クライアントさんから「山本さんの提案をお聞きしたいです。」とリクエストをいただきました。とても光栄なことです。クライアントさんには大別して、自らの希望を形にするお手伝いを主に望む方と自らの発想を超えた提案を望む方がいます。どちらが上でどちらが下ということはありませんが、建物が完成した後、双方に必要となるのが、住みこなす力のようなものだと思います。「けっして後から困らないように、快適設備はフル装備でお願いしておきましょう。」ということではなく、むしろ反対の発想です。必要にして十分、装ってはいても、けして着膨れしていない。美味しく食べても食べ過ぎないバランスのよさ。なにごともあまり執着しすぎることなく、おおらかに前向きに考えること。住い手の上級者になるためには、一番大切なことかもしれません。