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銭函の家は、私の事務所で初めての0エネルギー住宅です。これからは大きなエネルギーにたよらない暮らしがいいです。実際、今まで私が作ってきた住宅のほとんどが過剰暖房設備住宅でした。銭函の家の発熱容量は3kw、住宅用のオイルヒーター2台分で50坪をまかないます。 建物の総合的な熱性能を示すQ値は0.6~1.0(換気の評価法による差)となり、特別な暖房をしなくても熱収支を常時+に維持するように設計しました。第二期工事で南面の外壁に太陽光パネルを取り付けると、自らが必要とするエネルギー以上の電気を生み出して現金収支上も+となる予定です。
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ECOは経済だ!と誰かが言いました。みなさんはどう思いますか?今のまま地球が温暖化するとほんとうに大変ですが建築家としてできる事はないのでしょうか?そんなことを考えながら作ったのが昨年の新川の家でした。でも残念ながらここまでが建築家個人の私の力の限界です。今ほんとうにECOな建築を作ろうと思ったらもはや私という建築家一人の知見ではとても足りるものではありません。
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新川の家は暖房費的には大成功でしたが、断熱本来の意味、開口部の設計の自由度や性能、パッシブ換気の進化等の部分ではさらに発展の余地がありました。銭函の家ではそれらを強化するために、熱環境コンサルタントや道内のサッシメーカー、商社、先鋭的な工務店といったその道のプロフェッショナル達の協力を得て私は主に全体的な統括や契約業務、クライアントの予算や工程を監理しながら、コンセプトや建築空間の追及に集中できるといった分業システムで楽をしながら設計できました。以前とは違い、熱分野や開口部分野の専属のスタッフが常時私をサポートしてくれます。個人的な美学や好みの押し付けを減らし、彼らを信頼して任せることで思いもよらないアイディアや発想が生まれました。 「建築家の作品ではなく時代の求める美しい道具を作ろう!」きっとコラボレーションが自分の殻を破ってくれる。